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モザイク国家といわれるレバノンに再び亀裂が?

◆1月17日

 レバノン政権が瓦解した。ハリリ首相の父親であるファリク・アル・ハリリ元首相暗殺事件に絡む問題で、先に欧米社会はシリアがその黒幕であると指摘したのだが、国連の特別査察で証人とされた人物らが全く信憑性に欠ける人物であることが判明し、シリア黒幕説は崩壊したと思いきや、性懲りもなく今度はヒズボラにその黒幕の役を負わせようと画策している。

 前の画策でシリア軍のレバノンからの撤退を引き出したが、今度はその矛先をレバノン内の反イスラエル勢力であるヒズボラに焦点を合わせ、ヒズボラの暗殺関与を匂わせ、その武装解除を目指している。

 ヒズボラが国際社会の要請で武装解除の圧力を受ければ当然それに反発することで、イスラエルが再び欧米社会を後ろ盾にしてレバノンに武力介入できる口実を持つ事ができる。

 常に欧米寄りであったハリリ派の首領ハリリ首相は欧米の意向に従うことで、レバノンの統一政府を瓦解させ、自国を新たな分裂の岐路に立たせることになった。

 ハリリ首相は、自らの父親を殺害した勢力が自分が頼みとしているその欧米・イスラエル勢力であることを知ってか知らずか、同じアラブ民族のシリアとサウジによる仲介を蹴って再び欧米側に着くという愚かな選択をすることで、自分の国を再び戦火にさらす危険な動きをしていることになる。


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●レバノン危機:統一政府の崩壊で再び緊張
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=22766
【1月13日 by Rev. Richard Skaff】

 レバノンのサアド・アル・ハリリ首相がワシントンにオバマ大統領を訪問している時、ジュブラン・バシル・エネルギー長官はベイルートで11人のヒズボラ系閣僚の辞意を表明した。このため、レバノン政府は瓦解することになった。

 この辞職表明は明らかに、首相がワシントンを訪問する際にはなされるということが計画されていた。

 アルジャジーラによるとレバノンの統一政府は、2005年に殺害されたラフィク・アル・ハリリ元レバノン首相に対する国連査察に関する議論をめぐって、ヒズボラとその政治的同盟組織の閣僚が辞任した後に崩壊したという。

 10人の閣僚は、アル・ハリリ氏の息子で首相のサアド・アル・ハリリ氏が議論を呼んでいるこの問題について閣僚会議の開催を要請していたのを拒否したという報告を受けて12日辞意を表明した。11番目の閣僚であるアドナン・サイド・フセイン氏は後からこの30名からなる内閣から去った。これによって、ハリリ政権は崩壊することになった。 

 この閣僚会議の要請は、シリアとサウジアラビアによる数ヶ月間に渡るレバノンの政治的危機の仲介努力が失敗したという発表がなされた後、11日に出されていた。

 2005年のハリリ元首相暗殺にイスラエルが関与しているという証拠が存在しているにもかかわらず、政治的に動かされているSTL(レバノン特別法廷)は、神の党のこの暗殺事件への関与を示すことで、ヒズボラの武装解除ができるのではないかという希望をもってヒズボラに焦点を当てている。その結果、ヒズボラがこのハリリ暗殺に関与しているとされ国連がバックのレバノン特別法廷で起訴される可能性が出てきているため最近、政治的緊張がレバノンで高まっていた。

 ハリリ氏のアメリカ大統領訪問は、ホワイトハウスでの会談後すぐダラス空港に向かったのを見ても短縮されたのが分かる。オバマ大統領は会談中に政権が崩壊したレバノン首相に対し全面的支援を約束した。ハリリ首相はまた、帰途フランスに立ち寄りサルコジ大統領と会談する予定だ。
 アルジャジーラは潘基文国連事務総長のスポークスマンが、動揺するレバノン情勢を事務総長が注目していると述べた。また事務総長は状況が平穏に保たれる重要性を強調した。「事務総長は全関連組織間での対話と憲法及び法の遵守がなされるよう呼びかけている。彼はまた、レバノン特別法廷が独立的に機能するよう全面的に支援すると強調した」

 ヒズボラは、この暗殺に関して一切のかかわりを否定しているが、この法廷については、「イスラエルのプロジェクト」であると非難し、アル・ハリリ氏に対してはまだなされていない法廷のいかなる評決も否定するよう要請している。
 しかしアル・ハリリ氏は、法廷に協力することを否定しないため、ヒズボラは政治的力量を示すため政権から離脱してしまった。

 またクリントン国務長官はカタールのドーハでの記者会見で、「本日生じた事態に対しては、レバノンの安定性と発展を脅かし正義を損なおうとする、レバノン内外の勢力による明らかな意図が示されたものと見ている」と語った。

 ハリリ氏は自国の問題に対して自ら直接に対応する代わりにアメリカにお伺いに向かった時、ヒズボラの動きによって打撃を受けた。レバノンに対する忠誠の代わりに外国勢力に常に依存せんとする姿勢のため、レバノンの傀儡政権は再び崩壊した。 


◆レバノンの将来は?

 アル・ハリリ派とヒズボラの国連法廷に対する姿勢での対立状況は、2008年5月の内戦に似た情勢をもたらすであろうか?あるいはSTLの目的はヒズボラの武装解除とレバノンの不安定化であろうか?

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