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チュニジアのプロテスターたち

◆1月19日

 アラブ世界の一角にあるチュニジアで暴動が発生、結果として政権が崩壊、新政権が形成されつつある。これに触発されたようにその他のアラブ世界でも似たような動きが出てきている。

 これを欧米型のグローバリゼーションに対するアラブ民衆の反乱、と捉えるのが以下の論文である。実は以下の話はなにもアラブ世界だけの話ではなく、わが日本をも含む全世界に共通する話なのだ。

 グローバリゼーションとは、インターナショナリズムの言い換えに過ぎない。ただしこの左翼インターナショナリズム運動の背後には世界的銀行家らがいて、それを進めたという事実を理解しないとわけが分からなくなる。

 レーニンのロシア革命は欧米の銀行からの資金援助がなければ成功しなかったであろう。一切の運動には資金が必要なのだ。1848年のフランスの革命でもロスチャイルド邸は襲撃されなかったのにはわけがある。
 資本家らは今、グローバリゼーションを掲げ、国家の壁を越えて、資本の力であらゆる利権を買いあさっている。

 今の日本の民主党が、アメリカの圧力で今の動きをしていることは明らかである。菅政権は欧米の圧力の中で、彼らの利益を中心とする政策の実行を目指しているといえよう。圧力とは、脅しである。簡単に言えば、脅しに屈っしたと考えざるを得ない。

 チュニジアでは若者が焼身自殺をした。エジプトやアルジェリアでも焼身自殺するものが出てきた。事態はそこまで悲惨な状況であったことがわかる。
 今、アラブ世界の特に独裁国家では、たとえば、エジプト、リビア、モロッコ、そして多くの王国など、戦々恐々としていることであろう。欧米諸国といい関係にあるアラブ諸国の政権は特にそうだ。

 今の時代はかつての過去の時代とは一線を画する。違うのだ。このことをこのブログでは再三再四指摘してきた。今や今までのまやかしが暴露され、今までの一切の欺瞞が崩壊していく時代になっている。これからますます人々の意識は目覚め、根本的変革へと進んでいく。

 「最後の鐘がなる・・・収奪者が収奪される」・・・(マルクスも知らなかった時代が迫ってきている)


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●グローバリゼーションの失敗:民主主義のアラブの春
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=22828
【1月17日 by Abdul Ilah Albayaty and Hana Al Bayaty and Ian Douglas】

 チュニジアの事件は大統領を追放するといった問題ではなく、欧米の植民地主義的グローバリゼーションのモデルの崩壊、ということだとアブドゥル・イラハ・アルバヤティ、ハナ・アル・バヤティ、イアン・ダグラスは書いている。

 チュニジアの暴動は全世界に影響を与えているこのグローバリゼーションというモデルの失敗の結果である。この国の経済が外国資本に開かれて市場に委ねられた途端に、国家の役割は自動的に損なわれ、ただこのモデルを保護するためだけのものになってしまった。その結果、チュニジアであろうとなかろうと、発展途上国では、人々の利益と外国資本を保護するために生まれた階級との間で矛盾が生まれている。

 アラブ諸国では、グローバリゼーションのモデルは、社会に幸福を広める責任を持つアラブ・イスラム的国家を廃棄することにある。それは第二次世界大戦後の独立運動で生まれた国民国家という概念を捨てることを意味する。この国民国家というものは、国民の発展と幸福いう概念を基礎とすることで正当性を持つのである。グローバリゼーションはまた、福祉国家と公共サービスの提供を基礎とする社会主義的理想の廃棄をも意味する。

 第三世界に埋め込まれたグローバリゼーションのモデルは、時にはイラクのように力で、あるいはエジプトとかインドネシアのように経済的圧力で、あるいは石油生産国の裕福な国家に適用させることで、どこであっても、その国の経済をグローバルな経済に組み込むようにさせ、自分たちの政権と外国資本とその国の資本家の既得権益だけをを保護し管理する役割だけを持つ国にしてしまうコンプラドール(仲買人)階級を生み出すようにしてきた。並行して、どこでも、先進国を含めて、このモデルは金持ちを更に裕福にさせ、中流階級を貧困化させ、貧困層を社会の片隅に追いやってしまった。
  
 チュニジアでは、このモデルが非常にうまく機能していたという幻想は、独立以来続いてきたその独裁政権のやり方に負うところが大きい。しかしながら、どこでもそうだが、その結果は、経済的、政治的に貧困化し見捨てられた人々を生み出し、統治する警察国家階級を更に裕福にさせ、人々の福祉は見向きもされず、いかなる反対にも市場の名の下に厳しい弾圧で対処する国を生み出しただけであった。
 しかし、我々のこの近代という時代では、社会というものは際限なく人を弾圧したりイデオロギーを禁止したりすることのできる組織ではなく、生きた存在なのだ。誰も自分以外を統制することはできないのだ。

 もしも過去に、教育を受けた階級が他の国に移民をするという選択をしたとしたら、そしてそこの発展に寄与するということをしたら、グローバル経済危機と欧米と同盟国の経済のスタグネーションはこの可能性に制限を与えていたことだろう。この状況の結果は、発展途上国における教育され技術を持つ青年らによる軍隊というものだ。
 通常は、そういった青年たちは経済の担い手であり、社会の幸福の守護者であり、また自分の人生への抱負に満ちた者たちである。

 現在の全てのアラブ諸国における政治経済的状況はこれら青年らを暴動へ、そして時に絶望に追いやっている。こういった青年たちは世界の似たような状況にある者たちと同様の生活をする権利を持っていると考えている者たちである。

 1973年後、自分たちの勝利の上にアラブ世界は欧米社会に国を開くことができると考え、そのプロセスは平和と繁栄をもたらすと考えた。サダトの経済自由化と欧米企業の投資を招致したことはアラブ世界での福祉国家の終焉のサインとなった。それ以来、自己発展の夢は廃棄され、アラブ諸国が外国資本に市場を開くことになったのだ。この自由化の政策は、アメリカの祝福を受ける条件となった。最初はレーガニズムとサッチャーイズム、そして世界貿易交渉が続き、世界銀行の構造改革政策であった。

 このグローバル新自由主義的経済の輪の中に組み込まれる事をイラクが多少でも拒否したので、力と占領、それにまたブレマー法を通して石油産業を民営化しイラクの将来を外国企業に渡すことを余儀なくされた。イラクの経済を開放し外国勢力が経済面、政治面、文化面それに軍事面などに自由にアクセスできるように、占領政策はイラクが自力更生できないようにインフラ面と人材の両面での物理的破壊の方式を採ることになった。

 イラクでの経験で示されたように、外国資本はその国の経済の本当の発展を狙うものではなく、自己決定的な発展プロセスの能力を破壊することなのだ。アメリカによって進められている金融資本主義的帝国主義の段階では、第三世界は世界発展で利益を得るのは一番最後で、資本主義の危機の際には最初に被害を受けるのである。

 この政策が達成できる模範例と言われてきたドバイの金融機関でさえ、金融危機に直面し、他の首長国が救済に乗り出さねば破綻するところだった。

 1973年以来の古い世代を活気付けた発展の幻想の一切、社会主義、アラブの統一あるいはルネッサンス、パレスチナにおけるパックス・アメリカーナと欧米化、あるいは解決策としてのイスラムは、こういった理想にアラブの政治勢力が注がれたにもかかわらず、今や何も生み出さなかったし達成されなかったことが示された。

 社会主義の型は崩壊し過去のものとなった;アラブの統一は各国政府のアジェンダにはない;解決策としてのイスラムはイラクのように単に分裂と派閥をもたらした;パレスチナに於けるパックス・アメリカーナはイスラエルの侵略を止めることはなかったし、各国の市場を資本主義的経済に開放しそのシステムに組み込んでも、投資はやってこず、あるいは失業問題や貧困の解決にはならなかった。正当な権利を人々は持っていても自由に国の公務に参加できなかったし、国の経済や国土の豊かさの恩恵を受けることもなかった。

 アラブの青年らはまだいくつかの国で追い求められている古い世代の大いなる夢に反対はしないだろうが、そしてそのような動きは彼らにも影響を与えてはいるが、アラブの青年らは今すぐ変化を起こしたいと願っている。

 新しい世代は幻滅している。チュニジアでは自分たちで運命を切り開こうとし変化を、本物の変化を願っている。アラブの一国として、変わらぬ地中海的環境を持つ国にあって、チュニジアの人々はグローバリゼーションのモデルとは単なる横領のことであるとはっきり理解したのだ。

 なんらの幸福や発展、自由あるいは民主主義も達成されなかった。このモデルは圧制、腐敗、窃盗の一般化ということに要約されるのだ:コンプラドールの統治階級、警察国家、帝国主義勢力の政策と利益に国家を従属させることである。 

 ベン・アリ政府の崩壊は一つの独裁政権の崩壊というだけのことではなく、金融資本主義によるグローバリゼーション・モデルの崩壊であり第三世界に対する帝国主義システムの崩壊を意味している。その他のアラブ諸国の状況は、石油産出国を含めて、同様である。
 状況は恐らく各国経済、地政学的位置、それに人口構成により多少異なるであろう。しかし新自由主義的グローバリゼーションへの統合は発展とか進歩をもたらしはしなかったししないであろうということを、それどころかむしろ、いくらかの者たちが裕福になること、大多数は貧困化すること、そして国家利益をグローバル資本主義に明け渡したし、明け渡すであろうということを皆が知っている。

 多少の差異はあれども同じ状況にあるアラブの政権は動揺している。それは同じ状況は同じ結果をもたらすことになるからだ。全てのアラブ政権は、全ての帝国主義勢力、全ての革命勢力らは、チュニジアにおける成功の原因を研究している。他の似たような暴動は失敗したのにチュニジアでは彼らは政府を追放することに何故成功できたのかと、彼ら全てが自身に問うている。

 以下は我々の見方である。アラブ世界ではどこでも、同様の状況が存在するし、同様の変化への要求があるし、このグローバリゼーション・モデルからの脱却を願う欲求がある:唯一の違いは、チュニジアでの暴動は自発的なものでイデオロギー絡みではなかったということである。

 それはある政治的組織ともう一つの組織との間の紛争というものではなかった。むしろ支配階級と人々との間の紛争であり、支配階級に対する人々の戦いであると理解したチュニジアの青年たちの意識と自発性による紛争であった。

 それは、人間としての尊厳性、民主主義と幸福の、失敗した発展のシステムに対する戦いである。この経験により、その他の諸国は同様の状況になっていくであろう。 

 まさしく、チュニジアでの成功はその統一性に負うところが大きかった。似たような暴動、イラクで2010年夏に起きた電力絡みの暴動などは成功しなかったが、それは多くは本当の共通の自分たちの利益から目をそらさせ、アラブを分裂させようとする外国勢力によって教唆されていた政治的レベルでのイデオロギー的分裂状態が存在していたからだ。

 どこでもアラブの青年たちは尊厳性、自由、民主主義、そして発展のある人生を願っている。イラクのようなイデオロギー的な紛争は、人々の本当の利益を覆い隠してしまう。こういったイデオロギー的紛争は統治勢力によって彼らの政策を正当化することに利用され、彼らの実際の行動を隠すことに利用される。しかし遅かれ早かれ、貧困化した大衆と裕福になった統治勢力との間の紛争の事実は明らかになるのだ。

 全てのアラブ政府が動揺している間に、そして自分たちの国で似たような動きをどのように窒息させるかのノウハウをシンクタンクがアドバイスしている間に、アラブの民衆は既にチュニジアの暴動は、希望であると宣言し彼らにとっての模範例であることを宣言している。

 ヨーロッパ諸国の経験を分かち、影響力を考慮しながら、1848年あるいは1968年にヨーロッパ中に暴動が継続して起きたことは不思議でもなんでもない。このように、同じ国家に属し同じ条件で生活していると皆が考える時、アラブ世界で何が起きるであろうか?

 一つのアラブ国家に属していた国が植民地主義勢力により分裂させられ個別の国家に分かれてしまった、これらアラブ諸国にチュニジアはどのような影響を与えるであろうか?

 欧米はアラブに対し、自分らの政策に合致する場合には、彼らアラブ諸国は分かれた独立した国家であると告げるが、自分らの利益に合致すれば、アラブを一つのブロックとして扱うのだ。

 この動きに反対するチュニジアの人々は、彼らの利益を守る為この運動を封じ込めようとするだろうが、状況は人々の利益と国家の間に妥協が成立するまでは紛争は継続するであろう。これを民主主義とか独立というのだ。そこでは民衆と国家が彼らの現在と将来の主人公である

 これはアラブ世界の新しい時代の幕開けなのだろうか? この暴動は本当の変化をもたらすであろうか? 最終的には、アラブ世界は本当の民主主義と主権を揮(ふる)えるようになるのであろうか? 同じ現実に直面するその他の政権は、彼らの運命を見越して彼らのシステムを平和裏に変えていくことを選択するであろうか、あるいは一緒になってチュニジア現象を窒息させ、その目標を変えるようにさせるのであろうか?

 未来が我々に示すであろうが、人を変えるということは暴動の原因を変えるということにはならない。アラブのリニューアルというものがチュニジアで始まっているのであろう。

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モザイク国家といわれるレバノンに再び亀裂が?

◆1月17日

 レバノン政権が瓦解した。ハリリ首相の父親であるファリク・アル・ハリリ元首相暗殺事件に絡む問題で、先に欧米社会はシリアがその黒幕であると指摘したのだが、国連の特別査察で証人とされた人物らが全く信憑性に欠ける人物であることが判明し、シリア黒幕説は崩壊したと思いきや、性懲りもなく今度はヒズボラにその黒幕の役を負わせようと画策している。

 前の画策でシリア軍のレバノンからの撤退を引き出したが、今度はその矛先をレバノン内の反イスラエル勢力であるヒズボラに焦点を合わせ、ヒズボラの暗殺関与を匂わせ、その武装解除を目指している。

 ヒズボラが国際社会の要請で武装解除の圧力を受ければ当然それに反発することで、イスラエルが再び欧米社会を後ろ盾にしてレバノンに武力介入できる口実を持つ事ができる。

 常に欧米寄りであったハリリ派の首領ハリリ首相は欧米の意向に従うことで、レバノンの統一政府を瓦解させ、自国を新たな分裂の岐路に立たせることになった。

 ハリリ首相は、自らの父親を殺害した勢力が自分が頼みとしているその欧米・イスラエル勢力であることを知ってか知らずか、同じアラブ民族のシリアとサウジによる仲介を蹴って再び欧米側に着くという愚かな選択をすることで、自分の国を再び戦火にさらす危険な動きをしていることになる。


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●レバノン危機:統一政府の崩壊で再び緊張
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=22766
【1月13日 by Rev. Richard Skaff】

 レバノンのサアド・アル・ハリリ首相がワシントンにオバマ大統領を訪問している時、ジュブラン・バシル・エネルギー長官はベイルートで11人のヒズボラ系閣僚の辞意を表明した。このため、レバノン政府は瓦解することになった。

 この辞職表明は明らかに、首相がワシントンを訪問する際にはなされるということが計画されていた。

 アルジャジーラによるとレバノンの統一政府は、2005年に殺害されたラフィク・アル・ハリリ元レバノン首相に対する国連査察に関する議論をめぐって、ヒズボラとその政治的同盟組織の閣僚が辞任した後に崩壊したという。

 10人の閣僚は、アル・ハリリ氏の息子で首相のサアド・アル・ハリリ氏が議論を呼んでいるこの問題について閣僚会議の開催を要請していたのを拒否したという報告を受けて12日辞意を表明した。11番目の閣僚であるアドナン・サイド・フセイン氏は後からこの30名からなる内閣から去った。これによって、ハリリ政権は崩壊することになった。 

 この閣僚会議の要請は、シリアとサウジアラビアによる数ヶ月間に渡るレバノンの政治的危機の仲介努力が失敗したという発表がなされた後、11日に出されていた。

 2005年のハリリ元首相暗殺にイスラエルが関与しているという証拠が存在しているにもかかわらず、政治的に動かされているSTL(レバノン特別法廷)は、神の党のこの暗殺事件への関与を示すことで、ヒズボラの武装解除ができるのではないかという希望をもってヒズボラに焦点を当てている。その結果、ヒズボラがこのハリリ暗殺に関与しているとされ国連がバックのレバノン特別法廷で起訴される可能性が出てきているため最近、政治的緊張がレバノンで高まっていた。

 ハリリ氏のアメリカ大統領訪問は、ホワイトハウスでの会談後すぐダラス空港に向かったのを見ても短縮されたのが分かる。オバマ大統領は会談中に政権が崩壊したレバノン首相に対し全面的支援を約束した。ハリリ首相はまた、帰途フランスに立ち寄りサルコジ大統領と会談する予定だ。
 アルジャジーラは潘基文国連事務総長のスポークスマンが、動揺するレバノン情勢を事務総長が注目していると述べた。また事務総長は状況が平穏に保たれる重要性を強調した。「事務総長は全関連組織間での対話と憲法及び法の遵守がなされるよう呼びかけている。彼はまた、レバノン特別法廷が独立的に機能するよう全面的に支援すると強調した」

 ヒズボラは、この暗殺に関して一切のかかわりを否定しているが、この法廷については、「イスラエルのプロジェクト」であると非難し、アル・ハリリ氏に対してはまだなされていない法廷のいかなる評決も否定するよう要請している。
 しかしアル・ハリリ氏は、法廷に協力することを否定しないため、ヒズボラは政治的力量を示すため政権から離脱してしまった。

 またクリントン国務長官はカタールのドーハでの記者会見で、「本日生じた事態に対しては、レバノンの安定性と発展を脅かし正義を損なおうとする、レバノン内外の勢力による明らかな意図が示されたものと見ている」と語った。

 ハリリ氏は自国の問題に対して自ら直接に対応する代わりにアメリカにお伺いに向かった時、ヒズボラの動きによって打撃を受けた。レバノンに対する忠誠の代わりに外国勢力に常に依存せんとする姿勢のため、レバノンの傀儡政権は再び崩壊した。 


◆レバノンの将来は?

 アル・ハリリ派とヒズボラの国連法廷に対する姿勢での対立状況は、2008年5月の内戦に似た情勢をもたらすであろうか?あるいはSTLの目的はヒズボラの武装解除とレバノンの不安定化であろうか?

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自滅の道をとり始めたのか、イスラエル?

◆1月15日

 イスラエルで人権擁護を強く打ち出す左翼のやり方に対し、シオニスト側はその左翼的な動きを封じ込める動きを強めそうだと言う。

 イスラエルの国会で以下のような法案の法制化を進めようという動きがあるようだ。世界で「人権」運動を進めてきたのは、多くがユダヤ系の人々だったが、今や足元のイスラエルではその「人権」運動を目の敵にする政権が人権運動を標的とする法案作りに躍起となっているわけだ。

 人権が封じられた国家といえば、これはまさしく彼らが天敵としているナチス的国家であり、イスラエルは自らがこのようにナチス化しつつある、ということになるだろう。

 イスラエルの最後の日が数えられ始めるのも、このままでは、そう遠くないのかもしれない。


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●ユダヤ国家の最後の日
http://www.gilad.co.uk/writings/gilad-atzmon-the-last-days-of-the-jewish-state-1.html
【1月12日 Gilad Atzmon】

 数分前にイスラエルの左翼のニツザン・ホロウィッツの記事を読んだ。ホロウィッツはメルツ党のメンバーで、マッカーシート国会人権団体審理委員会によってなされた新しい提案を知らせてくれた。

 ホロウィッツによれば、この委員会は以下の措置を検討中だという。

 1.左翼運動にかかわる者がイスラエルに入国するのを規制する法案と法制化(これは裁判所無しで実施されることになる)
 2.イスラエル人と結婚した両親を含む、外国籍を停止すること
 3.新しい最低刑期、執行力の増強、罰金その他の新しい内容と共に、囚人と抑留者の権利の劇的な縮小
 4.増大する様々な違反を犯したイスラエル人から、イスラエル国籍を剥奪 
 5.国会議員の権利の剥奪
 6.行政上の手続きに法的権力を付与すること;例えば、外国人に対する宗教法廷の設置
 7.アラブ人市街地への出入り禁止
 8.「左翼的要素」を推進する文化的機関への融資の差し止め
 9.人権団体への寄付に対する免税を廃止
10.人権団体と関係する公共団体との契約のキャンセル
11.奉仕ボランティア向けポストの人権団体への割り振りはキャンセルさせる
12.人権団体と公共機関のウェブサイトへのアクセスの規制
13.人権団体の代表者の教育機関への立ち入り阻止


 このような情景が何を物語るかは明らかだ。
 イスラエルは亡国の道を進んでいる。その寿命はそんなに長くないことだろう。

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逮捕されたイラン人のモサド工作員

◆1月12日

 イラン人を訓練しイスラエルのモサドの工作員としてイラン人核科学者を暗殺しようとしたイスラエルのスパイ網が摘発されたという。

 中東はスパイの暗躍する謀略地帯だが、モサドの暗殺実行犯として訓練されたイラン人が逮捕されたというのも珍しい。イスラエルのモサドにも焼きが回ってきたということかもしれない。

 既に何回も示してきたように、これからはイスラエルやアメリカ、イギリスの謀略は失敗する事が多くなってくる時代に入っているということだ。どうしてもうまくいかないのだ。彼らの頂点はあの2001年9月11日同時多発テロであり、あれ以降は頂点からの下降となっている。

 従って、今までのように謀略がうまくいかなくなり、要するにばれてしまう時代にはいったのだから、今までどおりのやり方を改め、真にイスラエルの存続を願うのならば、パレスチナ人との共存・共栄の道を探るべきなのだ。そうしないと、最後は手厳しい結果を受けることになるだろう。
 

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●イラン:イスラエルのスパイ網を摘発
http://www.nytimes.com/2011/01/11/world/middleeast/11iran.html?_r=1
【1月10日 By WILLIAM YONG and ALAN COWELL】

 イスラエルのモサド工作員網に侵入したと主張して、イラン情報相は10日、昨年のイランの物理学教授暗殺に関わった国際的スパイ網を摘発したと語ったと国営メディアが伝えた。

 国営プレス・テレビはイランが大掛かりな捜査の後、「テロ事件の主要な黒幕を逮捕し、イスラエルのスパイとテロリストを含むスパイ網を摘発した」と、準国営のファーズ通信が伝えたと報じた。

 プレス・テレビは、イスラエルの情報組織は、「非人間的で非イスラム的なゴールを達成するためにヨーロッパと非ヨーロッパおよびイランの隣国を含むいくつかの基地を使用していた」と伝えた。

 これらの「基地」は、「マスード・アリ・モハマディ博士暗殺の時使用された」という。博士はテヘラン大学の物理学教授で、昨年1月テヘラン北部にある自宅近くで遠隔操作で作動する爆弾が仕掛けられたオートバイにより殺害された。イランはこの殺害でイスラエルとアメリカを非難した。その動機については充分に説明されてはいない。

 イランはイスラエルを、自国の核計画を損なおうとしていると頻繁に非難してきた。イスラエルは、イランの核計画に対してもしも外交的決着がなされねば、イランの核施設に対する軍事攻撃の選択肢を除外していない。

 昨年11月、オートバイに乗った身元不明の者がテヘランのトップの二人の核科学者に対する爆弾攻撃を行い、二人の内一人を殺害した。殺された者は、マジド・シャリアリ氏で、イランの主要核プロジェクトのマネージャーであるとイラン当局は発表した。

 負傷したのは、シャリアリ氏の友人のフェレイドン・アッバシ氏で、国連の安保理の制裁リストに掲載されている人物で、イランの核計画と密接なつながりのある人物だという。

 これらの攻撃によりイランはイスラエルとアメリカが黒幕にいるとして両国に対する非難を更に強めた。

 プレス・テレビは10日、イランは、「重大なダメージをイスラエルの諜報・保安組織」に与えたとし、また「非常に重要かつ国家機密に関わる」モサド工作員チームに関する情報を発見した、と伝えた。

 イランの情報相は、イスラエルの保安組織に侵入したとし、この作戦は「何ヶ月にもわたる複雑な方法を使ってイスラエル政権の核心部分にまで至る」ものであったとプレス・テレビは伝えた。

 イスラエルはこのような主張に対しては規則的にコメントをすることはなく、10日の段階ではイスラエル当局からの回答はない。 

 イランの核計画はイラン政府とその他のアメリカやイスラエルを含む諸国との間で論議の的となっている。イランは平和目的の核開発をしているだけであると語り、アメリカやイスラエルはイランが核爆弾を製造しようとしている、と見ている。

 この問題での論議は、今月トルコのイスタンブールでイランと6カ国の間で再開される。この6カ国には、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国、それにドイツおよびヨーロッパ連合が含まれる。



●イラン人モサド・スパイ:自分はイスラエルで訓練を受けた
http://www.haaretz.com/news/diplomacy-defense/iranian-mossad-agent-i-was-trained-in-israel-1.336288
【1月10日 Yossi Melman ? Haaretz】

 イランの国営プレス・テレビは10日、モサドによって訓練され、昨年テヘランでイラン人核科学者の暗殺に関わったと言っている男を放映した。

 イランの情報組織によって逮捕された身元不明のこの男は、モサド工作員と会う為にイスラエルに行ったことがあると述べた。
 「そこには二人の男がいた。ヘブライ語を完璧に操るイスラエル将校だった」とこの男はカメラに向かって語った。「我々はテルアビブ空港に到着したが、パスポートコントロールで質問されたが、ヘブライ語が分からないので係員が疑った」
 「その時、自分の世話を見る人物が来て航空チケットを示し、私のパスポートを取り、我々は違う通路に向かった」と語った。「我々はテルアビブを出て高速道路でエルサレム方面に向かい、30分ほどでモサドの司令部に到着した。テルアビブとエルサレムの中間にあった」

 この男が語る「モサドの司令部」:3キロから4キロの長い塀で囲まれ通電した防護柵でかこまれている。

 彼はまたどのようにして、イラン人核科学者であるマスード・アリ・モハマディを暗殺したかを語った。
 彼は、イスラエル工作員らが自分に対して監視、対監視、車爆弾装着方法などの訓練をしたと語った。オートバイの使用の仕方も習ったという。

 彼は、本来は自分がアリ・モハマディ殺害を実行するように言われていたという。
 「テルアビブに近い司令部で、私は訓練を受け、アル・モハマディ博士に関する詳細を学んだ。そして彼の自宅の周囲について調べることで、辺り一帯を熟知し暗殺時の状況を把握することができるようになった」

 10日の朝、イランのメディアは、イラン当局がモサドに繋がるスパイ網を摘発したことを伝えた。

 昨年1月12日、テヘラン大学の科学者であったアリ・モハマディ博士は遠隔装置爆弾によって殺害された。

 11月、もう一人のイラン人核科学者が暗殺され、もう一人は重傷を負った。これら三つの攻撃は、イラン当局によってモサド、イギリスのMI6、アメリカのCIAの仕業であると非難された。

 イラン政権を困惑させたこの暗殺事件で、保安関連高官らは犯人逮捕を誓っていた。10日の声明発表とテレビ・インタビューはイラン政府が少なくともある程度、この作戦に成功したことを民衆に示すことになったと思われる。

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ガザ自由船団の船

◆1月10日

 イスラエルはガザに対する封鎖を継続し、かつ再度ガザに対する攻撃を準備しているという。自国民が捕らわれているのが、ガザ攻撃の理由であるという。
 一切を力ずくで解決しようという、彼らシオニストの姿勢は相変わらずのようだ。

 しかし、いつまでそのような姿勢を続けることができるというのであろうか?自分たちを守ってくれるに違いないアメリカなど欧米社会は、いま経済混乱から始まった社会的な崩壊現象が深化している状況である。

 建国から60年以上経過して、いまイスラエルの運命は下降段階に入っていると判断すべきなのだ。これからは今までの武断的・好戦的姿勢を改め、共生・共存の姿勢に変わっていかねばならない。それが彼らの生き残る術である。それ以外にはない。

 もっともイスラエルの中で特に宗教的熱狂者らは、戦争を起こしイスラエルのみならず、中東、果ては世界中で混乱が極まることで、自分たちが待望する「メシア」が到来すると考えている。はっきり言うが、そんなメシアはやってこない。いつまで待ってもやってこないのだ。

 待っている内に自分たちが次から次と犯罪を犯し、そして死んでいくことになる。その子孫は積み重なった負の遺産の中で、最終的には悲惨な結果を刈り取ることになってしまうであろう。従って、良識あるイスラエル人が今こそ立ち上がる時なのだ。時間はもうそんなに残されていない。


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●砲弾に見舞われたガザの希望Hopes of Gaza Cast in Lead
http://english.aljazeera.net/indepth/opinion/2011/01/2011147844745636.html
【1月5日 by Prof Richard Falk】

 イスラエルはガザに対する大規模攻撃を準備しているのだが、国際社会は不可解な沈黙を保っている。

 「鉛をぶち込め作戦」と命名されたイスラエル軍による攻撃でガザが壊滅的な攻撃を受けてから2年目のこの暗鬱な時期に、困難な状況下にあるパレスチナ民衆に対して新たな攻撃の可能性を警告することは実に遺憾なことである。

 イスラエルの有力なジャーナリストである、ロン・レンイシャイは昨年12月29日、イスラエル国防軍(IDF)による新たな大規模攻撃の可能性があることを語った。彼は、イスラエル軍の高級将校の、「あるのかないのかということが問題ではなく、それはいつか、というのが問題である」という言葉を引用している。この見方は、政府閣僚、議会議員、ガザ地区の市町村長らが共有しているという。

 好戦的な参謀総長のガビ・アシュケナジ中将は、最近のコメントによってこの見方を裏付けている。「ギラド・シャリトが捕囚の身である限り、作戦は完了していない」と語ったのだ。彼はまた、「我々は自衛の権利を失ったわけではない」と何気ない皮肉な言い方もした。もっと正確には、「人類に対する犯罪を犯す、侵略戦争を始める権利を我々は放棄していない」というげきだろう。

 占領されたパレスチナ全土で10歳以下の子供を含む1万人以上のパレスチナ人が、イスラエルの刑務所に入れられていることに対してはどうなっているのか?


◆おとり

 このような状況下でガザ・イスラエル国境で暴力沙汰が増えれば世界中に、そして国連に警報を鳴らすことになろう。

 最近では、イスラエル軍はガザにある標的に対し猛烈な空爆を実施している。この中には、カン・ヨウニス避難民村近郊も含まれていて、何人ものパレスチナ一般人が死亡し、多くが負傷している。

 恐らくはこの攻撃は、開放地に落下したがなんらのダメージも負傷者もでなかった9発の迫撃砲弾に対する報復ということであろう。イスラエルはそのほかにも家屋の修繕のために小石を集めているガザの子供たちに対しても武器を使用している。

 いつものことであるが、イスラエルの治安部隊の言い訳は信憑性に欠ける。警告のため空に発砲することがかつてあったかのように、ここで行ったというのである。しかも国境は害のないロケット弾や迫撃砲弾が撃たれたことがあったが、基本的にはここ数年は静かであったのだが、イスラエルが軍事力を使用する口実を与えることを避けようとするハマスの努力を無視して起きたのだ。

 あからさまな典型的な歪曲の仕方でガザの状況はアシュケナジ参謀総長によって戦争直前の状態として描かれている:「彼らが一般人に混じって、安全地帯からわが国の市民や市街地にロケット弾を発射する状況を我々が看過することはないだろう」

 現実は全く反対である:イスラエルこそが、その安全地帯からガザに押し込められた無防備な民衆を殺害する意図をもって継続的に攻撃しているのだ。


◆沈黙は共犯と同じ

 恐らくは、このイスラエルの好戦的姿勢にもまして悪い事は、各国政府と国連の完全な沈黙である。

 世界の民衆は、イスラエルの「鉛をぶち込め」作戦の一方的な大規模な人道的犯罪行為に衝撃を受けたが、希望を失っているガザの民衆に対するイスラエルの戦争準備と思われる最近のこの脅威と挑発の増大についてはなんらの関心も示さずにいる。

 イスラエルが「鉛をぶち込め」作戦Ⅱを計画しているという証拠が積み重なるのを見ながら沈黙していることは、イスラエルと同盟関係にある諸国にとっては特に、政府の犯罪に対する共犯ということになるのだ。また国連のシステムの道徳的破綻を示してもいる。

 我々は、イラクで「先制攻撃による戦争」と「予防戦争」というものの虐殺性というものを目撃してきているが、これからは道徳的で政治的な先制的和平と予防的和平というものを、探求すべきである。このために世界はどれほど待たねばならないだろうか? 

 2年前のイスラエルの攻撃に対して、あるガザの匿名の人物が語った内容を思い起こすことに意義がありそうだ:「イスラエルの軍隊が私の隣人宅を爆撃している最中、国連、ヨーロッパ連合、アラブ連盟その他国際社会はこの暴虐を前にして沈黙を保っていた。何百という子供や女性たちの死体も彼らを目覚めさせ仲裁に入るまでにさせることはなかった」

 国際的なリベラルな世論は、「保護する責任」の世界的規範について熱心であるが、残酷な封鎖が三年以上にわたって行われていて、今新たな重大な危機的状況に直面しているガザに対して、その考え方が緊急に適用されるというなんらの保証も示していない。

 2008年から09年の戦争の暴虐さがゴールドストーン・レポートや、アラブ連盟のレポート、アムネスティ・インターナショナルやヒューマンライト・ウォッチによって認定された後も、イスラエルがその責任を取るという希望なない。そしてアメリカはこの問題を効果的に闇に葬るべく外交的力を発揮し、メディアの協力をえながら、忘却のかなたに追いやろうとしている。


◆真実

 道徳的、法的、政治的状況に対して適切な回答を寄せることができたのは市民社会だけである。これらの回答がその目標に到達できるかどうかは、未来が示すことだろう。

 人道的物資と建設資材の搬入のため封鎖を解くよう要求することで、少なくとも論理的にイスラエルの撤退を促したことで、「自由ガザ運動」と「自由船団」は国連や各国政府よりも封鎖に対しての効果的な動きであった。

 勿論、実際上の動きはイスラエルの論理と矛盾している:ガザに対する基本物資の充分な搬入は未だ満たされていない;上下水道システムは非常に悪いままである;充分な電力を供給できるだけの燃料が不足している;鉛をぶち込め作戦によるダメージはそのまま残存しているので、住宅事情が非常に悪い(人々をテント生活から解放するのに10万戸以上が必要)

 学生たちはガザを離れ外国で学ぶ機会をもつことが許されていない。人々は野外に住むことで、日夜安心できない状況下にある。

 このガザの状況は、2011年の展望を暗くしている。しかし同時にまたガザの人々の心意気を見損なってはいけないだろう。

 ガザの人々に会った時、特に若い人々は生まれた時から自分たちと家族にのしかかる厳しい生活の負担が大きそうだが、人生に対する希望的な姿勢を持っており、あらゆる機会を捉えようとしているし、問題を問題視しない姿勢を持っている。またより幸運な人々に対する暖かい心を示し、将来に対する彼らの希望に燃えている。

 こういった出会いに自分は刺激を受けたし、自分の責任感と覚悟を一層固めることができた:これらの誇り高い人々は拘留や脅し、貧困や病苦、精神的トラウマと身体の障害、殺戮などの圧制下から解放されるべきである。

 これらがなされねば、誰も心安らかに眠る事はできないはずだ。

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