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ニコライ・マカロフ・ロシア軍参謀総長

◆4月13日

 昨日の記事に引き続いて、ロシアがS-300をイランに供給する件で、欧米諸国の反発などが高まっているが、ロシアのマカロフ参謀総長は、アメリカにせよ、イスラエルにせよ、イランを攻撃することは受け入れがたいと発言、あくまで外交的手段で押し通すべきだと述べて、欧米の動きを牽制した。

 前から指摘してきたように、S-300がイランに渡るとイランの核施設を空爆するという選択が非常な危険を伴うものとなるため、イランを攻撃したい勢力にとっては、どうしてもS-300がイランの手に渡って欲しくないという事情がある。

 しかし、ロシア政府はどうやら、イランにS-300を供給する方向で決意を固めた様子だから、その引渡しが完了するまえに米ないしはイスラエルによるイラン攻撃の可能性が高まってきたから、マカロフ参謀総長は釘を刺したのであろう。

 そして、ここからは推測であるが、オバマ大統領のアメリカはそのロシアがバックにあるイランを攻撃することはない、と思われるから、後はあのイラクのオシラク原子力発電所を空爆したように、イスラエルが単独でイランを攻撃する可能性だけが残っている。
 しかしアメリカが参戦しないのでは、イランという大国相手に、イスラエルと云えども苦戦を強いられる可能性の方が高いから、イラン空爆という選択肢を簡単に取れるわけではない。

 結局、イスラエルの選択肢は、イランを攻撃しない、というものが最良なのである。彼らの存続のためにも、イランを攻撃してはならない。その方向でアメリカとロシアが協調して行けば、何とかこの問題を平和裏に進めていくことが可能であるが、それをイスラエルが受け入れるかどうかが、最後の問題となる。イスラエルの首脳部が愚かであれば、イラン攻撃を実行するであろうが、その際、イスラエルの存続が危うくなると言っておく。


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ロシア軍:米・イスラエルがイランを攻撃することは受け入れがたい
http://en.rian.ru/russia/20100412/158538895.html
【4月12日 RIA Novosti】

 アメリカあるいはイスラエルのイランに対するいかなる攻撃も「受け入れがたい」と12日、ロシア軍参謀総長ニコライ・マカロフ将軍は、語った。
 「これは、アメリカにせよイスラエルにせよ計画の中の最後の手段である」とマカロフ将軍は語った。
 欧米諸国はイランの核計画は核兵器製造を目指していると見ているが、イランは民間のエネルギー政策のための核技術獲得を目指しているだけだと主張している。
 マカロフ将軍は、イランの指導層は、「世界全体が核問題を懸念している」ことを考慮すべきである、と語った。
 「我々はイランの主張を聞かねばならなし、イランは我々国際社会の言うことに耳を傾けるべきだ。そして対策を講じればよい」とマカロフ将軍は述べた。
 将軍は更に、もしイランが核兵器を開発すれば、他の諸国がそのマネをはじめる可能性がある、と述べた。
 「もしイランが核兵器を獲得するようなことがあれば、他の諸国にたいする刺激となり、核クラブの拡大をもたらすことになるだろう」と彼は語った。ロシア軍はそのようなシナリオには反対である、と付け加えた。
 S-300地対空ミサイル・システムをイランへ引渡しするかどうかの決定は、両国の指導者らによってされねばならない。
 「この決定は国家レベルで行われるべきものだ。我々軍は、リーダーシップの命ずるところに従うまでである」とマカロフ将軍は語った。

 ロシアはイランとの間で2005年12月、少なくとも5基のS-300防空システムを供給する契約にサインしている。しかしながら、ロシアは現在までその契約を履行していない。これに関して多くの専門家はアメリカとイスラエルからの圧力のせいだ、と見ている。
 アメリカとイスラエル両方、イランの核計画を解決するのに、もし外交的手段が失敗した場合には、軍事的行動を除外していないとしてきた。またS-300の供給によりイランの防空体制が著しく強化されることを懸念していると表明してきている。

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イランのアハマディネジャド大統領

◆4月12日

 とうとうロシアがイランにS-300 ミサイルを引き渡すことに決めたようだ。記事にあるように、それでもって一番困るのが、イランを国際社会の中で孤立化させようとしたが、それに失敗したイスラエルであろう。このままS-300 がイランに引き渡されれば、イラン攻撃が難しくなるから、前に書いたように、もしもイスラエルがどうしてもイラン攻撃をするというのならば、それはこのS-300がイランに実戦配備される前になるのではないだろうか?



ロシアがイランにミサイル・システム売却で憤慨する欧米諸国
【4月12日 By Chris Hughes】

 イランは自国の核施設を防衛するため、最新型のミサイル・システムをロシアから購入する手続きを進めている。
 T-300地対空ミサイルは、侵入してくる巡航ミサイルを含む多くの標的を一度に攻撃することができるため、欧米諸国やイスラエルなどがイランを攻撃することが困難になる。

 ロシアのこの何十億ポンドもするこの取引のニュースは、イランが核兵器を開発することをなんとしても阻止したい欧米諸国の間に憤慨と恐れを引き起こした。

 ある情報筋はザ・ミラー紙に対し、「脅しと脅し返しのゲームの進む中で、これはイスラエルと欧米諸国にとって悪いニュースだ」と語った。
 
 「この新しいミサイル・システムは既に軍事的にも防衛的にもその能力を相当に増大させているイランを更に強化することになる」
 「これは皆を心配させている-特にイスラエルはアメリカが最近、イラン攻撃に積極的ではないことで、またアメリカはイランが優位に立っていることを知っているからだ」

 イランは100マイル離れた場所にある標的を攻撃できるこのS-300を2005年から購入しようとしてきたが、数ヵ月後にはイラン側に引き渡されることになるだろう。

 これはイスラエルの国防大臣にとっては大きな痛手となる。彼はイランのアハマディネジャド大統領が核能力を増大させているのを恐れている。
 国防総省の幹部らは、イランの核施設を破壊しなければならないとなれば、100ヶ所ほどの標的を攻撃する計画を既に策定している。
 バンカーバスター爆弾は地下複合施設を攻撃するであろう。またヘルファイアー・ミサイルはイランのトップの科学者らを殺害すべく照準を合わせている。
 軍事協力庁のトップであるミハイル・ドゥミトリエーブ氏は、S-300の引渡しはまもなく行われると確約した。
 ロシアの国営通信社のRIAノーボスチは、「契約は署名された」と語った。

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ムンバイのテロ現場に手向けられた花束

◆4月3日

 2008年11月のムンバイのテロ事件で逮捕された容疑者が、アメリカ政府との司法取引で、真相が明らかにされないままで終わりそうなことを見て、事件を収束させようと図るアメリカの意図の裏には、この事件にはアメリカのCIAが絡んでいるという事実を隠蔽しようとする動きがあるからだろう。

 アメリカがこの南西アジア・中東でテロ作戦を進める意図は、この地域に軍隊を派遣する口実を設ける、という点が挙げられるだろう。その目的は、石油・天然ガスの世界的貯蔵庫になっているこの地域を制圧したいからであろう。 また戦争そのものが金儲けに繋がる、アメリカの軍産複合体と言われるグループが願っているからでもある。
 しかし少しずつボロが出始めているのが、昨今の状況だ。これからは、隠されていたことが明るみに出される時代が来つつある。世界にテロを引き起こし、それを口実に軍を展開するお決まりの所業は今後、不成功に終わるようになるだろう。もはや一昔とは違う時勢になりつつあるからだ。


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ムンバイ・テロリストはアメリカの工作員
http://www.jbs.org/jbs-news-feed/6149-mumbai-terrorist-was-us-agent
【3月30日 Alex Newman】

 テロの共謀者で元アメリカ政府機関の工作員であったデイビッド・コールマン・ヘッドレイがアメリカ検事当局から2008年のムンバイにおけるテロ事件に対する情状酌量と、犯人引渡しからの保護の約束を受けた後に起きた、彼の真の上司に対する推測がインド中で起こり怒りの渦を巻き起こしている。

 元アメリカの麻薬取締局員で、パキスタンの外交官の息子のヘッドレイは3月18日に、インド、パキスタン、デンマークにおけるテロ行為に関係していくつかの申し立てに対し有罪であることを認めた。彼は報告によれば、投資家らと組んでいた、と言う。

 その代わりに、米政府は外国当局が彼に対し質問をしたり裁判にかけることをさせないという約束をした。検事当局は死刑は求刑しないことに同意した。また彼は更に終身刑にもならないであろう。アメリカの情報機関とのつながりは機密扱いとなった。彼の有罪答弁は、特に中央情報局(CIA)と繋がっているパキスタンのインターサービス・インテリジェンス(ISI)などを含むいくつかの情報機関との関係を公に暴露するような長期の裁判は行わないことを保証している。

 ヘッドレイは、この司法取引でこの血塗られた大量殺戮を監視と標的の選択の分野で援助したということを認めたと言う。GPSを使ってテロチームが海岸に上陸できるよう協力したりしたという。また彼はデンマークの漫画家に対する攻撃の計画を策定するのを援助した。連邦捜査局(FBI)がインドの攻撃時のたった一人の生き残り証人に対する10時間の質問時間が与えられたのに、アメリカに渡ったインドの検事当局のヘッドレイに対する質疑は許可されなかった。

 この司法取引とアメリカ政府側の非協力姿勢は直ちにインドで怒りと失望の渦を引き起こした。アメリカは条約によってヘッドレイをインド当局に引き渡すべきだからだ。またこのアメリカの姿勢はヘッドレイは未だにアメリカとパキスタン政府とのつながりをあるレベルで保っているとするメディアが行っている非難の火に油を注いだ。彼はテロリストとしての訓練を彼がアメリカ政府で仕事をしていた期間に始めている。しかしその関係となると、謎のままだ。
 一緒に仕事をしたと見られている、ISIとつながりのあるパキスタンのラシュカル・エ・タイバ(LeT)というテログループが、2008年11月の破壊的なムンバイ攻撃を行った。この攻撃は世界中のメディアの第1面を飾った。テロリストらは市中でマシンガンで乱射し手榴弾を投げて150人以上の死者と数百人の負傷者の犠牲者を出した。テロリストは実際はパキスタンの秘密工作部隊によって創設されていた事実が判明した。この秘密工作部隊はアメリカのCIAやその他のグループと密接なつながりのあることが良く知られている。
 「このラシュカル・エ・タイバのパキスタンのISIとのリンクは一杯あってこのような、国際的な問題を引き起こし、インドとの戦争を惹起しかねないような可能性を持ったこの大規模な作戦が、ISIの了解無しに行われたとは到底考えられない」、とM・K・バドラクマール元駐パキスタン・インド大使は書いている。

 多くの著名なインド人と共に、バドラクマール氏はヘッドレイの司法取引を強く非難している。「この取引は、アメリカ政府に法廷でヘッドレイに対するいかなる証拠も提出しないですませることを可能にするものだ。それはアメリカの情報機関と彼のつながりに関する詳細な情報も含まれる」とアジア・タイムズ紙の記事で書いている。「ヘッドレイのアメリカ情報機関とのリンクは今や機密となってしまった。ムンバイ事件へのパキスタンの国家的介入は取りざたされないまま終わってしまうだろう」

 彼はまたオバマ政権は「おかしな動きをしている」とし、何か「とてつもないこと」を隠していると指摘している。「デリーで尊敬を獲得しつつある考察は、アメリカ政府はムンバイ攻撃を前もって知っていたということと、わざとインドにはそれを知らせなかったというものだ」と、「米・インドの関係を動揺させるスパイ」というタイトルの論文内で指摘している。
 「明らかに、オバマ政権はヘッドレイが、もしインドが彼を逮捕すれば彼が供述することで、裁判で彼とCIA、LeT、パキスタン軍との関係が明らかとなる、ということを危惧していた」

 ヘッドレイのアメリカ政府との関係は、彼がヘロインを密輸していたのを捕まった時から始まっている。彼の刑罰を軽減するために、DEA(米麻薬取締局)はパキスタンで秘密工作員として仕事をするよう彼を説得し、その代わりに、彼は2年間の刑期で済んだ。9月11日同時多発テロ事件後、このDEAが政府関係諸官庁と一緒に動いて、情報を共有するようになった。従って、対テロ作戦担当者らはヘッドレイの活動を知らされていたはずである。これらの事実はインドをして、ヘッドレイは実際は、アメリカの情報機関のために行動している、という結論に至らしめている。
 「多くのインド人は、ヘッドレイはCIAの工作員だと信じている。おそらく下っ端の工作員だと。そしてアメリカのこの非協力的な姿勢は、彼を保護し彼の過去の行動が詮索され暴かれることから守ろうとするものだ」と、アカシュ・カプール氏がニューヨーク・タイムズ紙に書いている。もう一つのニューヨーク・タイムズ紙の記事には、「ムンバイ攻撃のためのアメリカの偵察者はヘッドレイ・エージェントと友人らに言われている」というタイトルで、ヘッドレイを知っているインド人は彼がCIAの為に行動していることを知っていたということを指摘している。
 「あの時俺は予感がしたんだ。今は彼が、いわゆるアメリカの工作員だという予感がしている」ヘッドレイのインド人の友人であるラフール・バット氏はチャネル4ニュースで語った。「俺がエージェント・ヘッドレイって呼んだのさ。俺は考えて、彼にお前はCIAの仕事をしていると指摘してみたが、それを言われるのを嫌がっていた」。明らかに、ヘッドレイはバット氏に対し、エージェント・ヘッドレイと公衆の前で言うことを止めるように頼んていたようだ。
 元重要なインド政府高官で、対テロリズム担当官だった人物も彼の結論では率直である。「アメリカによる手違いは、11月26日のテロ攻撃におけるパキスタンの役割に対する法的な結論がでることから守るためということと、アメリカの情報機関と彼との関係が公になることを阻止しようという心配によるものだ」とバフクツンビ・ラマン安全保障アナリストは指摘した。彼はインドの外国情報機関と連携していた対テロリズム局の高官であった。
 「先週進められたヘッドレイとFBIによる司法取引は、FBIが正式な裁判を避けようとしているということ、またFBIがインド側の検事当局が彼に質問することを渋っているということは、ヘッドレイがアメリカの情報機関の深く潜行していた工作員であったためだと、インドでは強い疑惑をもたらした」と語った。ラマン氏は、ヘッドレイは「二重スパイではなく、四重スパイ」だと説明している。彼はまた、ヘッドレイはコントロールの利かないほどひどい状態になる可能性があると見ている。
 
 アメリカの工作員がテロリストになったという推測は継続してインドの記事として頻繁に掲載されている。しかしどこまで知られているのか?裁判記録では、ヘッドレイの関係者らはA,B,C、Dというように書かれているだけだ。ヘッドレイに関する真相は公には決して知られることはないかもしれない。そしてそれは全く不幸なことで、真相は追究されるべきだろう。見解はいろいろある。しかし秘密主義と奇妙な処理の仕方は、インド政府は混乱状態に陥ってしまい、市民には触れられないものとなってしまったという人々の疑惑を追認することになる。パキスタンとインドはアメリカが占領しているアフガンで、代理戦争をさせられることで、事態を一層紛糾させている。

 しかしながら、この悲劇とその副産物から、いくつかの教訓が得られる。インド人にとっては、「同盟国」との「協力」ということに対してはもっと慎重であるべきだということだ。また、己の政府をよく吟味することの重要さもある。あの攻撃に対する見解の中には、少なくとも何人かのインド人高官らの協力という要素が含まれている。

 更に重要なのは、政府は民衆が武器を保持・携行する権利を尊重すべきだということだ。テロリストは市中に妨害なく侵入し2日間にわたて、傍にいた人は誰でも殺していった!有名なインドの平和主義者のマハトマ・ガンジーは自伝の中で、「インドにおけるイギリスの多くの犯罪の中で、国中から武器を没収したことを歴史は最も邪なことと見るだろう」「そして、独立して半世紀が経ち、政府は法令順守の市民から武器を取り上げたままの政策を継続することで、彼らがたやすい標的にされるという、逆効果で危険な政策を継続している」
 
 アメリカ人にとっては、深刻な示唆がある。連邦政府がもし憲法にこだわり、外国に干渉することを止めればこのような事態が生起することもなかっただろう。世界中で持ち上がっている反米の敵対意識と疑惑はなかったであろう。「ブローバック」がアメリカ市民と世界にある利益を脅威にさらすこともなかったであろう。また何十億ものドルが無駄にされず、市民に戻ってきただろう。だから、アメリカの納税者や世界中のテロの犠牲者、あるいはテロとの戦争の犠牲者のために、アメリカの外交政策にとってのいくつかの深刻な変更の時期になっている。市民は政府が説明責任を果たすようにさせねばならない、さもなければ、死、圧制、混乱などの悲劇的な事態が更に増加することになる。
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イランのナタンツの核施設


◆3月31日(水)

 イランの核施設に対するイスラエルの攻撃が取りざたされてからもう何年にもなるが、今年はその限界の年かもしれない、という見方をこのブログでもしている。
 それは、これから2010年半ばを過ぎていくと世界経済、とりわけアメリカ経済の崩壊がその足音を早めると思われるからだ。そうするとアメリカがイスラエルに今まで行ってきた援助などは早晩できなくなる。アメリカ自体が火の車になるのだから、いくら何でもイスラエルといえども外国である以上、今までのような調子で軍事援助をすることはできなくなるだろう。

 それをイスラエルも見越しているのではないだろうか。そうすると今年がその限界の年とならざるを得ない。
 しかし、たとえイスラエルがイラン攻撃をするとしても、現実的には非常に選択肢が限られている。長期戦は無理だ。
 戦争が長引けば、周辺のアラブ諸国の動きが反イスラエルで固まってくるだろうし、友好国であったとしても、民衆の反感から、その国自体が不安定となり、イスラエルには不利となる。

 結局、お得意の奇襲攻撃で、さっさと懸念の核施設を破壊して休戦に持ち込まねば、悪くすると、ハルマゲドンという中東発第3次世界大戦に発展しかねない。イスラエルはますます追い詰められている。


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イスラエルはイランのキーとなる核施設にターゲットを絞るだろう
http://www.thetruthseeker.co.uk/article.asp?ID=12422
【3月31日 Dan Williams】

 イスラエルがイラン攻撃をするとすれば、できるだけ石油関連施設あるいは民間施設への攻撃を避けて、核施設への精密な攻撃に集中するだろう。

 過去のイスラエルの作戦は、1981年のイラクのオシラク原子炉攻撃や2007年のシリアの似たような施設への攻撃に見られるように、ピンポイント攻撃の作戦となりそうだ。これは軍事的な力量に制限があることと戦争が拡大することを恐れるためだ。 
 昨年12月のワシントンのブルッキング研究所でのシミュレーションでは、欧米が考えているイランの核兵器獲得を目指す動きを阻止するために、イスラエルは6ヶ所ほどのイランの核施設に対する攻撃を考えているとしている。
 ブルッキング研究所の専門家のケニース・ポラック氏は、図上演習の概説で、イスラエルはこの作戦は、「欧米諸国がイランに対する圧力をかけ、弱体化させ、可能ならば政権の転覆を図る好都合な機会を作り出すかもしれない」と考える可能性があるだろうと書いた。しかし彼はオバマ政権がこのやり方について好意的ではないだろうと見ている。
 イスラエルの高性能戦闘機のF-15とF-16はイラン西部を爆撃できるし、空中給油とステルス技術でもって中間にある敵対的なアラブ国家の領空を通過し更にイラン内部へも攻撃をすることが可能だ。
 2009年のワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)リポートによれば、イスラエルはジェリコ・弾道ミサイルに従来型の弾頭を装着して使用することもできる、と書いている。

 イスラエルの3隻のドイツ製のドルフィン型潜水艦は旧来型の弾頭と同時に核弾頭を装着した巡航ミサイルを運搬できると考えられている。これら潜水艦は昨年行ったように、ペルシャ湾に到達するためには、エジプトのスエズ運河を通過しなければならないだろう。

 標的を捕捉し攻撃を可能にするためには特殊部隊の展開がなされることになろう。イスラエルはまたサイバー戦争を行うことのできる能力を開発している。そしてこういった能力をモサドの秘密工作員の地上での活動と一体化させて活用することになろう、と報告している。
 
 イスラエルはヒズボラ、ハマス、シリアなどイランの同盟者を戦闘に巻き込みたがらないであろう。イスラエルはまた中立的なアラブ諸国やアメリカとの関係を悪化させたがらないはずだ。短期の奇襲攻撃が好ましいということを言えば、彼らの通常戦力は短い国境紛争用にデザインされているもので、長期の行動には向かない。

戦略的な焦点

 「もし、イスラエルの攻撃がなされる場合にイスラエルが考慮することは、核施設だけに対する精密攻撃であろう」と、テルアビブ大学国家安全保障研究所の上級研究アソシエイツであるエミリー・ランダウ氏は語った。「イスラエルはイランとの間には軍事的核能力を高めているということと激しい論戦以外の問題は抱えてはいない」と彼女は語った。

 イスラエルは、イランのエネルギー施設、たとえば石油生産と積み出し施設などを攻撃することは避けようとするだろう。もしこれをすると、石油価格の高騰は避けがたいことになる、そして国際的な論調が反イスラエルになり、同時に反対派のイラン人の動きも離れてしまうだろう。

 それでもイスラエルはその攻撃の標的を拡大せざるをえなくなるかもしれない。イスラエルの攻撃に対して、イランがシェハブ・ミサイルでテルアビブを攻撃すれば、ネタニヤフ政府は戦闘をエスカレートさせないわけには行かないだろう。イランがシェハブ・サルボによる攻撃を停止するには、アメリカ軍のイランに敵対するリストを通して、あるいは休戦など、何らかの外部からの保証が必要になるだろう。

 「イランとの紛争の拡大化はイスラエルにとって明らかに何のメリットもない。それは更に戦争が拡大していく危険性があるためだ。紛争が紛糾すれば、いつ終わらせることが出来るのかという問題が出てくる」とランダウ氏は語った。

 最初の奇襲による技術的な優位性を失った後は、イスラエル軍は精密攻撃をするのが困難になることだろう。
 イランは敵対的航空機、潜水艦それに特殊部隊に対する警戒を強めることだろう。2006年のマサチューセッツ工科大学の研究では、イラク、トルコ、あるいはサウジアラビアは、イスラエルの軍用機がイランに向かっている場合には撃墜すると見ている。

 イスラエルの一般大衆は、シェルターでの生活と軍の喪失に直面し、いらだつことになるだろう。
 そんな状況では、イスラエルはジェーン・ミサイル専門家が1000ヤードほどの正確さしかない、と考えているジェリコなどの兵器にますます頼ることになりそうだ。これはライフラインを含むイランの民間施設へのダメージが更に拡大することを意味する。

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アフガンのケシ畑

◆3月28日

 アフガンではタリバン政権下で絶滅させられていたケシ栽培とヘロイン密輸出が、アメリカ軍の侵攻以来急激に増大、その多くがロシアに流入しているため、ロシア側はアフガン作戦を進めているNATOに対し、ケシ畑の根絶を要請しているが、NATO側は、人々に別の収入源がないことを理由に、それに難色を示している。
 これを見ても分かるように、アフガンのケシ栽培およびヘロイン密輸出を保護、育成しているのがアメリカ・NATO側であることは明確である。

 
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NATOはアフガンのケシ畑を破壊したがらない
http://www.presstv.com/detail.aspx?id=121596&ionid=351020403
【3月25日 PRESSTV】

NATOはロシアが奨励していたアフガンにおけるケシ畑の根絶案を、この地域の唯一の収入源であるということから拒絶した。

 24日に行われたNATO・ロシア委員会の会合で、ロシアのドラッグ統制局(FSKN)のビクトール・イバノフ局長は、「アフガンのアヘン剤は過去10年間でその過剰摂取のため100万人を死に追いやった。またこれは国連のデータである。これは世界の平和と安全にとって脅威ではないのか?」と語った。

 このロシアの高官はNATOに対し、’ドラッグ生産の廃絶’を含む’アフガン状況の正常化’の仕事を課した。

 また、NATOスのジェームズ・アパスライ・スポークスマンは、20万人のヘロインとモルヒネの麻薬中毒者と毎年何万人もの死者が麻薬常用で死亡していることに鑑みてロシアの懸念を理解すると述べた。

 しかしながら、彼は続けて、アフガンのドラッグ問題は地方の住民を離反させないように慎重に扱われなければならないと語った。
 「この問題と取り組まねばならない点は同じである」とスポークスマンは語った。「しかし、見方に多少の違いがある」とアパスライ氏は語った。
 「この世界で2番目に貧しいアフガンで他の収入源を示すこと無しに人々の唯一の収入源を取り除くことはできない」

 イバノフ局長によって示された統計によれば、ロシアは2008年におけるヘロイン消費で最大の国となっている。アフガンからロシアにヘロインが不法に大量に流れ入っていることで、ロシアはNATOを非難している。
 アフガンでのケシの栽培は2001年にアメリカが侵攻していらい急激に高まっている。

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