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イスラエルの諜報機関モサドのロゴマーク

◆6月20日

 アラブとイスラエルとが闘っている、というのは、事シリア問題に関しては嘘である。既に昨日の記事で「イスラエルはこのイスラム教内部の対立を利用して、アラブ・イスラム勢力の潰し合いを側面から煽っている」と指摘したが、以下の記事にあるように、イスラエルの諜報機関であるモサドがアルジェリアの青年をシリアで戦わせるためにリクルートしているという

 イスラエルのモサドという名前を用いているわけではなく、恐らくはアラブ系の、例えばカタールやサウジアラビアの関係機関のようなふりをしてリクルートしているのであろうが、実に卑劣で狡猾なやり方である。アラブ人同士で戦わせて、アラブ・イスラム教徒の勢力を弱体化させることで、中東の覇権を維持しようとする戦略である。

 そうと知って、それでもそのイスラエルと共同でシリアのアサド政権を転覆させようと図るカタールやサウジアラビアも、裏切り者の烙印を押されても仕方ない存在である。この所業の故、彼らの将来も運勢をなくし哀れな末路を辿る事になるであろう。

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●モサド:シリアで戦わせるためアルジェリア人をリクルート
http://english.farsnews.com/newstext.php?nn=9203184394
【6月19日 Fars News Agency】

 イスラエルのスパイ機関である「モサド」はシリア人とシリア政府と戦っている外国勢力が支援しているテロリストらを支援するため、アルジェリア人の青年らをリクルートしシリアに派遣しようとしている、とアルジェリアの新聞が19日報じた。、

 匿名を希望する情報筋はアルジェリアのアル・ファジル紙に対して、アルジェリア内の活動家らのサラフィ・グループはモサドの監督の下にあり、これらのグループはアルジェリア人の青年らを「シリアの聖戦」と彼らが呼ぶ戦いに向かわせようと、そして一般市民の殺害、騒擾活動を行わせる為、勧誘活動をしていると語った。

 この情報筋は、サラフィ・グループはチュニジアの彼らの宗教的信徒と直接的接触を維持していること、またカタールから金融的・軍事的援助を受けていると語った。


 今週始めには似たような指摘がオーストリア高官によって暴露された。彼は兵站的、軍事的、および医療的支援がイスラエルによってシリア内のテロリスト・グループに対してなされている、と指摘した。

 「イスラエルはシリアとの国境を非常に頻繁に越えて、シリア側の国境の村落に介入し反乱勢力とテロリスト・グループに対する、さまざまな兵站的、軍事的、医療的支援活動を行っている」とオーストリアの高官が匿名で17日、パレスチナの週刊誌アル・マナールでのインタビューで語った。

 彼は更に、イスラエルとテログループは、シリアと占領されたパレスチナ領土の間の国境地帯に、彼らの間の活動を調整し反乱グループに対する援助を容易にするための合同作戦室を持っている、と語った。

 この高官は最近多国籍軍としてゴラン高原に派遣された者であるが、彼はイスラエルは野戦病院と臨床センターで負傷した反乱軍兵士の治療にあたっていると指摘した。

 関連する情報として、カタールの治安筋が16日、イスラエルがシリア問題調整担当官のアフィフ・シャビトを、反乱勢力側に更なる武器の支援をする件で話し合うためのロンドンでのカタール政府高官との会合のため、5月下旬に派遣したと明らかにした。

 「5月20日、4時間に及ぶ話し合いが、イギリス在住のカタール市民であるハリド・アアベドのロンドンのブラウム・ハウスにある館で持たれた」と、FNAに匿名である情報筋が語った。

 「この話し合いの間に、シリアのテロリストが必要とする武器をイスラエルが準備をし供給する事が決定された。この件で、イスラエルはヨーロッパの兵器製造企業と交渉に入ること、またカタールは資金と武器購買に必要な予算の責任を持つことが決定された」と情報筋は語った。・・・以下略

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シリア軍が化学兵器を使用したという証拠はない、とG8で語ったロシアのプーチン大統領

◆6月19日

 G8会議ではロシアのプーチン大統領が、シリア問題で孤立を深めた、と欧米メディアでいわれたようだ。孤立を恐れることのないプーチン大統領が偉いのだ。孤立を恐れていれば、長いものに巻かれるばかりの者たちにより、どうしようもない世界ができてしまうが、「嘘とお世辞のご時勢にゃ、いてもいいだろこんな奴・・・♪」と「東京流れ者」にあるように、筋の一本通った奴がいなくてはならない。そして実際は、プーチンが言うように、G8の中にはプーチンと同じ見解、すなわちシリア政府軍が化学兵器を使用したという証拠はない、という考え方をする国家は存在するのだ。

 シリア紛争はイスラム教内部のスンニー派対シーア派の対立、という形になってきているが、シーア派の総本山がイランであるから、シリア内でゲリラ的騒乱を起こしているスンニー派急進的聖戦主義者らは、スンニー派総本山のサウジアラビアと湾岸アラブ諸国のパトロンから資金を得て、シリアのシーア派の流れを組むアラウィ派政権に対する攻撃を行っている。

 イスラエルはこのイスラム教内部の対立を利用して、アラブ・イスラム勢力の潰し合いを側面から煽っている。スンニー派勢力を利用してイランを潰す事ができれば、イスラエルに敵する存在は中東ではいなくなるからだ。シリアのアサド政権はそのイランの支援を受けてイスラエルと対峙している。しかしイスラエルと対峙してきたのは、「アラブの大義」のためだ。そのパレスチナのハマスが今回のシリア紛争でアサド政権を非難しているというのは、あまりに恩知らずなことであろう。従って今後、シリアのアサド政権がアラブの大義をかざしてハマスを支援することは無いであろう。ハマスの、そしてパレスチナの将来は今回のことで運勢をなくしていくと思える。

 G8会議でも見えたロシアのプーチン大統領のシリア問題に対する姿勢から、プーチンのロシアがシリアを見捨てないことがはっきりした。ロシアが見捨てなければ、欧米と言えどもうかつにシリアに軍事介入することはできない。しかも現場では反政府勢力はどんどん追い込まれてきているから、早急に武器援助が欧米勢力によって成されることが必要だ。しかしそのシリアにイランから4000名の革命防衛隊がやってくれば、反体制派の勝利はおぼつかないであろう。

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●イラン:シリアに4000名の兵士派遣か  -その3・最終章-
http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/iran-to-send-4000-troops-to-aid-president-assad-forces-in-syria-8660358.html
【6月16日 Robert Fisk The Independent】

 イランの情報筋は、彼らは常時ロシアと連絡を取っていると言っているのと、ヒズボラがシリア内部の情報チームの調整のためシリアからまもなく撤退が完了する間、イランのシリアに対する支援は弱くなるよりむしろ強化されるだろう、と語った。彼らは、タリバンが話し合いのため公的な代表団をイランに送ることになっていること、アメリカはアフガンから撤退するのにイランの援助が必要になる、ということを指摘している。彼らはアメリカは、タリバンと戦争を続けている間は、イランの積極的な支援無しでは、武器をアフガンから持ち出すことはできないだろうと言っている。一つの情報筋は、ちょっと浮かれた感じで、フランスが撤退する際、イランからの支援が無かったので、50台の戦車を残していったと語った。

 中東情勢の歴史的な変化のサインと思われることは、米ソ冷戦時代の古い対立構造の中で、イスラエルの安全保障問題がシリアでの紛争の後になっていることだ。イスラエルのこの地域での政策はアラブ革命によって吹っ飛んでしまい、歴史的変化の中でネタニヤフ首相は成す術を知らない有様となっている。

 過去二年間で一度だけ、イスラエルはアサド政権の犯した非道を非難したことがあり、イスラエル・シリア国境で負傷した反乱勢力側の者たちに対し医療支援を行ったが、イスラエルはアサド政権が継続するよりも、シリアのイスラム主義者であるハリファの方を恐れている。イスラエルの元情報将校はアサドのことを「ダマスカスのイスラエルの男」と描写した。エジプトのムバラクが倒される数日前、ネタニヤフとサウジアラビアのアブドラ国王はアメリカに電話をしオバマにエジプトの独裁者を救うよう要請したが、無駄たった。

 もしもアラブ世界が二年間の革命で圧倒されるのならば、シリア戦争でパレスチナ人より長期に渡って苦しむ人はいないだろう。彼らの将来の国家と呼んでいる土地は、ユダヤ系イスラエル人によって占拠されていて、もはや確保されてもおらず、実現可能ともいえないのだ。「平和特使」のトニー・ブレアーのそのような国家創設の試みは笑うべきものだ。将来の「パレスチナ」はスンニー派国家であろう。しかし今は、アメリカはパレスチナ人については殆ど語ることは無い。

 別のこの地域のとびっきりの皮肉な現象は、ガザの「超テロリスト」とされているハマスである。彼らはシリアを捨てて、アサドを葬ろうと願っている湾岸アラブ諸国を支援している。シリア政府軍はハマスがシリアの反乱勢力に対し、自家製ロケットの製造と使用に関して訓練を行っている、と主張している。

 アラブの目から見ると、2006年のレバノンのシーア派のヒズボラに対する戦争はイランの心臓部を狙った攻撃であった。欧米側のシリア反体制側に対する支援はイランを崩壊させるための戦略的試みである。しかし、イランは攻勢に出ようとしている。中東にとっても、これらは大博打なのだ。これらの恐るべき状況の中、パレスチナの悲劇は続いている。

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アメリカがシリアの反政府勢力側に供給すると見られているパトリオット対空ミサイル

◆6月18日

 アメリカがシリアの反政府勢力側に武器支援をするという決定の根拠は、シリアのアサド政権側がサリンガスを反政府側に対して使用したからだ、と言うものだが、それはイラクのサダム・フセイン政権が「大量破壊兵器」を所有している、と主張し、それを口実にイラクへの侵略を行ったのと同じ、レトリックである。結局イラクにはアメリカのいう大量破壊兵器は存在しなかったことが正式にアメリカ政府自身の調査で明らかになったことがあった。

 アサド政権が既にこの内戦で勝利を収めつつある段階に入っているこの時期に、わざわざアメリカが軍事介入すると明言していたガスの使用をするはずはないのだから、アサド政権がガスを使用した、というアメリカの主張は単なる、ヤクザの難癖、言いがかり、いちゃもん、っていうものだ。

 これに対してイランは4000名の兵士を派遣すると発表し、明確にシリアを軍事的に支援する決意を明確に世界に示したし、ロシアもアサド政権支持の姿勢を崩していない。もしも欧米側が無理やりにシリアのアサド政権を転覆させようと軍事介入を深めれば、シリアの荒廃が更に進み、より多くの犠牲者が出て、悲劇の拡大は避けがたいものとなろう。

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●イラン:シリアに4000名の兵士派遣か  -その2-
http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/iran-to-send-4000-troops-to-aid-president-assad-forces-in-syria-8660358.html
【6月16日 Robert Fisk The Independent】

 アメリカの敵はレバノンのヒズボラ、シリア、イランだ。イラクは、シーア派が支配的であることからイランとの均衡をとろうとしてサダム・フセインからアメリカが「解放」したが、アメリカの予想に反して、大きくイランの影響下に落ちた。イラクのシーア派はヒズボラと同様、アサド軍と共に闘った。

 アサド政権が敵に対してサリンガスを使用したため、そのアサド政権の敵に武器を支援するというアメリカの新しい中東での冒険に対する言い訳は、中東では誰も納得していない。サリンガスを使用したという最終的証拠は、イラクが大量破壊兵器を所有しているとしてブッシュ政権が主張していたのと同じくらい曖昧なものである。

 アメリカがシリアのスンニー派の反乱勢力に軍事力を投入する本当の理由は、アサドに対する戦争でこの反乱側が敗北しつつあるからだ。シリア中部のクサイル市でのアサド政権の今月の勝利はシリアの革命を混乱に落し入れ、アサド政権に権力を投げ出せと要求した欧米側の面目を失わせるものとなってきたからだ。
アラブの独裁者らは、彼らが湾岸の友好的な王や首長でなければ、権力に留まれないとされているのだ。しかし、ロシアはアサドに対する全面的支援を与えてきた。国連安保理ではシリア内戦に欧米が直接介入できるかもしれない決議に対し三度拒否権を行使した。

 中東では、アメリカが所謂自由シリア軍と言われるグループに代表されるスンニー派反乱勢力にのみ対空ミサイルを含む武器を供給するというアメリカの主張に対して皮肉っぽい不信感がある。アルカイダ系のより強力なアル・ヌスラ戦線は反乱勢力側で戦場を支配しているが、彼らはシリア軍捕虜に対する虐殺や、14歳の少年を神への不敬があったとして殺害したことで非難されている者たちだ。その彼らはアメリカの新兵器を自由シリア軍から簡単に手に入れることができるだろう。

 従って今からは、ダマスカスでのあらゆる自爆攻撃、反乱勢力によるあらゆる戦争犯罪は、アメリカの責任でもあると言えるのだ。2001年9月11日に数千人を殺し、だからロシアと同様アメリカの最大の敵である、まさにそのスンニー派のワハビ派のイスラム主義者らが、オバマ政権の代理同盟者になるだろう。このとんでもない皮肉な現象は、ロシアのプーチン大統領がスンニー派急進主義者のいかなるグループに対しても容赦しない姿勢によって更に際立ったものになる。

 プーチンのチェチェンでの経験、彼の反イスラムのレトリック-彼はロシアでの記者会見の中でムスリム急進主義者について露骨な非難を行った-そしてロシアの古くからの同盟国であるシリアがロシアがチェチェンで闘ったような同じ脅威に晒されているという彼の信念は、アサドのシリアに対する彼の政策において、シリアの地中海に面したタルトスにあるロシアの海軍港の維持というものよりずっと大きな部分を占めているのだ。

 ロシアにとっては、中東とは勿論、東ではなく南であり、統計は更に重要である。チェチェンの首府のグローズニはシリア国境からわずか500マイル(≒800km)にある。ロシアの人口の15%はイスラム教徒だ。ソ連時代の六共和国ではイスラム教徒が過半数を占めていた。その内90%がスンニー派だ。またスンニー派は恐らく世界のイスラム教徒の85%を占めている。ロシアがかつてのソ連の大部分を含む陸塊で自国の位置づけをするためには、アサド政権と闘っているようなスンニー派イスラム主義者らは主要な敵なのだ。 -その3に続く-

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イランの革命防衛隊

◆6月17日

 アメリカがシリアの反体制グループに武器支援をする、と決断したようだ。アメリカ政治の内部の勢力争いの結果、そのような結果となったのであろう。後はどの程度の武器を支援するのか、という問題が残っている。

 イラク、アフガンと中東でアメリカが行ってきたた戦争も、少しもいい結果が出ていないにもかかわらず、今回再びシリアに対し、アルカイダと繋がるテログループが混在する反政府勢力に一方的に肩入れすることで、アメリカが歴史から教訓を得るような国ではない、と言うことがはっきりとした。

 ではアメリカはどういう国かと言うと、一つはキリスト教原理主義の勢力、もう一つはユダヤ教原理主義の勢力、この二つがお互いを牽制しながら、世界的ハルマゲドンを目指す急進的勢力となり戦争屋と繋がっていて、それに対してそれを阻止せんとする穏健的愛国勢力が存在し、そのせめぎ合いがなされている国である。

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●イラン:シリアに4000名の兵士派遣か  -その1-
http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/iran-to-send-4000-troops-to-aid-president-assad-forces-in-syria-8660358.html
【6月16日 Robert Fisk — The Independent】

 アメリカがシリアのスンニー派の反乱勢力に武器支援を行うという決定は、この中東ではいくつかの政権を交代させるに至ったアラブの革命を小さくみせるようなイスラム教の中東のスンニー派・シーア派の大紛争に介入することを意味する。

 アメリカのこの中東での「友達」がスンニー派のイスラム教国であり、敵となったのはシーア派の諸国ということは初めてのことである。これは、オバマ大統領の不介入という原則を破る事になり、アメリカは中東でスンニー派の最も過激な活動を行う者たちも含む武装勢力の側に付くことになった。

 16日付のインデペンデント紙は、イランで軍事的決定がなされたと報じた。これは先週の大統領選挙より以前のことで、イラン革命防衛隊4000名をシリアのアサド大統領の軍隊の支援目的で派遣するという。イランはアサド政権維持に対し総力を挙げることにした、と親イラン筋が明かした。このイランの情報筋は、イランの安全保障に深く関わっている者たちで、対イスラエルのための新「シリア」戦線を開始することを提案しているくらいである。

 歴史家たちはイラクで敗北し、アフガンからは恥辱に満ちた撤退を計画しているアメリカに、7世紀に遡る巨大なイスラム世界の対立の渦中に自らをなんでまた介入させるようなことをしたのか尋ねることだろう。このスンニー派とシーア派の大いなる分裂問題の深い影響は、中東全体で継続している。

 アメリカの同盟国は、最もリッチな湾岸アラブ諸国、エジプトからモロッコまでの広大なスンニー派の領域、トルコ、それにイギリスが生み出したヨルダンの王国が入る。ヨルダンのアブドゥラ王は、数十万人のシリア人の難民が流れ込む事で、自らがシリア紛争の真っ只中にあることを知ったことだろう。現在3000人ほどのアメリカ人「顧問」がヨルダンにいると思われる。そしてシリア南部に「飛行禁止空域」を設定することは、シリア紛争を本格的な戦争へと格上げさせることになるだろう。これはアメリカの「友達」にとっても同様である。 -その2に続く-

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催涙弾を一斉射撃するトルコの機動隊

◆6月12日

 トルコでのデモ騒ぎは収まる気配がない。エルドアン首相は強硬手段に打って出て一時はタクシム広場からデモ隊を一掃したようだが、彼らは再びこの広場の奪還を目指して、警察の機動隊らと衝突している。

 この様子はまさしく、「アラブの春」のそれと同じである。トルコ人はアラブ人ではないから、アラブの春とは言えないが、トルコの春とは言えるだろう。大衆が立ち上がり、素手で政権に抗議運動を展開し、政権の打倒を目指す運動である。

 エルドアン政権がタクシム広場を強硬手段で開放しようとしていることで、却って民衆の反発を買っているから、この抗議運動は収まるどころか益々その勢力を強めて、本格的な政権打倒運動へと拡大していくことになるだろう

 シリアのアサド政権を陰謀で打倒しようとしたトルコのエルドアン政権が、今度は自らが、「本物」の大衆運動による政権打倒の運動で、窮地に立たされることなるのである。このことをこのブログでは早くに指摘し、予言してきたのである。それは、時代がそのような時代に入ってきているからである。つまり、己の行為の反射を時間の経過を大きく取らず、直ぐにも受ける時代にはいっているからである。

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●イスタンブール戦闘区域:デモ隊はタクシム広場奪還を図る
http://rt.com/news/protesters-reclaim-taksim-clashes-549/
【6月11日 Russia Today】

 タクシム広場から追い出された数千人のデモ隊が奪還を図ってきたので機動隊は催涙弾を一斉に発射した。厚い煙が広場を覆った。

 ロイターは目撃者の話とし、トルコの機動隊は放水車を広場中央に進めることで数千人のデモ隊を狭い路地に押し込んだ、と報じた。群集を散らそうと、機動隊はタクシム広場から去ることができない身障者であるデモ隊員に放水を浴びせた。その前に、デモ隊は警察と対峙し、警察が現場を去るよう馬鹿にして叫んでいた。

 デモ隊の人々の中には色鮮やかな発火信号と花火に点火する者もいた。火は広場の各方向からも見ることができた。

スローガンを叫び花火を投げながら数万人の人々は広場から逃げ出し、目撃者によればゲジ公園へ向かったという。そこでも催涙ガス弾が発射されたが、イスタンブールのムツル知事が、タクシム広場からデモ隊は一掃されたと語った直後、機動隊とデモ隊はタクシム広場に戻り以前より激しく催涙弾と放水が使用された。

 「我々は我々のやり方で何処までも、昼夜問わず、一握りの者たちが一掃されるまで、そして広場が人々に開放されるまでやり続けるだろう」と、知事はテレビ放送で語った。

 11日早く、警察とデモ隊は広場の新しいバリケード付近で衝突した。数百人の警察官が催涙弾と放水車で朝から陣取っていた新しいデモ隊を追い出すことで、タクシム広場を制圧した。 



 この襲撃でバリケードと横断幕は取り除かれた。エルドアン首相は革命のシンボルと見做す「ボロ布」を警察が取り除いたことを称賛した。

 11日の衝突で骨折や頭部の負傷があったとし、少なくとも18人が負傷した、と医療関係の高官が語ったとAFPが報じた。

 ロシア・トゥデイのスペイン駐在員はこの騒動の渦中で生放送を行い、催涙弾の一斉射撃に遭い、直撃弾を受けた。

 一斉逮捕に遭って、デモ隊参加者らはエルドアンとの対話に対する展望に信頼を無くしたと語った。エルドアンは13日にデモ隊の指導者らと対話をすると数時間前に語っていたのだ。

 12日にはデモ隊の扱いに抗議する30人から70人の弁護士らが、イスタンブールの法廷の前で拘束されたと言われている。

 今回のデモ隊のニュースは、アンカラの通りでも抗議運動が続いているので、どんどん入ってきている。11日の夜、警察は戦術面で催涙ガス使用に踏み切った。ツナリ・ヒルミ通りに突入した際、店主、レストランオーナーらは客らと一緒になって店を閉めて催涙ガスから逃れた。首都では衝突の目撃談が継続して入ってきている。

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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