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イスラエル空軍のF16
◆2月14日
中東では、トルコに続いて、エジプトでも親イスラエル政権が消えた。今後のエジプトが反イスラエルになるかならないかは、イスラエルのパレスチナ人に対する姿勢で決まる、と既に指摘したが、少なくとも、ムバラクが消えたことで、イスラエルのイランに対する先制攻撃の芽は無くなった、と見るのが以下の論文である。
時間の経過はイスラエルに不利に働く、とこのブログで指摘してきたが、実にそのとおりの展開となっている。それはこの「時代」のなすところなのだ。
誰がエジプトの次の為政者になるかは分からないが、誰がなっても、今回示されたエジプト民衆の力と声を無視することはできない。そしてエジプト民衆の誰もがイスラエルのパレスチナ人に対する蛮行が我慢できなくなっている。これだけは確かなことである。
それはイスラム教徒・アラブ人としての同胞観からのエジプト人としての義務のようなものであり、例外はない。多少の違いがあるだけである。
誰だって、同胞が隣で虐殺されているのに、自分達だけが平和を享受していて心が休まるわけがないのだ。しかしムバラクはそのエジプト民衆の声を抑圧し、聞こうとしなかった。それで今回の結果であるから、ムバラクの後継者はどうしてもこの点だけは無視できないはずだ。
こうして、何回もこのブログで指摘してきたように、イスラエルの生き残る道は、ただ一つ、
1.1967年の第3次中東戦争前の国境線に戻る
2.パレスチナ国家成立を認め、平和条約を締結する
3.新生パレスチナ国家に対する経済的な支援をする
4.エルサレムは国連の信託統治にする
ことにある。そうすることで、周囲のアラブ・イスラム教国との関係も良好なものにすることができるのだ。それがイスラエルの生き残りを保証することになる。
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●ムバラクがいない今、イスラエルのイラン攻撃はない
http://www.haaretz.com/print-edition/news/mubarak-s-departure-thwarted-israeli-strike-on-iran-1.343012
【2月13日 Aluf Benn – Haaretz】
殆どのイスラエル人はムバラクがエジプトを統治していた期間に誕生したか、移民してきた者たちだ。これは彼らがわきまえている現実だ。またそれがムバラクが与えていた安定というものの意義であった。
この30年間、中東で起きた騒乱で、エジプト政権は強力な岩盤であることを示していた。イスラエルの指導部は、戦争したり入植を拡大したり、他の戦線で和平の交渉をする際には、西側国境は安全であることを知っていた。イスラエルとエジプトの間の関係のあつれきは、時には落胆を誘うこともあったとしても、イスラエル・エジプト平和協定でできた戦略的同盟関係の基礎を危うくすることは無かった。
18日間の抵抗後のムバラクの辞任は、この地域の不安定の時代を切り開くものである。特にイスラエルにとってはそうである。ムバラクの長期政権というものは、中東では珍しいものではない。ハフェズ・アサドはエジプトのムバラクのようにシリアを30年間支配した。フセイン国王とヤセル・アラファトは40年支配した。しかし彼らが舞台から降りた時、彼らのレガシーは確保された。フセインとアサドはその支配権を自分達の息子に渡している。アラファトは彼のベテランの代理人であるマフムド・アッバスに取って代わられた。ヨルダン、シリア、パレスチナにおける守護者の交替は、イスラエルには自然であり、特別の懸念を引き起こすことは無かった。結局、馴染みの者たちならば恐れる事はないのだ。
しかしエジプトの今の状況は違う。ムバラクは自分に近い者を準備する前に、あるいは息子が引き継ぐ前に倒されたのだ。実権を握った軍の司令官は、エジプト市民と国際社会に対して、新しい軍事政権を樹立する意向はないことを約束することで、安心するようにと言っている。彼らは民政移管を自由選挙後に行うとしている。しかし軍の最高委員会の将軍らの誰も、政権の移行が何時、どのようになされるか知っている者はいない。歴史は我々に、革命後は、新政権が安定するまでに何年も内戦が続く、ということを示している。
この不安定要素がネタニヤフ首相を悩ましている。彼の革命の初日における反応は、エジプトとの平和協定が崩壊しやしないかという深い懸念に彩られていた。彼はムバラクができるだけ持ちこたえるようにしたがだめだったので13日、エジプト軍のイスラエルとの平和協定を含むあらうる国際的合意事項を尊重するという声明を歓迎した。
ネタニヤフはエジプトが、イランのような、ただしずっと身近に存在するイスラム共和国になってイスラエルと敵対することを恐れている。彼はそんなことにならないことを願っているし、トルコのように、パレスチナ人に対する対応の仕方は批判するが、公式のイスラエルとの関係は保持し、大使を置き、貿易関係は続けることを願っている。
最良のケース・シナリオは、彼の見るところとしては、ありそうも無いかもしれないが、エジプトがエルドアン首相以前のトルコのようになることである:軍の支配する親米国家である。
ネタニヤフはムバラクと、イランの台頭に関する懸念を共有していた。エジプトはスンニー派で穏健派の枢軸国という役割を担っていた。このグループは、イスラエルとアメリカと組んで、イランのアハマディネジャドと彼のレバノン、シリア、ガザの同盟者らに対抗していた。
エジプトに於ける政権転覆はこの戦略的論理を変えることはない。タハリール広場にいる革命家たちは、エジプト人の愛国的自尊心が動機となって動いたのであり、イランのイスラム革命に対する憧れからではない。誰がムバラク後を引き継いだとしても、エジプトの愛国主義を強化してでも、その流れを進むであろうし、エジプトをイランの衛星国になどにはしない。しかしそれは、ムバラクの後継者が、イスラエルがイランの核施設を攻撃することを援護するなどということを意味するものではない。
反対に、彼らはイランに対する先制攻撃に反対しているアラブの民衆の声を聞くことだろう。イスラエルは西側国境における、暗黙の了解に依存してイランに対する攻撃を行うことは困難であると感じるだろう。彼の後継者は、イスラエルのイラン攻撃に際して自分がイスラエルに協力したと大衆が見たとしたら、起きるであろう大衆の怒りを気にするだろう。
攻撃に反対する、ないしはその結果を恐れる者は誰もが、ネタニヤフやエフード・バラク国防大臣のように攻撃に賛成しているように見えても、今は最後の口実を持っている。それは、我々はイランを攻撃したかったが、エジプトの革命のためにそれを実行できなかった、というものだ。和平を殆ど達成するところだったとエフード・オルメルトが言うように、彼らは自分達は殆ど戦争するところだったのだ、と言うことだろう。
辞任することでムバラクはイスラエルの先制攻撃を阻止したことになった。これこそ彼のこの地域の安定に寄与した最後の貢献となったのだ。
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