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イスラエル軍の演習
◆10月11日
イスラエルのイラン攻撃のベクトルとアメリカのそれが徐々に強くなりだしているようだ。戦争の準備が進められていることで、イランも神経を尖らせてきている。
昨日はオバマ大統領のノーベル平和賞受賞の件で、オバマ大統領に対する期待というものが、このノーベル賞受賞という事態に表現されていることを指摘したが、そのような世界の期待とは裏腹に中東では戦争への足音が強まっている現状に注意しなければならないようだ。
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●イスラエルとアメリカ:反撃のシミュレーション実施
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?cid=1255204765487&pagename=JPos
【10月11日 エルサレム紙】
イスラエルとアメリカはイランとの緊張が高まる中、ミサイル防衛システムの相互運用性のシミュレーションを今週、2年毎のジュニパー・コブラ・ミサイル防衛演習の間に行う予定だ。
この演習は、イスラエルとイラン、シリア、ヒズボラ間での戦争の反応をシミュレートするようにセットされており12日から16日までの期間行われる。
ドイツのシュツッツガルト・ヨーロッパコマンドから1000名以上のアメリカ軍がイスラエルの、大部分はネゲブに展開し、演習に参加する。これにはアエギス弾道ミサイル防衛システムを搭載している15隻のミサイル艦も参加する。
アメリカ第6艦隊の司令官、マーク・フィッツジェラルド大将はこの演習をヨーロッパコマンドとアメリカミサイル防衛庁からの高官らと共に監督する。
イスラエル側では、イスラエル空軍のドロン・ガビッシュ准将が司令官として指揮を執る。
16日、ハメネイ師のイランの革命防衛隊内の代表者のモジタダ・ゾルノール師は、もしアメリカないしはイスラエルがイランにミサイルを撃ち込めば、イランのミサイルがイスラエルに対し報復をする、と述べている。
「アメリカのあるいはシオニストのミサイルが我々の国に到達すれば、埃が消える前にイランのミサイルがイスラエルの心臓部を吹き飛ばすだろう」と語ったとIRNA通信が伝えた。・・・以下略
●イラン:イスラエルの脅威に対し国連に抗議
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-3787724,00.html
【10月9日 ynetnews.com】
イランの国連大使は、クリスマスまでにイランに対する制裁が実施されねば、イスラエルはイランを攻撃するかもしれない、と前イスラエル国防次官のエフライム・スニー氏が述べたことで、安全保障理事会に何らかの措置をとることを要請した。
イランのモハマド・カザエ国連大使は潘基文国連事務総長宛てに「イスラエルのイランに対する継続する脅威に対しなんらの説明もされていない」と書いた抗議文を送った。
イスラエルのエフライム・スニー前国防次官がサンデータイムズ紙でのインタビューで、イランがクリスマスまでに更なる制裁が加えられねばイスラエルはイランを攻撃するかもしれない、と言ったという話を語った。
スニー氏は新聞紙のインタビューで、もし自分たちでイランを攻撃せざるを得ないことになれば、イスラエルはそうするだろうとインタビューで言ったことを、「無責任である」と語った。
スニー氏は、国連がそのような発言に対し何らかの措置をとることを希望するとし、「このような発言は、イスラエル指導者らによって時々なされるが、、イスラエルの核兵器やこの地域で犯してきた犯罪やテロから世界の注目をそらそうとするくだらない言い訳以上のものではない」と語った。
カゼエ氏は更に、「イランの核計画は平和目的のものであり、この地域の唯一の脅威はイスラエルの核兵器であるが、なんらの監視もされていない」と強調した。
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ノーベル平和賞受賞でオスロ行きを語るオバマ大統領
◆10月10日
オバマ大統領が今年のノーベル平和賞を受賞した。これは快挙というよりかは、まさに政治的な判断であろう。悪いと言っているのではない。良い、と言いたいのだ。
今オバマ大統領は、中東和平問題、アフガン増派問題、イラン核問題等で、厳しい状況を抱えている。このブログで指摘してきたように、オバマ氏の意向は戦いの収束のベクトルを強め、対話を促し、最終的には戦闘を終了し、外交で平和の決着をつける、というものだ。
従って、中東問題では、イスラエルの東エルサレムや西岸への入植の中止を強く要求してきているし、アフガン戦略の見直しをしようとしている、またイランの核問題でもあくまで対話路線を崩していない。
しかし以下にあるように、イスラエルのネタニヤフ政権は、中東和平への姿勢では軟化の姿勢は皆無であり、アフガンでは軍関係筋が増派を強烈に要請している、またイラン核問題でもイスラエルは先制攻撃の可能性を強めているし、米議員の中には、イスラエルではなくアメリカがイランを攻撃するべきだ、と勝手なことを喋り捲る無責任な御仁もいる。
このように、ネオコン的タカ派勢力はイスラエルでもアメリカでも、<戦争>へのベクトルを強め、実現を目指している、つまり中東を大戦争の場にしようとしている。しかしオバマ大統領はそのことの意味する内容を知っているので、なんとか戦争の道を避けようと努力しているところである。
ここにきてこのノーベル平和賞だ。以下の産経の記事にもあるように、確かに政治的な決定ではあるだろう。しかしそれは悪い決定ではない。今の時代、アメリカの政策は世界情勢に直接的な影響を与えるのであるから、アメリカが戦争を拡大すれば、たちまちそれは、例えばホルムズ海峡を通過するタンカーの行動に影響を与え、石油価格の暴騰など、あるいは、それがロシアを刺激して中東戦争が世界大戦に拡大することも考えられる。少なくとも米露が勧めている戦略兵器削減交渉などは吹っ飛んでしまう。そうなれば、世界全体が希望を失い、各国が再び軍拡などの方向に向かうことになるだろう。
従って、今のこの時期は非常に微妙な時期であり、この時期にたとえ政治的とは言え、アメリカ大統領にノーベル平和賞が与えられたということは、「核のない世界」というメッセージと共に打ち出されているオバマ大統領の平和への意欲、戦争から対話への流れ、を促すという重要な意味合いがあるのだから、歓迎すべきであろう。
オバマ大統領にとっても、ノーベル平和賞を受賞する者が戦争を拡大することはできない、ということになり、他のタカ派を説得する口実にも使える。つまり世界のアメリカに対する期待というものを無視すべきではない、というように言えるであろう。
今後のオバマ大統領の行動に注目していきたい。
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●ノーベル平和賞にオバマ米大統領 「取り組み」政治的後押し
【10月10日 産経新聞】
ノーベル平和賞に決まったオバマ米大統領は、「核兵器のない世界」を看板の一つに掲げ米露の核軍縮などに取り組んでいる。だが、今年1月に就任したばかりで過去の受賞者に比べ実績は皆無といっていい。その意味で異例ともいえる今回の授賞には、オバマ大統領の取り組みを後押しするという政治的なメッセージが強く込められている。ただ、あまりに「政治的」過ぎる今回の選考は論議を呼ぶことにもなりそうだ。
今年の選考では、ジンバブエのツァンギライ首相、アフガニスタンの女性人権活動家、シマ・サマル氏ら、史上最多の205人が候補に挙がっていた。オバマ大統領への授賞理由について、2月にノーベル賞委員会の委員長に就任したヤーグラン氏は記者会見で「全会一致の決定だ。大統領が唱える政策こそ長年、委員会が目指してきたものだ」と語り、「これで大統領は世界を主導するスポークスマンになった」と期待を寄せた。
平和賞選考はノルウェー国会から指名された5人で構成される委員会が、1年かけて進める。例年なら授賞が発表される週の初めに選考は終わっているが、今年は、今週に入り2回も会合が開かれるなど異例の選考過程をたどった。
過去、平和賞に政治的なメッセージが込められていたことは少なくない。
たとえば、中国当局が、民主化を求める学生を武力弾圧した天安門事件が起きた1989年には、チベット仏教最高指導者で非暴力闘争を貫いたダライ・ラマ14世を選出。ヨルダン川西岸とガザ地区でのパレスチナ人の暫定自治に関する93年の「オスロ合意」を受け、翌年には、後に暗殺されるイスラエルのイツハク・ラビン首相、シモン・ペレス外相、ヤセル・アラファト・パレスチナ解放機構(PLO)議長が受賞した。
就任から9カ月足らずで具体的な成果がないオバマ大統領への授賞は、性格を異にする。授賞は「核廃絶」や「対話」という路線、そしてブッシュ前政権の単独行動主義から多国間協調へと転換したオバマ大統領への“激賞”だ。英BBC放送は「予想外だった。過去の実績より大統領の意思を勇気づける狙いがあるようだ」と分析した。だが、英王立国際問題研究所(チャタムハウス)のコックス氏は英紙ガーディアン(電子版)に「アフガニスタンや中東が問題を抱えたままなのに、オバマ氏が平和賞にふさわしいかを判断するのは難しい。時期尚早だ」と批判的な見方を示した。
●オバマ大統領は軍の要請書を受け取る
【10月7日 msnbc】
ゲーツ国防長官は、スタンレー・マクリスタル将軍の軍要請書の「非公式コピー」をオバマ大統領に先週末、渡した。
国防総省のモレル広報担当官は7日、オバマ大統領はゲーツ国防長官にこのアフガン増派についての要請書のコピーを渡すことを要求した。これは指揮系統と軍指導者らの吟味を通さずにマクリスタル将軍から直接くるものとなった。
軍指導者の吟味を飛ばした理由は何か。モレル報道官は、ゲーツ長官はマクリスタル将軍の査定内容がリークされた時、「何が起きたを見た」ので、また長官は、オバマ大統領が見る前にトップシークレットが「リークされるのを避けるために」、そうした、と述べた。
一般的には、マクリスタル将軍は要請の内容をNATO指導者に渡し、次に彼の上官である中央軍のぺトレイアス将軍に渡し、ぺトレイアス将軍は統合参謀本部議長へ渡す。参謀本部議長は次にゲーツ国防長官へ、そして最終的にオバマ大統領に渡される。軍指導部は彼らのコメントと推奨文をそれぞれ添える。
軍要請文は現在、適切な系統を流れている。
●アフガン駐留米軍司令官、4万人の追加増派を要請
【10月9日 ロイター】
アフガニスタン駐留米軍のマクリスタル司令官が、現地への増派について最低でも4万人が必要と要請していることが分かった。複数の情報筋が8日、明らかにした。
マクリスタル司令官は先月、戦況に関する評価報告書を国防総省に提出しているが、情報筋によると、司令官はさらに大規模な増派に加えて、増派を行わないとする選択肢も併せて提言しているという。
アフガニスタンでは西側諸国の兵士10万人以上が展開中で、うち米軍が6万5000人を占めている。
オバマ米大統領は現在、タリバンが勢力を盛り返しつつあるアフガン情勢について戦略の練り直しを行っているが、民主党内にも8年間にわたるアフガン戦争に懐疑的な見方があることから、増派をめぐって政治的に難しい選択を迫られている。
●イランの濃縮施設「完成まで数カ月」=核兵器年1、2個製造可能-米高官
【9月26日 時事】
米政府高官は25日、イランがコム近郊に建設中の新たなウラン濃縮施設について、完成までに「少なくとも数カ月」はかかるとの見通しを示した。施設は遠心分離機約3000基を収容可能で、平和利用目的の低濃縮ウランを製造する施設としては小さ過ぎる一方、年に核兵器1、2個分の兵器級ウランを製造する場合は適度な大きさだという。
同高官はまた、米英仏3カ国の情報機関が施設の存在を数年前から把握していたことを明らかにするとともに、これに気付いたイランが国際原子力機関(IAEA)に書簡を送ったのを受け、事実を公表することを決めたと明らかにした。
イランは2002年にも、ナタンツにウラン濃縮施設を建設していることが暴露された後、IAEAに申告し、査察を受け入れている。
3カ国は国連安保理常任理事国とドイツの6カ国の枠組みで10月1日にイランと協議を行うのを前に、施設に関して収集した情報をロシア、中国、ドイツにも説明しているという。西側の情報機関がロシアや中国と情報を共有するのは極めて異例。
●共和党議員:必要ならば、イスラエルではなくアメリカがイランを攻撃すべき
http://rawstory.com/2009/10/attack-iran-before-israel/
【10月4日 By David Edwards】
2人の共和党上院議員が、もし軍事行動が必要ならば、イスラエルではなく、アメリカがイラン攻撃をすべきである、と語った。
彼らはまた、イランの核施設だけへの攻撃では充分ではないだろう、と語った。アメリカはイランに対して、イランの軍事力は機能不全にするような全面的な攻撃を行うことが必要になるだろう、と語った。
「イスラエルがイランを攻撃することは世界の悪夢だ。そうすれば、今はそうではないが、アラブ世界がイランと団結するようになるからだ。そうなれば、イスラエルに対する圧力が大きくなりすぎる」と、リンジイ・グラハム議員が語ったと、フォックスニュースが伝えた。・・・以下略
●米特使は、中東和平問題で悪戦苦闘中
【10月8日 ハアレツ紙】
オバマ大統領の中東特使は8日、イスラエル外相の中東和平への取り組み姿勢や、パレスチナ指導者のガザ侵攻時の戦争犯罪究明に対する姿勢で立場が弱まっているため、ますます無力感を募らせている。
ヨルダン国王は、和平への展望は“暗闇に滑り落ちつつある”、と警告している。
ジョージ・ミッチェル中東特使は、3週間の2度目のイスラエルとパレスチナ指導部への訪問を行っている。彼は両者を会談に誘っているが多くの障害に直面している。・・・以下略
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エルバラダイIAEA事務局長
◆10月6日
このブログでは中東問題とはイスラエル問題であり、その本質はイスラエルの核兵器の存在であることを指摘してきたが、核の番人であるIAEAのエルバラダイ事務局長は、はっきりとイスラエルの核が中東のNO.1 の脅威である、と語った。
これはオバマ大統領の今年はじめからの一連の姿勢があったからであり、特に国連総会で演説したように、「核のない世界」、という考え方が強調されたことで、「核兵器のない中東」という考え方が浮かび上がってきて、このイスラエルの核も無視し続けることはできないという雰囲気が世界的に醸成されてきた結果であろう。
中東の人間はイランの核計画よりか、イスラエルの核兵器を恐れていることは明らかであり、既にこのブログでもそのような声を紹介した(イランの核計画よりイスラエルの核兵器が問題である◆10月2日号、イスラエルの核兵器がようやく俎上に ◆5月10日)。ただし本当にイランが核兵器を保有しようとすれば、中東諸国は大きく反対の声を上げるはずだ。核を持つイランは紛れも無く脅威であるからだ。
このようにして、今までタブー扱いであった、イスラエルの核兵器とその脅威という問題が、いよいよおおっぴらに語られ始めた、ということは実は画期的なことであり、この勢いは時間の経過と共にますますはっきりとしたものになっていくことであろう。これは最終的な中東平和を実現するための最後の大きなうねりとなり、イスラエルは最後の決断を迫られる袋小路に追い詰められていくようになろう。
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●IAEA事務局長:中東の最大の脅威は核武装しているイスラエルだ
http://news.xinhuanet.com/english/2009-10/04/content_12181647.htm
【10月4日 新華社】
エルバラダイIAEA(国際原子力機関)事務局長は4日、「イスラエルはその核兵器のため中東一の脅威となっている」と語ったとIRNA通信は伝えた。
アリ・アクバール・サレヒ・イラン原子力機関事務局長との共同記者会見で、エルバラダイ事務局長は、イスラエルを話題にし、イスラエル政府が30年間核施設への査察をさせなかった、と語ったという。「イスラエルは核兵器を持っているため中東に対するナンバーワンの脅威だ」とエルバラダイ氏が語ったと伝えた。
イスラエルは広く核能力を保有していると考えられているが、それに対し否定も肯定もしていない。「核兵器を保有しているという疑惑は、適当な方策でイスラエルの核施設にアクセスする理由となった・・・そしてアメリカ大統領は査察を可能とするポジティブな方策を示してくれた」とエルバラダイ氏は語った。・・・以下略
●イランの核兵器の存在を示す信用できる証拠はない
http://www.guardian.co.uk/world/2009/sep/30/iranian-nuclear-weapons-mohamed-elbaradei
【9月30日 guardian.co.uk】
「イランの核兵器の存在を示す信用できる証拠はない」と国連の査察官であるモハメド・エルバラダイ氏は、語った。
国連の兵器査察官長のモハメド・エルバラダイ氏は9月30日、イランが核兵器を開発しているということを示す、「なんらの信用できる証拠は見ていない」と述べた。これはイギリスの情報機関が、イランではこの4年間にわたって、核兵器の開発が進められてきた、と主張していることに対して返答したもの。
非難とその反論は、イランの核計画について話し合うため、ジュネーブで行われる会議の前日に起きた。・・・以下略
●核を保有する可能性のあるイランはアラブ世界が警戒
http://www.nytimes.com/2009/10/01/world/middleeast/01arabs.html?_r=1
【9月30日 New York Times】
イランに対し欧米が圧力を強める中、アラブ諸国政府は、特にペルシャ湾の小国で産油国は懸念を強めている。彼らは核を保有したイラン、というものをを恐れるだけでなく、欧米が余りにイランに圧力を掛け過ぎると、外交官、アナリスト、元政府高官らによれば、イランが地域を不安定化させるよう動くのではないか、ということをも恐れている、という。・・・以下略
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G-20での米英仏首脳
◆10月4日
国連の場で、英仏はアメリカにイランに対する厳しい姿勢を共同で示すよう要請していたようだが、オバマ大統領の表現はトーンダウンした言葉の使用であり、国際的な論調はイラン叩きで大きく盛り上がるまでに至らなかったという。
これは何を意味するのかといえば、イギリスのブラウン首相もフランスのサルコジ大統領も、イランの新しい核施設建設暴露というものを国際的な会議の場で緊急事態発生として一気にイランを追い込む論調にし、全面的に核計画を放棄させるまで要請し、それがかなわねば、厳しい制裁ないしは軍事力の使用まで明言するような決議を引き出そうと計った、ということだろう。
しかしオバマ大統領は英仏の首脳らの共同した誘いの目的を察知し、それを拒絶した、ということになろう。イランを締め上げあわよくばアメリカに攻撃の音頭を取らせようという英仏の思惑が見える。
これは先のイランの大統領選挙後の混乱から明らかになったように、イギリスはイランの反政府派を支援し、あわよくば政権転覆を図ったように(大使館職員:暴動におけるイギリスの役割を自白 ◆8月10日号)、なんとかしてイランを叩きたいと考えている。これは同時にイスラエルの願望と一致している。
またフランスのサルコジ大統領はCIAの支援でフランス大統領になれた、と言われているほどで、CIAのスパイだったのでは、とまで言われている人物であるから、CIAがやはりイランに対する不安定工作をイランの大統領選挙にさかのぼること数年前から行ってきたことと相まって(イランの「グリーン・カラー革命」を狙ったCIAの工作◆6月22日号、サルコジ氏の偽善性とイラン選挙◆6月19日号)、サルコジ氏がイランをやはり叩きたくてしょうがないということも理解できるだろう。更にはサルコジ氏はユダヤ系である。イスラエルのイランを叩きたい、という思惑とサルコジ氏の考えが一致しても不思議でもなんでもない。
しかしオバマ大統領の考えは、次元を異にする、本当の意味での世界的、地球的規模で、未来を考えている、と捉えるべきだから、英仏の首脳らの考えと異なることは仕方ない。
戦争・紛争・軋轢を煽る者たちは、今の時代、この世界で害毒を流す者たちである。あくまで外交的、対話的に問題収束を図ろうとすることが、今の世界で求められていることである。政治家たちがろくでもない問題をわざわざ引き起こし、実際に起きているガザの悲惨な問題などには目をつぶり、実際にはなんらの問題もひきおこしていないイランの「核問題」を声高に叫ぶ偽善者らの姿をよく理解しておかねばならないであろう。
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●英仏はイラン核問題でアメリカと不一致
http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=107708§ionid=351020104
【10月3日 PRESS TV】
イギリス首相とフランス大統領はアメリカ大統領と、イランの核計画について国連総会の場で圧力を加える問題で齟齬をきたした。
イギリスのテレグラフ紙の10月2日号で、9月下旬の国連安保理に先立って、ゴードン・ブラウン英首相とニコラス・サルコジ仏大統領が、米オバマ大統領と隠れた口論をしていたと報じた。英仏首脳はオバマ大統領にイランに対し厳しい対応をするよう要請していたという。
オバマ大統領は国連での演説で、イランが新しく建設を進めている核施設のことを国連に報告した後、それを「懸念」と「危惧」という言葉を使用して批判したことが、イギリスのブラウン首相とフランスのサルコジ大統領を怒らした。両者はアメリカ大統領にイランとの関係で、無理にでも「砂に線を引く(限界を明言する)」ことを願っていた。
ブラウン首相はイランとの関係で、結局自分で「砂に線」の言葉を使用した。
この報道はフランス、イギリスの両首脳は、三国の情報機関の共同の努力でイランのウラン濃縮活動を暴露した、ということを世界にしめそうと願っていたことを示している。
ブラウン・サルコジ両首脳がオバマ大統領と一緒に9月25日のG-20の場に参加した。アメリカといくつかのヨーロッパの国はイランを核兵器を製造しようとしていると非難した。反対にイランは世界から核兵器ならびに大量破壊兵器の根絶を呼びかけている。
IAEA(国際原子力機関)は、何回かイランの核濃縮は民間の平和的利用に必要とされる5%以下にとどまっていることを確認しているとしている。また軍事用の目的に必要な物資を民間用から転用している証拠はない、としている。
ウラニウムは、原子力発電所の燃料であるが、これが90%以上に濃縮が進められれば、軍事用に使用できるようになる。
核拡散防止条約(NPT)にはイランは加盟国となっているので、平和目的で核燃料を使用する権利を保有している。
●イギリス情報機関はイランは核弾頭製造を再開したと考えている
【9月30日 Telegraph.co.uk】
イギリス情報機関はイランは核兵器用弾頭の製造を再開してはいない、という査定に異論を唱えている。
フィナンシャル・タイムズ紙とニューヨーク・タイムズ紙は別個に、欧米とイスラエルの情報機関は原子爆弾を製造する動きをしているかどうか、イランの本当の状態について厳しい議論を行っている。
新しい核施設が発見されて、アメリカの情報機関はイランが秘密としていた活動を発見するに際しての障壁を超えたと期待している。
ニューヨーク・タイムズ紙はアメリカ政府高官がコムの新核施設は「大きい」と語ったが、同時にイランは大きい国だ、と付け加えた。
イギリス高官はフィナンシャル・タイムズ紙に、「2004年の終わり頃から2005年初頭にかけて」計画された核弾頭製造を再開した、と語った。アメリカの評価は、中止させられた計画は2003年、ホメイニ師に受け継がれ、それが再開したという具体的な証拠なない、というもの。
前米高官の一人は、世界の情報機関の間に意見の相違があることを認めている。「我々はスパイ技術の点で時に議論伯仲となる」と、ロルフ・モワトラーセン氏は語る。「同じデータを異なる方法で解釈することからおきる」と言う。
イラク戦争への道を作った虚偽の査定評価という問題が、イランについての結論を引き出す上で情報機関の上に重くのしかかっている。
「我々はこの国をやっつけるし、二度とおきないようにさせるつもりだ」と、トーマス・フィンガー氏は語った。フィンガー氏はイラク戦争前に大量破壊兵器に関する評価を行った国務省情報庁を率いた人物である。「今やずっと透明性をもって議論されている」と語った。
アメリカの見方は、核兵器計画が再開していない、というものだが、ドイツ、イスラエル、イギリスはよりタカ派的考え方をしている。
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トルコのエルドアン首相
◆10月2日
トルコのエルドアン首相は、ニューヨークの国連総会に出席した際の記者会見で、イランの核計画が問題ではなく、イスラエルの核兵器が問題だ、と指摘、欧米諸国の偏向した姿勢を非難している。
エルドアン首相は今年1月の世界経済フォーラム(ダボス会議)で、イスラエルのガザ侵攻を激しく非難し、イスラエルに与えられた演説時間に比べて短い時間で演説を中止させられたことに抗議し席を蹴って退場した、という経緯がある。これは当ブログでも取り上げた(トルコのエルドアン首相のイスラエル非難【2月1日】号)。それは実に見上げた行為であり、その精神において他国の指導者も見習うべきだ。
このように彼の主張していることはいちいち正論であるが、それがまだ世界の大勢にはなっていない。しかし世界にはトルコのエルドアン首相以外にも同じような姿勢を示す、例えばベネズエラのチャベス大統領やりビアのカダフィ大佐などの人物も出てきており、その数は増えこそすれ減ることはない。今のところそのような意見をはっきりと表明する人物はいわば、特異な人物、という定評のあるような人物だが、エルドアン首相のようにごく普通の政治家も出てきていることを見れば、これからの世界の未来を見る思いである。
そのイスラエルの核の問題に対処するにおいて、注目すべきはシリアのアサド大統領の、中東を非核地帯にしようという主張である。既に2003年にその考えを表明しているが、今年の国連総会の場で、シリア外相はイスラエルにNPT加盟を要請した。これはこの国連総会に先立ち、IAEA総会で、イスラエルの核兵器を非難しNPT加盟を促す決議がなされたのに呼応するものだ。
この中東を非核地帯にする、というシリアの主張がこれから中東地域の主流の声になっていくであろう。またそうすべきである。その時シリアとトルコは主要な指導国家となり、その他の中東の強国の賛意と協調を獲得しつつ、その枠組みを中東の総意としてまとめれば、そして欧米・ロシア・中国の賛意を得ることで、イスラエルに核廃棄を要請していけるだろう。
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●トルコ首相:イランの核計画よりイスラエルの核兵器が問題である
【9月28日 PRESS TV】
トルコ首相は欧米がイランの核計画について取りざたしていることを非難し、世界はイスラエルの核兵器について取りざたすべきである、と強調した。
トルコの「急進的」新聞は9月27日、エルドアン首相のイスラエルの核計画についての強いコメントは、1月のダボスでの、イスラエルのシモン・ペレス大統領とやり合った議論と類似のものだ、と報告した。
エルドアン首相はニューヨークで記者会見を行い、イランの核計画は「軍事的目的」を持つものではない、と語った。 トルコ首相は、イスラエルは「核兵器」を保有しており、ガザのパレスチナ人に対して「白リン弾」を使用した、と語った。 「なぜこういったことが協議事項にないのだ?いつもイランだ・・・」と、エルドアン氏は語った。
「もしイランだけを世界の議題にするのならば、我々は問題にすべきガザ問題など他の問題を無視することになる」と彼は語った。
ニューヨークからイスタンブールに戻ったエルドアン首相は、国連総会とG-20での会議でイランに対する非軍事的対応が議題にあったと語った。
イランの北西にあるトルコは、有効でないということから、イランに対する新しい制裁を課すことについて注意を喚起した。
エルドアン首相は来月、核問題をアハメディネジャド大統領と協議するためイランを訪問することになっている。 エルドアン首相は、イランのガス産業に制裁を課そうとすることについて、制裁は隣国トルコにとって特に問題となると語った。
トルコ首相はイランの核計画問題の解決を図るため来月イランを訪問する計画である。「10月末にイランを訪問するつもりだ。我々はこの核問題を含む地域の問題を話し合うだろう」と、アナトリ通信は首相が語ったと伝えた。
イスラエルは中東における唯一の核兵器保有国であり、地域で何回か戦争を行い、イランを軍事的核計画を進めていると非難し、軍事的方法でイランの核計画を停止させるという決意を繰り返し宣言している。
イスラエルとは異なり、イランはNPT(核拡散防止条約)の加盟国であり、世界から大量破壊兵器を除去することを目指している国である。
イランはその核計画はIAEAと国際規定の枠組みに従っていると言っている。
IAEAの前の報告書は、イランはウラン235を濃縮度5%以下にしていると報告している。原子力発電所の燃料となるウラニウムは、軍事的目的に使用するには、その濃縮度を90%以上にする必要がある。
●エルドアン首相:シリアは中東で重要な国である
http://www.tehrantimes.com/index_View.asp?code=204122
【9月28日 TEHRAN TIMES】
シリアはこの地域で重要な国で地域の平和のために枢要な役割を担っている、とトルコのエルドアン首相は国連総会の場で語った。
演説中、エルドアン首相はガザにおける人道的な厄災は継続しており、この地域の状況に対しなされた約束が実行されていないと強調した。
この厄災を終了せしめ、平和の状態を達成する責任を担うよう呼び掛けた。
「パレスチナ問題を解決することは、この地域で平和を達成する上での主要な障害の一つである」と首相は語り、全関係国がこの問題を公平に正しく取り扱わねば解決はできない、と語った。・・・以下略
●シリア外相:イスラエルはNPTに加盟すべきだ
【9月29日 The Jerusalem Post】
中東を大量破壊兵器のない地域にするとすれば、イスラエルは国際原子力機関(IAEA)の要請を遵守すべきだ、とシリア外相は9月27日語った。
シリアのワリド・モアレム外相は、国連総会の場で、アラブの多くの国のイスラエルに対する要請に呼応して発言した。アラブ諸国はイスラエルに対してIAEAの要請に従い、その核施設をIAEAの要請に対してこの機関の安全措置制度に委ねるよう要請している。またイスラエルに対しNPTに加盟するよう要請している。このNPTに加盟すると、いかなる核計画も非軍事目的に限られるようになる。・・・以下略
●シリアは中東を非核地帯にするよう呼び掛ける
http://www.commondreams.org/headlines03/1230-03.htm
【2003年12月30日 by Thalif Deen】
国連安全保障理事会の15カ国のメンバー国の任期が切れる72時間前、シリアは、「中東非核圏決議案」を提出した。
リビアの先週の大量破壊兵器廃棄の決定に明らかに促されたこの決議案は、中東で唯一の核兵器保有国であるイスラエルを念頭に置いたものと思われる。
密室での協議の後、ファイサド・メクサド国連大使は、記者会見を行い、2年間の非常任理事項の任期を完了する水曜日までに決議案が投票に付されるかどうか分からないと述べた。
「我々は安保理事会メンバー国に本国と相談する時間を与えている。我々は待たねばならず、次のステップをどうするか待って見なければならない」と語った。「この決議案は、中東を大量破壊兵器、とりわけ核兵器のない地域にするよう呼びかけている」
メクダド氏は、シリアは、国連の22カ国のアラブ諸国の代表の立場でこの提案をした、と語った。この決議案はまた、117カ国の非同盟諸国(NAM)と、54カ国のイスラム諸国会議機構により承認を受けている、と語った。・・・以下略
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