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不安定化の標的になっているシリア
◆6月21日
シリアの北に位置するトルコは、近年は国民のイスラムへの回帰が強まり、イスラエルの対パレスチナ政策に反発する国民的反発を経験したが、長年にわたるイスラエルとの腐れ縁は生きたままのようだ。特にトルコ軍はその創設にユダヤ勢力がかかわったいきさつ上、近代トルコが発祥して以来、イスラエルとの軍事的繋がりが深い。
そのトルコはNATOのメンバー国であり、そのNATOとイスラエルとは準軍事同盟を締結しているので、結局アメリカ・NATOを中心として、このNATO勢力としてのアメリカ・イスラエル・トルコが対シリアで足並みを揃え圧力を掛けてきている構造になっている。
このシリアに軍事基地を持つロシアがそれに対して黙ってみているとも思えない。またトルコの国民は、トルコ軍や政府とはまた違った思惑を持っている。
このシリアをめぐる各国の思惑がどういう結末をもたらすのか、世界の運命とまでは言わずとも、世界の平和のターニングポイントを握っている問題と言えるだろう。
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●シリアの不安定化と中東拡大戦争(その2)
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=25312
【6月19日 by Michel Chossudovsky】
◆トルコの役割
反乱の中心はトルコ国境から10kmにある小さな国境の町であるジスル・アル・シュグホウアに移っている。
この町は4万4000人の人口である。武装勢力はトルコの国境を越えてやってきた。ムスリム同胞団メンバーらがシリア北西部で武器を取ったと報じられている。トルコ軍と諜報部隊がこれらの武装勢力の侵入を支援している兆候がある。
ジスル・アル・シュグホウアのムスリム同胞団
ジスル・アル・シュグホウアでは市民の大量の抵抗運動は存在していない。市民達は銃撃戦に巻き込まれている。武装勢力と政府軍との戦闘は難民を生み出しているが、これがメディアの注目しているニュースになっている。
反対に社会運動の中枢があるダマスカスでは、政府に反対ではなく、政府を支援する大規模ラリーが行われてきている。
バシャール・アサド大統領はチュニジアのベン・アリとエジプトのホスニ・ムバラクと比較されているが、主流メディアが言わないことは、独裁的な政権の性格ではあるが、アサド大統領は人気のある人物でシリア国民からの広い支持を受けている、ということだ。
3月29日にダマスカスで行われたアサド大統領の「数万人の支持者」による大規模なラリー(ロイター伝)と単に報じられただけだ。しかしありえない歪曲だが、欧米メディアによって親政府デモなどのビデオ映像や写真がアサド大統領が反政府デモによる抗議を受けているように報道されたのだ。
6月15日、ダマスカスの幹線道路の数キロに渡って数千人の人々が2.3kmのシリア国旗を掲げて行進した。このラリーはメディアによって認められたが、不適切だということで退けられたのだ。
長大なシリア国旗を掲げてのアサド政権支援デモ
シリア政府が民主的でないことは確かであるが、アメリカ・NATO・イスラエル軍事同盟の目的は民主化をもたらすことではない。はっきり言えば反対で、アメリカの意図は傀儡政権を樹立することにある。
メディアの偽情報を通して行おうとしていることは、アサド大統領を悪人に仕立てることであり、世俗国家としてのシリアを更に不安定化させることである。後者の目的は、イスラム主義者組織への隠された支援を通してなされた。
シリアは独裁的グループによって運営されている。このグループは暴力を使って市民に対処している。シリアでの暴動は、しかしながら複雑である。彼らを自由と民主主義を直裁的に求めていると見ることは出来ない。アメリカとEUが暴動を利用しシリアの指導部に圧力をかけ脅そうとする試みがあった。サウジアラビア、イスラエル、ヨルダン、そして3月14日同盟がみんな武装反乱を支援する役割を演じたのだ。
シリアに於ける暴動は国内の緊張状態を利用しようとする外部からの支援がなされてきている。シリア軍による暴力的な対応の他に、メディアの偽情報が利用され、イカサマの映像が放映されてきた。シリアの反政府勢力に対して、アメリカ、ヨーロッパなどによって資金と兵器が供給された。資金援助は陰険で嫌われている外国に拠点を持つシリア人の反政府人物たちになされた。その間にも、ヨルダン、レバノンから武器がシリアに搬入された。 (Mahdi Darius Nazemroaya, America’s Next War Theater: Syria and Lebanon? http://globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=25000, Global Research, June 10, 2011)
◆イスラエル・トルコの共同軍事・諜報協定
この不安定化のプロセスの地政学は遠大である。トルコが反乱勢力の支援に関与しているのである。
トルコ政府は武装反乱者を支援している追放された身のシリア人反政府グループを容認している。トルコはまたアメリカの要求している政権交代に従うようシリア政府に圧力を掛けている。
トルコはNATOのメンバー国であり強力な軍隊を持っている。更にイスラエルとトルコは長期にわたる共同の軍事・諜報協定を持っている。それははっきりと対シリアというものだ。
1993年の合意覚書はいわゆる地域的脅威に対処する(イスラエル・トルコ)合同会議の創設に繋がった。覚書の条項には、トルコとイスラエルが、「シリア、イラン、イラクに関する情報収集で協力すること、および定期的に会議を持ちテロリズムとこれらの国家の軍事能力に関して査定する」ことが合意されている。
トルコはイスラエルの国防軍と治安部隊がトルコでシリアに関する電子情報を収集することに合意している。その代わり、イスラエルはシリア・イラク・イラン国境での対テロ戦争でのトルコ軍の装備と訓練面で支援してきた。
既にクリントン政権で、アメリカ・イスラエル・トルコの三角同盟ができつつあった。アメリカの統合参謀本部議長が支配するこの「三者同盟」は、三国間の指揮決定に関する統合と調整を行う。これはイスラエルとトルコの緊密な軍事的紐帯を基礎に置いている。
この三者同盟は2005年のNATO・イスラエル軍事協力協定とも連携している。この軍事協力協定とは、「対テロ戦と合同軍事演習など共通の利益に関する多くの分野にまたがるものである。こういったNATOとの軍事協力関係はイスラエル軍から見れば、イスラエルに脅威となる可能性のある敵、主にイランとシリアに対するイスラエルの抑止能力を高める手段となる」 (Michel Chossudovsky,“Triple Alliance”: The US, Turkey, Israel and the War on Lebanon, August 6, 2006)
トルコからなされた武装勢力に対する秘密の支援は間違いなく、この共同イスラエル・トルコ軍事・諜報協定の下でなされたはずである。
◆危険な十字路:拡大中東戦争
イスラエルとNATOは2005年に軍事協力協定を締結した。この協定の下、イスラエルはNATOの事実上のメンバー国となった。
もしもシリアに対する軍事作戦がなされれば、イスラエルはおそらくはNATO軍と共に軍事的行動に入ることになるだろう(NATO・イスラエル二者間協定の下)。トルコも積極的な軍事的役割を果たすことだろう。
でっち上げの人道的理由からのシリアに対する軍事的介入は、北アフリカ・中東・中央アジアにおけるアメリカ・NATOの戦争を、東地中海からアフガンとパキスタンを含めて中国西部まで、広大な領域に拡大させることになろう。
これはまた、レバノン、ヨルダン、パレスチナの政治的不安定化のプロセスを推進させることになろう。これはまたイランとの紛争に新しい局面をもたらすであろう。
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