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シリアの紛争はクルド人の参加で複雑な様相を呈し始めた・・・

◆11月21日

 トルコ国境付近で、シリアの反政府勢力側の自由シリア軍とクルド人勢力との間で武力衝突が起きたという。シリアのクルド人らはシリア政府からも武器の供給を受けており、ある面シリアのクルド人はシリア政府と共同でシリアの反政府勢力と、それを支援するトルコと戦っていることになる。

 このクルド人はトルコには1140~1500万人ほどいるといわれている。クルド人全体の半分くらいの勢力だ。この勢力が「独立」を視野に入れて、トルコと本格的な戦闘でも始めようものなら、トルコ政府もゆっくりとシリアの反政府勢力の支援などしておれなくなり、自国の治安と安全保障が最大の懸念材料になるであろう。

 しかし既にサイは投げられた格好だ。つまりシリア政府と共闘しているクルド人組織の民主統一党はトルコのクルド労働者党(PKK)と連携を強めている。恐らく彼らも今度が彼らの独立の最後のチャンスと見て、このシリア問題を最大限に利用し、トルコ、シリア、イラク、イランにまたがるクルド人の大同団結をはかり、最大の勢力が存在するトルコ内にクルド人国家の樹立を目指す動きを強めるはずである。

 シリア政府は既にこのクルド人に治安権限を一部委譲しているのを見ても分かるように、クルド人に対する譲歩をしてでも徹底して反政府勢力と、そしてそれを支援するトルコと戦う決意でいることが分かる。これからこのクルド人問題がシリア問題以上に大きな問題としてこの中東に浮上してくる可能性が高まりだしている。その一番の影響を受けるのが、シリアの反政府勢力を支援したトルコである。

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●シリアの反政府勢力がクルド人勢力と衝突
http://www.aljazeera.com/news/middleeast/2012/11/2012111917551517843.html
【11月20日 ALJAZEERA】

 シリアの反政府勢力は武装クルド人勢力とトルコ国境付近で衝突した。シリアの北東部における民族的多様性がもたらす権力闘争の新たな火種が持ち上がったという一つの兆候である。

 19日にアラブ人とクルド人の人口を抱える国境の町であるラス・アルアイン町で衝突は起きた。この町は11月8日にスンニー派の反乱勢力によって、その後は政府軍の爆撃によって荒廃させられたところである。

 避難民によれば、衝突は自由シリア軍(FSA)とクルド人との間で起きたという。これはシリアのクルド人の政党である民主統一党(PYD)と繋がるクルド人勢力である。この民主統一党はトルコのクルド人分離主義者と連携している組織である。

 イギリスに基盤を置くシリア人権監視団体は、少なくとも4人のクルド人リーダーが負傷し、反政府勢力側の狙撃手によってラス・アルアインのクルド人評議会委員長のアベド・カリルが撃たれて死んだと言う。

 「負傷者がでたのは、クルド人保護部隊に属する検問所に対する攻撃を行った際の結果である」と、語った。

 住民の中には、クルド人戦士は自由シリア軍兵士がいる住居に対する攻撃をした、と語る者がいる。またラス・アルアインの親PYD地区にはこの自由シリア軍戦士らに対し抵抗する者たちがいるという。

 ・・・以下略

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