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第2次レバノン戦争時にヒズボラの攻撃を受けたイスラエルの町

◆9月24日

 9月5日号の「イスラエルのレバノン国境での動き:来年に本格的な戦争か」で示したように、イスラエルはイランを睨みつつ、まず足元のヒズボラやシリアを先に叩くことを考えているようだ。

 アメリカの親イスラエルのシンクタンクの研究員である、元情報員だったジェフリー・ホワイトは、次にレバノンのヒズボラとイスラエルが戦争を始めれば、2006年の時の第2次レバノン戦争の規模をはるかに超えた、1973年の第4次中東戦争以来の大戦争になると指摘している。

 このホワイトの指摘によれば、イランとの戦争に拡大することは避けたいのがイスラエルの姿勢だとしているが、戦争を始める側であるイスラエルのそのような思惑を超えて、イランやひょっとしてトルコ、あるいはロシアなどがどのような介入の仕方をしてくるか、分からないであろう。

 以前にも指摘したが、イスラエルを取り巻く環境は日に日に悪化しているのであり、そのため次に戦争を引き起こした場合、それが「イスラエルの終焉の始まり」になるとも限らない情勢である、という認識をまずすることが必要なのだ。今までの武断的姿勢はもはや通用しなくなり始めているのだと言う理解が必要なのである。

 「天の時、地の利、人の和」、これが戦争の勝利には欠かせないが、天の時が準備できていないのだから、どうしようもないのだ。

 
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●次のレバノン戦争は大戦争になる
http://www.haaretz.com/print-edition/news/next-israel-hezbollah-war-will-be-worse-says-u-s-analyst-1.314880
【9月21日 Haaretz】

先週発行された親イスラエルのワシントン近東政治研究所のジェフリー・ホワイトの研究論文によれば、次のヒズボラとの戦争では、イスラエル軍の北方コマンドは、「レバノン部隊」と5師団(162、36、98、366、319)を動員する、という。

 ホワイトは、もし新たなイスラエル・ヒズボラ戦争が勃発すれば、2006年の時の戦争のようではなく、レバノンとイスラエル両国全体を動員した大掛かりな戦争となり、さらにはシリア、イランまでもその戦争に巻き込むようなものになるだろうとしている。 その場合、本格的大戦争となるので、戦闘員はもとより一般人の犠牲者、インフラ破壊など深刻な結果をもたらすだろうと見ている。

 外交的努力にも拘わらず、戦争の成功は戦場で決定されるだろう。またイスラエルは次の戦争に対しては2006年の時よりはるかに準備できている、とホワイトは見ている。

 イスラエルの戦争における主要な目標は、軍事的均衡の構図の根本的な変更と、決定的なものではないだろうがヒズボラの打倒にあるという。

 イスラエル軍の戦略の中心には、陸海空の統合的軍事作戦がある。まずヒズボラのロケット、ミサイル基地と南レバノンにあるヒズボラの陸上勢力を早期に壊滅すること、そしてレバノン中のインフラを攻撃することで彼らの指令・命令中枢を混乱させることだ。

 イスラエルは予備軍を動員、戦力を動かして力瘤を示しシリアを脅すことで戦争がシリアにまで拡大することは阻止しようとするだろうが、シリア軍やシリアのインフラ、イラン関係の勢力など、ヒズボラの支援になるようなものを攻撃する準備だけはできている。

 ホワイトは、イスラエルは戦略的要素である、空中給油、ミサイル、海軍艦艇などを準備し警告をイランに発っすることで、イランがイスラエルを攻撃することを阻止しようとするだろうと言う。

 ヒズボラの計画は、レバノンに移動するイスラエル軍に対し数々の強力なミサイルを発射することで、できるだけの打撃を与えようとすることであろう。 シリアの空軍はイスラエル戦闘機と偵察機がシリア領空を通過することを阻止しようとするだろう。可能性としては、ダマスカスから戦場の距離を見てレバノン上空付近で妨害しようとするかもしれない。

 もしもシリアが戦闘に巻き込まれることになれば、そのシリアの主要な目標はレバノンのヒズボラへの支援をあまり強調しないで、アサド政権の保持とイスラエルへの攻撃能力の温存を図るよう努力する、ないしは、シリア軍のレバノン駐留の復活と、ゴラン高原を取り戻すためイスラエル軍を打倒するか、のいずれかだ。

 イランの反応は先ず、ヒズボラとシリアに対する武器の供給を始めることであろう。そしてイランはアドバイザー、技術者、軽量戦闘部隊を準備し、イスラエル軍に対する攻撃をして、この地域での緊張を更に増大させることであろう。その際、ホルムズ海峡での敵対的行為もあるだろう。またイスラエルに対するミサイル攻撃も考えられる。

 ハマスが戦闘に加わるかどうかの確証はない。とりわけイスラエルがそれを契機にガザを支配しているハマスの壊滅を図るかもしれないから、とホワイトは説明した。

 ホワイトは、かれの予測の中で、イスラエル軍は、レバノンの一部、おそらく重要な地域、とガザ全体を数週間で占領するだろうという。この戦争は1973年以来、イスラエルが行う戦争では最も過酷なものとなろうと言う。イスラエルは間違いなく勝利しなくてはならないのだ、という。

 もしもイスラエルがその行為を決意すれば、またそのための犠牲をいとわないならば、ヒズボラの軍事力を破壊し、政治的な弱体化をもたらすことで、軍事的には成功するだろう、とホワイトは語る。

 シリア政権は弱体化し、この地域でのイランの活動は同盟勢力の弱体化で封じ込められるであろう。もしもイランがその同盟勢力を支援しなければ、その影響力を大きく失うことになるだろう。

 ハマスがもしもこの戦争に全面的にかかわるならば、ガザにおける軍事力を失い、政治的にも弱体化するだろう。

 元防衛情報アナリストは、アメリカはイスラエルを封じ込めようとするのではなく、ヒズボラとシリアに対する作戦が完了するようイスラエル軍に必要な時間と空間を与えるべきである、と言う。

 ホワイトは、アメリカの役割は、レバノン・シリアを支援するため、あるいはペルシャ湾で、イランがこの戦争に介入することを阻止することにある、と語る。

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