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時代の先読み
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日本の進むべき道
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我々の心構え
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26日シリア全土で国民投票が行われた
◆2月27日
シリアでは2月26日(日)に新憲法草案に対する国民投票が1万4185カ所で行われて、殆どの地域で投票が無事に行われた。反乱勢力が一部の区画で陣取るホムスでも581カ所に設けられた投票所で無事に行われた。
重要なのは、この憲法では複数政党制を定めていることだ。今まではバアス党(アラブ社会主義復興党)を「国家を指導する政党」と定めていたのを改めたことになることだ。この憲法草案をシリア国民は歓迎し、ここから新生シリアが出発することができると、一様に期待している。
投票するアサド大統領(後ろはアスマー・アサド夫人)
アサド大統領はアラウィ派というシーア派の一派の出であるが、このアラウィ派は人口の15%前後しか占めておらず、スンニー派が75%ほど、その他にキリスト教の人口が10%ほどある。シリアはキリスト教の拡大に貢献したパウロが改心した場所で、その伝統が今に続いているのだ。その他にもクルド人とかアルメニア人、その他の少数民族がいて、少数派のアラウィ派から出ているアサド大統領が国内をうまくまとめてきている歴史がある。アサド夫人は反対にスンニー派である。これをみても、シーア派とスンニー派とが共生できないなどということは無く、シリアはこの各派、各民族の共生がうまくいっている例である。
ただし、どの国家にもその成り立ち上、弾圧や圧制の時期が無かった国はないほど国家を作り維持することは簡単ではない。シリアにもそのような歴史があったし、その影響が今に続いている面はある。それが昨年から始まっているシリア内の騒乱の原因でもある。
この騒乱に対してイスラムの過激派のアルカイダの指導者であるザワヒリが、シリア反政府勢力を支持する声明を発表しており、ホムスなどの反政府勢力内にもその分子が浸透しているようだ。
そもそもシリアでの騒乱は人口の0.1~0.5%ほどの者たちが反乱ないしは反政府デモに参加している程度であり、シリア国民全体はほぼアサド大統領支持派であろう。反乱勢力が一区画に陣取るホムス市でも500カ所以上で投票が穏やかに行われたのをみても分かる。
この反政府分子に対して欧米とアラブの特に湾岸諸国が支援行動をしてきているが、この部分をついて、ロシアのプリマコフ前首相が、アメリカはテロリストと自ら規定したアルカイダと一緒になってシリア政府の転覆を図っている、と指摘している。
アサド大統領は26日の投票後、「シリアはメディア空間からの攻撃を受けているが、地面の上では揺るがない強さを維持している。これからは地面だけでなく、メディア空間でも勝利を目指す」と語っている。
アメリカの国務長官のヒラリーはユダヤ人であるし、フランスのサルコジもユダヤ人だ。そしてこのサルコジのフランスがあのリビアのカダフィ政権転覆を強烈に押し進めた張本人であり、今回のシリア政権転覆にはアメリカのヒラリーが大いに張り切っている。
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●プリマコフ前ロシア首相:アメリカは中東でアルカイダと組んでいる
http://www.sana.sy/eng/22/2012/02/26/402868.htm
【2月26日 SANA】
アメリカとアルカイダは同じ舟に乗っている:プリマコフ前ロシア首相
ロシアの前首相であるイェブゲニー・プリマコフは26日、アメリカは、中東に力でもって「民主主義」を拡大しようとしてアルカイダと同じ舟に乗っていることに気が付いた、と語った。
ロシア・トゥデイTVとのインタビューでプリマコフは、アメリカはイスラム主義者が台頭したエジプトでの経験から何も学んでいないようだと語った。
アルカイダの指導者であるアイマン・アル・ザワヒリがシリアの「反政府派」への支持を発表したことで、プリマコフはアメリカがアルカイダと同じ舟に乗っていることを指摘し、「もしもシリアで政権交代がなされた場合に、民主主義的システムが取って代わるとまじめに信じている者がいるのだろうか?」と語った。
●アルカイダ指導者ザワヒリ容疑者、シリア反体制派を支持
http://jp.reuters.com/article/jpAntigovernment/idJPTYE81K3A820120213
【2月12日 ロイター】
国際武装組織アルカイダの指導者、ザワヒリ容疑者が12日、イスラム系ウェブサイトに掲載されたビデオ映像を通じ、シリアの反体制派への支持を表明した。
ザワヒリ容疑者は8分間のビデオで、「傷ついたシリアは毎日流血しているが、殺りく者バッシャール・ハフェズ(前大統領)の息子である殺りく者(アサド大統領)は(弾圧を)停止しない」と指摘。その上で「シリア国民の抵抗は、あらゆる痛みや犠牲、流血にもかかわらずエスカレートする」と述べた。
また、シリア国民に対しては「西側や米国、アラブ連盟やトルコに頼るな」と呼び掛け、トルコ、イラク、レバノン、ヨルダンのイスラム教徒にはシリア反体制派を支援するよう求めている。
●アルカイダがシリア反体制派に潜入、生物化学兵器流出に懸念
http://www.cnn.co.jp/world/30005654.html
【2月18日 CNN】
反政府デモの武力弾圧が続くシリア情勢で、クラッパー米国家情報長官は18日までに、イラクのアルカイダ系組織の工作員がシリアの反体制派内に浸透を図っているとし、騒乱がさらに悪化した場合、同国内にある生物化学兵器が流出することに懸念を抱いていると述べた。
米上院の軍事委員会の公聴会で表明した。長官は、シリアの反体制派の活動家らはアルカイダ系「イラク・イスラム国」の工作員が内部に潜入していることを知らない可能性があるとも述べた。
国内の活動家や国外への逃亡者らで組織される反体制派はまとまっておらず、国民運動の体をなしていないと指摘。軍の離脱兵が集まる反体制派「自由シリア軍」も内部抗争が起きて指揮系統は一本化されておらず、アルカイダがこれに便乗して食い込みを図っているとした。
シリアのアレッポや首都ダマスカスでは最近、治安や情報機関関連施設を狙った爆弾テロがあったが、いずれもアルカイダ特有の手口の形跡があったと説明。その上でアルカイダ工作員による反体制派への接近は、米国による反体制派への物資支援に関する議論に影響を与えると述べた。
米国防情報局(DIA)のバージェス局長も同委員会で過激派分子がシリアに既に侵入しているとみられると説明した。
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ジェブ・ブッシュで次の米大統領は決まり?
◆2月26日
2月9日号の「イランとシリア防衛のためにロシアは軍事力を使用する用意」で、以下のようにアメリカの大統領選の共和党の候補者として、ジェブ・ブッシュが出てくる可能性について指摘した:「この時期、大切なことはロシアではプーチンが大統領になることであり、アメリカでは共和党の大統領候補としてジェブ・ブッシュがたとえ出てきても、オバマが再選されることであり、日本では、石原新党がキャスティング・ボードを握れる政党を形成できるか、と言う点にある」
それは、ある筋では、既に次のアメリカ大統領はジェブ・ブッシュに決まっている、ということが言われているからだ。選挙をする前から、決まっている? そうである。実は現在のオバマ大統領も、既にずっと以前から大統領になることが決められていた、と言われていたらしいのだ。
このブログでは2009年の3月15日号の「1992年には既にオバマ氏が米大統領になることが分かっていたロシア人 」のタイトルで、あるロシア人女性があるアメリカ人に将来アメリカ大統領になる人物に以下のような男性がいる、と告げていた話を紹介している。
その「男性」は、
1.ブラック・アメリカ人で共産主義者だろう
2.大統領になるための最良の学校に行った
3.IVY・リーグの大学に行った
4.名前は Barack.
5.彼の母は白人で、父親はアフリカ人
6.頭が良い
7.無神論で共産主義者として育てられる
8.人生のすべての段階で導かれる
9.ハワイから来て、カリフォルニアの学校へ行き、シカゴに住む
10.まもなく議員になる
この話の通り、現在のアメリカ大統領は「Barack Hussein Obama」である。これらの話すべてがその通りだとすれば、アメリカの大統領選挙とは、壮大な「でき芝居」であり、アメリカ人はただこのお祭りのお囃子(はやし)のために駆り出されたエキストラを演じさせられているだけであり、アメリカは強力な影響力を持った者たちが「民主主義」の形だけを取りながら、独裁的に世界最強の国家を牛耳って操作している、ということになりそうだ。
上記の、ジェブ・ブッシュが次のアメリカの大統領になる、という話は、キッシンジャーが中国の李克強副総理に語った、と言われているものだ。このキッシンジャーはロックフェラーにつながる人物であるから、そしてロックフェラーはアメリカを牛耳るファミリーの一つであるから、本当の話ならば、実際、次のアメリカ大統領はジェブ・ブッシュになるかもしれない。
ただし、未来はあくまで未定である。強力な影響力を持つものがある意図を持ってアメリカを動かそうとしても、常に彼らの思惑通りになるとは限らないはずだ。
上記に記したように、「アメリカでは共和党の大統領候補としてジェブ・ブッシュがたとえ出てきても、オバマが再選されること」がアメリカのためにも、人類のためにも良いと考える。それはブッシュ家はキリスト教原理主義に繋がり、この勢力は世界大戦を推進する勢力であるからだ。要するに、ジェブ・ブッシュがアメリカ大統領になれば、兄のジョージ・ブッシュが大統領時代に進めたような、9・11同時多発テロ事件やその後のアフガンやイラクへの侵略戦争などが、もっと大規模な形で起こりかねない状況になるからである。
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●ジェブ・ブッシュが共和党の最後の白馬の騎士になるのか?
http://www.guardian.co.uk/world/2012/feb/24/jeb-bush-latest-white-knight-republican?newsfeed=true
【2月26日 guardian.co.uk】
元フロリダ州知事のジェブ・ブッシュが現在の共和党の大統領候補者選挙戦について苦言を呈したことで、彼自身が候補に出馬するのでは、と言われだしている。
前大統領のジョージ・W・ブッシュの弟で、元大統領のジョージ・H・W・ブッシュの息子であるジェブ・ブッシュは、保守派の多くの者たちの中で強くてカリスマ性があるリーダーと目されていて、フロリダでは絶大な人気がある。
これは、ミット・ロムニーと彼の主なる挑戦者であるリック・サントラムとニュート・ギングリッチとの間の戦いに見られる辛辣さのために、多くの共和党の指導層とグラスルートの活動家らの間で広まっているイライラ感とコントラストをなしている。
23日ダラスでの演説の後に聴衆からの質問に答えてブッシュは、あまりに右寄りの流れと、オバマ大統領を11月の選挙で打破するに必要な独立的な投票者のことをほったらかしにしていると警告を発した。
「候補者にとって大事なことは、支援者にアピールすることは必要だが、勝利の同盟者の一部となりうる独立した投票者らを無視してはならない、と思う」と述べたとCBSニュースは伝えた。
ブッシュはまた、最近の共和党の議論について参加者らが恐怖を扇動していると非難した。「私はずっと保守派であったし、この議論を見て、自分が変わったとは思わないが、時々人々の恐怖と感情に訴えるようなことをするばかりで、より広い角度から将来を見るように促すことをしないことに対して、それはいかがなものかという感じを持ってきた」と語ったとフォックスニュースが伝えた。
ミット・ロムニーはノミネーションを得るまでに至っていないが、彼を打倒するような際立った挑戦者も現れておらず、共和党の多くの専門家らは、フロリダのタンパでこの8月に行われる指名選挙で十分な支持者を獲得できる人物はいないのでは、と考えている。
確かなことではないが、可能性としての「白馬の騎士」になりそうだと言われる名前が上がってきている。その名前の中には、ブッシュ、クリス・クリスティー(ニュージャージー州知事)、ミッチ・ダニエル(インディアナ州知事)、ポール・リャン下院議員(ウィスコンシン州)がいる。
この内の誰も選挙戦に出馬するとは表明していないし、何人かは否定しているが、ブッシュの発言は、こういった噂を更に掻き立てることになりそうだ。・・・以下略
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シリアのホムス市内で反乱勢力が使用しているミラン対戦車ミサイル
◆2月25日
シリアのホムスの一画に陣取る反乱勢力は、その拠点に通じるすべての道路沿いに最新兵器のミラン対戦車ミサイルを設置し、接近するシリア政府軍の装甲車を破壊するので、シリア政府軍はそのミラン発射地点攻撃に多連装ロケット砲を使用したという。
これが最近のニュースにある、シリアで犠牲者が多くでている、ということの真相のようだ。
さて、これで、シリアの実態は、「平和的改革を求めるデモ」に政府が無慈悲な血の弾圧をしている、という世界の大手主流メディアが言ってきた内容とは大きく異なり、シリア政府軍が対峙しているのは、対戦車ミサイルを装備している準軍事組織であることがより一層明瞭になったと思われる。
そして、このような最新兵器を装備できる、ということはそのような兵器や資金を供給している存在がある、ということであり、いままでこのブログで指摘したきたこと、つまり外国勢力がシリアの現体制に不満を持つ分子らに武器と資金を供給してきている、と指摘してきたことがますます真実であることがはっきりしてきたことになる。
彼らが去年の3月あたりから、まず武装テロ活動を行い、多くの警察官や国境警備隊員、一般市民が殺害され、その鎮圧のためにシリア軍が出動し治安活動を進めてきたのであるが、世界の大手メディアは、これをアサド政権が平和的デモに対して血の弾圧をしてきた、とこの一年近く喧伝してきたのである。日本のメディアはそれを鵜呑みにして繰り返してきただけである。
これに対してロシアはこのブログで何回も指摘したように、断固としてそのような理不尽な言いがかりによるシリアに対する「国際社会」からの制裁に反対し、かつ、もしもその「国際社会」がシリアに対する軍事介入をするならば、軍事的にシリアを防衛する、と明言している。
そもそももしもシリアで起きているのが、あのチュニジアやエジプトのような真に大衆による民主化を求めるデモによる運動であるならば、チュニジアやエジプトが数か月で政権交代したように、シリアでもそうなっておかしくないはずであるが、一年近くたって今も、わずかにホムス市の一画であるバブアムル地区にのみ、反乱の動きがあるだけで、シリア全土は単発的な爆弾テロとかゲリラ的攻撃による犠牲者が時に出ても、総じて穏やかなままなのは、どういうわけか、となるのである。
ようするにシリアで起きていることは、一部の過激派の反政府分子が外国からの援助を受けて反乱を起こしている、ということであり、一般のシリア人は全般的には現政府を支持し、アサド政権の掲げる改革を外国の干渉なしに進めたい、と考えているのである。
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●シリアの反政府武装勢力の拠点は「ミラン」対戦車ミサイルで武装
http://www.voltairenet.org/Free-Syrian-Army-stronghold
【2月16日 Voltaire Network】
シリアのホムスにおける戦闘は政府軍と反乱勢力の両方に、そして一般市民に多くの死傷者を出している。最初の三日間で、シリア軍は隣り町からの道路を全て封鎖している反乱勢力によって攻撃をかわされてしまった。彼ら反乱勢力は接近するすべての装甲車をミラン対戦車ミサイルを使って破壊した。結局シリア軍はミランの発射地点を攻撃するために、一般市民の犠牲者が出る恐れのある多連装ロケット砲に頼らざるを得なくなった。
ホムスのバブアムル地区に通じる全ての道路にあるミランの発射機は10万ユーロ(約1000万円)し、ミサイル弾は一発12万ユーロする。このミサイルは1分間に2~3発撃つことができる。この装置はノース・アビエーション(フランス)とMBB(ドイツ)で製造されている。反乱勢力である「自由シリア軍」にはイギリスとドイツから供給されたと見られている。
2011年4月、ドーハの高官は、カタールがミラン・ミサイルをベンガジからリビアの反乱勢力に供給したことを認めていた。これは、国連安保理での決議により「防衛的兵器」を供給することが許可されたことで、リビア政権転覆の支援のためになされたのだ。
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いくつもあるイランの核施設
◆2月24日
ダークムーン女史のこの論文では、このROCKWAY EXPRESSが掲載したものと同じ記事の内容も何本か参照している。ブログ子もダークムーン女史とほぼ同意見である。それは過去の記事内にいくつも散見できるはずだ。
面白いのは、イスラエルはイラン攻撃を今は考えておらず、むしろアメリカとのやり取りで、どちらが主導権を握っているかを見せようとしている、という指摘である。かつてアリエル・シャロンはアメリカを引きずっているのは自分たちだ、と述べたことがあったが、イスラエル・ユダヤ人の中には、自分たちがアメリカを引きずっているのだ、という自覚している者たちがかなりいるはずだ。
確かにアメリカの各界の重鎮をユダヤ人が占めている例が多い。人口の数パーセントしかいないユダヤ人が確かにアメリカを牛耳っている状況があるのだ。そのため、ダークムーン女史が嘆くようにアメリカはイスラエル・ユダヤに引きずられてきた。
しかし、やはり時が近づいているようで、このブログでも示したことだが、アメリカの内部にユダヤの金と恐喝に屈しない者たちが出てきているし、その傾向は軍内部やCIAなどの情報機関の中にも出てきている。このブログでは愛国者たち、と指摘する者たちだ。ダークムーン女史もその一人であることは間違いない。女史自身がそのことをこの論文で指摘している。
イラン問題を中心として、世界の変貌が始まるのかもしれない。
いろいろな意味で、時が近づいているのだ。
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●ハルマゲドン(最終戦争)が近づいている (その2)
http://www.theoccidentalobserver.net/2012/02/armageddon-approaches/#more-12803
【2月21日 Dr. Lasha Darkmoon】
イスラエルがイラン攻撃を自分たちだけで行うことはできない、ということは常識となっている。イランに対して成功裏に戦争を行うには、イスラエルはアメリカの支援が必要である。イスラエルは自分たちのためにアメリカがその汚い仕事をやってくれることを願っている。
もしもイスラエルが単独で行うとすると、1000マイル遠方にある攻撃目標にまで爆撃機を飛ばし、帰還させるための燃料補給問題という大きな問題に直面することになるだろう。
アメリカがイスラエルに三機のKC-135空中給油機を供給すると言われている。アメリカ内のイスラエル支援者の者たちの中には、イスラエルがイランを攻撃することを自分たちは擁護しているわけではない、と主張しているが、彼らは、イスラエルの航空機の実効的射程を拡張し」かつ、「イスラエルの信頼性を改善する」であろう、空中空輸機がイスラエルに供給されることを願っている。
イスラエルはこの地域で二つの核施設、イラクとシリアのそれを破壊することに成功している。これら二つの成功はそれほど際立ったものではない。達成度からいえば、それは取るに足らないものだ。つまり、イランについてやろうとすることに比べれば、ということである。
イラクのオシラク原子炉を1981年に破壊した時は、それは地上にあった建物を破壊したのだ。この単純な作戦のために、イスラエルは14機の航空機を必要とした。2007年9月にシリアに建設中だった施設を破壊した時には、倉庫のような一階建ての建物が標的だったが、これは正に地上の狙いやすい標的だったわけだ。
イランの潜在的な標的となるものは、その数においてはるかに多く、広く散らばって存在しており、地下深くに建設されているものだ。多くが秘密の施設であり、その存在すらよく知られていない。
標的になりそうなイランの核施設
ナタンツには濃縮プラントがある。地下の施設では濃縮ウランが製造されている。コム近くにはフォルドウ濃縮施設がある。山のような施設が何重にも強化コンクリートで防御された地下深くに埋まっている。フォルドウを切り裂いて中の核兵器と言われているものを破壊するには、イスラエルの能力を超えている、と一般的には言われている。必要とあらばアメリカができるかもしれないが、イスラエルだけではとても無理なのだ。
イスラエルが攻撃しなければならないイランの核施設がまだ二つある。アラクの重水炉とイスファンのイエローケーキ変換プラントだ。
イランへの攻撃ルートは3つ考えられる:トルコの北方、サウジの南方、ヨルダン・イラクを貫く真ん中のルートだ。イラクからアメリカが12月に撤退したため、イラク上空をイスラエル機が侵入するのを阻止する義務はない。イラク自身では勿論できない。
最近のロブ・ワード・レポートは、イスラエルは、「イランの地下にあると分かっている核施設を一回の作戦で、完璧にではないが、ひどいダメージを与える」に十分なGBU-28バンカーバスター爆弾を保有している、とある。
恐らくは、これは希望的観測以上のものではない。文章を見れば、「分かっている地下の核施設」とある。分かっていない施設、と言わない方がよい。
イランで勝利するには、イスラエルは最大限投入することになるだろう。イスラエルは船上発射型巡航ミサイルの他に、B-2ステルス機とB-52 爆撃機、戦闘爆撃機、ヘリコプターが必要だろう。イランの地下の核施設を除去する(不可能なタスクだが)ことに加えて、ミサイル艦、機雷敷設艦、小型潜水艦は言うに及ばず、イランの通信システム、防空・ミサイルサイト、革命防衛隊兵舎、弾薬庫、飛行場、船舶と港湾施設などを破壊しなければならなくなるだろう。
イスラエルがその自慢の戦力を持ってしても、2006年に小さいが勇敢なヒズボラを負かすことができなかったとすれば、イランから勝利を盗み取るチャンスはファンタジーの世界のこととなりそうだ。
すべてのアメリカ人が、既に陰(かげ)りの出ている名声に否定できない汚点を残したガザ侵攻の犯罪の後に、更なる無謀な破壊行為となるこの攻撃を行うイスラエルを支援し励ましたいと願っているわけではない。
イランのインフラを破壊することは、無神経なアメリカ人にとっては意味があるかもしれない。しかし、他の多くの人々は、これは残酷で邪悪な所業と感じている。7400万人の、その殆どが女性と子供たちを何トンもの劣化ウランによって毒し、何千人もの人々を車椅子を必要とするような状態に追いやることは、イスラエルに名誉や名声をもたらす所業ではない。
我々のすべてが歴史の教訓を忘れたわけではない。イランは300年間、戦争を始めたことがないという事実を知っている。イランは放っておいて欲しいだけなのだ。また、イランではなくイスラエルこそが、必要以上の血で手を染めたことで、”集合的狂気”という病理学上の問題を抱えているのだ。
イスラエルの数知れぬ批評家のために語れば、ある政治の専門家が書いていることがある:アメリカはイラン政権を根絶することはできない。イランを支配下におくことはできない、つまり、大災害を自国と世界にもたらすことなく、ということでは到底できない相談なのだ。イラン政権を根こそぎにすることは、膨大なコストとリスクをアメリカにもたらすし、その地域のすべての国々にもそうであるし、更にロシア、中国、インド、パキスタン、アフガンなどを含む影響を受ける多くの国々においてそうである。今すぐにオバマはイスラエルがイランを攻撃することを阻止しなければならない。彼は彼が取れる最強の方法で、例えば、爆撃機に燃料供給するための空域を使用することをイスラエルに拒絶することを通して、などできる限りのことをするべきだ。つまりアメリカはイスラエルがイラク上空を飛行し、給油をすることを阻止すべきなのだ。
二番目のアドバイスかもしれない。なぜ、イスラエルを支援するのか? イランの方がイスラエルよりずっとアメリカに寄与するものを持っている。
イランは原油を豊富に持っている。イスラエルは持っていない。イランはアメリカの政治クラスを身代金のために拘束しない。イランはアメリカの官僚機構をイランの国益をアメリカのそれより優先させるよう脅しながら継続してさせるようなことはしない。イランの二重国籍保有者は、アメリカでスパイ行為をしたり、アメリカの軍事機密をロシアや中国などに売ったりなどしない。イラン人にはローゼンバーグやジョナサン・ポラードなどのような人物はいない。イランはアメリカ人に外国での戦争でイランのために戦い死ぬよう強要するようなことはしない。イランは毎年30億ドルを施しでもらうことを願わないし、それ以上の決して返済しない融資保証をもらおうとはしない。
イランはイスラエルよりずっと大きなアセットになるかもしれない。イスラエルは負債であり重荷である。ラボン事件、リバティー号事件、ジョナサン・ポラードの裏切りが過去にあったのに、その”友人”に寄りそうお馬鹿なアメリカは、再び近い将来裏切られるのは目に見えていることだ。
イスラエルと手を切れ。これが私からのアドバイスだ。イスラエルがアメリカと共に世界を火の海にする前に。
* * *
この数か月、オバマはイスラエルに対して、アメリカに事前の承認のない戦争をネタニヤフが始めたら、アメリカはその戦争には関わらない、ということを明確にしている。
1月20日、マーチン・デンプシー統合参謀本部議長はネタニヤフに、アメリカと協調することなしにイスラエルがイランを攻撃したら、アメリカはイスラエルを防御することはしない、と伝えている。
2008年5月、ネタニヤフの前のエフード・オルメルトは、ブッシュにイラン攻撃の承認を願い出たがブッシュはそれを拒否した。
ネタニヤフはそれ以来、イラン攻撃の決断をする前にアメリカに相談するということを確約することを拒否することで、アメリカに抵抗し続けている。
他のアメリカの高官らは、アメリカはイスラエルが単独でイランに対して宣戦布告した際、十分にアメリカの意見を聞くことをしない場合には、アメリカはイスラエルへの支援を拒否するかもしれないということを明確にしてきている。
もしイスラエルが決行したならば、それはイスラエルの問題となる。
イスラエル自信の愚かさから起きた問題でアメリカがイスラエルを保護するのはアメリカの義務である、と考えることは、イスラエルにとって過ちとなるだろう。
政治評論家のMJ・ローゼンバーグがハッフィングトン・ポスト紙に、イスラエルは今は戦争をしようとは思っておらず、むしろその腕力を見せびらかすこと、そしてアメリカとイタチごっこをすることの方に興味を持っているのだ、という大胆な理論を展開している。イスラエルがネコでアメリカがネズミだということを皆に示したいのだ、と言う。「ネタニヤフと彼のグループは今戦争をしたいとは考えていない。彼らは自分たちが戦争のあるなしを決定するのだということを分からせたいのだ。つまり、だれが親分か、を見せたいのである」
決着の時である。
アメリカの首府はワシントンに戻される必要がある。テルアビブは遠すぎる。
* * *
ブレジンスキーが、「イスラエルがイランを攻撃すれあ、大災害を引き起こす」と言った時、深刻に受け取るべきである。
ロシア問題の専門家で老練なブレジンスキーは評判の高い「グランド・チェスボード:アメリカの覇権とその戦略地政学上の急務」の著者である。2012年2月1日にロシア・トゥデイTVで放映された、前統合参謀本部メンバーのレオニド・イバショフの語った問題の発言を、ブレジンスキーがどのようにとらえているか、気にならざるを得ない。
ロシアはイランないしはシリアに対していかなる軍事作戦も行われることを望んでいない。これら両国は同盟国であり、両国ともロシアの保障するパートナーである。シリアないしはイランに対する攻撃は、ロシアとその国益に対する間接的攻撃となる。
後ほど彼は、アメリカは今や民主主義のマスクで顔を覆っている隠れファシストと考えている私のような人々の共感を呼ぶようなことを付け加えた。
すべての者が理解すべきは、ファシズムがこの惑星上を闊歩している、ということだ。彼らがリビアで行ったことはヒットラーと彼の軍がポーランドに対して、ついでロシアに対して行ったこととほぼ同様なことであった。従って今日、ロシアはファシズムから世界全体を防衛していることになるのだ。
だれがこの新しいファシストかは聞くまでもない。
テレビのスィッチをひねれば、彼らの笑顔を見ることになろう、彼らに投票する限りは、そしてイスラエル拡張のための外国での戦争で彼らのために死ぬならば、彼らがどれほどあなた方を愛しているか、大事にしているか、見れるだろう。
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以下のことが明らかにされるべきである:アメリカはいつまでイスラエルのための戦争をし続けるのか? イスラエルはアメリカの何を掴んでいるのか? アメリカはその重要な国益上に対する計り知れないダメージを、多くの世論調査で世界で最も忌み嫌われている国家であるという、不安定で横柄な同盟国のために受け入れる用意があるのか?
アメリカ人の特に軍とCIAの中のメンバーらが全て、イスラエルの増大する無責任な行動に感銘を受けているわけではない、といういくつかの示唆がある。両国の友好にかなりの亀裂が増大しているのだ。時間の経過とともにアメリカ人が正気に戻ることで、願わくはもっとこの亀裂が大きくなることが願われる。
元国務長官のジェームス・ベーカーがイスラエルについて:「ユダ公たちめが、我々に投票さえしやしない者たちだ」と、ユダヤ系アメリカ人支持者について語った有名な言葉があるように、関係は再びどん底にまで落ちるかもしれない。
元中央軍司令官のジョー・ホアーは最近、イスラエルのテロリストのジュンドゥラを介入させた作戦について不満をぶちまけている。この作戦の中で、モサドのちんぴらは自分たちをCIAのエージェントだとずうずうしく名乗っていたのだ:「イスラエルは火遊びをしている。これは彼らの秘密の戦争に我々を巻き込むものだ。我々がそれを望むかどうかにかかわらずにだ」
辛抱強いイランと鼻持ちならないイスラエルとの間の緊張状態は、その頂点に達しようとしている。
もしイスラエルがイランに対する全面的攻撃を仕掛けたら、はっきりしていることが一つある:テルアビブの塔は倒壊するということだ。必ずしも今とは限らないが、将来のある日に、「vengeance is a dish best served cold(復讐の料理は冷めてから出すに限る)」と決められた時に起きるだろう。(注:これは映画「KILL BILL」に出てきたセリフ)
ディモナの核施設も破壊されるだろう、今すぐにでなければ、後ほど、時が満ちた時、そしてイスラエルを住むことのできない荒野にするだろう。
その小さな領土を考えれば、イスラエルは一日で破壊されるかもしれないのだ。イランによってでなければ、間違いなくロシアか中国によって。
一週間前、アヤトラ・アリ・ハメネイの戦略チームの責任者であるアリレザ・フォーガニは、以下のように語ったという:「たった九分でイスラエルを一掃できる」
イスラエルが今一掃されることを誰も真剣に願っているわけではないが、イスラエルは自分の行動がいつかもたらす結果を受け入れねばならなくなるだろう。
イスラエルは自らが蒔いたものを刈り取ることになるだろう。
時は近づいている・・・
- 了 -
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イスラエルのイラン攻撃はハルマゲドンとなる
◆2月23日
イランに対する原油輸入制裁を決めたヨーロッパ諸国に対して、反対にイランが先の英仏に続いて6カ国に対する原油輸出停止措置を取ったが、アメリカは中国やインド、日本などに圧力を掛けて、イランからの輸入原油量を削減させている。
このような経済制裁が功を奏しなかった場合には、最終的にイスラエルやアメリカなどはイランを軍事攻撃するのだろうか?
このブログではイランを攻撃すれば、それがイスラエルの終わりの始まりであり、また世界に大混乱が惹起される、と警告を発してきた。
同様の見解を多くの人々が共有しているようだが、以下の論文では、ラシャ・ダークムーン博士が、ペルシャ湾の欧米の艦隊はひどい打撃を受けて敗退すると、またイスラエルの能力ではイランの核施設全てを破壊する事はできないとしている。そしてイスラエルよりイランの方がアメリカにとってずっと有益なものを提供できるし、もしもイスラエルがイランを攻撃すれば、イスラエルの最後がやってくる、と指摘している。
前半の部分では、ダークムーン博士は、ロシア製対艦ミサイルのサンバーンについて詳述している。世界最強の対艦ミサイルと言われているミサイルだ。これを阻止する手立てはない。だからアメリカはイランに対して簡単に攻撃など出来ないし、すれば、アメリカは勝てない。負けないかもしれないが、勝てない。しかし一旦攻撃すれば、傷を負った獅子のようにイランは怒りに燃えてあからさまな原爆製造に向かいかねない。そしてその怒りを鎮めることはもはや出来なくなるだろう。
できるのは、おそらくペルシャ湾外からの外洋からの攻撃、つまりインド洋、あるいはグルジアやトルコからなど、ペルシャ湾外からの攻撃だけだろう。しかしそれをやれば、それこそグルジアやトルコその他を含む地域、すなわち中東全域の戦争になりかねない。そうなれば、ロシアや中国も黙っていないだろう。だから、ハルマゲドンが近づいているのだ。
本当にそうなったら、その時こそ、日本は出て行かねばならない。戦争を放棄している憲法を持つ国としての日本がこのイランとイスラエルに、あるいはアメリカとロシア・中国に物言えば、他の誰よりも、聞く耳をもつことだろう。まあ、そうならない事を願うばかりだが。
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●ハルマゲドン(最終戦争)が近づいている (その1)
http://www.theoccidentalobserver.net/2012/02/armageddon-approaches/#more-12803
【2月21日 Dr. Lasha Darkmoon】
「イスラエルによるイラン攻撃は、大災害を引き起こす」
-ズビグニュー・ブレジンスキー -
「ペルシャ湾全体はキリング・フィールドに変貌するだろう・・・
ペルシャ湾はアメリカ人の血で赤く染まる」
- 軍事専門家 マーク・ガフニー -
イランへの爆撃は、衰退し道徳的に破綻しているスーパーパワーであるアメリカの棺おけの蓋を閉じる最後の釘となるかもしれない。この超大国は拷問が日常化し、この国の大統領は、どこの誰であっても、テロリストと自分が決め付ければ自由に殺害できるのだ。
現在、イランが世界中の嫌われ者となっている。少なくとも騙されやすい大衆にイランが文明に対する脅威である、と説得することに熱心な主流メディアを支配する者たちの間ではそうである。
イランは、望めばホルムズ海峡を完璧に封鎖できる能力を持っており、その過程でアメリカ海軍に手ひどい打撃を与えることができる。イランは「サンバーン」と呼ばれる対艦兵器のさまざまな種類のミサイルを保有している。これをイランはこの10年でロシアと中国から取得している。これらのミサイルはロシアによって開発された最新鋭兵器であり、低価格であり、アメリカ製の高価で技術満載兵器のライバルとなっているものだ。
とりわけ、これらのミサイルは艦船を沈没させるようデザインされているもので、その中には、アメリカの巨大空母も入る。
差し迫っている紛争は、ロシアと中国をも巻き込むものとなる。両国の利権はイランと密接に結びついている。イランは彼らにとっては半独立・保護国であり同盟国なのだ。もしもイランが攻撃された際にロシアと中国がイラン側についても、何もしなければ、彼らは永遠に面目を失うことになる。彼らは世界に向かって、自分達が弱虫で、アメリカのいじめっ子の前で臆病となり何も出来なかったことを示すことになるだろう。その時には、彼らがアメリカの次の標的リストに組み込まれることになるだろう。
ロシアは100トンの怪物的大陸間弾道弾をパイプライン内に持っている。これにはサタンと命名されている。このミサイルはもしもアメリカが傲慢になりすぎてその侵略性が限度を越えた際に、アメリカに対して壊滅的打撃を与えるために使用されることになるだろう。
中国のツァン・ツァオゾン少将は最近、もしアメリカあるいはイスラエルがイランを攻撃すれば、「中国はイランを保護することに躊躇することはない。それが第三次世界大戦になろうとも」と語っている。
■いくつかの点を詳細に分析してみよう
アメリカ海軍は、近代戦の最前線では効率的でプロフェッショナルな組織であるが、ホルムズ海峡は、アメリカ海軍が不死身であり続ける環境ではない。イラン側は狭いホルムズ海峡内で、アメリカ艦船を待ち伏せ攻撃の罠に引きずり込むことができる。
さまざまな軍事サイトに掲載されている技術的な説明の例を挙げれば、アメリカ艦船の防衛システムに関する議論がライブで載っているのを見るだろう。誰もそこでは、そのような防衛システムが対艦ミサイルに対して充分な防御を提供できると言っていない。今のところは、殆どの艦船は、アメリカの巨大空母も含めて、対艦ミサイルからの攻撃には脆弱であることを示しているのだ。
アメリカの大型空母
目を見張るようなこういったニミッツ級空母は、7隻から8隻の護衛艦隊を伴っており、70機以上の艦載機を持ち、6000人以上の乗組員を抱えている。2004年に軍事専門家で「ディモナ:第三の神殿?」の著者である、マーク・ガフニーは、「アメリカ海軍最大の巨大空母は、浮いている死の罠、となった。ペルシャ湾の狭い閉じ込められた海域では、よくて、回避行動は困難であり、逃避することは不可能である・・・ペルシャ湾はアメリカ人の血で赤く染まるだろう」と述べている。
石油タンカーについては、空母よりはるかに脆弱である。もしも攻撃されれば、簡単に沈没し、極めて重要な航路の障害となり、ペルシャ湾領域全体に対する大規模な環境破壊をもたらすだろう。
アメリカがイランが保有する最新鋭対艦ミサイルに対抗するために、新世代レーザー防衛システムの開発を急いでいることは興味深いことだ。しかしながら、これはまだ開発途中である。後ではなく今攻撃されるのならば、イランは相対的に有利である。
皮肉な事に、イランに対する攻撃をアメリカとイスラエルが遅らせば、それだけ彼らがイランからの反撃を成功裏に迎撃するチャンスが増える。
アメリカとイスラエル両国とも残念ながら、彼らが望む、樽の中の魚を撃つような戦争をする準備は整っていないのだ。戦争屋のネオコンが「おちゃのこさいさい」だと言っていた、つまり6週間で占領したイラクと違って、イランは、敵対するアメリカとイスラエルに、「樽の中の魚」的な幻想にふける安易な機会を提供するとは思えないのである。
戦闘の騒音から遠いところでキーボードを打っている我々の勇気ある遠隔操作の戦士たちは、「テロリスト」と呼ぶ事で自分らの良心の呵責をなだめながらイラクや、アフガン、パキスタン、イエメン、それにソマリアの無辜の民衆に破壊と死を降らせる事はできるだろう。しかし彼らの無人機をもってしては、イランの死のミサイルがアメリカの空母を吹き飛ばしたり、石油タンカーを撃沈させることを阻止することはできない。
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世界最強の対艦ミサイル「サンバーン」
サンバーンは恐らく、世界で最も破壊力のある対艦ミサイルである。高度9フィートで飛翔でき、時速1500マイルで飛ぶ事ができる。このミサイルはその最終段階でギクシャク行動をとる事ができる。これは、ファランクスその他のミサイル迎撃ミサイルを避けたりその弾道から外れたりすることができるのだ。つまり、このサンバーンは途中で迎撃されることなく、どんぴしゃりで標的を撃つことができるのである。
コストが安いことを考えれば、これらの対艦ミサイルはペルシャ湾のような閉じられた池のような海域における戦闘に完璧に適合しているのだ。このサンバーンは汎用性が高く扱いやすい。トラックの荷台を含む殆どどんな発射台からも発射できる。射程は100マイルあり、40マイルの幅のホルムズ海峡のペルシャ湾では充分である。海岸から発射されたら、サンバーンはホルムズ海峡にあるどんな艦船にもたちまち部屋の大きさほどの穴を開けることができるだろう。従ってこれらのミサイルは、アメリカ海軍にとっては深刻な脅威なのだ。このミサイルの持つ、侵入してくる敵対者らに与える恐ろしいほどの打撃力は、どんなに大げさに言っても大げさにはならない。
ロシア人が開発し、中国とイランで製造されているSS-N-22サンバーンは、超音速対艦ミサイルで、「現代世界で最強のミサイル」と言われている。フランスのエグゾセに比べて、このサンバーンははるかに大きく飛翔速度も速いミサイルである。射程もはるかに長い。その誘導システムは正確無比である。サンバーンは200キロトンの核弾頭を搭載でき(750ポンドの通常弾頭)、100マイルの射程内に運搬できる。これはエグゾセの2倍以上の射程である。
このミサイルは、アメリカのイージス防衛システムを打破できるようデザインされているようだ。サンバーンの驚くべき正確さは、最近中国による海での実験によって示された。これをアメリカのスパイ機が監視した。サンバーンはダミーの標的とされた船を破壊しただけでなく、完璧に命中したのだ。その船の艦橋上に設置された大きなX文字のど真ん中をぶち抜いたのである。アメリカの無人機のようではなく、サンバーンは「コラテラル・ダメージ(付帯的損害)」を生み出すことはない。無辜の民衆を殺害することもない。敵のみを殺害するのだ。
2004年の記事で、マーク・ガフニーは、「ペルシャ湾のアメリカの艦船はサンバーンミサイルの射程内に既に入り込んでいるだろうし、イランがペルシャ湾の北方海岸に展開している、更に進化した型のSS-NX-ヤホントミサイル(ロシア製:マッハ2.9・射程180マイル)の射程内にも入っている。全てのアメリカの艦船はさらけ出されており、脆弱な立場にある。イランが仕掛けを施せば、ペルシャ湾全体がキリング・フィールドになる」と書いている。
サンバーンの750ポンドの通常弾頭の爆発力では明らかに空母を撃沈させることはできないが、その他の殆どの艦船ならば可能である。そのように技術的な説明文には言われている。しかしながら、空母をミサイル群が同時的に襲った際の影響を見極めるような、結論が出るような研究はされていない。恐らくはそのような研究は必要とされないからだ。常識として、一匹の蜂より蜂の大群の方がずっと危険であることは分かるだろう。一匹の蜂ならばぴしゃりと叩けばよいが、蜂の大群ではそうはできない。
一人の軍事専門家が以下のコメントを寄こしている:イージスとRAMシステムはサンバーンミサイルの攻撃を阻止することはできない。イラン・イラク戦争時にイラクの亜音速のエグゾセミサイルがアメリカのスターク艦を攻撃した際、たとえこれらのシステムがこのミサイル攻撃を阻止することに失敗したとしても、これらのシステムは亜音速の対艦巡航ミサイル用にデザインされており、超音速用ではない。超音速対艦巡航ミサイルはライフルの弾丸より早く飛翔し、一隻の空母を撃沈するのに3発以上は必要ない。実際のところ、いかなる海上艦船も浮かぶ棺おけなのだ。フルスピードで飛翔しているライフルの弾丸を止めることのできる技術を誰か知っていれば、それが何か教えてもらいたいものだ。
「『ホルムズ海峡が射撃練習場になる』ことを知れば、カンナエの戦いのために準備するハンニバルを必要とはしていない」と、軍事評論家のルス・ウィンターは書いている。
ホルムズ海峡は実際のところ、盲目ならば狙いが外れることがあるかもしれないほど、大型で扱いにくい艦船を待ち伏せ攻撃する理想的な場所である。間違いなく、イラン人はペルシャ湾沿岸全てにわたって攻撃地点を調べ上げているだろう。隠されたそのような攻撃用の穴を低空飛行する攻撃ヘリで発見することは困難だ。ヘリコプターが撃墜されるだろう。
同じく注意しなくてはならないものは、イランのミサイルの射程の長さである。1500マイルかそれ以上だ。敵対するバーレーンとカタールは簡単にサンバーンかオニックスの長距離用ミサイルで攻撃されてしまう。サウジアラビアの油田も同様である。
イランから見てイスラエルは遠方に位置するが、突然ミサイルの雨が襲っていることに気が付くかもしれない。イランからばかりでなく、レバノン国境の向こう側のヒズボラからもだ。
「これはでかい戦争になるだろう」と、ジャスティン・レイモンドは語る。「イラク侵略戦争はハルマゲドンのためのリハーサルのように感じられるだろう」と言うのだ。(その2に続く)
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