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鉄条網の張られたマナマの真珠広場


◆2月21日

 中東問題の専門家であるロバート・フィスクが、今アラブ・イスラム国家で起きている反乱・革命は、宗教的なというよりか、大衆的な騒乱であり革命であると指摘している。
 
 このブログでも指摘したように、これは「草莽の民」による本当の反乱であり、革命である。フィスクの見解と同じである。つまり、一般民衆が、仕事がない、人間らしい生活ができない、明日食うパンが買えない、という現実的な問題が基底にあるのだ。

 確かフランス革命も「パンが買えない」ということで婦人達のデモが始まりだったといわれているし、ロシア革命でも同じである。ようするに最終的には、人間は食えなくなれば、暴れるしかないのだ。だから為政者はいかに大衆に仕事を与え、食わせていくか、ということが一番重要なことになるのである。

 ところでアラブ社会をそのような社会にしたのが、欧米の金融資本を中心とするグローバリズムの動きであったが故に、この運動は同時に反欧米にならざるを得ないのだ。そしてその欧米を金融の力で操っているのが、ユダヤ系の者たちであるが故、結局この運動は反ユダヤ・反イスラエルとならざるを得ないのである。

 人々は目覚めだしているのであり、覚醒しだしているだから、独裁的・圧政的な政治を行ってきた国は全てこの反乱の飛び火を恐れねばならない。

 既にチュニジアとエジプトで、政権転覆の実績を積んだのだから、他の国の同じアラブ・イスラム教徒の民衆が自分達の国でできないはずはない、という自信や確信を持つことができるであろう。従ってこの動きはちょっとやそっとでは静まらないと思われる。

 そして最終的には、これが例えば中国の新疆ウイグル地区などのイスラム教徒にまで拡大するかもしれないし、欧米社会でも同じく始まる可能性がある。
 
 ようするにフィスクは中東地域の地殻変動だと言っているが、中東地域だけに限定されたままで終わらないで、世界的に拡大する可能性があるのだ。

 ★「最後の鐘がなる・・・収奪者が収奪される・・・」 マルクスが言ったような「資本主義の最後の鐘」だけではない。あらゆる圧制・搾取の型に対する反乱である。そしてそれは直接的な圧制・搾取に対する反乱から間接的な圧制・搾取に対する反乱へと拡大していく可能性がある。

 日本では河村名古屋市長が始めた反乱も同じ型である。ただずっと穏やかな反乱であり革命の仕方なだけである。だから彼は草莽の民の一人であり、草莽の民の心が分かる政治家であろう。


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●民衆の反乱であり、宗派間の抗争ではない
http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/fisk/robert-fisk-these-are-secular-popular-revolts-ndash-yet-everyone-is-blaming-religion-2220134.html
【2月20日 Robert Fisk - The Independent】

 エジプトのムバラクはエジプト革命の背後にはイスラム主義者がいたと非難した。チュニジアのベン・アリは同じようなことを言っていた。ヨルダンのアブドラ国王は、暗い邪悪なアルカイダ、ムスリム同胞団、イスラム主義者の策略がアラブ世界で起きている民衆反乱の背後にあると思っている。昨日はバハレーン当局は、バハレーンでのシーア派の反乱の背後に血塗られたヒズボラの手が伸びていたことを発見したと思った。ヒズボラを知るには、イランの動向を見よ。一体どうして風変わりで非民主主義的ではあるがしっかりとした教育を受けた人々らがこのような間違った見解を持つようになるものなのか? 世俗的な民衆の暴動に直面して、バハレーンは事態を正しく理解できずに、急進的イスラム教徒を非難した。かつてのイランのシャーも逆の似たような間違いを犯した。イスラム教徒の反乱に遭遇して彼は共産主義者を非難したのだ。

 オバマやクリントンはもっと奇妙な宙返りを行った。民主主義勢力の側に立つべきであった時に中東の「安定」した独裁政権を支持してきながら、欧米の欺瞞性に全く幻滅していたアラブの民衆が立ち上がった時に、彼らはアメリカが自分達の側につくことなど願ってもいなかったのだが、その民主主義を要求するアラブの民衆の声をアメリカは支持したのだ。「アメリカ人はムバラクの下、30年間我々の国に干渉してきた。ムバラク政権を支持し彼の兵士に装備を与えてきたのだ」と、エジプト人学生は先週タハリール広場で自分に語ってくれた。今や、アメリカ人が我々の側で干渉してくれるのならば、歓迎するよ」。先週末、バハレーンで同じような声を聞いた。「アメリカ人が訓練したバハレーンの兵士がアメリカ製の戦車からアメリカ製の武器で我々を撃っているのだ」。一人の衛生兵が18日語っていた。「そして今やオバマは我々の側につきたがっている」。

 過去2ヶ月の出来事と、反体制アラブ反乱の精神は、イスラムの首長をではなく尊厳と公正を求めるもので、我々の歴史書にずっと書き留められることだろう。そしてイスラムの最も厳格な信者らの失敗は今後何十年も議論されるであろう。ムバラク政権崩壊前に撮影された最近のアルカイダの映像には、エジプトでイスラムが勝利する必要性があることが強調されていた:ところが一週間前に世俗の勢力、愛国主義者、イスラム教徒、クリスチャンなどの男女はビン・ラディン株式会社の支援なしで、あの老人を追放したのだ。更に奇妙なのはイランの反応である。イランの最高指導者はエジプト人の成功はイスラムの勝利だと信じきっていたのだ。アルカイダとイラン、そして彼らの最も忌み嫌う敵である反イスラムのアラブの独裁者達だけが、大衆の反乱ないしは親民主主義の抗議運動を行う者たちの背後に宗教があったと信じていることにほっとさせられる。

 自国の民主主義リーダーたちを処刑すると脅しながら、イラン・イスラム共和国はエジプトの民主主義を称賛していたのは、いかにもひどい皮肉である。

 ということでイスラム主義者の偉大な週、ということではないのだ。勿論、注意すべき点はある。恥辱と恐怖の中にあった彼らの人生を窒息させてきた、そして欧米が支援してきた独裁政治の覆いを剥ぎ取ろうとしたアラブの何百万人ものデモ隊参加者らはイスラム教徒であることは間違いないのだ。そして欧米の「クリスチャン」と違って、イスラム教徒は、自分達の信仰を失ってはいない。ムバラクの殺し屋警察の石と棍棒の下で、「神は偉大なり」と叫びながら彼らは反撃を開始した。それはこれこそがまぎれも無く彼らにとっての「聖戦」だったからだ。宗教戦争ではなく公正・正義のための戦いである。「神は偉大なり」と公正を要求することは完全に同じことである。それは、不正に対する戦いはコーランの正に精神なのだから。

 バハレーンでは、我々は特別のケースを見る。シーア派の多数派が、親国王派であるスンニー派によって支配されている。シリアは、バハレーン型のために同様な問題が生じるだろう。多数派であるスンニー派が、少数派であるアラウィ-派(シーア派)によって支配されているからだ。確かに少なくとも欧米社会は、バハレーンのハマド国王に対する支援をしているので、バハレーンにはクウェートも同様だが、議会がある、と指摘することはできるだろう。こいつは嘆かわしくも古くろくでもないもので、1973年から75年まで存在したが、憲法を無視して解散させられた後、「改革」のパッケージの一部として2001年に再び作られたのだ。しかしこの新しい議会は、最初の議会より更に非代議制的なものになってしまっている。反対派の政治家らは、国家治安部隊によっていじめられ、議会の選挙区は勝手に改悪させられ、少数派のスンニー派が支配できるようになっている。例えば、2006年と2010年、シーア派の中心となる党は40議席の内、18議席を獲得したに過ぎない。全くそこでは、はっきりと北アイルランドのアルスターの例を、バハレーンにおけるスンニー派の展望にみることができる。多くの者たちが、彼らはシーア派の群集が彼らの家を焼き、自分達を殺すのでは、と恐れている、と語った。

 一切のこういったものは変わらざるを得ない。国家権力の統制は効果的であるように法令化されねばならない。また平和的な抗議に実弾を使用することは、停止されねばならない。ひとたびアラブ人が恐れというものを克服すれば、北アイルランドのカトリック教徒がアルスター王立国家警察の残虐性に直面しながら要求した市民権を請求することができたのだ。結局、英国はユニオニスト支配を放棄せざるを得なくなり、IRA(アイルランド共和国軍)に権力をプロテスタントと共同で握るようにさせざるを得なくなったのだ。状況は全く同じではない。バハレーン政府は反対派には「テロリスト」がいる、という主張を擁護するため、とてもIRAの主要な武器とはなりえない拳銃と剣の写真を示したが、シーア派は民兵を持っていないのだ。

 言うまでもないが、世俗的闘争と同じように宗派が存在している。治安部隊は宗派間の暴力沙汰を阻止するために抗議運動を抑圧せざるを得ない、と国王が言った時、彼はその問題を無意識的に認めたのだ。この宗派間の闘争をサウジアラビアは悪い意味で全て問題について見る見方としているが、それをバハレーンでは反対派の抑圧をすることに利用している。サウジアラビアのシーア派はバハレーンにいる同派が政権を転覆したら傲慢になるかもしれない。そうすると、我々はイランのシーア派の指導部が自慢する声を聞くようになるかもしれない。

 しかし、相互に影響しあうこれらの騒乱は、中東という枠組み内で起きている事柄という単純な見方をするべきではない。32年間権力の座にあるサレ大統領に対するイエメンの暴動は民主的運動ではあるが、部族的なものでもあり、反対派が銃器を使用し出すのに時間は掛からないかもしれない。イエメンは相当に武器が行き渡っている国であり、部族は自分達の旗を持ち民族主義者があちこちにいる。そして今度はリビアが動き出した。

 カダフィは相当に風変わりな人物で、彼のグリーンブック理論は非常識な内容で、彼の支配はいかにも残酷なものなので、彼は倒される寸前のファラオのようなものだ。彼のベルルスコーニに対する媚や、トニー・ブレアーに対する鼻につくようなお世辞、そのブレアーの外務大臣だったジャック・ストローはリビア人のおかしな政治的手腕を称賛したが、そういうことがカダフィを救済することにはならないだろう。アイゼンハワー大統領よりも多い勲章を付けて、頬のたるみを整形しつつ、この破滅した男は彼の支配に挑戦する自国民に対して、恐ろしい罰を与えると脅かしている。

 リビアに関して思い出す二つの事柄:イエメンのように、そこは酷い国だということ;イタリアのファシストの君主に反抗した時、解放のための荒っぽい戦争を始めたところだ。信じがたい勇気をもつ勇敢な指導者は絞首刑の縄に直面した。カダフィが変わり者だとしても、リビア人が愚かだということにはならない。

 だから、これは中東の政治的、社会的、文化的世界の地殻変動なのだ。この動きは多くの悲劇を生み出すかもしれないし、多くの希望を醸成するかもしれないし、更に多くの血が流れるかもしれない。全ての分析やばかばかしい「専門家」らが衛星放送のチャンネルを支配しているシンクタンクの見解は無視したほうがいいかもしれない。もしも、チェコが自由を獲得できたとしたら、エジプト人が出来ないわけはなかろう。ヨーロッパで独裁者とその政権が転覆されたのならば、同様にアラブ社会でもできるだろう。最初はファシスト、次にコミュニストだった。アラブのイスラム教徒の間で同じことができておかしくない。そして暫くは、宗教問題を絡ませない事だ。

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演説するリブニ党首


◆2月18日

 イスラエルが行くべき道を2月14日号「ムバラクがいない今、イスラエルのイラン攻撃はない」で示した。

 今がイスラエルの最後のチャンスであると、イスラエルの野党の党首、ツィピ・リブニが意欲的になっている。チュニジアやエジプト、その他のアラブ諸国での動きに中東の未来を察知しての動きかと思われる。

 指摘したように、アメリカのオバマ大統領はイスラエルの好戦的・武断的・ネオコン的な動きに批判的であり、パレスチナとの和平達成を真剣に願っている。また中東で独裁的政権を維持してきた親米国家元首らは、今次々と民衆の蜂起にあってムバラクの二の舞になるかもしれないとパニックに陥っている。

 そしてこの中東のアラブ・イスラム教徒の蜂起は、グローバリズムの流れの中で国家の冨を外国に売って懐を富ましてきた権力の地位にある者たちと、ユダヤ系も含む欧米の金融勢力に対する反発と、アメリカやイスラエルがアラブあるいはイスラム教徒の権利を踏みにじる暴虐を繰り返し、それを無視してきた為政者に対する反発もその理由にある

 従って、蜂起が革命となり、現政権が転覆した後にできる新政権はどれも反欧米であり、反イスラエルとならざるを得ない。これは誰にでも分かることであり、イスラエルの政治家ならより一層、骨身に感じることだろう。

 従って、今後中東各国の状況がどこまで進展するか分からないとしても、体勢としては、イスラエルに不利な状況が出来することは間違いないのだから、今からでもイスラエルはその好戦的・武断的・ネオコン的姿勢を改め、パレスチナとの和平達成を実現していかねば、ぐずぐずしていれば、時間切れになることだろう。

 リブニはそれをいち早く察知している人物のようだが、なにせこの彼女が外相だった時にあのガザ侵攻作戦が発動されたことを忘れるわけにはいかない。彼女はある意味、戦争犯罪人なのだ。父母がイルグンの戦闘員だったというから血は争えないと言えよう。

 それでもがちがちのシオニストのネタニヤフよりかは、パレスチナ人にとっては話の分かる人物のようだ。イスラエルもこのアラブの革命を前にして「変化」を余儀なくされている。またそれしか、彼らの生き残る道はない。


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●リブニ党首:パレスチナ人との和平のイスラエルの最後のチャンス
http://blogs.telegraph.co.uk/news/juliankossoff/100075554/tzipi-livni-israels-last-chance-for-peace-with-the-palestinians/
【2月18日 Julian Kossoff-The Telegrapf】

 「パレスチナ・ペイパーズ」は、ガーディアン紙とアル・ジャジーラ紙が公表した漏洩された記事で、イスラエル・パレスチナ和平交渉に関連する内容だ。それには、パレスチナの代表団がイスラエルの代表者の前で、従順で臆病な様子だったことが記されている。しかし、予知不能の中東という地域のお陰で、面白い動きが起きている。

 西岸の指導者らの位置を危うくするのではなく、メディアの非難は彼らが一層団結するように仕向けた。この漏洩記事のその他の良い点は、ツィピ・リブニの評判を高めるところにある。カディマ党の党首で、ネタニヤフと「イスラエルのミロシェビッチ」であるリーバーマンの代わりになれる人物と言われている。

 秘密の情報では彼女がイスラエルの人々にとって信頼できる交渉の達人であったということが示された。その信頼はパレスチナ人のチームの者たちにも及び、イスラエルの指導者として彼らが話ができる相手として公に称賛している。

 「彼女は、タフ・ネゴシエーターではあるが、我々の問題を理解しようと努力してくれた」と一人が語った。「彼女は合意に達したいと願っている。しかしネタニヤフは願っていない。彼女はなされるべき事柄をなすことができる」

 リブニは目を見張るような政治的なキャリアーがある。イルグンの戦士の娘(彼女の父親は列車強盗の罪でイギリスによって刑務所に入れられた)で、熱心なシオニストとして育てられた。彼女は今や、パレスチナ人との和平交渉の最後の最良の人物として歴史に残るかどうかの敷居の上に立っている。

 不器用でぶっきらぼうと思われていたが、今や彼女は世論調査にも支えられ自信にみちて活動している。カディマ党の支持が増大し、変革のための連立を組むに十分な議席を議会で獲得できる予想が出ているのだ。 

 イスラエルの総選挙でリブニが勝利すれば、中東のグレートゲームは再び動き出すだろう;ネタニヤフ首相に対しては諦めてしまっていて、またエジプト問題で頭が一杯のオバマ大統領が、最近の評価が上昇気味なのを利用して2012年の2期目を勝ち取れば戦略的な要素は画期的な調和をもつことになる。

 しかし時間の推移がこのような政治的推測をひっくり返すこともある。例えば西岸問題の専門家らは、パレスチナ人が我慢できずに爆発すると考えている。エジプトやチュニジアの抗議運動に鼓舞された大衆運動が起き、今後12ヶ月以内にイスラエル軍との衝突が起きるだろうと見ている。その反面、イスラエル右翼問題の専門家らは、リブニを完全に追放する機会が来たと喜んでいる。

 しかし、政治活動の動きの中で、リブニは今週、ヘルズリアでの会議に張り切って乗り込んできた。

 人を鼓舞するような演説の中で、彼女は宣言をした:「いつまで我々は世界に向かって平和を欲していると訴え続けるつもりなのか? 西岸を軍が統制しているのにいつまで我々だけが中東で唯一の民主主義だと主張し続けるつもりなのか? 我々はこのようなリンボ(地獄の辺土= 《地獄と天国の間にあり,キリスト教以前の正しい人,洗礼を受けなかった小児,異教徒,白痴者の霊魂の住む所》)に住むことはできないし、我々は中東全体のための岐路に立っている。イスラエルはイニシアティブを掴んだ時は強い。変化が必要だ。彼らのためではなく我々のためにである」

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中国で旱魃が拡大

◆2月16日

 世界的に食糧価格が上昇している。

 「食料価格の高騰で貧困層4400万人増加、世界銀行
 【2月16日 AFP】世界銀行(World Bank)は15日、食料価格の高騰により発展途上国の貧困層が前年6月以来約4400万人増えたとする報告書を発表した。
 食料品価格は2010年10月から11年1月までの間に15%上昇し、2008年のピーク時に迫ろうとしており、食料価格の高騰が貧困層に深刻な影響を及ぼしているとしている。
 世界銀行のロバート・ゼーリック(Robert Zoellick)総裁は、声明で「世界の食料価格は危険水域にまで上昇している」と述べ、特に貧困層の拡大への懸念を示した。・・・」

 これから天変地異、世界経済の混乱などで、人類の生存そのものが大きく問われるような状況が増大していくようだ。これは今までになかったような、歴史上の大きな転換点だからだ。

 そのような中で、この地球に生存が許される存在は、誰か、ということが選別されていくのかもしれない。あまり地球に宜しくない存在は、適者生存で淘汰されていくのかも・・・勿論それは物理的な面だけではない、いやむしろ精神的・霊的な面が重きをなすだろう。金と力と知識に満ちている者たちでも、その心根が腐っていたり、傲慢な者たちは、淘汰の対象になっていくだろう。(ブログ子も自戒に努めているところだが、こればっかりはどうなるやら・・・)

 そんな中で、日本も食糧問題では、いつまでも極端な潔癖症ではいられなくなるだろう。少しでも傷んでいたり、古くなると捨てるようなことをしていては、「もったいない」の精神も泣くというものだ。そして、お金を積んでも食糧を売ってくれない、という事態が現実になる日も近い、と認識しておくべきだ。常識では理解できない事態が生じるようになるかもしれないのだから。これからの時代をゆめゆめ、甘く見てはならない。

 
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●食糧危機の到来を思わせる14の事実
http://endoftheamericandream.com/archives/food-crisis-2011-14-disturbing-facts-that-make-you-wonder-if-the-coming-global-food-shortage-has-already-begun
【2月9日 The American Dream】

 2011年は世界的な食糧危機の始まった年になるのだろうか? 食糧価格は急騰しており、供給は厳しい状況で、そのため既に世界中で食糧デモが起きている。充分な食糧を手に入れられなければ、絶望的になるが、すぐに事態が改善するという兆候は見えない。今、世界は食糧を確保するために戦っているが、日がたつにつれ、ますます状況は厳しくなっている。

 世界人口は2050年には90億人になると見られている。世界中で飢え死にする人々が多く出てきているが、食糧供給事情が厳しくなってきているので、不幸なことだが飢餓は更に増大する傾向にある。中国の主要な食糧生産地域はこの200年間で最悪の旱魃に遭っている。この冬、オーストラリアとブラジルでは洪水が完璧に農業生産に打撃を与えた(南半球では夏:訳者)。ロシアは昨年の夏の酷かった旱魃の痛手から立ち直ろうとしている最中だ。

 世界の気候パターンは過去12ヶ月は、狂っている。これが既に崩壊の瀬戸際にある世界の食糧システムに巨大な圧力を掛けている。

 この時点での、世界の食糧ストック量は不気味なほど低くなっている。もしも世界的な飢饉が起きれば、アメリカでさえも長くは持たないかもしれない。アメリカ政府は緊急時用に大量の食糧ストックを保持しているはずなのだが、そうなっていないのだ。

 今現在、食糧を確保するための争いが始まっている。食糧の大輸出国だった国々が自分達のための食糧を大量に仕入れている。必需品である小麦、とうもろこし、大豆などの価格は全面的に上昇している。また国連は2011年を通して価格は上昇し続けると見ている。

 劇的な変化が無ければ、世界の食糧事情は更に一層厳しくなっていくことだろう。

 では、誰が食糧を獲得し誰ができないかということを、誰が決めるのか?

 食糧価格が上昇する中、飢える人々が政府の回答を要求して、世界中で更なる食糧争奪の騒乱が起きるのだろうか?

 もしも気候パターンが更に悪化したり、あるいは本当にひどい自然災害の連鎖に見舞われるのだろうか? 世界的な経済崩壊が起きたら何がおきるのだろうか?

 今は、これらのことは、まだ「生みの苦しみ」だが、事態が更に悪化すれば、世界を揺るがすような恐ろしい食糧不足の事態を見るようになるかもしれない。

 以下の14点は、ひょっとして既に世界の食糧不足は始まっているのかもしれない、と思わせられる内容である。

 1.アメリカ農務省によれば、アメリカのとうもろこし備蓄は2011年末で15年来の最低になる。

 2.国連は1月、世界の食糧価格は新高値を付けた、という。

 3.とうもろこしの価格は6ヶ月前の2倍になった。

 4.小麦の価格は2010年中ごろから比べてほぼ2倍になった。

 5.フォーブス誌によれば、大豆の価格は昨年6月から50%上昇した。

 6.国連は世界的な食糧価格は2011年末には更に30%上昇すると見ている。

 7.かつてない規模の洪水のため、オーストラリアの冬の小麦収穫に大規模な損害を出した。

 8.この冬、ブラジルは経験したことのない最悪の洪水に見舞われた。このため同国の食糧生産で相当規模の損害を出している。

 9.世界でも最大の小麦生産国の一つであるロシアでは、昨年夏の極暑の影響をいまだに受けている。実際、ロシアではこの冬小麦を輸入している。

10.中国は長期に継続すると見られている厳しい旱魃に対する準備のために大わらわである。この旱魃は巨大な影響を中国のいくつかの地域に与えると見られている。中国の国営メディアは、山東省では200年來の最悪の旱魃に見舞われていると言っている。この厳しい旱魃に見舞われている地域は、中国の小麦生産地域のほぼ3分の2に拡大している。

11.中国のとうもろこしの2011年の輸入量は、アメリカ農務省が予想していた量の9倍になると思われる。

12.世界の約10億人の人々が夜、腹をすかしたまま眠りについているという。

13.世界のどこかで、3.6秒ごとに1人餓死している。またこの内の75%が5歳以下の子供である。

14.世界でますます食糧が不足してきているので、多くの会社ではさまざまな「混ぜ物」を食品生産に使用しだしている。例えば、ロー・ストーリー社では、中国のある会社は、偽の米を大量生産している、と報告している。それは何割かはプラスチックで出来ているものだ。中国のあるレストラン協会の関係者は、この偽の米をボールに3杯ほど食べると、一つのプラスチック袋全体を食した事と同じになる、という。

 我々は最悪に備えることも必要のようだ。

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イスラエル空軍のF16

◆2月14日

 中東では、トルコに続いて、エジプトでもイスラエル政権が消えた。今後のエジプトがイスラエルになるかならないかは、イスラエルのパレスチナ人に対する姿勢で決まる、と既に指摘したが、少なくとも、ムバラクが消えたことで、イスラエルのイランに対する先制攻撃の芽は無くなった、と見るのが以下の論文である。

 時間の経過はイスラエルに不利に働く、とこのブログで指摘してきたが、実にそのとおりの展開となっている。それはこの「時代」のなすところなのだ。

 誰がエジプトの次の為政者になるかは分からないが、誰がなっても、今回示されたエジプト民衆の力と声を無視することはできない。そしてエジプト民衆の誰もがイスラエルのパレスチナ人に対する蛮行が我慢できなくなっている。これだけは確かなことである。

 それはイスラム教徒・アラブ人としての同胞観からのエジプト人としての義務のようなものであり、例外はない。多少の違いがあるだけである。
 誰だって、同胞が隣で虐殺されているのに、自分達だけが平和を享受していて心が休まるわけがないのだ。しかしムバラクはそのエジプト民衆の声を抑圧し、聞こうとしなかった。それで今回の結果であるから、ムバラクの後継者はどうしてもこの点だけは無視できないはずだ。

 こうして、何回もこのブログで指摘してきたように、イスラエルの生き残る道は、ただ一つ、

1.1967年の第3次中東戦争前の国境線に戻る
2.パレスチナ国家成立を認め、平和条約を締結する
3.新生パレスチナ国家に対する経済的な支援をする
4.エルサレムは国連の信託統治にする


ことにある。そうすることで、周囲のアラブ・イスラム教国との関係も良好なものにすることができるのだ。それがイスラエルの生き残りを保証することになる。


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●ムバラクがいない今、イスラエルのイラン攻撃はない
http://www.haaretz.com/print-edition/news/mubarak-s-departure-thwarted-israeli-strike-on-iran-1.343012
【2月13日 Aluf Benn – Haaretz】

 殆どのイスラエル人はムバラクがエジプトを統治していた期間に誕生したか、移民してきた者たちだ。これは彼らがわきまえている現実だ。またそれがムバラクが与えていた安定というものの意義であった。 

 この30年間、中東で起きた騒乱で、エジプト政権は強力な岩盤であることを示していた。イスラエルの指導部は、戦争したり入植を拡大したり、他の戦線で和平の交渉をする際には、西側国境は安全であることを知っていた。イスラエルとエジプトの間の関係のあつれきは、時には落胆を誘うこともあったとしても、イスラエル・エジプト平和協定でできた戦略的同盟関係の基礎を危うくすることは無かった。 

 18日間の抵抗後のムバラクの辞任は、この地域の不安定の時代を切り開くものである。特にイスラエルにとってはそうである。ムバラクの長期政権というものは、中東では珍しいものではない。ハフェズ・アサドはエジプトのムバラクのようにシリアを30年間支配した。フセイン国王とヤセル・アラファトは40年支配した。しかし彼らが舞台から降りた時、彼らのレガシーは確保された。フセインとアサドはその支配権を自分達の息子に渡している。アラファトは彼のベテランの代理人であるマフムド・アッバスに取って代わられた。ヨルダン、シリア、パレスチナにおける守護者の交替は、イスラエルには自然であり、特別の懸念を引き起こすことは無かった。結局、馴染みの者たちならば恐れる事はないのだ。

 しかしエジプトの今の状況は違う。ムバラクは自分に近い者を準備する前に、あるいは息子が引き継ぐ前に倒されたのだ。実権を握った軍の司令官は、エジプト市民と国際社会に対して、新しい軍事政権を樹立する意向はないことを約束することで、安心するようにと言っている。彼らは民政移管を自由選挙後に行うとしている。しかし軍の最高委員会の将軍らの誰も、政権の移行が何時、どのようになされるか知っている者はいない。歴史は我々に、革命後は、新政権が安定するまでに何年も内戦が続く、ということを示している。

 この不安定要素がネタニヤフ首相を悩ましている。彼の革命の初日における反応は、エジプトとの平和協定が崩壊しやしないかという深い懸念に彩られていた。彼はムバラクができるだけ持ちこたえるようにしたがだめだったので13日、エジプト軍のイスラエルとの平和協定を含むあらうる国際的合意事項を尊重するという声明を歓迎した。

 ネタニヤフはエジプトが、イランのような、ただしずっと身近に存在するイスラム共和国になってイスラエルと敵対することを恐れている。彼はそんなことにならないことを願っているし、トルコのように、パレスチナ人に対する対応の仕方は批判するが、公式のイスラエルとの関係は保持し、大使を置き、貿易関係は続けることを願っている。

 最良のケース・シナリオは、彼の見るところとしては、ありそうも無いかもしれないが、エジプトがエルドアン首相以前のトルコのようになることである:軍の支配する親米国家である。

 ネタニヤフはムバラクと、イランの台頭に関する懸念を共有していた。エジプトはスンニー派で穏健派の枢軸国という役割を担っていた。このグループは、イスラエルとアメリカと組んで、イランのアハマディネジャドと彼のレバノン、シリア、ガザの同盟者らに対抗していた。

 エジプトに於ける政権転覆はこの戦略的論理を変えることはない。タハリール広場にいる革命家たちは、エジプト人の愛国的自尊心が動機となって動いたのであり、イランのイスラム革命に対する憧れからではない。誰がムバラク後を引き継いだとしても、エジプトの愛国主義を強化してでも、その流れを進むであろうし、エジプトをイランの衛星国になどにはしない。しかしそれは、ムバラクの後継者が、イスラエルがイランの核施設を攻撃することを援護するなどということを意味するものではない。

 反対に、彼らはイランに対する先制攻撃に反対しているアラブの民衆の声を聞くことだろう。イスラエルは西側国境における、暗黙の了解に依存してイランに対する攻撃を行うことは困難であると感じるだろう。彼の後継者は、イスラエルのイラン攻撃に際して自分がイスラエルに協力したと大衆が見たとしたら、起きるであろう大衆の怒りを気にするだろう。

 攻撃に反対する、ないしはその結果を恐れる者は誰もが、ネタニヤフやエフード・バラク国防大臣のように攻撃に賛成しているように見えても、今は最後の口実を持っている。それは、我々はイランを攻撃したかったが、エジプトの革命のためにそれを実行できなかった、というものだ。和平を殆ど達成するところだったとエフード・オルメルトが言うように、彼らは自分達は殆ど戦争するところだったのだ、と言うことだろう。

 辞任することでムバラクはイスラエルの先制攻撃を阻止したことになった。これこそ彼のこの地域の安定に寄与した最後の貢献となったのだ。

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ムバラク辞任の報に歓喜の声をあげるエジプト市民

◆2月12日  

 エジプトに民主化革命が起き、その第1段階が成功した。
 
 このブログの2月1日号で以下のように記した。
 「エジプト大統領の二人の息子家族らが、金や外貨を持ってロンドンに脱出し、サウジアラビアは自国に矛先が回る事を避けるためか、ムバラク大統領の緊急時の避難地になることを拒否したようだ。反面イスラエルが亡命を受け入れると言っている。

 事態がここまでくると、やはりムバラクは腹を固めざるを得ないであろう。既に軍は無防備のデモ隊には武器を使用しないと言明しているというから、デモ隊のムバラク退陣要求の声はおさまることはないだろう。

 となれば、時間の経過と共に事態はますます悲惨な状況に追い込まれ、その責任からもムバラクは退陣せざるを得ないはずだ。その際、ムバラク自身の身の振り方がどうなるか、という問題がある。彼が早期に退陣を表明し、引退表明した場合、エジプトに留まれば、後から間違いなく起きる裁判で有罪判決となり、老後を刑務所ですごす羽目になるだろう。それを避けるためには他国へ亡命せざるを得ないのだが、受け入れ国が絞られる」

 今、粘りに粘ったムバラクもとうとう音を上げて、大統領辞任となった。これは本当の真の革命である。既に1月28日号で記したように、「CIA主導の偽の『民主革命』とは違う、草莽の人々の本当の反乱である」と書いたとおりである。

 このエジプト革命に対して、アメリカの姿勢を見ると、一貫してこの動きを支持してきていることが分かる。ここに実はオバマ大統領の意向が反映されている、と見るべきであろう。

 オバマは確かにユダヤ勢力の支援で上院議員になり、かつ大統領にまでなった。彼の首席補佐官は、イスラエル・アメリカの二重国籍を持つ、ラーム・エマニュエルであった。オバマは「ユダヤ人コミュニティに対する親密度が恐らくは私が上院議員になれた理由だ」(2月3日号)と自覚をしていることは確かであろう。
 しかし2月3日号の記事を書いたペイバック博士が考えているように、オバマもまた「ユダヤの下僕」である、と判断すべきか、と言うと、このブログではそう見ない。

 オバマが大統領だからといって、即座に自分のやりたい様にやったら、ケネディの二の舞になったであろう。だから、生き延びながら、そろりそろりと事を進めていく必要があるのだ。その絶妙のバランスをオバマは取っているに過ぎない。

 ウクライナやグルジアの「民主化」がCIA主導でなされたのと違い、今回のエジプトの「民主化」の革命は草莽の民衆の真の革命であり、だから決してアメリカの要請、あるいは資金で始まったものではないにもかかわらず、オバマの姿勢は一貫してこの動きを支持するものだったことを見れば、オバマが実は、このようなエジプト国民の側に立っている、ということが理解できるのだ。ムバラクがエジプトにおけるアメリカの利権の保護者であるにもかかわらず、である。

 エジプト国民の願いは、パレスチナの同胞を支援することにあり、イスラエルの蛮行をエジプト国家として糾弾し、そのイスラエルのシオニスト的好戦的武断的姿勢を改善してもらう点にある。そして勿論、パレスチナ国家の「真」の独立を達成させることにある。

 そしてオバマ大統領の狙いも願いもそこにある。

 従って、次にできるエジプトの新政府は、今までのムバラク体制下で進められてきた「親」イスラエル姿勢の抜本的改善を進めるであろう。つまり、パレスチナ人の人権を無視するようなイスラエルの姿勢が改まらなければ、イスラエルとの外交関係を変更する、ということである。
 
 その可能性があることを知って、オバマ大統領は始めから今回のエジプト民衆の動きを支持してきた。そしてそれは、「民主化」という大義名分があるゆえ誰も反対できないのだ。CIA主導でないから、つまりこの民主化運動ではアメリカ(ユダヤ)の傀儡政権が生まれそうにないから支持できない、とは誰も言えないのだ。アメリカやヨーロッパにいるユダヤ人たちも、悔しいけれども文句を言えないのである。

 従って、今回のチュニジアやエジプトの民主化革命を論理上、支持せざるを得ないし、それを一貫して支持してきたオバマ大統領を誰も非難できないのである。

 しかし、この革命が成就するために、数百人もの犠牲者が出たことを忘れてはならない。CIA主導の革命ならば、多くのヒーローやヒロインのニュースなどが世界に飛び交っていたはずなのだ。しかしこのエジプト革命では無名のヒーロー、ヒロインがその尊い命を革命の最中に落としていった。

 こうして、これからの世界では、1月19日号に書いたように、
 「最後の鐘がなる・・・収奪者が収奪されていく」動きがますます、進んでいくのである。


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●<エジプト>政権崩壊、ネットで連帯 新たな民衆革命の姿 
「2月12日 毎日新聞」

 「私たちは生まれ変わった」「エジプトは自由だ」。ムバラク大統領の辞任が発表された11日午後6時過ぎ、デモの中心であるカイロのタハリール広場では辞任情報が携帯メールでまたたく間に広がり、広場は地鳴りのような歓喜の声に包まれた。思想信条、階層も関係なく見知らぬ同士が抱き合い、喜びのあまり泣き崩れる人もいる。ネットや携帯でつながった「ゆるやかな連帯」が独裁体制を打ち倒す、新しい民衆革命の姿がそこにはあった。

 イスラム教の休日である11日は同広場でも金曜礼拝があり、朝から多くの市民がつめかけた。夕日が傾いてもその数は減らない。あたりが暗くなったころ大統領の進退に関する声明が出るとのうわさが流れ、デモ参加者は携帯電話で受信したテレビニュースの映像やメールをのぞき込む。

 「辞任したぞ」。スレイマン副大統領の声明発表の映像を映す携帯を幾重もの人の輪が取り囲む。「ファラオ(エジプト王、独裁者)は倒された」。「生まれて初めて自由を感じた」。人々は喜びを爆発させた。あちこちで太鼓や笛が鳴り出した。大小無数の3色の国旗がはためく。

 ネットや携帯メールで辞任を自宅で知った市民も広場に駆けつける。ナイル川にかかる橋は人であふれかえった。広場入り口では若者らが「エジプト、エジプト」と声をかけ市民を迎え入れる。顔に国旗のペイントをした子供も多い。「今日を一生忘れないために家族で来た」と電器店経営、アハドさん(47)は声を弾ませる。

 西洋的な最新ファッションの女性から、ニカブ(目だけ露出したかぶりもの)を着用したイスラム教を重んじる保守的な女性まで、広場に集まった人は実に多種多様だ。あちこちで若者が何か叫び出すと、中高年たちが耳を傾け笑顔で声援を送る。それをカップルや家族連れが見守る。

 けが人を無償で治療した医師や看護師のボランティア、泊まり込みのデモ参加者のために食べ物を差し入れ、掃除を買って出た市民。参加者は互助会まで作り18日間の戦いを耐え抜いた。大規模な流血もなく市民の多様な連帯で成し遂げられたさわやかな政変劇を、白色をイメージし「ホワイト革命」と欧米では呼び始めている。

 「エジプト人よ、胸を張ろう」「エジプトを再建しよう」。あちこちで掲げられたスローガンが明日への希望を表している。デモに毎日のように参加したカイロの金融関連会社勤務、ムハマド・モクシさん(35)は「何度も波があり、ジェットコースターのような18日間だった。でも未来を信じてよかった」と話す。その笑顔に疲れは見えない。


●ムバラク大統領失脚、イスラエルに衝撃
【2月12日 読売新聞】

 イスラエルは、同国との平和条約(1979年)を順守してきたムバラク大統領の辞任に衝撃を受けている。

 イスラエル政府高官は11日夜、本紙に「平和条約は両国にとって重要で、中東の安定化を保障するものだ」と述べ、今後もエジプト政府は同条約を堅持すべきだと強調した。しかし、「今後の政権がどのような性質になるのか、現時点で予測することは不可能だ」とも述べ、両国関係が極めて不安定な状況に陥ったことを認めた。

 イスラエルはムバラク氏退陣で、今後、エジプトのイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」が台頭し、条約破棄を求める世論が高まることを最も警戒している。親米穏健派の中核的存在だったムバラク氏の失脚で、中東でイランやシリアなどの反米、反イスラエル勢力が勢いを増すのは避けられず、イスラエルは安全保障政策の見直しを迫られそうだ。

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