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バーレーンのデモ隊

◆4月23日

 チュニジアとエジプトの政権交代劇は大衆が主役で進められたものであったが、リビヤのカダフィ政権の転覆欧米諸国、湾岸アラブ君主国が影の主役で行われた、クーデタであった。リビヤと同じことを今シリアでやろうとしてうまくいかないのは、シリアでは広範な支持がアサド大統領にあるからだ。

 この件では、アメリカはアサド政権の崩壊が間近いという前提で戦略を組んでいたというが、このブログでは一貫して、アサド政権は国民の支持があるから内戦になってもすぐには倒れないと言って来た。今、アメリカは自分たちが間違っていたことを(そしてROCKWAY EXPRESSが正しかったこと)を認めたようである。

 バーレーンでも実は昨年から君主独裁政権に対する反乱が起きているのだが、バーレーン当局は同じ君主独裁政権国家のサウジやカタールが軍事的に支援することで命を永らえている。しかし所詮は国民の大多数を占めるシーア派の支持がないのだから、早晩この政権は消えていく運命にあるだろう。

 とりわけオバマ大統領が再選された場合には、イランとの関係は改善されていく可能性が高く、その際には、バーレーンだけでなく湾岸アラブ君主独裁政権国家そのものの存続に赤信号が灯るだろう。

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●バーレーンの反政府デモ隊はフォーミュラ・ワンを利用して抗議デモ
http://www.theglobeandmail.com/news/world/tensions-deepen-in-bahrain-ahead-of-grand-prix-race/article2410268/
【4月22日 Patrick Martin 】

 フォーミュラ・ワンのバーレーン・グラン・プリはいくつかのアラブ世界で戦われてきたものと同じ民主的改革を求めて、この14ヶ月間戦かってきた抗議デモにも拘らず計画通り日曜日に行われた。

 バーレーンの支配者であるアル・カリファ家は抗議デモにも拘らず、自国が秩序を取り戻したことを示そうと決意していた。このバーレーンにはアメリカ海軍の第五艦隊の基地がある。

 しかし、レースと紛争による煙が消えてみると、世界の耳目を集め、アピールに成功したのは負け犬の抗議者たちの方だった。

 バーレーンのサルマン・ビン・ハマド・アル・カリファ王は、このレースは人々の一体化を進めると主張したが、去年の2月に抗議運動が始まってから分裂傾向が大きくなっている。

 デモに参加した人々は、一週間に及ぶ抗議運動と紛争で世界中の耳目を集めたが、レーサーたちは半分しか埋まっていないスタンドの前でレースを行った。

 国際社会は去年はバーレーンの紛争に関しては無視していたようだが、F1とそれに対するメディアの注目のおかげで、闘争は活気付けられた。

 バーレーンでの抗議運動はシリアのそれよりも前から始まっており、支配側のスンニー君主に多数派のシーア派の住民らは、権利と機会の平等を要求している。

 バーレーンには120万人の人々が住んでいるがその内の65万人は非バーレーン人である。55万人のバーレーン人の内、三分の二以上あるいは37万人がシーア派である。つまり、20万人以下しかいないスンニー派が特権階級なのだ。

 スンニー派は要求はしないし、ほとんどの外国人は仕事のためバーレーンに来ており雇用されている。

 質の高い仕事、それなりの住宅、実際的な政治的権利などは、多数派のシーア派住民の要求事項である。

 他のアラブ諸国の紛争は広範な支持を受けるのに、バーレーンのそれが無視されてきたのは何故なのか?

 他の紛争は世俗的な独裁政権に対するスンニー派の人々によるものだった。バーレーンのケースは、シーア派のスンニー派に対するものである。チュニジアからシリアに至る他の全ての紛争は湾岸アラブ諸国からの支援を受けていた。とりわけサウジアラビアと、カタールからだ。シーア派に対する支援を表明しているのはイランだけだ。シーア派の国であり地域の除け者である。

 人々を支援する代わりに、サウジアラビアと他の湾岸協力評議会メンバー国は昨年の2月、バーレーンに軍を派遣した。これは、リビヤに対してやったように人々を保護するためでも、シリアでやっているように反政府勢力を応援するためでもなく、政権を守るためである。

 これらのスンニー派の諸国はシーア派がスンニー派を突き上げるのを見るのも嫌だし、君主国が倒されることは、他のアラブ君主国家にとっては危険な前例となるので嫌なのだ。

 アメリカは沈黙を持ってスンニー派の戦術に同意してきた。イランを頂点とするシーア派のために応援することはとてもできないだろう。イランは核の無法者国家であり、特に第五艦隊の基地が危機に陥るかもしれないのだから。

 民主的改革への支持で知られたバーレーンの、ハマド・アル・カリファ王は、政治的改革は進めると主張し続けている。

 「私は改革に対する自分個人としてのコミットメントを明確にしたい」と、F1レース前の演説で語った。「全ての人々との対話の扉は常に開いている」

 この王の宣誓の言葉は、「ハマドは辞めろ」の囃(はや)す声と共に石や火炎瓶をデモ隊が投げた時、警察が催涙弾とスタングレネードを発射した時になされた。

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