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NATOの空爆で一般人も犠牲に

◆8月23日

 リビアのカダフィ政権が風前のともしびとなっているようだが、これはフランス、イギリスを中心とするNATOという欧米の軍事機構がリビア政府打倒のための戦争をしているからである。

 本来はNATOはリビアの一般市民の保護、ということを目的として介入が許されているはずであるが、実際は、カダフィ政権打倒の作戦を実行しているのだ。この作戦名は、「暁の人魚」である。

 この作戦にアルカイダの戦士が加わっている。NATOはこのようなイスラム主義者勢力をリビアやシリアに対する不安定化作戦で利用している。アルカイダをNATOが利用しているのか、アルカイダがNATOを利用しているのかは、見方による。どちらも自分たちの思惑を秘めながら、協調作戦を実行しているのだ。

 チュニジアとエジプトで達成された「民主革命」は、リビアでは捻じ曲げられ、さも「民主化」の流れのように見せながら、実際は欧米勢力のリビアの富の奪取という19世紀から20世紀の植民地争奪の戦いと化しているのが実態だ。

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●トリポリでのNATOの殺戮:「暁の人魚作戦」がアルカイダによって実行
http://www.voltairenet.org/Carnage-de-l-OTAN-a-Tripoli
【8月22日 by Thierry Meyssan】

 20日夜8時、ラマダン終了を機にNATO司令部はリビアに対して「暁の人魚作戦」を開始した。

 モスクの大型スピーカーがサイレンを鳴らし、それがアルカイダがカダフィ政府に対する反乱を呼びかけることに使用された。

 すぐさまベンガジの反乱勢力のスパイ工作員らが行動を開始した。これらは行動範囲の広い小さなグループで何回も攻撃を繰り返した。一晩中続いた戦闘で350人に死者、3000人に負傷者が出た。

 状況は21日には多少沈静化した。NATOの軍艦がトリポリ沖に接近し錨を下し、重火器を積み下ろし、アルカイダのジハード戦士らを上陸させた。彼らはNATOの将校らが率いている。

 戦闘は再び夜間に始まった。非常に激しい戦闘があった。NATOの無人機と航空機はあらゆる場所を空爆していた。NATOのヘリコプターはジハード戦士らのための道をあけるため通りの一般市民に向けた機銃掃射をしていた。

 夜に、政府要人を乗せた公用車の車列が攻撃された。車列はホテル・リクソスへ逃げ込んだ。そこは外国人ジャーナリストが拠点としているところだ。NATOはこれらジャーナリストを殺害したくなかったのでこのホテルを空爆しようとはしなかった。しかし私も宿泊しているこのホテルは、現在激しい火災に見舞われている。

 午後11時30分に、厚生大臣は、病院は満員で溢れていると発表せざるを得なかった。21日夜、1300人がさらに死亡し、5000人が負傷した。

 NATOは国連安全保障理事会によって、リビアの一般市民を保護することが要請されている。実際は、フランスとイギリスは植民地主義的な殺戮を再開したところなのだ。

 22日午前1時には、カダフィ大佐がリクソス・ホテルに現れホテルの防衛のために武器を自分で配ってそれから去って行った。今、ホテル周辺では激しい戦闘が続いている。

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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