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演説するリブニ党首


◆2月18日

 イスラエルが行くべき道を2月14日号「ムバラクがいない今、イスラエルのイラン攻撃はない」で示した。

 今がイスラエルの最後のチャンスであると、イスラエルの野党の党首、ツィピ・リブニが意欲的になっている。チュニジアやエジプト、その他のアラブ諸国での動きに中東の未来を察知しての動きかと思われる。

 指摘したように、アメリカのオバマ大統領はイスラエルの好戦的・武断的・ネオコン的な動きに批判的であり、パレスチナとの和平達成を真剣に願っている。また中東で独裁的政権を維持してきた親米国家元首らは、今次々と民衆の蜂起にあってムバラクの二の舞になるかもしれないとパニックに陥っている。

 そしてこの中東のアラブ・イスラム教徒の蜂起は、グローバリズムの流れの中で国家の冨を外国に売って懐を富ましてきた権力の地位にある者たちと、ユダヤ系も含む欧米の金融勢力に対する反発と、アメリカやイスラエルがアラブあるいはイスラム教徒の権利を踏みにじる暴虐を繰り返し、それを無視してきた為政者に対する反発もその理由にある

 従って、蜂起が革命となり、現政権が転覆した後にできる新政権はどれも反欧米であり、反イスラエルとならざるを得ない。これは誰にでも分かることであり、イスラエルの政治家ならより一層、骨身に感じることだろう。

 従って、今後中東各国の状況がどこまで進展するか分からないとしても、体勢としては、イスラエルに不利な状況が出来することは間違いないのだから、今からでもイスラエルはその好戦的・武断的・ネオコン的姿勢を改め、パレスチナとの和平達成を実現していかねば、ぐずぐずしていれば、時間切れになることだろう。

 リブニはそれをいち早く察知している人物のようだが、なにせこの彼女が外相だった時にあのガザ侵攻作戦が発動されたことを忘れるわけにはいかない。彼女はある意味、戦争犯罪人なのだ。父母がイルグンの戦闘員だったというから血は争えないと言えよう。

 それでもがちがちのシオニストのネタニヤフよりかは、パレスチナ人にとっては話の分かる人物のようだ。イスラエルもこのアラブの革命を前にして「変化」を余儀なくされている。またそれしか、彼らの生き残る道はない。


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●リブニ党首:パレスチナ人との和平のイスラエルの最後のチャンス
http://blogs.telegraph.co.uk/news/juliankossoff/100075554/tzipi-livni-israels-last-chance-for-peace-with-the-palestinians/
【2月18日 Julian Kossoff-The Telegrapf】

 「パレスチナ・ペイパーズ」は、ガーディアン紙とアル・ジャジーラ紙が公表した漏洩された記事で、イスラエル・パレスチナ和平交渉に関連する内容だ。それには、パレスチナの代表団がイスラエルの代表者の前で、従順で臆病な様子だったことが記されている。しかし、予知不能の中東という地域のお陰で、面白い動きが起きている。

 西岸の指導者らの位置を危うくするのではなく、メディアの非難は彼らが一層団結するように仕向けた。この漏洩記事のその他の良い点は、ツィピ・リブニの評判を高めるところにある。カディマ党の党首で、ネタニヤフと「イスラエルのミロシェビッチ」であるリーバーマンの代わりになれる人物と言われている。

 秘密の情報では彼女がイスラエルの人々にとって信頼できる交渉の達人であったということが示された。その信頼はパレスチナ人のチームの者たちにも及び、イスラエルの指導者として彼らが話ができる相手として公に称賛している。

 「彼女は、タフ・ネゴシエーターではあるが、我々の問題を理解しようと努力してくれた」と一人が語った。「彼女は合意に達したいと願っている。しかしネタニヤフは願っていない。彼女はなされるべき事柄をなすことができる」

 リブニは目を見張るような政治的なキャリアーがある。イルグンの戦士の娘(彼女の父親は列車強盗の罪でイギリスによって刑務所に入れられた)で、熱心なシオニストとして育てられた。彼女は今や、パレスチナ人との和平交渉の最後の最良の人物として歴史に残るかどうかの敷居の上に立っている。

 不器用でぶっきらぼうと思われていたが、今や彼女は世論調査にも支えられ自信にみちて活動している。カディマ党の支持が増大し、変革のための連立を組むに十分な議席を議会で獲得できる予想が出ているのだ。 

 イスラエルの総選挙でリブニが勝利すれば、中東のグレートゲームは再び動き出すだろう;ネタニヤフ首相に対しては諦めてしまっていて、またエジプト問題で頭が一杯のオバマ大統領が、最近の評価が上昇気味なのを利用して2012年の2期目を勝ち取れば戦略的な要素は画期的な調和をもつことになる。

 しかし時間の推移がこのような政治的推測をひっくり返すこともある。例えば西岸問題の専門家らは、パレスチナ人が我慢できずに爆発すると考えている。エジプトやチュニジアの抗議運動に鼓舞された大衆運動が起き、今後12ヶ月以内にイスラエル軍との衝突が起きるだろうと見ている。その反面、イスラエル右翼問題の専門家らは、リブニを完全に追放する機会が来たと喜んでいる。

 しかし、政治活動の動きの中で、リブニは今週、ヘルズリアでの会議に張り切って乗り込んできた。

 人を鼓舞するような演説の中で、彼女は宣言をした:「いつまで我々は世界に向かって平和を欲していると訴え続けるつもりなのか? 西岸を軍が統制しているのにいつまで我々だけが中東で唯一の民主主義だと主張し続けるつもりなのか? 我々はこのようなリンボ(地獄の辺土= 《地獄と天国の間にあり,キリスト教以前の正しい人,洗礼を受けなかった小児,異教徒,白痴者の霊魂の住む所》)に住むことはできないし、我々は中東全体のための岐路に立っている。イスラエルはイニシアティブを掴んだ時は強い。変化が必要だ。彼らのためではなく我々のためにである」

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