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時代の先読み
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日本の進むべき道
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我々の心構え
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ディナモの核施設
◆9月20日
昨日のブログ内容で、米露の協調路線が強化され、それはイスラエルに対応するものであることを指摘したが、これと同時期にIAEAでイスラエルの核問題が取り上げられ、イスラエルが核拡散防止条約に加盟することを要求する決議案が可決された。
これはイスラエルの核を「懸念する」国際社会の意見として重要な内容を含んでいる。いままではイスラエル政府自身が自国の核兵器の存在そのものをあいまいにしてきていたのであるが、5月10日号で書いたように、流れはあの時からより一層明確にイスラエルの核を問題視する風潮が強まってきている。
イランの核とミサイルを問題にしたいイスラエルなのだが、国際社会はむしろイスラエルの核を問題にしだした。これが米露の協調の背後にある事情でもあるだろう。
このように追い詰められつつあるイスラエルであるとすれば、再び流れをイスラム・アラブ世界に対する敵対意識が増加する方向にむけるため、アメリカやヨーロッパで大規模なテロ事件を起こす可能性が高まったともいえそうだ。
これと関係するのが、このブログでも集中的に取り上げた、貨物船「アークティックシー」事件である。あの貨物船に核ミサイルがあって、それをモサド・CIAが強奪しようとして失敗した、と指摘したが、ひょっとして核ミサイルそのものは既に強奪されている可能性を指摘した。この強奪された核が悪用されるかもしれない、という懸念は払拭されたわけではないのだ。
アメリカの経済問題とあいまって、これから年末にかけての期間が一つの正念場であろう。
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●IAEAはイスラエルに核査察を要求
【9月18日 Ynetnews.com】
国際原子力機関(IAEA)はイスラエルに対し、核拡散防止条約(NPT)に加盟するよう要請すると共に、核施設の査察を要求すると表明した。イラン大使はこの決定を「勝利だ」と述べた。イスラエルはこの決定には協力しないだろうと、原子力委員会高官は語った。
国連の核の会議は18日、イスラエルに対し核拡散防止条約に加盟するよう促し、全ての核施設を国連の査察の対象に置くよう促す決議案を投票で決定した。
20年近く経て初めて採択されたこの決定は、“イスラエルの核能力”に対し懸念を表明し、IAEA理事長のエルバラダイ氏に対しこの問題に取り掛かるよう要請した。
アラブ諸国によって支援された中東決議案は賛成49票、反対45票で採択された。棄権は16票だった。
イラン大使のアリ・アスガール・ソルタニー氏は、記者に対し決議案が採択されたことは、大変良いニュースであり、圧制下にあるパレスチナの国の人々にとっては勝利である、と語った。
◆ロシアと中国は決議案に賛成した
イスラエルは世界でインドとパキスタンと共に核拡散防止条約に加盟していないたった3つの国のうちの一つだ。そして、自身ではそのことを確認も否定もしていないが、中東地域では唯一核兵器を保有していると広く信じられている国である。「イスラエル代表団はこの決議案に失望した」と、デイビッド・ダニエリ・イスラエル原子力委員会議長は、投票の結果語った。
「イスラエルはどんなことがあってもこの決議には協力しないだろう。これは中東での政治的な敵対関係を強化し分裂を深めることを目指したものなのだ」
この議案は1991年にも投票されたことがあったが、当時はIAEAの加盟国がまだずっと少なかった時で、39票対31票、棄権13で可決している。
それ以来、この件では大統領間での簡単な議論や延期や中止の動議がだされただけだった。
外交官らは、インドやアフガン、ナイジェリアなどの国々からの棄権が増えていることを指摘している。
●イスラエルはNPT加盟を IAEA総会が決議
【9月19日 大阪日日新聞】
国際原子力機関(IAEA)の年次総会は18日、事実上の核兵器保有国、イスラエルに対して懸念を表明、核拡散防止条約(NPT)への加盟を求める決議を採択した。IAEA総会でイスラエルに対し同種の決議が採択されたのは1991年以来。
採決では、アラブ諸国や中国、ロシアなどが賛成、日本や米国、欧州諸国が反対し、小差で採択された。イスラエルは中東でNPTに加盟していない唯一の国で、アラブ諸国やイランは長年、非難を続けている。
イスラエル当局者は採択後「決議について協力はしない」と言明。一方、イランのソルタニエIAEA担当大使は「パレスチナを抑圧する国に対する勝利だ」と述べた。
また、年次総会は同日、北朝鮮に6カ国協議への復帰や、さらなる核実験の禁止を求める決議を全会一致で採択した。
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東欧へのミサイル防衛システム配備計画中止を発表するオバマ大統領
◆9月19日
アメリカが突然、東欧に配備を計画していたミサイル防衛システムの配備中止を発表した。これを受けてロシアとEUがその決定を歓迎するという声明が発表された。
この突然のアメリカの発表は何か大きな動きがアメリカの中で進んでいるからと見ていいのではないか。とにかくロシアに対するスタンスが相当変わったということははっきりしている。またロシアもそのアメリカの変化を歓迎し、かつ以下の記事にあるように今までのドルに変わる新しい準備通貨に関する話にしても、ドルそのものへの攻撃的スタンスを取り下げる意見を発表した。これはアメリカに対するロシアからの友好的姿勢を示すサインであろう。さらには対抗措置としてあったカリーニングラードへの短距離ミサイル配備を凍結したという。
以前このブログで、ロシアとアメリカが一緒になれば、イスラエルのイラン攻撃を阻止できるかもしれないが、それは現在アメリカにはオバマ大統領、ロシアにはプーチン首相がいるので可能である、と指摘したことがある(9月3日号その他)。今そのアメリカとロシアとの関係が改善してきていることで、この形ができる方向性が強まった。
イスラエルがイランへの攻撃の意思を固めつつあることは既に示した(9月11日号)。今回のロイターの伝えるエフライム・スニー氏の記事内容もそれを確認する内容となっている。
イランが核計画を中止する意図がないことは以下の記事にあるようにはっきりしている。従ってこのまま進めば、イスラエルのイラン攻撃(核攻撃かもしれない)が実現する可能性が一段と高まってきていることになる。
アメリカが恐れていることは、イランの核でも核ミサイルでもなく、イスラエルのイラン攻撃である。これが悪くすると中東全体を巻き込む大戦争に発展する可能性、ひいてはロシアとアメリカなども巻き込む世界大戦に発展することを恐れている。そうでなくとも、ペルシャ湾に展開するアメリカ艦隊などへのイランからの攻撃があれば、甚大な被害が出る。
ことこの段階に来てオバマ・アメリカ大統領はロシアとの関係の大きな改善を意味する、上記のようにミサイル防衛システム配備計画の中止を発表したことは、いよいよイスラエルのイラン攻撃が現実的になってきたことを察知して大いなる決断をしたことを意味するのではないか。
これを通して米露関係は実質的には、対イスラエルで手を結んだことになり、イスラエルはこの米露を相手として、それでもイラン攻撃を実施するのか、という厳しい判断を迫られる状況に追い込まれた、と言える。
何度も指摘することになるが、ロシアはイランの原子力発電所の建設に携わってきていて、その稼動・メンテナンスなどでもイランと協力している。ロシア人の技術者が現在も原子力発電所で勤務している。従ってイスラエルがその原子力発電所などを攻撃することは、ロシアに対する攻撃だから、必ず報復すると発言している。
従ってイスラエルがイランを攻撃すれば、ロシアがイランと一緒になってイスラエルに報復する可能性が大であり、その際アメリカがそのロシアになんらかの軍事的制裁などをする可能性は、今回のことから推察しても限りなく小さくなった。それを知ってイランもアメリカからの攻撃などがなければペルシャ湾などのアメリカ軍を攻撃することは無いかも知れない。
そうするとロシア・イランによる報復攻撃でイスラエルは壊滅的な打撃を受ける公算が以前にもまして大きくなったことになるだろう。
果たしてそれでもイスラエルはイランを攻撃できるのだろうか。
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●イスラエル:今年中にイラン攻撃の可能性
【9月16日 ロイター】
イスラエルはもし欧米勢力がイランに対する制裁で今年中に合意できなければ、イランの核施設に対する攻撃は避けがたいと16日、前イスラエル国防次官のエフライム・スニー氏が語った。
スニー氏は現イスラエル政権ではなんらのポストも持っていないが、個人の資格でロイターに対し、アメリカとEUは銀行と石油に対する制限を含む強い制裁措置を今年中に採る決意があるかどうかはっきりしていない、と語った。
「核兵器を持つイランの影の下で生きるわけにはいかない」とイギリスへの訪問の際のインタビューでスニー氏は語った。「年末までにイランに対する厳しい制裁が合意されなければ我々には他の選択肢はない」「これは本当に最後の手段だ。しかし皮肉にも我々から他の選択肢を奪いこうせざるを得ない事情に追い込んでいるのは我々のベストの友人たちだ」「欧米諸国が充分早い時期で決断し厳しい制裁を行うつもりがあるのかどうか疑っている」
スニー氏は、旅団長を退役し、国会防衛・諜報委員会の前委員である。前国防次官としてイランに対する責任を持っていた。
◆無血戦略
スニー氏の訪問は、ザ・イスラエル・プロジェクトという個人的なメディア組織で、イスラエルの安全保障視点を説明することを目指していて、海外のイスラエル高官らを支援する記者会見を設定してきた。
米・独・仏・英はイランに対して、もしウラン濃縮を継続すれば、また核兵器製造に対する懸念払拭を拒否すれば4回目の国連制裁を行うとして脅威を与えた。イランは民間の発電計画だと言っている。
イスラエルは核武装したイランはイスラエルの存続に対する脅威であり、イランのアハメディネジャド大統領がイスラエルを地図上から抹殺すると言っている、ということを指摘している。
それがイスラエルの警戒を呼び起こし、イランの核施設への軍事攻撃を引き起こしそうになっている。
スニー氏は制裁措置は、欧米諸国による完全なイランの銀行封鎖、精製された石油の輸出禁止、エネルギー産業に必要なパーツ販売の禁止、イラン高官らの欧米諸国への旅行禁止などが含まれるべきだと言っている。
スニー氏は制裁はアメリカとヨーロッパ諸国によって課せられるべきだ、と言う。これはロシアと中国が欧米諸国と同じ措置を取ることはないと判断できるからで、彼らが制裁に参加することは神話である、と語った。「欧米による制裁が課せられれば、その戦略は充分に厳しいものになるだろう」と語った。
「これは無血戦略であり、海上封鎖の欠点を終わらせるものだ」と言う。
ネタニヤフ首相は、そのコメントでイランの核に対する野望をやめさせるための国際社会の外交努力をイスラエルは見捨てたわけではないとしながら14日、イランに対する厳しい制裁を課す時が来たと述べた。
スニー氏は、イランが核兵器を持つことを阻止する理由には複数あり、その例として以下を挙げた。
1.イスラエルへの移民が停止してしまうから
2.若く有能な人々がより安全な地域に出てしまうから
3.イスラエルに対する投資が減少するから
4.内閣の決断がイランの核による報復の恐れのためできなくなる。政府の決断を下す工程は実際的にはゆがめられる。
5.中東の急進主義者らが勢いづく
6.イランは中東の穏健派に圧力を加え、例えばエルサレムやゴラン高原問題でイスラエルとの接触や交渉で立場を強化するようになる。
7.サウジやエジプトも核兵器を所有することを目指すようになるかもしれない。そうすることで中東全体が“完全に核兵器で武装された地域”となってしまう
●米大統領、東欧MD配備中止の声明発表
【9月18日 産経新聞】
オバマ米大統領は17日、ホワイトハウスで声明を発表し、米国が東欧地域で進めていたミサイル防衛(MD)システムの配備計画を事実上中止する方針を明らかにした。MD配備に関するゲーツ国防長官らの勧告を踏まえた決断で、東欧への地上配備に代わり、洋上迎撃システムなどの活用で「弾道ミサイルの脅威に対し、より大規模な防衛」を構築するとしている。
MD配備の中止はロシアとの緊張緩和を進め、年内に期限切れを迎える第1次戦略兵器削減条約(START1)の後継条約交渉を後押しすることになる。
米国の方針転換は、「イランの長距離弾道ミサイル開発」が遅延し、欧州地域への脅威が低減したとの情報評価が前提となっている。同時に、水上艦から発射される迎撃ミサイル(SM3)の精度向上など、迎撃技術の向上が転換の理由に挙げられた。
ブッシュ前米政権は、イランの弾道ミサイルによる脅威から欧州の同盟国を防衛するとの理由でMDの東欧配備に乗り出し、チェコにレーダー施設を、ポーランドに迎撃ミサイルを配備するとしていた。
これに対しロシアは、MD配備計画が自国への脅威になると反発。核軍縮に重点を置き、米露関係の仕切り直しを掲げるオバマ政権は、前政権の戦略修正を軸に検討を進めてきた。
17日の声明で、大統領は弾道ミサイルの脅威から米国と同盟国を防衛するため、MDの開発と配備は継続する方針を確認した。
●米の東欧MD中止 露「前向きに評価できる」
【9月18日 産経新聞】
オバマ米政権がミサイル防衛(MD)配備計画の中止を決めたことを受け、ロシア外務省のネステレンコ情報局長は17日、「事実とすれば、前向きに評価できる兆候だ」と述べ、評価する姿勢を示した。
ロシアはオバマ政権発足以来、アフガニスタンにおける米軍の軍事物資輸送に際し、自国領の通過を容認するなど、米露協調を演出してきた。
ただ、昨年夏のグルジア紛争を経て、ロシアが南オセチア、アブハジア両地域の独立を承認したことについては、米国は譲歩しない可能性が高いとみられる。
さらに、ロシアは米国の大きな政策変更を「外交上の勝利」と位置づけ、国内外にアピールしていく公算が大きい。さまざまな問題で米国に注文をつけ、最大限の譲歩を引き出す狙いも垣間見える。
今後、全面的な米露和解につながるかはまだ不透明だ。
●<ロシア>外交的勝利収める 米MD計画見直しで
【9月18日 毎日新聞】
オバマ米政権が東欧MD計画見直しを決めたことで、計画に反対してきたロシアは外交的勝利を収めた形だ。メドベージェフ大統領は17日の歓迎声明で、今後もイランの核問題などに米国と対等の立場で取り組む姿勢を強調。プーチン首相も18日、「(米国の決定は)期待を抱かせる」と、米国の一層の譲歩に期待感を表明した。
一方、米側が見返りとして期待する対イラン制裁強化への同調などについて、露側には慎重な見方が目立つ。18日付の有力紙「コメルサント」によると、シャラビン政治軍事研究所長は「ロシアは既にアフガニスタン駐留米軍向け軍事物資の自国領通過を認めるなど相応の措置をとっている」と指摘、ロシア側の新たな「譲歩」は不要との見方を伝えた。
第1次戦略兵器削減条約(START1)に代わる新たな核軍縮条約についても、最大の障害だったMD問題が決着したものの、「戦略核の運搬手段を巡る見解の対立などが残っている」(国際安全保障問題の専門家アルバトフ氏)と楽観を戒める声も強い。
●米MDへの対抗措置、露が凍結
【9月18日 読売新聞】
米国のオバマ大統領がミサイル防衛(MD)システムの東欧配備を中止すると表明したことを受け、ロシアは18日、短距離ミサイル配備などMDへの軍事的な対抗措置を凍結することを決めた。
インターファクス通信が消息筋の話として伝えた。
ロシアは、ポーランドとリトアニアにはさまれた飛び地カリーニングラード州に短距離地対地ミサイル「イスカンデール」などを配備すると警告していた。
コメルサント紙によると、米国はロシアに対し、MD配備中止と引き換えに防空システムS300のイランへの供与を中止し、国連安保理で厳しいイラン制裁決議を支持するよう求めているという。
●核開発計画は決して放棄しない=イラン大統領
【9月18日 ロイター】
イランのアハマディネジャド大統領は17日、西側諸国からの批判を沈静化するために核開発計画を放棄することは「決してない」との見解を示した。
NBCテレビとのインタビューで明らかにした。
また、イランが核兵器開発に向かう条件は何かあるかとの問いに対しては、直接的な回答を避けた。
大統領は通訳を介し「イランは核兵器を必要としていない」と言明。「世界の状況もわれわれの考えを支持する方向へと動いている」と述べた。
イランはこれまで、西側諸国による核兵器製造疑惑の焦点となっているウラン濃縮に関して、発電だけが目的だと繰り返し主張している。ただ、イランに低濃縮ウランを使った原子力発電所は現在のところ存在しない。
イランは10月1日、同国の核問題をめぐり、国連安全保障理事会常任理事国にドイツを加えた6カ国と協議を行う予定。
●ロシア:準備通貨としてのドルは支持する
【9月18日 AFP】
ドルの投売りは“不合理”だ、とロシアはドルを支援する発言
ロシア政府はドルを新しい準備通貨で置き換えることを目指している、という指摘を17日否定した。米ドルもいくつかの準備通貨の一つであることを示した。
「我々は準備通貨の進化について話をしているが、米ドルを他の準備通貨と置き換えることを進めているわけではない」と、メドベージェフ大統領の経済顧問である。アルカディ・ドゥボルコビッチ氏は語った。・・・以下略
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ロン・ポール上院議員
◆9月18日
巨大な金融機関の救済のために数兆ドルを流し込み、それで一時的に景気がよくなったかのような錯覚を我々は得ているのかもしれないが、アメリカのロン・ポール上院議員は今のアメリカの連邦政府ならびに連邦準備制度の政策は問題の解決には繋がらず、かえって連邦政府自身が巨大な不良債権となり、にっちもさっちも行かない状況になりつつある、と指摘している。
また表面に出ている失業率は9.7%と言われているが、それはまやかしであり、職を探すことをあきらめてしまった人々をも含む数字を見れば、それは既には16.8%まで上昇している、と指摘している。この状況は日本でも同様であろう。だから、よく景気回復は実感できない、という言葉が出てくるのだ。
これからもこの失業率増加はとどまらないであろうし、銀行の破綻件数も増え続けるであろう。これに年金問題などが加わることで、この傾向が継続することはほぼ間違いないのだから、やがては臨界点を迎え、連邦政府も連邦準備制度も持ちこたえることができなくなり、崩壊していくことになるだろう。
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●ロン・ポール議員:連邦政府は一つの巨大な不良債権
http://rawstory.com/08/news/2009/09/14/ron-paul-no-recovery/
【9月14日 By David Edwards and Daniel Tencer 】
アメリカ経済は実際には昨年の金融危機以来も回復していないし、アメリカの中央銀行である連邦準備制度の政策は厳しい時期は継続すると指摘している、と14日、ロン・ポール上院議員は語った。
「彼らは回復は見られると言っているが、働く人々によってそれは判断されるべきだ。実際の失業率は今や16%になっている。そしてお金を失った人々はそれを取り戻してはいない。家を失った人々はその家を取り戻すまでになっていない。回復はしていないのだ」とポール議員は語った。
公式発表の失業率は8月で9.7%だが、ポール議員は職を探している人々だけでなく職探しをあきらめてしまっている人々をも勘定に入れる、「U-6}として知られるより広範囲な失業率指標に言及している。つまり公式発表の失業率とは既に職探しをあきらめてしまった人々は数えられていないのだ。
8月、この広範囲のU-6失業率は16.8%にまで上昇した。これは大恐慌以来最悪だった1982年の景気後退時から見て、2.5ポイント高い数字だ。
「回復はされていない。ここに言われているあらゆることはでたらめばかりだ」とCNNのキーレン・チェトリー氏にポール議員は語った。
ポール議員は彼の新著である「連邦準備制度の終焉(End the Fed)」のプロモーションでCNNに出た時、この本の中味について語り、連邦政府がウォール街の救済に乗り出したことで、連邦政府自身が今や「巨大な不良債権」になってしまったことを指摘している、と語った。
チェトリー氏はポール議員に、ニューヨーク・タイムズのコラムニストでノーベル賞受賞者であるポール・クルーグマン氏を含む著名なエコノミストらが連邦準備制度は世界経済を昨年大恐慌から救ったと主張していることについて尋ねた。
「連邦準備制度はウォール街に対してはいい事をしたのでしょう。しかし平均的市民は多くのお金を失った。連邦準備制度は多くのクレジットを出し景気を刺激し、巨大機関の救済を行い、そこの役員らにボーナスを与えた。そしてそういった者たちが回復を語っているだけだ」。
ポール議員は更に、「契約法を励行しなければならない。そうすることでもしへまをやらかせば、破産させるようにしなければならない。我々はこのような者たちを保護するべきではないのだ」と語った。
「私は経済が回復しているとは思わない。失業するものたちの数は増え続けている。我々はずっとまずいことをしてきているのだ。我々は大恐慌時代にしたことをしている。1990年代に日本人がやったことをしている。それは悪い投資を更に下支えすることだ」「もし悪い負債を下支えすれば、そしてそのために金を投入すれば、苦痛が長引くだけだ。今進めている政策からは何もいいものは出てこないと思う」と語った。
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FRSのあるエクルズ・ビル(Eccles Building)
◆9月17日
アメリカの景気は底を打った、という見方が出てきている。確かにある数字ではそうなっているのであろう。しかしこれは応急処置がとりあえず功を奏している、というレベルであり、根本的な解決がなされたわけではないのだ。
従って下記のように更なる経済の悪化を指摘するエコノミストがいてもおかしくない。わずかに傷を覆ったかもしれないが、中で腐敗が進んでいるのだから、やがてそれは手に負えない状態に陥り、やがて外部にも現れてこざるを得ないであろう。
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●エコノミストは、二重落ち込みの景気後退を警告
http://www.ft.com/cms/s/0/e6dd31f0-a133-11de-a88d-00144feabdc0.html
【9月14日 By Robert Cookson and Sundeep Tucker】
世界は経済の落ち込みの核心部分の問題を解決していないので再度景気後退に落ち込むだろう、と主流派のエコノミストには殆どいなかった、金融危機を予想したエコノミストが語った。
香港でのシボス会議で14日、国際決済銀行の前チーフ・エコノミストだった評判の高いウィリアム・ホワイト氏は、短期の経済支援をする政府の姿勢は将来の危機の種を蒔いていることになる、と警告した。
「我々はW字型の景気後退に入っていくのか、と言えば、おそらくそうだろう。我々はL字型なのか、と言えば少しも驚かないだろう」と、二重落ち込みの景気後退と言われるリスク、あるいは1990年代に日本が陥った長期の停滞に言及しながら、彼は語った。
「唯一つ私が驚いたのは我々がいた状態からすばやい、そして持続可能な回復だ」と述べた。
1995年から2008年まで銀行の中央銀行の経済部門を担当したホワイト氏のコメントは、重要だ。彼は金融危機が起きる前からその可能性に言及していた数少ない老練なエコノミストだからだ。
ホワイト氏は、繰り返し世界の金融システムの危険なアンバランスな状態を2003年ごろから警告し続けており、当時の中央銀行界のタブーを破って連邦準備理事会のアラン・グリーンスパン議長に対し、彼の継続的な安いマネー政策を非難した。
14日ホワイト氏は、ひとたび政府と中央銀行がかつてなかった刺激策を撤退させた場合、世界経済の中で生き残る経済の芽があるのか、という疑問を示した。「新芽が本当にでているのか?問題はどんな肥料が使われているのか、ということだ」と語った。
世界中で、中央銀行は金融システムに対して恐慌を避けるため、過去2年間で数兆ドルもの新たな資金を注入した。政府は政府で似たような極端な政策として、銀行から自動車業界まで下支えするため巨大な負債を請け負った。こういった政策は既に株から商品に至るまで、アセットプライス面でのバブルを拡大していくだろう、と語り、もし中央銀行がその出口戦略で時期を間違うと、中期的にはインフレがコントロール不能になる危険がある」と語った。
また世界経済の中での潜在的な問題、例えばアメリカとヨーロッパ、アジアとの間の貿易の持続不能のアンバランスの問題などが解決されていない、と指摘した。
シボス会議にはジョセフ・ヤム氏が参加したが、この人物は香港金融管理局の局長を16年間務めた後辞職したところだ。ヤム氏は、金融面でより一層の安定化のために仕事をしている者たちが直面している多くの課題について語った。
厳しい内容の演説でヤム氏は、銀行の大きな利益と役員のボーナスは投資効率を下げ金融危機の可能性を増大させると語った。
ヤム氏は、翌月今のポストを辞職すれば、中国の中央銀行である中国人民銀行の顧問となることが決まっている。
民間の短期の利益の金融機関が利益を最大化せんとすることと、経済に刺激を与えた政府の効果的な金融仲介活動との間に軋轢があると指摘した。「この軋轢はあまり語られていない。中央銀行のフォーラムでもだ」と語った。
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ヴィタリ・シュリコフ氏
◆9月16日
アメリカのトランスフォーメーションと同じように、ロシアでも軍の改革が進められるようだ。アメリカは既にラムズフェルド前国防長官時代に開始されているが、ロシアは現在それが進められていると言う。
大型の軍を保持する代わりに身軽だが充分な内容を持つ軍を目指し、大規模な侵略などに対しては戦術核で対処するとしている。そしてロシアで有名な軍内部でのいじめなどにも教育面からの改善を目指そうとしているようだ。
ロシアが現代的な軍隊になることで、そして身軽な軍になることでその余力は経済に振り向けることもできるだろうから、更にロシアは強くなるとも言えそうだ。
ただ、小型の軍隊にすることで、中国などが攻めてきたらどうするのか、という話があるのを見れば、やはりロシアにとっては中国という隣接するもう一つの大国、しかも共産主義の独裁政治の国に対する脅威を感じていることが分かる。今彼らは上海協力機構でまとまっているように見えるが、あるいは共同の軍事演習を毎年行って入るが、内心では潜在的な敵と見ているのだ、と言えそうだ。
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●ロシアは大軍隊を断念
【9月14日 RIA NOVOSTI】
ロシア軍の専門家のヴィタリ・シュリコフ氏は、先週のヴァルダイ討論クラブの分科会で12月から開始されるロシア軍の改革について語った。そこで氏は、戦車数は2万から2千に、予備役兵は10万人に減少すると語った。シュリコフ氏はこの改革を革新というにふさわしいだろうと指摘した。ロシア政府が将来の軍備を削減をする際に、あるいはその構成に対し重要な影響を与えるだろう。
国防省公共委員会の防衛政策委員長であるシュリコフ氏は前国防次官で国防軍諜報部の退役大佐である。氏は軍改革案の作成者の1人でもある。
RIA NOVOSTIは軍改革についての話をシュリコフ氏から聞いた。
Q.ロシアで始まっている軍改革の意義ならびに内容はなにか?
A.大変広範囲に及んでいる。その要となる点は、過去200年で最大の改革となると参謀長が語ったことで、それはロシアは大軍を準備して行う大戦争は放棄した、ということだ。古いシステムは1874年にドゥミトリー・ミリューチン戦争大臣が導入したものだ。その目的は平時の比較的小規模の常備軍と常備軍の5から6倍の大規模な予備役兵を保有するというものだ。それがほぼ150年間保持された。それが多くの師団、多くの戦車が存在する理由だ。空(から)の師団と呼ばれる一部だ。ロシア師団の多くは数百人の将校、小規模の兵士、大量の装備を基地に抱えている。戦時には、徴収兵が召集され、師団は臨戦体勢に入るとされた。
Q.では代りに何がくるのか?
A.予備役兵を考慮すれば、代りにずっと小型の軍が来る。予備役兵はいなくなる。参謀部では10万の予備役兵で充分と考えている。常備兵は100万だ。
Q.とすると、基本的にはもう動員はない、ということか?
A.動員はない。大規模戦争もない。NATOからの脅威はない。なぜNATOからの脅威がないか?あれば、古いシステムを保持し、動員をし、彼らも自分たちは必要とされていると考えるだろうが、これらの師団の正規将校らは過去15年何もすることは無かった。軍事教練もなく、教育もされてこなかった。我々は2万の戦車を保有している。これからは2000台だけ残る。残りはスクラップにされる。
Q.ロシアの核兵器はどういう影響をうけるか?
A.軍は大規模な戦争を準備する必要が常にあるわけではないが、だからといってそれを計画から完全に除外すべきでもない。今のところは、核兵器は代替物であり、主に戦術核がその使命にあたる。戦略核は政治的な兵器だからだ。戦術核は何か有事という際に現実的には、数十のこの予備役兵の師団の代替だ。この戦術核は現在の時点では実際上の脅威とは思われていない。しかし、中国の拡大やNATOの拡大時には、なんの役にも立たないので無視する、というわけにはいかないはずだ。計画を作成する際、「大規模な中国の攻撃に対処できるのか?」と言う者がいる。勿論、この小さな3000から4000の旅団では中国軍に比較してたいしたことはない。そこで核で対処したらどうか?
ヨーロッパで圧倒的な旧来の戦力を持っていた時のソ連に対するNATOの古い戦術だ。NATOは核に依存していた。それは新しいプロジェクトではない。NATOのやり方を踏襲したものだ。
Q.ソ連軍?
A.そう。日の下に新しきものなしだ・・・
Q.下士官はどうか?
A.多くの専門家が言うことは、この点では私は詳しいのだが、軍というものはプロの下士官がいなければ成り立たない、ということだ。下士官は兵士と義務の時間以外でも一緒に過ごす者だ。しかしロシアの下士官は徴集兵で同じ年頃の人々と一緒に兵役に就いている。それから、いじめがある、2年の兵役で2年兵は古兵と呼ばれ、自分たちのことを通常の下士官より偉いと考えている。それである軍では下士官無しでやっていた。将校が下士官の役割をやっていたのだ。それは大変なものだ。それでも20年間やってきた。
それで今年の12月からは、我々は通常の下士官の教育を開始し、特殊な学校でその教育を行う。2年半から3年かける予定だ。教育を受けている期間も給料が支払われる。学校を卒業した後は、少なくとも3万5000ルーブルを受け取れる。これは月1000ドル以上だ。それで彼らは仕事に熱心に取り組んでくれる。
これはある進歩だ。解決ではない。それは我々はどの国の軍にもあるような下士官の実際のヒエラルキーを持っていないからだ。しかしとにかく正しい方向に向かっての出発ではある。
Q.しかしここ15年から20年間、軍の改革についての話があった。しかし実現されそうなものは無かった。今回うまくやれると考えるのはなぜか?
A.それは本当の改革ではないからだ。2003年、当時のプーチン大統領が改革は終わったと言った事を覚えている者は少ない。改革はないだろうし、現代化もない、と彼は語った。改革と言う言葉は、違う国防大臣が使ってきたものだからだ。改革の名の下に競争相手となる部署に対する攻撃に利用してきたのだ。
落下傘降下兵だったパベル・グラチョフ氏が大臣だった時、落下傘降下兵は歩兵を削減しだした。大臣が戦略ミサイル部隊出身のイゴル・セルゲイエフ大将の時、全ての核兵力を、潜水艦、戦略爆撃機、などを彼の司令の下に置こうとしたことがあった。こうしたことで皆嫌気が刺して衝突が起きた。本当のところ、部署の責任者らは、お互いに「改革」の名の下に潰し合っている。
それで改革というのは使用する言葉ではない。現在進行していることに適用されるものではない。実際はこれは革新だ。アナトリー・セルヂュコフ国防大臣が始めたのがこの革新だ。彼はこれは「新式」の軍だと言った。
12月1日は戻ることのない日となるだろう。ロシアは、多くの観察者には知られていないが、新しい軍を持つようになる。100%の戦力を旅団に、師団に軍団に持たせるだろう。予備役兵の連隊は無くなる。これは確かに革新だ!そして多くの軍人はこれを受け止めることが難しいのだ。それで多くの将校らは今行われていることに対し不満である。
しかし、これは私に言わせれば、5年、10年あるいは15年前にもなされるべきだったろう。今進められていることは遅すぎたことだ。しかしそれは辛いことだ。
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