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時代の先読み
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日本の進むべき道
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我々の心構え
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トルコのエルドアン首相
◆10月28日
トルコのスタンスが変化してきていることをこのブログで指摘してきた。特にイスラエルのガザ侵攻以来、その変化は顕著だ。しかしおそらくそれが唯一の原因ではないだろう。トルコの民衆はイスラム教徒だが、近代トルコはアタチュルクの世俗主義というものを標榜して建国を進めてきた。そして欧米に近づきNATOばかりかEUにも加盟しようと努力してきた。
しかし近年の特にアメリカのブッシュ政権等に見られる無茶な戦争への姿勢、それもイスラエルの国益を正面にすえた資源絡みのアラブ・イスラム叩きの姿勢に徐々に今までの路線に対する姿勢の変更の必要性を感じていたはずだ。
そして決定的には、イスラエルの去年から今年の冬におけるガザ侵攻とそこにおける人道にもとる戦争犯罪を伴う蛮行のかずかずに直面したことだろう。同じイスラム教徒として看過できない、と断固それを非難する行動に出た。
このような流れは当然、いわれのない欧米からの非難を受けているイランに対する姿勢に現れている。ペルシャ人とトルコ人という違いはあるが、同じイスラム教徒として同胞意識をもって接することに違和感はない。
トルコとイランも中東の大国である。この二つの中東の大国が連携することで、中東におけるイスラエルの地位は格段に狭められた。
このブログで指摘してきたように、イスラエルの行く道はますます狭められつつあり、彼らの最終的到達地は、1967年の第3次中東戦争以前の国境線にまで撤退をすることにある。
今、その最終地点に追い込まれつつある、とイスラエルは認識すべきだろう。またそれしか、イスラエル自身が生き延びる道はない。
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●トルコのエルドアン首相:イランはわれらの友人だ
http://www.guardian.co.uk/world/2009/oct/26/turkey-iran1
我々はイランと何の問題もない
ヨーロッパに対し、トルコを侮るなと警告
【10月26日 The Guardian】
そのすばらしい眺めとオスマン・トルコ時代の宮殿と共に、ボスポラスの海嶺は、イスタンブールを二つに分け、ヨーロッパとアジアを分け隔てる戦略的水路であり、敵と味方を識別し、どこに自国の国益が存するかということを明確にする最良の場所だろう。
そして東西を結ぶ架け橋と長いこと見なされてきたトルコの役割のシンボルである、この海峡の横にある立派な彼の本拠に座って、エルドアン・トルコ首相は誰が一体友人で、誰がそうでないのか、迷いはなかった。
マフムド・アハメドネジャド、イランの急進的な大統領の激しい語り口は欧米諸国から嫌われている。「彼が我々の友人であることに間違いない」とエルドアン首相は言った。「友人として、我々は大変良好な関係を持っていて何の問題もない」
フランス大統領のニコラス・サルコジはどうだろう。トルコがEUに加盟しようとすることに対し、ヨーロッパを率いて反対したし、同時にイランの核計画に対しけんか腰の論調で非難した。友人ではない?
「ヨーロッパ諸国の指導者の中で、フランスやドイツのようにトルコに対する偏見を持つ国がある。シラク氏の下では我々はフランスとすばらしい関係を持っていたし、彼はトルコに対し大変好意的だった。しかしサルコジ氏になってから、調子は変わった。それはアンフェアーな姿勢だ。ヨーロッパ連合(EU)は自らの規則を破っている。
EUにいて、我々は15億人のイスラム世界と非イスラム世界とを結ぶ架け橋になる。彼らをこの点を見るべきだ。もし彼らがそれを無視すればEUを弱体化せしめるだろう」
宗教的神政主義のイランに対し友好的であるが、尊大で世俗的であるヨーロッパにはそれを腹立たしく感じている:これがトルコの意見の分裂を分かりやすく表す見方だ。
エルドアンのアハメドネジャドに対する友好的姿勢は、トルコをNATO内部に根付いている欧米志向の民主主義国家と見ている者たちのいくらかをびっくりさせたことだろう。トルコはNATOに1952年に加盟しているが、エルドアン首相の世俗派の国内の批判者にとっては驚くことではないだろう。首相の心情は東洋に向かっていて、彼のイスラム教を基礎にしている公正発展党(AKP)政府がトルコをイランと似た宗教国家に変えるのではと疑惑の目で見ていたからだ。
エルドアンはその宗教国家という点に関してはきっぱり否定しているが、彼の批判者から見ると、エルドアンとアハメドネジャドは同類なのだ。身分の低い出であるが、敬虔な宗教的保守派で、大衆の支持を分かりやすい言葉で獲得している。6月に行われたイランでの大統領選挙の後、エルドアンとアブドゥラ・ガル・トルコ大統領は、アハメドネジャドにお祝いの電話を最初に入れた外国の指導者となった。
ガーディアン紙に対し、エルドアンはこのことを「二国家間で必要な事だ」と言った。「アハメドネジャドは勝利者と宣言した。公式的にではないが投票数は大きく差をつけていた。そして我々は彼と以前からの知り合いなのだからお祝いを述べたのだ」と述べた。
「後で、彼が選出されたことは公式に発表された。彼は信任を受けたのだ。我々はこのようなことに特別な注意を払う。これは我々の外交政策の基本原則だ」
この姿勢は、トルコがイランの天然ガスを必要としている件を含む商業関係に関する会談をアハメドネジャド氏とイランの最高指導者のアヤトラ・ハメネイ師とするため、エルドアン首相が、テヘランに到着した時のそぶりに見られたのが思い起こされる。アハメドネジャド大統領は、エルドアン首相を賛美し、今年の冬のイスラエルのガザ攻撃に抗議して、トルコでのNATO演習にイスラエルが参加することをトルコが拒否する決定を行ったことを賞賛した。
選挙以来、イランは激しい反対派の取り締まりと、その結果として、活動家、学生、ジャーナリストらの逮捕と公開裁判を経験した。拘留者は刑務所で死亡したものもいる。また拷問や暴行があったとも言われている。
しかしエルドアン首相は選挙後の取り締まりに関してはイランの国内問題だということで言及しないと述べた。
彼はイランが核兵器を求めているという欧米の非難に対し冷や水を浴びせた。「イランは兵器を製造しているという言いがかりは受け付けない。エネルギーを獲得するためにのみ原子力を使用しようとしているのだ」と語った。
エルドアン首相は、以前はぎくしゃくしていたイランとトルコの関係を劇的に改善するよう動いた。その点をトルコ軍の世俗派の指導部は疑惑の目で見ている。
両国の間の貿易は、イランがトルコの主要な輸出相手になったから昨年推定55億ポンドであった。エルドアン首相の見解は、アメリカの外交政策作成者らの注意を引いた。公正発展党のことを彼らは穏健イスラムの親欧米のモデルと見ていた。これをイスラム諸国に適用させうると考えたのだ。
彼らはまた、オバマ大統領がアメリカに招待したエルドアン首相が、トルコの戦略的重要性を指摘するのを発見することだろう。彼らは、エルドアン首相がイスラエルを批判すればトルコとアメリカの関係が傷つくだろうと警告したイスラエルを感動させるようなことにはならないだろう。
エルドアン首相は、この見方を退けた。「そのような可能性があるとは思えない。アメリカのこの地域における政策は、イスラエルによって命令されているわけではない」と語った。
彼はトルコ・イスラエル戦略的同盟関係は、AKPのメンバーの中には個人的見解として、既に終了した、と言う者もいるが、生きていると主張したが、イスラエルのアビグドール・リーバーマン外相が、ガザに核兵器を使用すると脅したことに対し、それをたしなめている。
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オバマ大統領とサルコジ大統領
◆10月26日
イランの核計画におけるウラン濃縮を外国で行うIAEAの案を米仏露が賛成し、特に米露がイランの核計画問題で一致したことは新たな局面であり、イランの反応が注目される時を迎えている。
あくまで民生用として原子力発電のためのウラン濃縮だと言い張ってきたイランであるから、この案に反対する大きな理由は存在しないはずだ。勿論国家権力の行使を制限され、自国で行える濃縮を外国に任せることは、その濃縮ウランの供給を停止される危険性を考えれば、すぐ納得できる案ではないことも理解できる。
しかし今の国際情勢はイランにとりあえずこの案を呑むことを要求している。それを理解し、それを呑むことで、イスラエルのイラン攻撃の理由はなくなるという論理的結論となる。
イランはどう反応するのか注目したい。
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●米仏露はイランの核問題に対する提案支持を約束
【10月25日 AFP】
オバマ米大統領は、イランが米仏露らの提案を受理し核計画問題を終了させる取り決めのための支持をまとめるため、ロシアとフランスの首脳と25日接触した。
オバマ氏はメドベージェフ・露大統領とサルコジ・仏大統領に朝の電話をし、最近提出された取り決めに対する全面的な支持を3人が確認した、とホワイトハウスが発表した。
この計画では、イランが核兵器を求めない保証の代わりにロシア、フランスが濃縮ウランを生産するとなっている。
イランがこの取り決めを受け入れるようにするため、3人の首脳は、実施を早めるため関係国がこの提案をできるだけ早く受け入れる重要性について議論した、とアメリカは述べた。この提案に対する返答の期日である23日をイランが無視した後、この会談はなされた。彼らは翌週にも決議するだろうと語っている。
イランのIAEAへの派遣員である、アリ・アスガー・ソルタニ氏は、イランは原子炉の燃料の臨時的な供給についての提案をさまざまな角度から検証していると述べた。
ウラン濃縮がイランの核計画に関する欧米の懸念の核心部分だ。濃縮過程は民間用原子炉の燃料を産み出すが、高い濃縮度のウランは原子爆弾の核分裂物質を作るのに使われる。
この計画に関する公にされた詳細が欠けるにもかかわらず、またイランの反応がない中、この話は既に酷評されていた。
オバマ氏は24日、イランと交渉しているグループのメンバーで重要な二つの国家であるロシアとフランスの立場を固めようとした。
イランが隠れた濃縮施設で操業していることが暴露されているにもかかわらず、このグループは制裁の必要性に関しては意見がしばしば対立した。しかし最近は、ロシアが制裁は時には必要だと公式に認めたので、ロシアとアメリカはその立場が近くなってきている。
9月21日、イランが秘密の濃縮計画を進めていることを発表したため、世界中の怒りを買った。アメリカのオバマ大統領はイランはその核計画について明瞭にしなければ、更なる圧力に直面するだろうと警告した。
問題となっている第2濃縮工場を訪問するため、国連専門家はイランに24日に到着した。
オバマ大統領が24日にメドベージェフ大統領に電話した後に、両首脳は両国がイランの核計画について共通の関心を保ち続ける点で共同で進んでいく必要性を強調した。
またオバマ氏とサルコジ氏はイランに対する米仏の一体性を表明し、これからの数週間、彼らの見解の近似性を継続していくことで合意した。
●IAEA提案の支持確認 米、仏露首脳と電話協議
【10月25日 産経新聞】
オバマ米大統領は24日、イランの核問題について、ロシアのメドベージェフ大統領、フランスのサルコジ大統領と、個別に電話で協議した。ホワイトハウスによると、各首脳はイランの保有する低濃縮ウランを国外で核燃料に加工し、同国に再供給する国際原子力機関(IAEA)の提案に全面的な支持を表明。イランの核開発阻止に向けた結束を確認した。
電話会談では、イランを含めた当事者すべてが提案を受け入れ、早期に合意履行する重要性で一致した。イランは提案受け入れの可否について、IAEAへの回答を先送りしている。
米露首脳はまた、第1次戦略兵器削減条約(START1)の後継条約についても協議した。
●<イラン>ウラン国外搬出 外相「二つの選択肢考慮」と発言
【10月26日 毎日新聞】
国営イラン通信によると、イランのモッタキ外相は26日、国際原子力機関(IAEA)が提示した低濃縮ウランの国外搬出計画の草案に関連し、「新たに核燃料を購入するか、(IAEA案のように)低濃縮ウランの国外加工を受け入れるか。二つの選択肢を考慮している」と語った。
外相は「数日中にその決定を公表する」と説明したが、IAEA案を拒否し、核燃料の購入を選べば、国際社会の強い反発を招くのは必至だ。
一方、イラン国内では、IAEA案の受け入れに反対論が広がっている。ラリジャニ国会議長は24日、イランの地元メディアに「イランはだまされている」と批判。ラリジャニ氏は以前、核問題の責任者を務めており「核燃料の提供と、低濃縮ウランの国外持ち出しには何のつながりもない」と切り捨てた。別の国会議員も「この取引に反対する。(IAEA案は)イランの利益にならない」と語った。
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トルコのギュル大統領
◆10月20日
トルコとイスラエルとの関係が悪化している。今年1月にエルドアン首相がガザでのイスラエルの軍事作戦を批判、世界経済フォーラム会場を退場した時以来、継続している。最近では例年行われている空軍演習にイスラエルが参加することをトルコが拒否、演習自体が無期延期となり、代わりにエジプトでこの演習が行われた。
トルコの大統領はそれでもイスラエルとの関係は基本的には不変で、イスラエルは戦略的同盟国である、としている。
しかし、つい最近もトルコのテレビでイスラエルのガザでの子供に対する殺害のシーンのある番組が放映されるということでイスラエルが非難するところにまでなっている。
おそらくトルコはこの傾向を継続させるものと見られる。エルドアン首相になってからトルコのイスラム化が進んでいる。同じイスラム教徒としてパレスチナ人の同胞に対するイスラエルの姿勢は到底看過できない、というのは当然なのだ。
これはどのイスラム国家でも同様であり、外交関係を結んでいるエジプトなどでも政府はイスラエルと協調する面もあるが、一般民衆は反イスラエル感情が強い。従って政府のイスラエルに対する姿勢はさじ加減が重要で、あまりにイスラエル寄りの姿勢を示せば、民衆の怒りが政府に向けられその存続が危機に瀕することになる。エジプト政府は特にその点を警戒している。
トルコは中東では大国であり、イスラエルはこの中東の大国と良好な関係を保持してきたことがこの地域における位置を安定させる重要な要素であったのだが、今やその中東の大国のトルコが反イスラエルになりつつあることで、事態は急変しつつある。
おそらくイスラエルとしては隣国エジプトとの関係に今度は神経を尖らせざるを得なくなるだろう。中東のもう一つの大国であるエジプトとの関係さえトルコ並みにすることはイスラエルの存続を危機にさらすことに直結するからだ。
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●トルコ大統領:イスラエルに対する勇気ある批判を継続
【10月18日 AFP】
トルコのアブドゥラ・ギュル大統領は、イスラエルが過ちを犯している時、トルコとして黙っているわけにはいかない、と語った。しかし、また同時に両国の戦略的同盟関係を損なうことを目指しているわけではない、と述べた。
トルコは同盟関係にあるイスラエルが間違ったことを行うならば勇気を持って批判し続けるだろう、とガザに関し両国が続けている論争についてトルコのアブドゥラ・ギュル大統領は18日語った。
トルコはアラブ諸国とイスラエルと良好な関係を持つ稀な国家のひとつだ、とギュル大統領はTRT公営テレビ放送でのインタビューで語った。
「しかしこれはトルコはイスラエルが誤ったことをしているのに対し何も言わない、ということを意味するものではない。トルコは沈黙を保つ、と考えるべきではない」と述べた。
ギュル大統領は明らかに、イスラエルの去年の暮れから今年初めに掛けてのガザに対する大規模な軍事作戦を指してい言っている。この作戦に対しトルコは強く批判してきた。
トルコの元首は2007年に大統領に選出される前に所属していたイスラム保守党の党首という位置を考慮している。
トルコは“勇気”を持ってイスラエルのパレスチナに対する政策を批判するが、これは二国家間の関係を揺るがすことにはならない、と大統領は続けた。
戦略的同盟関係であるイスラエルとトルコの関係は、トルコがガザでのイスラエルの作戦を強く批判した1月以来悪化している。
両国は先週、トルコ政府がトルコでの空軍演習にイスラエルが参加することを拒否して以来、新たな関係悪化の事態を引き起こした。
後ほど、イスラエルはトルコのテレビで、イスラエル兵士がパレスチナ人の子供たちを殺害している内容を放映したことを強く批判した。
16日、トルコのアフメト・ダブトグル外相は、このテレビ放送はガザでの人道的悲劇の終焉とイスラエルとの間の関係をリンクさせたものだと語った。
しかし17日にはエルドアン・トルコ首相はイスラエルが“パレスチナ人を迫害している”と非難している。
●エルドアン・トルコ首相:イスラエルは“迫害する者たち”である
http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=108956§ionid=351020204
【10月18日 PressTV】
トルコのエルドアン首相は、ガザの一般民衆に対する攻撃を行ったイスラエルを“迫害する者”と糾弾した。
「トルコはその歴史において、迫害者の立場にいたことはなかった。圧迫から守る側の者であった」と17日、キルセヒール市でのスピーチで直接イスラエルを名指しをしないで、エルドアン氏は語った。
「トルコは他のいかなる国に対しても敵対するものではないが、我々は不正義には反対する者だ」と語ったとAFP通信が伝えた。
エルドアン首相は、イスラエルのガザでの戦争犯罪を国連安全保証理事会で再検討することを要求していた。・・・以下略
●トルコはイスラエルが殺人者として描かれるテレビ放映を差し止めない
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1121602.html#
【10月17日 ハアレツ紙】
トルコのダブトグル外相は16日、イスラエル兵士の装いをしている俳優がパレスチナ人の子供たちを殺害するシーンが出てくる、問題となっているテレビの番組の放映に変更がないと語った。
この番組はAyrilik (離別)というもので、ガザでイスラエル兵士がパレスチナ人の子供たちを殺害する内容がある。あるシーンでは、イスラエル兵士が武器を持たない小さな女の子に銃を向けて撃つものがある。
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イスラエル国防軍のアシュケナジ参謀総長
◆10月17日
イスラエルがイラン攻撃のベクトルを強めていることを指摘してきたが、フランスの週刊誌がイスラエルはイラン攻撃を今年12月以降としている、と報じたようだ。イラン制裁に関する状況を見極めてから、ということのようだ。
しかしこの週刊誌によると、イスラエルは空爆よりかは地上部隊での作戦を考えているというのだが、これは理解しがたいことだ。そんなことすればイスラエルはその地上戦で敗れるだけでなく、手薄になったイスラエル本土がどうなるかも分からなくなる。
アメリカのイラク侵攻、NATOのアフガン戦線の状態をみれば、地上軍を派遣することの意味がわかるはずであり、とてもイスラエルがそのような作戦を本気で考えているとは思えない。近いところでは、イスラエルのレバノン南部侵攻作戦の失敗が上げられるだろう。自分で失敗しておきながら、陸続きでもないイランに地上部隊を派遣するなど殆ど自滅行為だ。
それに昨日、国連人権理事会が今年初めのイスラエルのガザ攻撃を「戦争犯罪」と報告した国連報告書を支持する決議をした。つまりイスラエルが戦争犯罪国家であることが明確にされたこととなる。
また最近のイスラエルに対するトルコの動きなどからも風向きが厳しいものになってきているため、イスラエルがまた新たな戦争を始めれば、周囲のアラブ・イスラム国の反応はますますイスラエルに対する敵意を募らせることになるだろう。
そのトルコはアメリカが関係を修復しつつあるシリアとの間で戦略的パートナーシップを築き、トルコはより一層アラブ・イスラム圏へ近づきつつある。かつてはトルコはその世俗性、またアラブ民族とはことなる民族性の故、中東地域ではイスラエルと国交を持つ数少ない国の一つであったが、エルドアン首相が出てきてからはイスラム教的姿勢を強め、特にパレスチナに対するイスラエルの今年初めのガザ侵攻作戦を厳しく非難して以来、その傾向を一層強めた。
こうして中東ではイスラエル以外の国が、イスラム教圏としてまとまる傾向を強めていて、イスラエルのイラン攻撃の環境はイスラエルに不利に傾きつつあるから、イスラエルのイラン攻撃という選択がいよいよ困難になりつつあると思われる。
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●イスラエルは12月後にイラン攻撃?
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?cid=1255547721120&pagename=JPost%2FJPArticle%2FShowFull
【10月15日 By JPOST.COM STAFF】
イスラエルが12月後にイラン攻撃を実施すると14日、フランス誌が報じた。
ル・カナール・アンシェネ(Le Canard Enchaine)誌によれば、イスラエル・ラジオが伝えるところとして、イスラエルは既にフランスの食糧生産業者に上質の戦闘用備蓄食糧を注文していること、また外国に駐留している予備兵グループに帰国するよう要請している、という。
この週刊誌は、イスラエル国防軍のガビ・アシュケナジ参謀総長はフランスのジャン・ルイ・ゲオルゲラン参謀総長に、イスラエルはイランを爆撃しようとは考えてはいないが、精鋭部隊をイランに送って地上戦を行うかもしれない、と考えている、と報じている。
この週刊誌によれば、この作戦では核施設の破壊工作とイラン人の核科学者らの暗殺も含まれる、という。
イスラエルは最近は、イランに対する論戦をトーンダウンし、アメリカの外交努力を邪魔しないようにしている。しかしイスラエルもアメリカも、軍事的な選択肢がもはや考慮されることはなくなったという明確な声明は発表していない。
イスラエルはもしイランに対する制裁が不十分である場合、自国でイランに立ち向かう軍事的能力を保持していることを主張し続けている。
イスラエルはイランが核兵器を獲得しようとしていると非難している。イランは核計画は平和的計画だと主張している。
●<ガザ攻撃>「戦争犯罪」報告を支持 国連人権理事会
【10月16日 毎日新聞】
国連人権理事会(本部・ジュネーブ)は16日、昨年末から今年初めのイスラエル軍のパレスチナ自治区ガザ地区攻撃を「戦争犯罪」と糾弾した国連報告書について、支持する決議案を賛成多数で採択した。イスラエルや米国は報告書を「不均衡」と反発し、採択阻止に動いたが、切り崩せなかった。
AP通信によると、決議案は47理事国による投票の結果、アラブ・アフリカ諸国などの賛成25、米国などの反対6で採択された。日本を含む11カ国は棄権、英仏など5カ国は投票しなかった。・・・以下略
●トルコとイスラエルはもはや友人同士でない?
トルコはイスラエルが参加するため空軍演習をキャンセル
【10月14日 Global Research】
トルコは今週予定されていた例年の共同空軍演習をキャンセルした。イスラエルが参加するということがその理由だと、イスラエル軍が10日発表した。両国の関係悪化を示す最近の兆候の一つだ。
トルコはイスラム世界ではイスラエルの親友だったが、エルドアン首相がイスラエルのガザ侵攻を厳しく非難して以来、両国の関係は急速に冷え込んでいた。イスラエルのメディアは、トルコの今回の決断は今年初めのガザ侵攻が原因だろうと判断し、トルコ政府は圧力を受けていたのだろうと示唆している。
右翼新聞のエルサレム・ポスト紙は、イスラエルの国防関係者の話として、トルコが演習をキャンセルしたのは、「イスラエルが参加させようとした軍用機は、ガザでの“鉛をぶち込め”作戦で使用された軍用機となりそうだったことが理由だ」と報じた。
「両国間の関係はいまだ緊張状態にある」とイスラエル国防関係者は語った。「キャンセルするという発表は突然で予想外だった」
左翼的なハアレツ紙は、トルコ政府の発表の動機を、ガザ侵攻作戦にあった」と言っている。「エルドアン・トルコ首相は、ガザを爆撃した軍用機が演習に参加することをゆるすべきではないと、イスラエルを演習から除外するよう圧力を受けていた。」
その間、トルコの軍関係インターネットサイトには、短い声明が掲載されていた。恒例の演習は10月10日から23日の間に実施されることになっていたが、「トルコ外務省を中心に関係国間の交渉がなされた後、関係国が参加をキャンセルした」とある。声明内容は詳しく掲載されていない。
トルコ軍関係者はコメントできない。政府スポークスマンは発表された声明以上言うことはない、と言う。
◆第6回演習
イスラエル軍は、声明で「トルコはイスラエルを含む参加国リストの変更が理由で」演習は無期限に延期されたと、AP通信が伝えた。
この演習は第6回目となるもの。イスラエル軍は、この演習にはアメリカ、イタリア、NATO軍も参加するはずだったという。イスラエル国防高官はトルコがイスラエルに対して参加拒否を伝えたためアメリカが不参加を決めたことでトルコは演習を延期したと説明した。
この件でメディアと会見することは許可されていないため、彼らは匿名を条件にこれらのことを語った。イスラエル外務省はなんらのコメントも発していない。
トルコの今回の動きは、戦争以来イスラエルに対して持っていた「非対称的」位置からは異なるものだ。それはこの動きはトルコの軍事的利益を害するものだからだ、とイスラエルの政治学者のアミカム・ナチマニ氏は語る。過去はトルコはイスラエルに対し批判めいたことを言っていたが、軍事的関係を害することは避けるようにしていた。「これは警告の鐘だ」とナチマニ氏は語る。
イスラエルとトルコは広い軍事的、経済的、戦略的なつながりがある。昨年トルコは8年間断絶していたイスラエルとシリア間の間接的会談を主催した。しかし緊張は、エルドアン首相が、ガザの一般パレスチナ人の犠牲者の件でイスラエル首相と激しい衝突を起こし、重要な会議会場を退場した時、ピークに達した。
パレスチナ高官と人権グループは、ガザからのロケット弾発射を阻止することを狙ったガザ侵攻で900人以上の市民が殺害されたと言っている。イスラエルはその数について反論したが、それを示す証拠は示していない。
イスラエル空軍は、昨年12月に戦争が始まる数ヶ月前、トルコとの共同軍事演習を行っている。トルコ・イスラエルの関係はパレスチナに対する過去の攻撃で試練に遭っているが、強い安全保障上の利益が関係の修復を促した。
トルコとイスラエルは1990年代に関係を深めた。イスラエルは数億ドルの軍用品を数年間にわたってトルコに供給した。両国は共同海軍演習を行い、イスラエル空軍はトルコ上空で訓練を行った。
しかし、エルドアン政府が2003年に発足して以来、トルコとイスラエルの関係は冷え始めた。トルコは、ガザを支配しているイスラム教軍事組織のハマスは、パレスチナ領土で重要な役割を担うべきである、と言っている。
●トルコの兵器プロジェクトのキャンセルに身構えるイスラエル
【10月13日 Middle East Newsline 】
イスラエルはトルコがイスラエルの軍事プロジェクトをキャンセルすることを憂慮している。情報と国防産業の関係者らは、イスラエルの国防省と国営主要企業はトルコがイスラエルの軍事プロジェクトをキャンセルすることを決断することに対する準備をしている、と語った。
彼らはトルコがイスラエルの重要な空軍演習参加を拒否したことは、トルコとイスラエルの間の軍事的協力関係の終焉を告げる兆候かもしれない、と語った。・・・以下略
●シリアとトルコの閣僚級戦略協調協議会が持たれる
http://www.sana.sy/eng/22/2009/10/14/249621.htm
【10月14日 SENA】
第1回閣僚級シリア・トルコ戦略協調協議会が13日行われた。閉会式はトルコのガジエンテプ市で行われた。閉会式では、2国家間の閣僚級会合の結果は、さまざまな分野における戦略的パートナーシップを導くプロジェクト、合意、協力システムのための基盤を作るために総括された。・・・以下略
●シリアとトルコが2010年に大規模な軍事演習で合意
【10月14日 Middle East Newsline 】
シリアとトルコは実弾演習を2010年に行うことで合意した。この合意は共同戦略協議会での最初の会合で合意された。・・・以下略
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バンカーバスター爆弾
◆10月14日
アメリカの国防総省(ペンタゴン)が、イラン用と見られるバンカーバスター爆弾の軍への引渡しを進めているようだ。非核の爆弾としては最大の爆弾ということで、地中深く隠匿されている施設の破壊に有効なものだ。
これを使用したら、確かにイランの地中の核施設も破壊される可能性が高い。しかしイランの核施設は各地に散らばっている。一体何百発のこの爆弾が必要となるだろうか? この爆弾を搭載するというB-2爆撃機も何百機も必要になるのではないか? そんな攻撃を本当にするつもりなのだろうか? つまりこの恐ろしい爆弾は抑止力として働くという専門家の見方が実際のところではないだろうか。
しかしこのところイランに対する軍事的な脅迫的姿勢が強まっていることは確かだ。これはやはりオバマ政権内でのタカ派の勢いが強まっている、とみるべきであろう。これから年末に掛けてその動きは更に強まるかもしれない。
逆に言えば、これはタカ派の方が時間的に追い詰められてきていることを示していると言える。反対にイランは反撃の用意があることを重ねて強調している。イランは脅しに屈することはないだろう。こうして中東のこの緊張は更に高まることになりそうだ。
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●イランにB計画か?:バンカーバスター要求
http://www.foxnews.com/politics/2009/10/13/iran-plan-b-wants-bunker-buster-fast/
【10月13日 AP】
アメリカ国防総省(ペンタゴン)は地中深く、1万ポンドの強化コンクリートで遮蔽された兵器庫を破壊するためにデザインされた巨大爆弾の引渡しに拍車を掛けている。
イラン問題ではこれをB計画と呼ぶ。イランでは最近長いこと疑問視されていた聖都コム近郊の山岳地帯に核施設が建設されていることを発表した。
15トンの巨大獣-大型貫通弾またはMOP(massive ordnance penetrator)と呼ばれるこの爆弾は、非核爆弾としては最大のもので、5300ポンドの爆発物を運ぶ。この爆弾は旧来の爆弾に比べて10倍の破壊力がある。
国防総省は B-2ステルス爆撃機にこの爆弾を搭載するのをスピードアップするための5200万ドルの契約を取り決めた。関係筋によるとこの爆弾は来年の夏にも配備されると言う。
ペンタゴンの高官は、この新しい爆弾はイランや北朝鮮の核計画のための要塞化した施設を破壊することを意図したものだということを認めた。ただし特別の標的を考えているわけではない、と述べた。「誰も潜在的な標的を予測することはできない」とジェフ・モレル・ペンタゴン広報担当官は語った。「我々の住んでいる世界を考えれば、必要な能力だということだ」
オバマ政権はブッシュ政権時から続いているイランの核施設の爆撃を計画しているか、ないしはもしかしてイスラエルが同じことをすることを計画しているのではという疑惑と戦っている。
今月初め、イランとの歴史的な対話へとたどり着いたが、オバマ政権は軍事行動を選択肢から除かないというように注意深く行動している。より厳しい制裁は外交的交渉が、核兵器への動きとなるのではと欧米が警戒していること(ウラン濃縮作業)を中止させることに失敗した際、即バックアップするものだ。
ロバート・ゲーツ国防長官はイランの核施設に対する攻撃は単に時間稼ぎにしかならない、と語った。マイク・マレン統合参謀本部議長はイランへの攻撃は自分としては望まない選択肢だと語った。
新しい爆弾はブッシュ政権で始まった計画の頂点となるものだ。オバマ政権の、爆弾を実戦配備するという計画は長期のバックアップ計画の一部をこの兵器が担っていることを示唆している。
2007年に始まったテストの後、爆弾の開発は予算の関係で2年間ほど停滞した。政権は去年の夏、再び以前のスケジュールを再開した。
北朝鮮は、核国家として知られている。彼らは地下核実験を行った。アメリカとその他の国は北朝鮮の核計画を買い取ることを申し出た。オバマ政権は、北朝鮮政府を交渉のテーブルに戻すよう誘っている。
イランは外交的にも技術的にももっと複雑なケースだ。アハメドネジャド大統領は核計画は平和目的であり、エネルギー生産の手段だと説明している。しかし欧米は、核爆弾計画を持っていると見ている。
専門家の中には、バンカーバスター爆弾はイランの核の野望に対する抑止力として働くと言う者がいる。「近い将来の何か計画しているもののことを言っているとは思わない。短期的にはは確かに抑止力としての働きを持っていると思う」と議会調査部のイランと中東の専門家専門であるケニース・カッツマン氏は語った。「アハメドメジャドと金正日の微積分学に加わるものだ」と言う。
丁度先月の隠されたコム近くの開発サイトについてその存在を認めたように、強制されてイランのかつて秘密であったプログラムは、徐々に日の目を見出している。
あの新事実の発覚は、ペンタゴンが議会にMOP計画のスピードアップのための資金をまわすように要請した一月後に起きた。もっともアメリカとその他の国の情報機関は、何年もイランがすくなくとも一カ所、核開発サイトを隠していると疑っていた。
MOPは、理論的にはサダム・フセインがイラクで建設し始めたような兵器庫のようなバンカー、ないしは2001年のアメリカのアフガン侵攻時の直後、トラ・ボラでの襲撃からビンラディンが脱出したような穴倉やトンネル網をを破壊または使用不能にすることができることになっている。
この精密誘導爆弾は地中と殆どいかなる地中の構造物に穴を開けて進み、兵器庫、研究室あるいは隠れ場所に到達するようにデザインされている。
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