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スエズ運河を通過するイランの軍艦
◆2月23日
エジプトに革命が起き、親イスラエル政権であったムバラク政権が倒された為、イランの軍艦がスエズ運河をイランのイスラム革命以来始めて通過した。
これが今アラブ・イスラム諸国で起きている革命の結果としての象徴的な出来事になる。ムバラク政権が健在ならば、こうはならなかったであろう。つまり、イスラエルに不利になる環境が生まれつつある、という現実だ。このイランの艦船がシリアやトルコと連携し、地中海側からイスラエルを牽制する動きを取る可能性が出てきたからだ。
これから、バハレーン、クウェートあるいはサウジアラビアなど親欧米アラブ諸国で動乱が勃発あるいは先鋭化すれば中東全体が反グローバリズムの大きな枠組みの中で、反欧米・反イスラエルの基調でまとまっていくようになる。
そうすれば、騒乱後の中東では、イスラエルのパレスチナ人に対する対応に非難が集中するようになる。またイスラエル内でさえ、「民主化」運動が活発になり、今までのイスラエル版カースト制度が批判されるようになる。
イスラエル内では、パレスチナ人・イスラム教徒が最下層であり、次にパレスチナ人のキリスト教徒、そしてセファラディー・ユダヤ人(エチオピアなどからのユダヤ人も含め)、一番上にアシュケナジー・ユダヤ人が君臨している。
アラブ・イスラム世界で始まった「民主化」の動きの影響のため、このイスラエルの「カースト制度」を取っ払え、という動きがイスラエル内で強化されるかもしれない。
いずれにしても、イスラエル・ユダヤの今までの世界支配構造に風穴が開き始めるのもそう遠い話ではなくなることだろう。
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●イラン軍艦:スエズ運河通過
http://www.foxnews.com/world/2011/02/22/iranian-warships-complete-suez-canal-transit/
【2月22日 Fox News】
二隻のイラン海軍船がシリアに向かう途中、スエズ運河を22日通過した。この戦略的水路をイランが軍艦を送るのは30年間で始めてのこととなる。
運河の担当官は、この船舶はフリゲート艦と補給船で、地中海側に現地時間で午後4時ころに入ったと語った。
イスラエルはこの通過を挑発と捉えている。イスラエル高官は22日コメントを拒否したが、今週初め、ネタニヤフ首相はこのイランの動きを「深刻に」捉えていると語った。
運河は紅海と地中海を繋いでおり、船舶がアフリカを迂回することを避けることができる。イランの軍艦はイランの親しい同盟国でありイスラエルの天敵であるシリアでの訓練のために現地に向かっている。駐シリア・イラン大使館の高官は、イランの海軍艦船がシリアのドックに入ることは始めてのことになる、と語った。
この艦船は通過のために約30万ドルの料金を支払ったという。この高官らは皆匿名で語ったが、それはこの問題で語ることは許されていないからだ。
スエズ運河通過の許可要請はエジプトにとっては、新しい統治者である軍が、とりわけ長年の指導者であったホスニ・ムバラクが追放された革命後の治安回復を含めた国内問題に全面的に掛かりっきりになっているという困難な時期になされた。
軍の統治者は艦船の通過を許可する以外の選択肢は持っていなかったようだ。それは、国際協定によれば運河の通行は「商用・軍用のいかなる艦船」に対しても許可されねばならないとあるからだ。エジプトはまた運河を通過する艦船の捜査をすることはできない。
イランの軍艦はイスラム革命の起きた1979年以来スエズ運河は通行してなかった。
エジプト・イラン間の関係はイスラム革命とイスラエル・エジプト平和条約後、破綻した。その後関係は両国の関係者らを通して少し改善された。
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