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50%に満たないメディア信頼度

◆10月1日

 日本でも、マスメディアといわれる大新聞、テレビなどに対しては、「マスゴミ」などと揶揄されるように、彼らが真実を報道している、と認める人々の数は減少していることは確かだ。
 最近ギャロップが行った世論調査でも、アメリカのマスメディアに対する信頼度が過去最低に落ち込んでいるとあるそうだ。

 このブログでも指摘してきたことであるが、アメリカやヨーロッパのメディアは特にユダヤ資本のものが多いため、彼らの利益になるような報道に偏向し勝ちであることを指摘してきた。話半分で聞かねばならないし、ある場合には、彼らの言っていることが嘘なのだから、その反対を考えればそれが真実に近い、ということになるのだ。

 特に今のイラン問題などはその典型である。彼らは嘘を言っている。それはイランのアハマディネジャド大統領が、イスラエルを殲滅するようなことを言った、としていることだ。これは真っ赤な嘘であり、大統領の言っていることは、パレスチナ人の人権やパレスチナ国家の権利を認めないイスラエル政府は歴史から消えるだろう、ということなのだ。つまりシオニスト政権の寿命は長くない、と言っているに過ぎないのだ。

 しかし、欧米のメディアは、イランがイスラエルを殲滅する計画であり、そのためイランは「核計画」を進めているから、その「核計画」とは、「核兵器計画」だ、と論理を飛躍させ、だから、イランが核兵器を開発する前に、核攻撃することは、平和を保つために必要だ、という狂った論理なのだ。

 しかし、彼らの嘘はやがては明らかにされ、逆にユダヤ・イスラエルが世界から追い詰められることになっていく運命にあることは、間違いないであろう。そのことを彼らは理解していないかもしれないが、早くそれに気付き、軌道修正することが、彼らが生き残る唯一の道であることを指摘しなくてはならない。


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ギャロップ調査:アメリカのメディアに対する不信感は過去最高http://blogs.journalism.co.uk/editors/2010/09/30/distrust-in-us-media-at-record-high-according-to-gallup-poll/
【9月30日 Joel Gunter】

 アメリカにおけるマスメディアに対する不信感は過去最高の高さに上っている。最近のギャロップ調査では、57%の人々がマスメディアの伝えるニュースの完全性、正確性、客観性に対する信頼度はわずかであるか、ないしは全く信頼していないという。

 43%は大いにあるいはかなりマスメディアを信頼しているとあるが、これも記録的な低さである。先月行われたギャロップ調査では、新聞とテレビニュースに対する信頼が、新聞は22%、25%がテレビと、とりわけ低かった。

 政府機関に対する信頼度ではひどい落ち込みが見られ、立法関連機関に対するものが過去最低で、これはメディアに対する信頼度よりも低かった。行政および司法関連ではまだましであるが、それでも下降している。

 その他で分かったことは、アメリカ人の約半数(48%)は、メディアはリベラル過ぎると見ており、保守的過ぎるという15%と比べて際立って大きい数字であった。63%の人々は、ニュースに偏向が見られるとしている。

 最近のイギリスのユーゴブ(YouGov)調査では、メディアに対する信頼は極端に下落していることが分かる。高級紙といわれるタイム、テレグラフ、ガーディアン各紙は41%の信頼度を獲得しただけであり、中級紙のメール、エクスプレス各紙は21%、大衆紙と言われるものに対しては10%の信頼度だという。
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ユダヤ人活動家を乗せたイレーネ号

◆9月29日

 尖閣諸島では、中国の漁船拿捕問題で、領海侵犯した漁船を拿捕した日本が領海侵犯した中国の圧力に屈した形であったが、イスラエルでは、陸の孤島とも言うべきガザに対する人道的な支援を施さんとする支援船をイスラエルが力に任せて拿捕する事件が相次いでいる。 

 今回はホロコーストの生存者やガザを支配しているハマスの要員の自爆テロで娘を殺されたユダヤ人男性などを含む、ユダヤ人が中心となった支援船がキプロスから出航し、ガザに向かいイスラエル軍に拿捕された。

 イスラエルのタカ派路線ないしは、ネオコン路線とは別に、その暴力性に反対を唱えるユダヤ人も存在し、彼らはますます活発な活動を繰り広げるようになってきている。

 イスラエルでは兵役を拒否する高校卒業生らも増えていて、彼らのグループも存在している。イスラエルの生存、将来を見据えて、共存という考え方を真剣に追求する人々も増大している。

 このように、時代と共に、イスラエルも最終的にはパレスチナ人との共存・共生という最終決着に到達することが残された道であることが明瞭になりつつある。イスラエルの勇気ある賢者の登場が願われている。


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イスラエル軍:ユダヤ人のガザ支援船を拿捕
http://www.thehindu.com/news/international/article800872.ece
【9月28日 The Hindu】

 イスラエル軍は28日、ガザに向かっていた反封鎖のユダヤ人活動家を乗せた支援船を拿捕したと、発表した。

 イスラエル海軍が支援船のイレーネ号に乗り込む際に暴力や事故はなかった。ガザ海岸に向かっていた同船は、ガザ市から約38km北方のイスラエルのアシュドト港に曳航された。

 イスラエル軍の声明は、国際法とイスラエルの法律違反となる、2度にわたる警告を船長が無視した後、イスラエル軍が同船に乗り込んだと発表した。

 このイレーネ号はイギリス国旗を掲げ、キプロスを19日に出航、2007年からイスラエルが封鎖しているガザに向かっていたもの。

 同船には、10人のユダヤ人左翼活動家が乗船、その中にはホロコーストの生存者や、娘が1997年にハマスの自爆犯の自爆行為で殺された男性も含まれていた。これを組織した人物は、象徴的な支援をガザのパレスチナ人に送っていたところだ、と語った。支援品は、教科書、義肢、おもちゃ、楽器、魚網である。

 イスラエルはハマスがガザを支配した2007年以降、ガザを封鎖状態に置いている。しかし、今年6月、国際的なガザ支援船の拿捕の際の暴力事件で非パレスチナ人9人が死亡した後に多少緩和されていた。

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再び起きるクレジット危機を避けるには?

◆9月26日

 9月13日にBISが新たな規制内容を発表したようだが、それでは却ってアメリカ経済は萎縮すると指摘して、今の危機を乗り越えるためには、銀行システムの全面的な改訂が必要だと指摘する内容である。 

 そしてエレン・ブラウン女史の持論である、州政府所有の銀行を設置し、州政府紙幣の発行で経済を回していくことを進めている。それをノースダコタ州では実践していて、結果は非常に良好であるというのだから、他の州も見習えばよいのだ。

 日本の場合も同じだ。不景気なのだから、量的緩和、公共事業など政府が積極的に経済を回す努力が必要のはずだ。円高だというのだから、政府発行紙幣で民間にお金を回し、内需を喚起、失業を減らしていけば、日本経済も再び回りだすことになる。今や新しいさまざまな分野での産業が興隆することが必要な時期に来ているのだから、その新たに発行された紙幣で産業を育成するようなことをすればいい。

 アメリカから何か圧力があるだろうが、そういうものに何時までも唯々諾々として従っている場合でも時でもない。腹をくくって実践するだけだ。


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クレジット・メルトダウンとウォール街の影の銀行システム
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=21184
【9月25日 by Ellen Brown】

バーゼルの新しい銀行業界の帝王により、各銀行が統制されている反面、ウォール街の「影の銀行システム」は、殆ど野放し状態が続いている;そして2008年の信用危機が生じた理由もそこにあったのだ。

 銀行システムの信用貸しは、そのシステム自体に欠陥があり、全面的な見直しが必要とされている。

 9月13日、国際決済銀行(BIS)は、自己資本比率を高める規制を出したが、これにより消費者や中小企業への貸し出しは更に困難になった。新しい規制は表向きは2008年の信用危機の再発を防止することとされているが、彼らはその危機の本当の理由を指摘することをしていない。規制を免れている影の銀行システムのことだ。

 2008年9月に何が間違ったのかと言えば、現行のバーゼルⅡの自己資本比率が低すぎたことが問題だったのではなく、この規制を免れる方法を銀行が取ったことによるものである。バーゼルⅡ規制は、銀行の自己資本比率をどれほどその銀行の貸付内容が危険であるか、ということに基礎を置いていたので、銀行はCDS として知られる規制対象外の「保険契約」を買うことでリスクの程度を低く見せるようにしたのだ。
 しかしこの保険は、2008年9月15日にAIGが破綻することで詐欺的なものであることが証明された。それから起きた信用崩壊については、普通はサブプライム住宅ローン市場の崩壊が非難されている。しかし、エコノミストのゲリー・ゴートンによれば、サブプライム問題はそれ自身では世界的信用凍結を引き起こすには十分なものではなかったという。実際に信用凍結状態をもたらした原因は、影の銀行システムとして知られている、あまり知られていない市場での昔ながらの銀行破綻であるという。

 従来の銀行システムでは通常では銀行破綻は起きない。それは、預金者は 連邦預金保険会社(FDIC)保険で保護されているのと、破綻しそうな銀行は連邦準備銀行から借り入れることができるからだ。しかし、FDICの保険は25万ドルしか保証しないし、巨大機関投資家、例えば年金ファンド、投資信託、ヘッジファンド、政府系投資ファンドなど、が大量のドルを保有し投資先を模索している。
 彼らは少ない利益でも安全な投資対象、しかも旧来の普通預金のように直ぐ引き出せる流動性のある投資先を求めている。

 この影の銀行システムとは、大規模にレポ市場を活用することで、こういったニーズに応えるものだった。レポとは、流動性の高いコラテラル、主に財務省証券とか抵当証券、の売買のことだ。こういったコラテラルは特定目的事業体(SPV)が購入する。彼らが影の銀行としての動きをするわけだ。投資家は彼らの資金をSPVに投資し有価証券を保有するが、これは通常の銀行におけるFDICの保険に代わるものとなる(もしもSPVが支払いできなければ、投資家はこの証券の担保権を行使できる)。
 流動性に対する要求に応えるため、レポは1日ないしは短期での取引となる。そして資金が引き上がられるまで継続して繰り返される。この資金は銀行により他の貸付や投資、あるいは投機に使われる。しかしそれが、長期のローンを短期の借り入れで行うために、ジミー・シュツワートの「素晴らしき哉、人生」のような危険な状態に銀行を置くことになるのだ。何らかの理由で投資家が危険を感じていっぺんに資金を引き出したら、銀行はローンを行えなくなり、信用凍結状態に陥る。

 2008年9月、レポに投じている資金を保証している抵当証券(MBS)が、言われているようなトリプルAではないということが分かった時、投資家は危険を感じたのだ。
 しかし次は違ったものかもしれないし、バーゼルⅢはこのシステム的な弱点をほったらかしにしている。おそらく間違いなく今の民間銀行と信用の仕組みでは修正することは無理だろう。ビジネス・インサイダー誌による「シーキング・アルファ」の記事で指摘されているように:
 「我々の金融システムは多くの先回と同様の要素があるので、新たな信用危機に対して脆弱なままである。誰かがパニックの口火を切ればすぐ起きてしまうだろう」

 問題は、どうやってこのシステマティックなリスクを除去するかだ

 「影の銀行業をより厳格に規制すること、そしておそらく政府がバックストップすることが必要だ。それを停止させ、制限することでクレジットをシステムから離脱させることができるだろう。こういったクレジットは、実体経済の中で使用も必要ともされていない非金融クレジットである」

 実体経済はクレジットを必要としている。行き過ぎた規制でその流れを断ち切れば銀行は実体経済を死に至らしめることになる。ゲリー・ゴートンによれば、影の銀行システムが発達したのは、銀行が規制で身動きできないためであり、利益を上げられなくなっていたからだという。彼は以下のように書いている:
 「銀行のバランス・シート上にローンを保有していると利益を上げられない・・・これが並行ないしは影の銀行システムが発達した理由なのだ。もしある取引が利益を上げられなければ、そのオーナーは投資を行わずにその取引から手を引くだろう;彼らは別のところに投資をする。規制する者たちは銀行にそうさせることができる、もっと資金を保有させたりさせて、しかし銀行業が利益を上げられないのならば、彼らは銀行業から手を引くだろう。手を引くと言うことは、銀行株主が更に出資することを拒否するから、規制された銀行分野は縮小するということだ」


◆ベターな解決に向かって

 銀行システムの全面的な見直しをすることが、唯一こういったシステマティックな弱点を除去する道である。マネーとは何かということに対する間違った理解がこの弱点の元になっている。我々はマネーをなにか物体、地中から掘り出さねばならない物とか既に持っているものから借りねばならない物と考えている。銀行はローンをカバーしたり投資をするためのこのマネーを十分に持っていないため、詐欺行為のようなクレジットを発行しそれをカバーするため短期ローンに飛びつき、突然のそして想定外の引き出しというシステマティックなリスクに自らを晒すことになるのだ。

 これは旧来の型であるが、今日ではマネーとかクレジットは違ったものになっている。我々のマネーをゴールドとか商品が保証しているわけではない。何もマネーを保証していないのだが、「アメリカ合衆国に対する完全な信頼と信用」が保証しているのだ。マネーとクレジットは単なる法的な取り決めの創造物であり、誰が誰にいくら負っているかを示すタリー(賃借記録)なのだ。2人以上のグループがマネーを全く介在させないで法的取り決めをすることができる。彼らは商品に対してクレジットを発行し、実際の取引を行うことができる。民間銀行の独占によりなされる貢物は、実際のところは、この取引の流れの足かせとなっている。トーマス・ジェファーソンは1815年、ガラティン財務長官に以下のように語っている:
 「財務省は、国家に対する自信に欠ける為、身動きできないまま、マネーを保有している振りをしているがいつ何時破綻するかもしれない銀行や、度胸はいいが破綻している山師に、自らを差し出したのだ」 

ジェファーソンは1813年に以下のように書いている:

 「循環媒体の領域が民間の者たちによって我々からくすねられることについて、我々があまりにも愚かに見過ごしてきたため、思うに我々はそれを回復させねばならないと考える・・・永久的に、国家は紙幣発行権を議会に移すよう要請されるべきである」

 この「アメリカ合衆国に対する完全な信頼と信用」というものは、丁度 契約が司法によって監視されるように、合衆国の何らかの部局によって監視されるべきである。公的に所有されている銀行は、資金や準備金の心配をせずに、国家の完全な信頼と信用を発行することができる。結局、もしもあなたが合衆国であるならば、自分自身の信用の「準備金」がなぜ必要なのか、ということなのだ。

 ワシントンから十字架の救いが降りてきて、救ってくれるのを待っている代わりに、州政府所有の銀行を設置することを考慮すべきかもしれない。ノースダコタ銀行は、現在アメリカ中で州政府所有としては唯一の銀行で、非常に安定していて、いい利益を上げ、州政府は26%の配当を受けている。そのような種類の銀行が、法的な委任によってローリスクで大きなりターンを探しているあらゆる州と地方の緊急時のファンド、年金ファンド、その他の地方政府ファンドにとって魅力的な投資先になるだろう。

 我々は、超富豪の顧客の更なるボーナスや、彼らの救済そして含み益のためのウォール街の銀行やブローカーではなく、実際の経済の要請に応えることのできる何らかの銀行を設置する必要性がある。州政府所有のこういった銀行は、ウォール街の銀行がしり込みした役割を、州政府と地方経済のための実効的なクレジットのエンジンを提供することで果たすことができる。

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第2次レバノン戦争時にヒズボラの攻撃を受けたイスラエルの町

◆9月24日

 9月5日号の「イスラエルのレバノン国境での動き:来年に本格的な戦争か」で示したように、イスラエルはイランを睨みつつ、まず足元のヒズボラやシリアを先に叩くことを考えているようだ。

 アメリカの親イスラエルのシンクタンクの研究員である、元情報員だったジェフリー・ホワイトは、次にレバノンのヒズボラとイスラエルが戦争を始めれば、2006年の時の第2次レバノン戦争の規模をはるかに超えた、1973年の第4次中東戦争以来の大戦争になると指摘している。

 このホワイトの指摘によれば、イランとの戦争に拡大することは避けたいのがイスラエルの姿勢だとしているが、戦争を始める側であるイスラエルのそのような思惑を超えて、イランやひょっとしてトルコ、あるいはロシアなどがどのような介入の仕方をしてくるか、分からないであろう。

 以前にも指摘したが、イスラエルを取り巻く環境は日に日に悪化しているのであり、そのため次に戦争を引き起こした場合、それが「イスラエルの終焉の始まり」になるとも限らない情勢である、という認識をまずすることが必要なのだ。今までの武断的姿勢はもはや通用しなくなり始めているのだと言う理解が必要なのである。

 「天の時、地の利、人の和」、これが戦争の勝利には欠かせないが、天の時が準備できていないのだから、どうしようもないのだ。

 
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●次のレバノン戦争は大戦争になる
http://www.haaretz.com/print-edition/news/next-israel-hezbollah-war-will-be-worse-says-u-s-analyst-1.314880
【9月21日 Haaretz】

先週発行された親イスラエルのワシントン近東政治研究所のジェフリー・ホワイトの研究論文によれば、次のヒズボラとの戦争では、イスラエル軍の北方コマンドは、「レバノン部隊」と5師団(162、36、98、366、319)を動員する、という。

 ホワイトは、もし新たなイスラエル・ヒズボラ戦争が勃発すれば、2006年の時の戦争のようではなく、レバノンとイスラエル両国全体を動員した大掛かりな戦争となり、さらにはシリア、イランまでもその戦争に巻き込むようなものになるだろうとしている。 その場合、本格的大戦争となるので、戦闘員はもとより一般人の犠牲者、インフラ破壊など深刻な結果をもたらすだろうと見ている。

 外交的努力にも拘わらず、戦争の成功は戦場で決定されるだろう。またイスラエルは次の戦争に対しては2006年の時よりはるかに準備できている、とホワイトは見ている。

 イスラエルの戦争における主要な目標は、軍事的均衡の構図の根本的な変更と、決定的なものではないだろうがヒズボラの打倒にあるという。

 イスラエル軍の戦略の中心には、陸海空の統合的軍事作戦がある。まずヒズボラのロケット、ミサイル基地と南レバノンにあるヒズボラの陸上勢力を早期に壊滅すること、そしてレバノン中のインフラを攻撃することで彼らの指令・命令中枢を混乱させることだ。

 イスラエルは予備軍を動員、戦力を動かして力瘤を示しシリアを脅すことで戦争がシリアにまで拡大することは阻止しようとするだろうが、シリア軍やシリアのインフラ、イラン関係の勢力など、ヒズボラの支援になるようなものを攻撃する準備だけはできている。

 ホワイトは、イスラエルは戦略的要素である、空中給油、ミサイル、海軍艦艇などを準備し警告をイランに発っすることで、イランがイスラエルを攻撃することを阻止しようとするだろうと言う。

 ヒズボラの計画は、レバノンに移動するイスラエル軍に対し数々の強力なミサイルを発射することで、できるだけの打撃を与えようとすることであろう。 シリアの空軍はイスラエル戦闘機と偵察機がシリア領空を通過することを阻止しようとするだろう。可能性としては、ダマスカスから戦場の距離を見てレバノン上空付近で妨害しようとするかもしれない。

 もしもシリアが戦闘に巻き込まれることになれば、そのシリアの主要な目標はレバノンのヒズボラへの支援をあまり強調しないで、アサド政権の保持とイスラエルへの攻撃能力の温存を図るよう努力する、ないしは、シリア軍のレバノン駐留の復活と、ゴラン高原を取り戻すためイスラエル軍を打倒するか、のいずれかだ。

 イランの反応は先ず、ヒズボラとシリアに対する武器の供給を始めることであろう。そしてイランはアドバイザー、技術者、軽量戦闘部隊を準備し、イスラエル軍に対する攻撃をして、この地域での緊張を更に増大させることであろう。その際、ホルムズ海峡での敵対的行為もあるだろう。またイスラエルに対するミサイル攻撃も考えられる。

 ハマスが戦闘に加わるかどうかの確証はない。とりわけイスラエルがそれを契機にガザを支配しているハマスの壊滅を図るかもしれないから、とホワイトは説明した。

 ホワイトは、かれの予測の中で、イスラエル軍は、レバノンの一部、おそらく重要な地域、とガザ全体を数週間で占領するだろうという。この戦争は1973年以来、イスラエルが行う戦争では最も過酷なものとなろうと言う。イスラエルは間違いなく勝利しなくてはならないのだ、という。

 もしもイスラエルがその行為を決意すれば、またそのための犠牲をいとわないならば、ヒズボラの軍事力を破壊し、政治的な弱体化をもたらすことで、軍事的には成功するだろう、とホワイトは語る。

 シリア政権は弱体化し、この地域でのイランの活動は同盟勢力の弱体化で封じ込められるであろう。もしもイランがその同盟勢力を支援しなければ、その影響力を大きく失うことになるだろう。

 ハマスがもしもこの戦争に全面的にかかわるならば、ガザにおける軍事力を失い、政治的にも弱体化するだろう。

 元防衛情報アナリストは、アメリカはイスラエルを封じ込めようとするのではなく、ヒズボラとシリアに対する作戦が完了するようイスラエル軍に必要な時間と空間を与えるべきである、と言う。

 ホワイトは、アメリカの役割は、レバノン・シリアを支援するため、あるいはペルシャ湾で、イランがこの戦争に介入することを阻止することにある、と語る。

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核戦争の危機が迫っている?

◆9月22日

 核による戦争が起きる可能性が高まっている、とチョスドフスキー教授は指摘している。相互確証破壊(MAD)の思想が核戦争勃発を予防した時代は過ぎ去り、核による破壊が起きても、「コラテラル・ダメージ」である、とそれを受容する姿勢が蔓延し始めているという。

 このブログでもイランに対するイスラエルの戦争準備、それに対するイランの準備などを指摘してきたが、人々の関心は別の、たとえばインフルエンザの危機だとか、温暖化の危機などの別の分野に向けられて、教授に言わせれば、核戦争の危機はカモフラージュされてきたというのだ。

 この論文の中で、同意できない点は、オバマ大統領が核戦争をすることで世界平和が保たれると信じている、としている点である。オバマ大統領が核兵器を本気で世界から無くそうと願っているかどうか、疑えばきりがないのと、彼が自分を大統領に押し上げた勢力の傀儡のままならば、そう考えてもおかしくないだろうが、このブログでは、オバマ大統領は核の無い世界を目指している、あるいは少なくとも願っている、という観点に変更はない。

 そして、第三次世界大戦の危機は、決してなくなったわけではない、という教授の意見には賛同であることを明確にしておく。その危機の生じる場所は、一つは中東であり、一つはアジアであろう。アジアというのは、今騒がれている尖閣諸島ということだ。


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本当の危機とまやかしの危機:全面核戦争の危機の隠蔽
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=21044
【9月16日 by Michel Chossudovsky】

 我々は歴史のターニングポイントに到達している。アメリカとその同盟国は破滅的な結果をもたらす核戦争を始める準備をしている。

 冷戦の期間中は、「相互確証破壊(MAD)」の考え方があった。核戦争の結果に対する認識が米ソ間での核戦争勃発を防止してきたと考えられている。

 しかし冷戦後の今日では、そのような考え方はなされていないのだ。

 半世紀の間、世界を徘徊していた核ホロコーストの妖怪は「コラテラル・ダメージ(付帯的損害)」というレベルに格下げさせられた。

 言葉の真の意味でのこの軍事的アドベンチャーが人類の未来に対する脅威となっている。

 イラク戦争やアフガン戦争など現在の戦争による人命の損失と破壊というものを概念化することはできるが、「新技術」とか最新兵器システムを使用しての第三次世界大戦がもたらす破壊の規模を査定したり完全に理解することは、それが実際に起きてみなければ不可能なことである。

 アメリカが主に行っている戦争の継続状態は、我々の歴史では婉曲に「戦後時代」と言われている。アメリカが行っているアフガンでの戦争は31年間さまざまな段階を経て現在継続中である。イラクはアメリカと同盟国による占領下に入って7年になる。

 我々は、歴史を生きていると同時に、自分たちの未来を形作ることになる出来事を理解できないでいる。そしてそれが今我々の面前で展開されつつあるのだ。

 イランに関して、現在進められている戦争準備の詳細は、一般人の目からは閉ざされている。(チョスドフスキー教授の前の論文を参照: Preparing for World War III, Targeting Iran, Global Research, August 1, 2010, Towards a World War III Scenario? The Role of Israel in Triggering an Attack on Iran, August 13, 2010)

 メディアはカモフラージュのお先棒を担いでいる。核戦争の破滅的な衝撃は矮小化されたり、言及されないのだ。その間、一般人の目は「まやかしの危機」とでもいうものに釘付けにされている。

 第三次世界大戦はもはや仮定のシナリオではない。既に2007年、ブッシュ大統領(当時)は、イランがアメリカの要請に応じなければ、我々は「いやいやながら」第三次世界大戦の状態に入らざるを得なくなるだろう、とはっきりと世界大戦を示唆していた。
 「イランの指導者は、イスラエルを破壊したいということを発表した。それで私は人々に向かって、もし皆さんが第三次世界大戦を避けたいと願うならば、イランが核兵器を製造するために必要な知識を持たないように願わねばならない。イランの核兵器に対して私は深刻に受け止めている・・・」(ブッシュ大統領:2007年10月17日)

 「ここでブッシュは<第三次世界大戦>という表現をしている」(ハフィングトン・ポスト紙:2007年10月17日)


◆真実の危機とまやかしの危機

 完全に捻じ曲げられたロジックで、世界平和を保つ方法として第三次世界大戦が示されている。
 
 イランは国際社会の「道理にかなった要請」に従うことを拒否することで非難されている。事実は捻じ曲げられ、ひっくり返されている。イランは第三次世界大戦を始めようとしていることで、非難されている。これはアメリカの軍事ドクトリンで相続されてきたことで、犠牲者はしばしば侵略者として予告されるのだ。第三次世界大戦は世界の安全保障に貢献する、正真正銘の人道的措置として奉られている。皮肉にも、核兵器の使用を決めた者たちは自分たちのプロパガンダを信じている。司令官のバラク・オバマは自分自身の嘘を信じている。

 この戦争も世界的経済恐慌も世界歴史上かつてないほどの危機の一部であるということが理解されていない。皮肉にも、全面的核戦争の人類に対する危険性というものが、一般の恐怖や懸念を呼び起こすほどにはなっていない。

 代わりに、まやかしの「危機」、たとえば地球温暖化、世界的インフルエンザの流行、イスラム教徒による核攻撃という嘘のふれ込み、などはメディアや、政府、情報機関、それにワシントンのシンクタンクにによってでっち上げられている。

 社会的政治的事象の基礎的な理解は、全くのファンタジーの世界によって取って代わられている。そこでは魑魅魍魎が跋扈している。こういった嘘の危機というものは、本当の危機をぼやかすためであり、同時に恐怖や不安を人々の間に埋め込むためである。

 「政治の実際的な全体的目的は、民衆を警戒態勢下に置くことにある・・・全てが想像上のものではあるが、終わりの無いお化け騒動でもって脅し続けること・・・人類を救出する緊急性があるということが、殆どの場合、支配を強めるまやかしの唯一の理由なのだ」(H. L. Mencken)

 核戦争の本当の危機が殆ど知られていない間に、こういった「まやかしの危機」が常にフロント・ページを飾るようになっている。

 大量失業、差し押さえ、貧困は社会的危機の特色ではない。拷問の法制化、政治的暗殺は憲法上の危機の一部ではない。潜在的テロリストを拷問すること、殺害することは、「世界をより安全にするため」のものである。人道的理由で行われる戦争は、危機の原因ではなく「解決」とみなされるのである。
 
 経済不況は過ぎ去ったと言われているので、経済恐慌は語られない。いうなれば、経済危機などないということなのだ。


◆3大まやかしの危機のタイプ

1.アルカイダによるアメリカに対する核攻撃
 「遅かれ早かれ、アメリカの都市か同盟国の都市で、イスラム教徒のテロリストによる核による9・11のような攻撃がある・・・」デイビッド・クリーガー:(Is a Nuclear 9/11 in Our Future?)

2.世界的公共衛生緊急事態・世界的インフル・パンデミック
 「今後2年間で、世界人口の3分の1となる20億人がH1N1に感染するかもしれない」世界保健機構報告:2009年7月

3.地球温暖化の危険
 「ヘッドライン見出し:毎年30万人死亡、3億人が影響を受ける」グリーンピース:温暖化が進むことによる死と移動の必要性 2009年6月5日


◆アメリカの大審問

 「実際の脅威」として予告されたこれらのまやかしの危機は、真実の危機を隠蔽するためのものである。

 その目的は、事実を捻じ曲げること、恐怖の心理情勢を生み出すこと、民衆の中で、出来上がった経済的政治的秩序に異議を唱える者たちや反抗する者たちに対する脅しと抑圧である。我々は宗教裁判のような環境を取り扱っているのだ。モンティ・ピトン(パイソン)の言葉に以下のようなものがある:

 「スペインの大審問(アメリカの大審問)を望むものなどいない!我々の主要な武器はサプライズだ・・・サプライズと恐怖・・・恐怖とサプライズ・・・我々の二つの武器は恐怖とサプライズだ・・・そして容赦のない能率化・・・我々の三つの武器は、恐怖、サプライズ、容赦のない能率化・・・そして教皇(政府)に対するファナティックなまでの献身・・・我々の4つの、いや・・・武器の中には、以下のように恐怖、サプライズがある・・・」

 まやかしの危機を強調する恐怖キャンペーンは、核戦争を含む真実の危機をぼやかすためのものであるし、意味のある抵抗や反対のあらゆる形態に対する武装解除をも目指したものである。

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