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ビロビジャン市を訪れたメドベージェフ大統領 ビロビジャン市
◆10月2日
130年前には戦争をしたトルコとロシアが今や、中東・中央アジアにおけるアメリカの戦略的進出に対し、ともに手を携えて対抗していく姿勢を強めている。
中東に対するアメリカの戦略は、ブレジンスキーのロシアを追い詰めるという戦略目標達成のための戦略でもある。不安定のこの地域をブレジンスキーは「ユーラシア・バルカン」と呼んで、ここにアメリカは二つの大洋を乗り越えて楔を打ちに来ているわけだが、そうすんなりとは行かなくなっているのだ。
さらにこの地域に隣接する中国も上海協力機構を通じて、影響力を及ぼしてきているから、既にアメリカの進出は阻まれつつある。
そして此処に来て親イスラエルでありNATOにも所属しているトルコが、ほぼ反イスラエルとなり、またユダヤ勢力の強い軍の今までの破格の権力を規制する憲法改正が国民投票によって賛成多数となり促進される形勢となってきたから、イスラエル、そしてその背後のアメリカ側の劣勢は明らかである。
このような動きは、単なる地政学的な動きと言うよりかは、現代の歴史的発展における明確な転換点を示している現象と理解すべきなのだ。従って、その潮流の底には言い知れぬエネルギーが渦巻いているのであり、確実にその流れの方向に歴史は動いて行っているのである。
それが、このブログでしきりに、イスラエルのネオコン的武断的姿勢を改める時期が来ている、と指摘する理由の一つでもあるのだ。
もし中東でユダヤ人国家が立ち行かなくなった場合のことを、メドベージェフ・ロシア大統領が考慮しながら、ロシア内のユダヤ人国家であるビロビジャン自治国に対する支援を語っているとすれば、そこにもイスラエルが考慮しなければならない歴史の流れというものが見て取れるであろう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●トルコとロシア:アメリカの中東・中央アジア戦略に対抗
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=21273
【101日 by Eric Walberg】
新オスマンと新ビザンチン両帝国が現行のグレートゲームでよろめいているアメリカの前にその前進を阻まんとして対峙している。
中東と中央アジアをアメリカ帝国と「中東で唯一の民主主義国家(イスラエル)」の従順な手下にしてしまおうというネオコンの計画は、今や予想外の競技場に直面している。パレスチナ、アフガンでの戦争やイラクの泥沼でのもがきだけでなく、この地域の関係国の見えざる動きが始まっているのだ。
米帝国は中東をほぼ半千年紀に渡って平和裏に統治してきたオスマン帝国の継承者であるトルコの復活に直面している。公正発展党(AKP)の元に拡張しているダイナミックな外交の一環として、トルコはアルバニア、ヨルダン、レバノン、シリアとの間に昨年、カリフ自由往来ビザを復活させた。2月にはトルコの文化観光省のエルトゥグル・グナイ大臣は同様の措置をエジプトにも拡大した。憲法改正を問う国民投票における明確なAKPの勝利で、トルコを入れた、「欧州連合と同等の内容を持つ、地域的な中東連合を創設する新大計画が存在している」と、イスラエル・シャミール氏は語る。
トルコはまたロシアと過去2年間で、ビザなし措置とパイプライン建設、原子力発電所施設建設などを含むルーブル・リラ建ての積極的な貿易、投資計画を持つ、戦略的パートナーシップを締結した。
トルコがオスマン帝国の継承者であるように、ロシアはビザンチン帝国の継承者である。両者が中東地域をほぼ1千年にわたって統治してきた。ロシアとトルコは中東の覇権者としては、20世紀の英米強奪者より正当性がある。そこで両者は動きだしているのだ。
皮肉なことには、アメリカとイスラエルによる中東・ユーラシア地域に対する侵略は、侵略を蒙った地域を従順に従わせることはできていない。むしろ彼らが一体となって反逆する方向に向けていて、そのため彼らはロシア、トルコ、シリア、イランを含む同盟関係を結びだしている。
シリア、トルコ、イランは伝統的・信仰的そしてアメリカ・イスラエルの計画に対する抵抗勢力として一体化しているだけではなく、アメリカ・イスラエルの支援を受けているクルド分離派と戦わねばならないという共通の必要性からも一体化している。
彼らの間での貿易量は飛躍的に拡大している。
これは 自然な地域的地政学的ななりゆきであり、英米帝国によってこの150年間押し付けられた人工的なものとは違う。丁度十字軍が一千年前この地域に大災害を齎した時、地方勢力は一体化してこの侵略者を撃退せざるを得なくなったように、今日の十字軍も、自らの解体にむけた動きを始めたのだ。
欧米がイランとの手詰まり状態に陥っているのを緩和させる、トルコがブラジルと始めた5月の大胆な動きは、世界の憶測を呼んだ。イスラエルがガザの封鎖を破ろうとした平和船団を攻撃した時の、トルコのイスラエルに対する6月の挑戦的姿勢は、アラブ世界の称賛を浴びた。
ロシアはロシアで、劇的さでは弱いが、今日の中東地域では最も議論を呼ぶものと言う点で貢献している。ロシアには問題がある。経済的に弱いことと、自らの弱体化している軍事力が世界の大国と事を起こす可能性のある事柄を前にして大胆になれなくさせている。彼らのエリート層は、アメリカとどこまで張り合うのかという点で意見が分かれている。アフガンでの敗北、チェチェン、それに中央アジア諸国における影響力の低下の齎す懸念材料が、ロシアの中東・イスラム諸国との関係における悩みの種になっている。
1972年にソ連がエジプトから撤退して以来、ロシアは中東地域では公的には強いプレゼンスを持っていない。1980年代中期より、100万に近いロシア人がイスラエルに移民した。他の移民と同様、自分達の献身の姿勢を示すのに熱心であり、全体としてパレスチナ人と国家を分ける2国家案に強固に反対している。
アナトール・シャランスキーが移住した後に、ビル・クリントンに冗談で言ったように、「自分は世界最大の国から最小の国の一つにやってきました。あなたはそれを二つに分けようと言っているようですが、ありがとう、間に合っています」。
ロシアは自分でこしらえたイスラエル・ロビーを持っている:多くのロシア人はイスラエルとの二重国籍所有者なので、イスラエル間でのビザなし旅行を享受できるのだ。
欧米とイラン間の手詰まり状態において、ロシアはあいまいなスタンスにある。ロシアはイランとの間で原子力発電関連での協力関係があるが、イランの核に対する姿勢に懸念も感じているため、安全保障理事会でのイラン制裁を支持しているし、イランと2005年に締結したS-300防衛ミサイルの引渡しを躊躇している。ロシアはまたアメリカのアフガン戦略への支援を増大させている。多くのコメンテーターは、メドベージェフ大統領下のロシア指導部はアメリカに屈服しつつあるサインだと結論付けている。これは反帝国主義のプーチンの政策と反対の方向だ。「ロシアは信頼に足りない国であることを自ら証している」と、イラン国防省のアハマド・ヴァヒディ大臣は批判した。
ロシアはこの厄介なジレンマで綱渡りをしているのだ。ロシアはまたイランとの核問題での交渉にトルコとブラジルを入れることを拒否しているアメリカとEUの側に立っている。「一般に非同盟国は、そしてとりわけイランは、新興国は自らの経済的発展にはエネルギー分野での自立が必要であるが、その自立に至ることを阻止せんとする欧米などの大国の側に立つことをロシアは採決で選択した、と判断している。そしてこのロシアの無礼な仕打ちを彼らが忘れることはないだろう」と、ティアリー・メイサン氏は指摘している。
どこに真実があるかは別として、イランとの、そして今はトルコ、シリア、エジプトなど平和的核勢力との協調関係は、また今回シリアに対するP-800最新型巡航ミサイルの販売合意契約は、ロシアが中東問題でアメリカ・イスラエルと張り合っていることをなんとか示していることにはなる。イスラエルはシリアに対するこのミサイル販売に激怒している。ロシアに対するリベンジ策として、「戦略的に均衡を破る兵器」を、戦略的に重要な地域に売り込む、とイスラエルは先週ロシアを脅している。イランとシリアの両者は、ロシアの動きを一触即発の不安定地域をなだめようと努力しているものと見ている。ロシアが中東の力強い仲裁人の可能性を持っていることを示す理由はいくつかある。イスラエルに移民した数百万ものロシア人は、リーバーマンのような、ロシアにとってアキレス腱的な存在ではない。彼らの3分の1は、国家の望むレベルからはるかに劣る者たちと馬鹿にされ、人種的な純潔性でできている国家にとっては深刻な問題となりうると拒否されているのだ。多くの者たちはロシアに帰還したか、なんとか努力して這い上がろうとしている者たちもいる。既に、ネタニヤフ首相の政治的パトロンであるモシェ・アレンスのような著名な右翼政治家たちは、単一国家という解決策を模索している。おそらくこのロシア移民は、南アフリカのアパルトヘイト政策放棄を再演するような、もう一人のフレデリック・デクラークを生み出すことだろう。
ロシアはもう一つの中東和平の興味深いキーを持っている。シオニズムはその最初から、宗教的保守的ユダヤ人が強く反対する世俗的社会主義運動であったし、この宗教的保守的ユダヤ人はベン・グリオンやネタニヤフのような者からの誘いで多くの者たちが離脱したのだが、現在も継続している。パレスチナ人のように、「真実のトーラ・ジュー」は「ユダヤ人国家」を認めていない。
しかしだ。、ソビエトの非宗教的政策に則って、ロシアのビロビジャンに非宗教的国家として1928年に設置された合法的なユダヤ人国家が存在しているのだ。イスラエル・ジュー、正統派と世俗派ともに、地下資源に恵まれ、ゴルダ・メイアーの「国民のいない国土に国土を持たぬ国民のための」このソ連邦崩壊以来、再び注目を浴びているユダヤ人のホームランドに移住するのを止める手立ては無い。メドベージェフ大統領は、今年の夏、ロシア(あるいはソ連の)指導者として初めての訪問を果たした。そして世俗的なヨーロッパのユダヤ人の言語(聖なるヘブライ語でなく)であるイェディッシュ語が国語となっているそのユダヤ人のホームランドである国に対するロシアの国家的支援を指摘した。
トルコとロシアが新しい政治情勢を形作る枢軸を形成していくことになんら不思議はない。むしろこれは、イスラム勢力が欧米の襲来に直面して反発し始めているということなのだ。それに加えて、驚くべきことには、ソ連時代の民族自決の歴史の流れにあると言えることである。トルコは、かつては「ヨーロッパの病人」、と言われていたが、今やヨーロッパで「唯一健康な人」となっている。トルコのアブドゥラ・グル大統領は、先週の国連ミレニアム・ゴール・サミットで、ロシア、イラン、シリアと並んで、イギリス帝国によって、そしてその「民主主義的」子孫であるアメリカとイスラエルによって作り出された混乱を収拾するよう要請された。
アメリカとイスラエルの戦略家がイラン侵攻の狂った企図に夢中になっている間、ロシアとトルコの指導者らは原子力発電所も含む中東での貿易と開発を進める計画を立てている。中東からの視点で見れば、ロシアのイランや、トルコ、シリアそしてエジプトに原子力発電所を建設するという意欲は、経済発展を支援する意欲を示していて、それは欧米社会がイスラエルを除いては中東地域に対しては拒否してきた姿勢である。これには、レバノンも含まれる。シリアからの天然ガスをストロイトランスガスとガズプロムがレバノンのベイルートに移送する計画があるが、これはレバノン沖の膨大な埋蔵ガス開発に対するイスラエルの反対活動を無にすることになる。
ロシアはロシアで、同盟国のトルコのように、中東が直面している最も緊急の問題であるパレスチナとイラン問題ではどちらにも偏らない位置に自らを置いている。「中東における平和は、平和で安定した将来の世界に対する鍵を握っている」とトルコのグル大統領は、国連ミレニアム・ゴール・サミットで、英語で語った。世界は彼らの努力がその成果を齎すかどうか注目している。
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ビロビジャン市を訪れたメドベージェフ大統領 ビロビジャン市
◆10月2日
130年前には戦争をしたトルコとロシアが今や、中東・中央アジアにおけるアメリカの戦略的進出に対し、ともに手を携えて対抗していく姿勢を強めている。
中東に対するアメリカの戦略は、ブレジンスキーのロシアを追い詰めるという戦略目標達成のための戦略でもある。不安定のこの地域をブレジンスキーは「ユーラシア・バルカン」と呼んで、ここにアメリカは二つの大洋を乗り越えて楔を打ちに来ているわけだが、そうすんなりとは行かなくなっているのだ。
さらにこの地域に隣接する中国も上海協力機構を通じて、影響力を及ぼしてきているから、既にアメリカの進出は阻まれつつある。
そして此処に来て親イスラエルでありNATOにも所属しているトルコが、ほぼ反イスラエルとなり、またユダヤ勢力の強い軍の今までの破格の権力を規制する憲法改正が国民投票によって賛成多数となり促進される形勢となってきたから、イスラエル、そしてその背後のアメリカ側の劣勢は明らかである。
このような動きは、単なる地政学的な動きと言うよりかは、現代の歴史的発展における明確な転換点を示している現象と理解すべきなのだ。従って、その潮流の底には言い知れぬエネルギーが渦巻いているのであり、確実にその流れの方向に歴史は動いて行っているのである。
それが、このブログでしきりに、イスラエルのネオコン的武断的姿勢を改める時期が来ている、と指摘する理由の一つでもあるのだ。
もし中東でユダヤ人国家が立ち行かなくなった場合のことを、メドベージェフ・ロシア大統領が考慮しながら、ロシア内のユダヤ人国家であるビロビジャン自治国に対する支援を語っているとすれば、そこにもイスラエルが考慮しなければならない歴史の流れというものが見て取れるであろう。
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●トルコとロシア:アメリカの中東・中央アジア戦略に対抗
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=21273
【101日 by Eric Walberg】
新オスマンと新ビザンチン両帝国が現行のグレートゲームでよろめいているアメリカの前にその前進を阻まんとして対峙している。
中東と中央アジアをアメリカ帝国と「中東で唯一の民主主義国家(イスラエル)」の従順な手下にしてしまおうというネオコンの計画は、今や予想外の競技場に直面している。パレスチナ、アフガンでの戦争やイラクの泥沼でのもがきだけでなく、この地域の関係国の見えざる動きが始まっているのだ。
米帝国は中東をほぼ半千年紀に渡って平和裏に統治してきたオスマン帝国の継承者であるトルコの復活に直面している。公正発展党(AKP)の元に拡張しているダイナミックな外交の一環として、トルコはアルバニア、ヨルダン、レバノン、シリアとの間に昨年、カリフ自由往来ビザを復活させた。2月にはトルコの文化観光省のエルトゥグル・グナイ大臣は同様の措置をエジプトにも拡大した。憲法改正を問う国民投票における明確なAKPの勝利で、トルコを入れた、「欧州連合と同等の内容を持つ、地域的な中東連合を創設する新大計画が存在している」と、イスラエル・シャミール氏は語る。
トルコはまたロシアと過去2年間で、ビザなし措置とパイプライン建設、原子力発電所施設建設などを含むルーブル・リラ建ての積極的な貿易、投資計画を持つ、戦略的パートナーシップを締結した。
トルコがオスマン帝国の継承者であるように、ロシアはビザンチン帝国の継承者である。両者が中東地域をほぼ1千年にわたって統治してきた。ロシアとトルコは中東の覇権者としては、20世紀の英米強奪者より正当性がある。そこで両者は動きだしているのだ。
皮肉なことには、アメリカとイスラエルによる中東・ユーラシア地域に対する侵略は、侵略を蒙った地域を従順に従わせることはできていない。むしろ彼らが一体となって反逆する方向に向けていて、そのため彼らはロシア、トルコ、シリア、イランを含む同盟関係を結びだしている。
シリア、トルコ、イランは伝統的・信仰的そしてアメリカ・イスラエルの計画に対する抵抗勢力として一体化しているだけではなく、アメリカ・イスラエルの支援を受けているクルド分離派と戦わねばならないという共通の必要性からも一体化している。
彼らの間での貿易量は飛躍的に拡大している。
これは 自然な地域的地政学的ななりゆきであり、英米帝国によってこの150年間押し付けられた人工的なものとは違う。丁度十字軍が一千年前この地域に大災害を齎した時、地方勢力は一体化してこの侵略者を撃退せざるを得なくなったように、今日の十字軍も、自らの解体にむけた動きを始めたのだ。
欧米がイランとの手詰まり状態に陥っているのを緩和させる、トルコがブラジルと始めた5月の大胆な動きは、世界の憶測を呼んだ。イスラエルがガザの封鎖を破ろうとした平和船団を攻撃した時の、トルコのイスラエルに対する6月の挑戦的姿勢は、アラブ世界の称賛を浴びた。
ロシアはロシアで、劇的さでは弱いが、今日の中東地域では最も議論を呼ぶものと言う点で貢献している。ロシアには問題がある。経済的に弱いことと、自らの弱体化している軍事力が世界の大国と事を起こす可能性のある事柄を前にして大胆になれなくさせている。彼らのエリート層は、アメリカとどこまで張り合うのかという点で意見が分かれている。アフガンでの敗北、チェチェン、それに中央アジア諸国における影響力の低下の齎す懸念材料が、ロシアの中東・イスラム諸国との関係における悩みの種になっている。
1972年にソ連がエジプトから撤退して以来、ロシアは中東地域では公的には強いプレゼンスを持っていない。1980年代中期より、100万に近いロシア人がイスラエルに移民した。他の移民と同様、自分達の献身の姿勢を示すのに熱心であり、全体としてパレスチナ人と国家を分ける2国家案に強固に反対している。
アナトール・シャランスキーが移住した後に、ビル・クリントンに冗談で言ったように、「自分は世界最大の国から最小の国の一つにやってきました。あなたはそれを二つに分けようと言っているようですが、ありがとう、間に合っています」。
ロシアは自分でこしらえたイスラエル・ロビーを持っている:多くのロシア人はイスラエルとの二重国籍所有者なので、イスラエル間でのビザなし旅行を享受できるのだ。
欧米とイラン間の手詰まり状態において、ロシアはあいまいなスタンスにある。ロシアはイランとの間で原子力発電関連での協力関係があるが、イランの核に対する姿勢に懸念も感じているため、安全保障理事会でのイラン制裁を支持しているし、イランと2005年に締結したS-300防衛ミサイルの引渡しを躊躇している。ロシアはまたアメリカのアフガン戦略への支援を増大させている。多くのコメンテーターは、メドベージェフ大統領下のロシア指導部はアメリカに屈服しつつあるサインだと結論付けている。これは反帝国主義のプーチンの政策と反対の方向だ。「ロシアは信頼に足りない国であることを自ら証している」と、イラン国防省のアハマド・ヴァヒディ大臣は批判した。
ロシアはこの厄介なジレンマで綱渡りをしているのだ。ロシアはまたイランとの核問題での交渉にトルコとブラジルを入れることを拒否しているアメリカとEUの側に立っている。「一般に非同盟国は、そしてとりわけイランは、新興国は自らの経済的発展にはエネルギー分野での自立が必要であるが、その自立に至ることを阻止せんとする欧米などの大国の側に立つことをロシアは採決で選択した、と判断している。そしてこのロシアの無礼な仕打ちを彼らが忘れることはないだろう」と、ティアリー・メイサン氏は指摘している。
どこに真実があるかは別として、イランとの、そして今はトルコ、シリア、エジプトなど平和的核勢力との協調関係は、また今回シリアに対するP-800最新型巡航ミサイルの販売合意契約は、ロシアが中東問題でアメリカ・イスラエルと張り合っていることをなんとか示していることにはなる。イスラエルはシリアに対するこのミサイル販売に激怒している。ロシアに対するリベンジ策として、「戦略的に均衡を破る兵器」を、戦略的に重要な地域に売り込む、とイスラエルは先週ロシアを脅している。イランとシリアの両者は、ロシアの動きを一触即発の不安定地域をなだめようと努力しているものと見ている。ロシアが中東の力強い仲裁人の可能性を持っていることを示す理由はいくつかある。イスラエルに移民した数百万ものロシア人は、リーバーマンのような、ロシアにとってアキレス腱的な存在ではない。彼らの3分の1は、国家の望むレベルからはるかに劣る者たちと馬鹿にされ、人種的な純潔性でできている国家にとっては深刻な問題となりうると拒否されているのだ。多くの者たちはロシアに帰還したか、なんとか努力して這い上がろうとしている者たちもいる。既に、ネタニヤフ首相の政治的パトロンであるモシェ・アレンスのような著名な右翼政治家たちは、単一国家という解決策を模索している。おそらくこのロシア移民は、南アフリカのアパルトヘイト政策放棄を再演するような、もう一人のフレデリック・デクラークを生み出すことだろう。
ロシアはもう一つの中東和平の興味深いキーを持っている。シオニズムはその最初から、宗教的保守的ユダヤ人が強く反対する世俗的社会主義運動であったし、この宗教的保守的ユダヤ人はベン・グリオンやネタニヤフのような者からの誘いで多くの者たちが離脱したのだが、現在も継続している。パレスチナ人のように、「真実のトーラ・ジュー」は「ユダヤ人国家」を認めていない。
しかしだ。、ソビエトの非宗教的政策に則って、ロシアのビロビジャンに非宗教的国家として1928年に設置された合法的なユダヤ人国家が存在しているのだ。イスラエル・ジュー、正統派と世俗派ともに、地下資源に恵まれ、ゴルダ・メイアーの「国民のいない国土に国土を持たぬ国民のための」このソ連邦崩壊以来、再び注目を浴びているユダヤ人のホームランドに移住するのを止める手立ては無い。メドベージェフ大統領は、今年の夏、ロシア(あるいはソ連の)指導者として初めての訪問を果たした。そして世俗的なヨーロッパのユダヤ人の言語(聖なるヘブライ語でなく)であるイェディッシュ語が国語となっているそのユダヤ人のホームランドである国に対するロシアの国家的支援を指摘した。
トルコとロシアが新しい政治情勢を形作る枢軸を形成していくことになんら不思議はない。むしろこれは、イスラム勢力が欧米の襲来に直面して反発し始めているということなのだ。それに加えて、驚くべきことには、ソ連時代の民族自決の歴史の流れにあると言えることである。トルコは、かつては「ヨーロッパの病人」、と言われていたが、今やヨーロッパで「唯一健康な人」となっている。トルコのアブドゥラ・グル大統領は、先週の国連ミレニアム・ゴール・サミットで、ロシア、イラン、シリアと並んで、イギリス帝国によって、そしてその「民主主義的」子孫であるアメリカとイスラエルによって作り出された混乱を収拾するよう要請された。
アメリカとイスラエルの戦略家がイラン侵攻の狂った企図に夢中になっている間、ロシアとトルコの指導者らは原子力発電所も含む中東での貿易と開発を進める計画を立てている。中東からの視点で見れば、ロシアのイランや、トルコ、シリアそしてエジプトに原子力発電所を建設するという意欲は、経済発展を支援する意欲を示していて、それは欧米社会がイスラエルを除いては中東地域に対しては拒否してきた姿勢である。これには、レバノンも含まれる。シリアからの天然ガスをストロイトランスガスとガズプロムがレバノンのベイルートに移送する計画があるが、これはレバノン沖の膨大な埋蔵ガス開発に対するイスラエルの反対活動を無にすることになる。
ロシアはロシアで、同盟国のトルコのように、中東が直面している最も緊急の問題であるパレスチナとイラン問題ではどちらにも偏らない位置に自らを置いている。「中東における平和は、平和で安定した将来の世界に対する鍵を握っている」とトルコのグル大統領は、国連ミレニアム・ゴール・サミットで、英語で語った。世界は彼らの努力がその成果を齎すかどうか注目している。
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