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アメリカがシリアの反政府勢力側に供給すると見られているパトリオット対空ミサイル

◆6月18日

 アメリカがシリアの反政府勢力側に武器支援をするという決定の根拠は、シリアのアサド政権側がサリンガスを反政府側に対して使用したからだ、と言うものだが、それはイラクのサダム・フセイン政権が「大量破壊兵器」を所有している、と主張し、それを口実にイラクへの侵略を行ったのと同じ、レトリックである。結局イラクにはアメリカのいう大量破壊兵器は存在しなかったことが正式にアメリカ政府自身の調査で明らかになったことがあった。

 アサド政権が既にこの内戦で勝利を収めつつある段階に入っているこの時期に、わざわざアメリカが軍事介入すると明言していたガスの使用をするはずはないのだから、アサド政権がガスを使用した、というアメリカの主張は単なる、ヤクザの難癖、言いがかり、いちゃもん、っていうものだ。

 これに対してイランは4000名の兵士を派遣すると発表し、明確にシリアを軍事的に支援する決意を明確に世界に示したし、ロシアもアサド政権支持の姿勢を崩していない。もしも欧米側が無理やりにシリアのアサド政権を転覆させようと軍事介入を深めれば、シリアの荒廃が更に進み、より多くの犠牲者が出て、悲劇の拡大は避けがたいものとなろう。

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●イラン:シリアに4000名の兵士派遣か  -その2-
http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/iran-to-send-4000-troops-to-aid-president-assad-forces-in-syria-8660358.html
【6月16日 Robert Fisk The Independent】

 アメリカの敵はレバノンのヒズボラ、シリア、イランだ。イラクは、シーア派が支配的であることからイランとの均衡をとろうとしてサダム・フセインからアメリカが「解放」したが、アメリカの予想に反して、大きくイランの影響下に落ちた。イラクのシーア派はヒズボラと同様、アサド軍と共に闘った。

 アサド政権が敵に対してサリンガスを使用したため、そのアサド政権の敵に武器を支援するというアメリカの新しい中東での冒険に対する言い訳は、中東では誰も納得していない。サリンガスを使用したという最終的証拠は、イラクが大量破壊兵器を所有しているとしてブッシュ政権が主張していたのと同じくらい曖昧なものである。

 アメリカがシリアのスンニー派の反乱勢力に軍事力を投入する本当の理由は、アサドに対する戦争でこの反乱側が敗北しつつあるからだ。シリア中部のクサイル市でのアサド政権の今月の勝利はシリアの革命を混乱に落し入れ、アサド政権に権力を投げ出せと要求した欧米側の面目を失わせるものとなってきたからだ。
アラブの独裁者らは、彼らが湾岸の友好的な王や首長でなければ、権力に留まれないとされているのだ。しかし、ロシアはアサドに対する全面的支援を与えてきた。国連安保理ではシリア内戦に欧米が直接介入できるかもしれない決議に対し三度拒否権を行使した。

 中東では、アメリカが所謂自由シリア軍と言われるグループに代表されるスンニー派反乱勢力にのみ対空ミサイルを含む武器を供給するというアメリカの主張に対して皮肉っぽい不信感がある。アルカイダ系のより強力なアル・ヌスラ戦線は反乱勢力側で戦場を支配しているが、彼らはシリア軍捕虜に対する虐殺や、14歳の少年を神への不敬があったとして殺害したことで非難されている者たちだ。その彼らはアメリカの新兵器を自由シリア軍から簡単に手に入れることができるだろう。

 従って今からは、ダマスカスでのあらゆる自爆攻撃、反乱勢力によるあらゆる戦争犯罪は、アメリカの責任でもあると言えるのだ。2001年9月11日に数千人を殺し、だからロシアと同様アメリカの最大の敵である、まさにそのスンニー派のワハビ派のイスラム主義者らが、オバマ政権の代理同盟者になるだろう。このとんでもない皮肉な現象は、ロシアのプーチン大統領がスンニー派急進主義者のいかなるグループに対しても容赦しない姿勢によって更に際立ったものになる。

 プーチンのチェチェンでの経験、彼の反イスラムのレトリック-彼はロシアでの記者会見の中でムスリム急進主義者について露骨な非難を行った-そしてロシアの古くからの同盟国であるシリアがロシアがチェチェンで闘ったような同じ脅威に晒されているという彼の信念は、アサドのシリアに対する彼の政策において、シリアの地中海に面したタルトスにあるロシアの海軍港の維持というものよりずっと大きな部分を占めているのだ。

 ロシアにとっては、中東とは勿論、東ではなく南であり、統計は更に重要である。チェチェンの首府のグローズニはシリア国境からわずか500マイル(≒800km)にある。ロシアの人口の15%はイスラム教徒だ。ソ連時代の六共和国ではイスラム教徒が過半数を占めていた。その内90%がスンニー派だ。またスンニー派は恐らく世界のイスラム教徒の85%を占めている。ロシアがかつてのソ連の大部分を含む陸塊で自国の位置づけをするためには、アサド政権と闘っているようなスンニー派イスラム主義者らは主要な敵なのだ。 -その3に続く-

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