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アメリカの迎撃ミサイル

◆8月14日

 アメリカのミサイル防衛システムが東ヨーロッパに展開されることにロシアが神経を尖らせて、これが欧米とロシア間の「とげ」となってきていた。これが本当に効果あるものならば、欧米側は「矛」と「盾」の両方を持つことになるが、ロシア側では「矛」だけとなり、不利になるからだ。
 しかしここにきて、アメリカのこのミサイル防衛システムは、まだ完成していない(完成できるかどうかわからない)システムということが、その開発に携わった科学者らから暴露されたことで、アメリカ側はあせっていることだろうし、ロシア側はやはりそうなんだ、ととりあえず胸をなでおろしているかもしれない。

 それにしても、日本はアメリカのごり押しや脅しに屈して効果なミサイル防衛システムを購入する羽目になったが、一体それが効果あるものなのか、誰も知らない。実際ミサイルが飛んでみて初めてその実戦での能力が確かめられるわけだ。
 以前、北朝鮮がミサイルを発射するという騒ぎがあった際、このブログでも日本が迎撃ミサイルを発射する羽目に陥らないように、北のミサイルが発射直後に自爆することが最高に願わしいことだ(4月2日号)、と書いたが、それは今でもそのまま言えることだ。


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●アメリカのミサイル防衛システム:今世紀のもっとも高価な詐欺
【8月12日 Pravda.Ru】
 米露関係の阻害条件となっているアメリカのミサイル防衛システムは、今世紀でもっとも高価な詐欺であることがはっきりする可能性が出てきた。
 アメリカの物理学者らは、このシステムはまだ出来上がっていないと発言した。彼らはこの件について、オバマ大統領がロシアを訪問する前に警告したという。
 大統領がロシア訪問する数日前に、彼は10人のノーベル物理学賞受賞者を含む20人のアメリカの現役の物理学者が署名した手紙を受け取った。これらの科学者らは数百に上る軍関係のプロジェクトに参加している人々だが、オバマ大統領に対して、ヨーロッパにアメリカのミサイル防衛システムを展開する計画をご破算にするよう提言している。
 これらのミサイルは、適切なテストを終えていないし、実際の攻撃時における対応能力を披露していない、と彼らは書いている。この科学者らは計画されているミサイル防衛システムは、実際の攻撃に対して防衛することができるという保証はないと考えている。
 マサチューセッツ工科大学のセオドア・ポストル科学技術国際安全保障教授は、1997年に行われたIFT-1Aテストが失敗した後、複数のミサイル防衛ゾーンを作る計画は失敗した、と主張している。1つの標的ミサイルと10のおとり標的(熱気球)が太平洋の陸軍基地から上げられた。標的識別システムは気球と弾道ミサイルとを識別できなかったのだ。
 1999年10月に行われた次のテストも失敗した。ペンタゴンは迎撃ミサイルが一度は気球を撃ったことを認めた。
 2000年1月、迎撃ミサイルはセンサーシステムの誤作動で標的を撃つことに失敗した。同じ結果が2001年、2007年でも生じている、とこの科学者は説明している。
 アメリカ軍当局はこのテストのよくない結果を知っている。しかしながら、このミサイル防衛システムの効果を証明しようとして軍は詐欺をすることになってしまった。
 最初、軍は11の標的の代わりに2つの標的を上げた。標的ミサイルと気球だ。この標的を撃つことに失敗した後、ペンタゴンは偽証することにしたのだ。最後のテストで上げられた気球はばかでかいものだったと、この科学者は説明している。更に、最近のテスト中、おとり標的の大きさと温度は迎撃ミサイルの統御モヂュール内にプログラムされていた。こういった努力をしても無駄だったのだ。
 この科学者はペンタゴンの過失と能力のなさを非難した。国防副長官らとの会合では、彼らがミサイル防衛局でなにが行われているのか知らないことにこの科学者は気づいた。
 現在の時点では、アメリカはミサイル防衛システムを持ち合わせていない。ブッシュ政権はアラスカに46基の迎撃ミサイル基地を展開する計画を立てたが、その数は30基に減った。その他のすべてのミサイルは、アメリカ軍当局もその能力に疑問を持っているため、テストされるべきである、とポストル教授は強調した。
 ポストル教授は、ホワイトハウスからの返答をまだ受け取っていないと語った。オバマ政権は急いで返答したくないようだ、と彼は考えている。
 ミサイル防衛局長とワシントンの高位の政治家たちは、行き詰まり状況にあることに気がついているようだ。

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レバノンのスレイマン大統領

◆8月13日

 レバノンに対するイスラエルの脅威が高まっている。2006年におきたイスラエル軍のレバノン侵略では、ヒズボラの巧みな戦いで、却ってイスラエル軍の被害が甚大となり想定外だったということで、イスラエル軍は早々に撤退していった。
 今そのヒズボラが更にレベルアップしてきていて、イスラエルはイランを叩きたいと同時にレバノンのヒズボラも叩いておきたいと考えているようだ。ただし、先回のような目にあわない保証はない。

 レバノンのスレイマン大統領はこのイスラエルの侵略の脅威を前にして、挙国一致内閣の樹立を督促している。これは正しい見解だ。
 常にそうなのだが、イスラエルのやり方は、内部の分裂を誘い、お互いに戦わせる、といういつもの権力者が行う「分断して統治」の方式だ。レバノンではキリスト教徒がイスラエルとつながったりして長い間、内戦状態が続いた。今そのモザイク国家と言われた分裂国家がまとまろうとしている。
 イラクとイランを戦わせたのもそうだ。イラク内部の今の分裂状態もそうだ。イランの今回の選挙騒動も、その裏にはイギリスのMI6やアメリカのCIA、その裏にはイスラエルがいると見ていいだろう。アラブ諸国の穏健派と急進派の分裂の背後にもイスラエルの影がある。だからこの分断して統治は、イギリスのやり方であるが、またイスラエルの常套手段でもあるのだ。

 しかし今やレバノンも目覚めだしている。あのハリリ元首相暗殺事件(2005年2月14日)で、当初疑われたのはシリアだったが、それを指摘した国連の特別調査団の申し立てがあまりに杜撰で、買収されたとしか思えない者の証言には信憑性がないとして、拘留されていたシリア人の容疑者らについて国際特別法廷がその者たちを解放せよと命令し、解放されたというニュースはまだ新しい。

 それとほぼ同時期、大量のイスラエルのスパイ行為が発覚し、イスラエルに雇われたレバノン人などの工作員らが逮捕されている。
 だから、レバノン指導層の内部では、やはり我々の敵はイスラエルだ、という認識が強まってきているのだ。それが下記のニュースにもあるように、いまやヒズボラ(イスラム教徒)とキリスト教徒とが連携し共同行動をとるようになってきているのだ。
 
 自分たちの本当の敵が誰かを明確に指摘したスレイマン大統領の指摘は、まさに目覚めつつあるレバノンを象徴していると言えよう。


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●レバノン大統領:イスラエルの侵略の脅威を前に政府の一体化が必要
【8月11日 Anti.War.Com】
 レバノン南部に対するイスラエルからの脅威が高まることを指摘し、レバノンのミシェル・スレイマン大統領は、イスラエルからの繰り返えされる攻撃の脅威のため、“統一国民政府”の形成が必要とされるに至った、と述べた。
 レバノンは先月末、新しい攻撃を想定して軍を臨戦態勢に置いた。
 ヒズボラがレバノンの連立政権に入ることを予想し、イスラエル政府は最近脅しを繰り返している。これに対し、ネタニヤフ・イスラエル首相は、ヒズボラによるいかなる動きも、その結果はレバノンが“支払わねばならない”と発言した。
スレイマン大統領のキリスト教徒の支持者らは、今年はじめの選挙で政権をとることができなかったヒズボラの一角を占めている。
 ネタニヤフ首相はあらゆるうわさを“メディアの嵐だ”と打ち消して、レバノン国境ではなんら特別なことは起きていない、と強調した。
 昨日、イスラエルの戦車がレバノン国境に向かって進軍していったという報告があった。このためレバノン側では、高度な待機状態が敷かれた。
 2006年、ヒズボラが2人のイスラエル兵士を捕まえた後、イスラエルはレバノンを侵略し、千人を超える、殆どは市民を殺害した。
 侵略軍と交戦したヒズボラとは違って、レバノン軍はあの戦争の埒外にいた


●ヒズボラの攻撃あればレバノンの責任、と警告―イスラエル首相
 ヒズボラは「我々はより強い」とけん制
 【8月11日 世界日報】ネタニヤフ・イスラエル首相は10日、レバノンのイラン系イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラがレバノン軍の中に入り、イスラエルを攻撃した場合、いかなるヒズボラからの攻撃も、レバノン政府に責任があると見る、と語り、レバノン政府に対し、警告した。
 イスラエルとヒズボラ間の緊張の高まりが指摘される中、レバノン政府によるヒズボラの行動の管理強化を求めたものとみられる。
 それに対しヒズボラの対外関係責任者のイマド・ムサウィ氏は11日、ヒズボラは先回の戦いの時以上に強くなっている、と語り、イスラエルを牽制(けんせい)した。
 レバノンでは現在、先の総選挙で勝利したサード・ハリリ未来運動党首を首班とする組閣が進められており、ヒズボラからの入閣も予想されている。
 2006年のイスラエルとヒズボラの戦いではレバノン人1200人と、イスラエル人158人が死亡した。

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◆8月12日

 金の価格が上昇している。現在1オンス950ドル付近である。最近ヨーロッパの中央銀行が今後5年間の金の売却の枠を決めたそうだ。年間400トンを超えない、という。反対から言えば、毎年400トンまでは売却するぞ、と言っていることにもなる。どうもそれが本音らしい、というのが下の論説の指摘しているところだ。
 つまりこれから金は毎年400トンが市場に出回るので、金価格は下がるぞ、ということを言いたいらしい、というのだ。しかしアメリカの今回の赤字支出で新たに投入されたドルは6兆ドルから12兆ドルで、これは20万トンの金の分量となる、という。つまり、今回ヨーロッパの銀行家らが売却を示唆した金の分量(5年間で2000トン)の100倍の量なので、いくら中央銀行が金を市場に放出しても、その100倍の量のドルが更に投入されているのだから、対ドル比でやはり金価格は上昇せざるを得ないだろう、という指摘だ。


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●ゴールドと欧州の中央銀行
【8月10日 by Charles E. Carlson】
 AP通信によれば、ヨーロッパ中央銀行、スイス国営銀行、スベリゲス・リクスバンクを含むヨーロッパ19カ国の中央銀行は、金(きん)の販売で5年間上限を設けることに合意した。これらの銀行は、年間の金の売却量は今後5年間は400トンを超えないこと、合計で2000トンを超えないと決定した。
 このスイス国営銀行は予測できる将来での金の売却の計画はないと語った。保有金の量は1040トンで準備金のかなりの部分を金で保有していることになる。 (http://news.ino.com/headlines/?newsid=80720090545)

 この19のヨーロッパの中央銀行による合意の意義は、何か?
 我々の銀行口座に通貨を保有している方々のコミットメントに関しては、ヨーロッパ中央銀行が金の合意をしたと言う、その声明発表は、中央銀行はそれを変更でき、あるいは無視もできるので意味を成さず、彼らが何をしているかを我々に告げる必要もない。
 この発表は、何トンもの金が市場に放出されることになり、価格は不安定になるから、ドルに比較すれば投資魅力に欠けるものである、ということを我々に納得させようとするものなのだ。
 個別の声明発表をしたのはスイスの中央銀行だけということを注目したい。この銀行は比較的大量の金を保有している(1040トン)。彼らの声明によれば金の売却計画はないという。
 スイス銀行も含め、いかなる中央銀行の言うことも信じる理由はないのだが、毎年400トン売却する、と発表した意義を吟味しよう。
 1トンの金がいくらするかから見てみることにする。これは21歳のフットボーラー、マイケル・クラブツリーが要求したボーナスの額とほぼ同じだ。彼は、チームのマネージメント側がオファーした2000万ドル(2/3トンの金価格に相当)以上を約束してくれねば、チームに加わらないと言っている。
 これで計算することにする。1トンの金は約32500オンスだ。これに今の金の価格である1オンス950ドルを掛けると、1トンの価格は約3050万ドルとなる。これがクラブツリー選手が自分の価値と考えている額だ。400トンの金を毎年売却すれば、 NFLの1年間の費用を十分まかなえるだろう。あるいはウォールストリートのいくらかの銀行家の重役のボーナスの額、何人かは毎年4トン分の金の価格分を受け取っている。
 従って、2000トンすべてを5年間で売却するとすれば、現在のレートで計算して、650億ドルほどになる(320万ドル/トン×2000トン)

 2000トン全てが5年で売却されれば、現在のレートで計算して650億ドルとなるが、この12ヶ月だけで米財務省と連邦準備銀行(ヨーロッパの中央銀行は含まないで)が印刷し、どこかで使用した6兆ドル~12兆ドルから見れば、それでもわずかなものだ。
 何兆が正しい数字なのかということを議論するのは殆ど意味がない。それは、また1年か2年すれば足りなくなるからだ。
 ワシントンの財務省とニューヨークの連邦準備銀行が使っているドルの金額を金にして数えると、6兆ドルというのは1オンス950ドルとして20万トンの金の分量となるが、これはヨーロッパの銀行家らが売却を示唆した金の分量の100倍の量だ。またこれは失われた金、金歯、めがねの金のフレームなども含めて、世界で産出したとされる金の分量の2倍くらいになる。

 世界金評議会(World Gold Coucil)によれば、世界中の政府でほぼ3万トンの金を保有しているという(アメリカは8000トン)。また人類史が始まってから今までに世界で産出された金の分量はたったの11万トンである。だから、連邦準備銀行と財務省は1年間で、世界の政府が保有している金を7回から14回(どの赤字支出の数字を使用するかで異なる)買うことのできるだけのお金を借りたり、印刷したというのが我々の推定だ。
 それで、金、中央銀行、フットボール選手はどう関係しているのか?高利貸しは聖書の言葉では、持っているお金の価値を薄めることで、お金を持っている人を騙すことを指す。 もしあなたが金のコレクションを持っているとして、(もし幸運にも持っていればだが)、中央銀行の宣伝工作のためドル建て勘定で価格が下がったとしてもあまり心配されるな、と言いたい。発展途上国や中国、ロシア、それにインドなどは中央銀行が売る速度より速く金を購入しているのだから。

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南オセチアのツヒンバリにあるロシア軍基地

◆8月11日

 南オセチアでのロシア軍とグルジア軍との紛争から1年が経過したが、現在再び緊張が高まっている。以下にみるようにどうもグルジアは軍備を整え、リベンジ戦を行う可能性があるようだ。
 サーカシビリ大統領は1年前の戦争のため、南オセチアとアブハジアをロシアに取られた格好となったため、あの戦争はやぶへびとなってしまっている。そして国内的には彼の「バラ革命」以来の人気はすっかり影をひそめ、いまや政権を追われかねない状況に追い込まれている。
 それで再び戦争を起こすことで、国内の締め付けと外部に国内の不満をそらせるという権力の常套手段を用いようとしているのかもしれない。
 グルジアは「バラ革命」の資金がアメリカからきたように基本的にはアメリカの子飼いの政権となっている。これにイスラエルが独自の思惑からグルジアに対する軍事的支援をしてきている。イランを叩くためにもグルジアの存在が有用と見ている。特に南オセチアにある二つの飛行場からイランに向けて爆撃機が飛び立つことができる。それをロシアから奪回したいと考えているかもしれない。


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●グルジアは新たな戦争準備をしている―脱走兵
【8月6日 Russia Today】
 グルジア軍を脱走した兵士が今ロシアに来て、昨年南オセチアを攻撃した時のように、アメリカ軍事教官が現在グルジア軍を新しい戦争のための準備として訓練をしている、と語った。 エドゥアルド・コロツコフは、南オセチア紛争の起きる前、グルジア軍のロシア平和維持軍に対する挑発、米軍の供給した武器、グルジア軍の捕虜に対する射撃があったことを語った。以下、証言の内容である。

 エドゥアルド・コロツコフ(E・K):私の名前は、コロツコフ・エドゥアルド・イゴレヴィッチ、1981年7月27日生まれ。2007年8月からグルジア軍第4旅団42大隊で軍曹として大隊長を務めていました。
質問:何らかの作戦に携わりましたか?
E・K:いいえ、その前に脱走しました。
質問:紛争の始まる前、グルジア・オセチア紛争地帯で、平和維持軍として任務に付いていたはずだが、その時のことを話してください。
E・K:オセチアの村のツシヌリ一帯に駐屯していました。車両の検査、身分証明書類と持ち物検査、また任務の遂行方法、拳銃および突撃銃の訓練をしていました。我々は一切の必要な武器を持っています。多くの兵器を持っているのです。
 山の頂上に行きアブレリの村の警備をしました。2007年12月のことを思い出します。正確な日付は忘れましたが、アブハジアで何か始まったらしいと知らされました。我々のいた山の頂上には、ロシアの平和維持軍がいました。
 それで我々が受けた訓練では、夜間、何かが起きたら、すぐ飛び出てロシア軍より早くやることでした。我々の携帯電話は取り上げられ、大隊全体で戦争開始の話となりました。我々は準備はできていました。弾薬の追加がありました。包帯や医薬品を背嚢に入れて、準備をしました。
質問:ロシア軍に対抗するためですか?
E・K:ロシア軍に対抗するためです。我々のほかにはロシアからの平和維持軍しかいませんでした。オセチア人はいませんでした。1ヶ月後に我々はニコジに移動となりました。そこから隠密にロシアの平和維持軍の前哨基地のあるイグネチに行きました。そこではロシア平和維持軍が兵員と我々の兵器を記録していたのです。夜間寒い気候の中、グルジアの内務特別部隊と共にそこに立っていました。この部隊もあらゆる武器を持っていました。我々と同様の、大隊分の一切の軍需物資を持っていました。
質問:彼らは挑発したのか?
E・K:はい、やりました。グルジアの特別部隊は「やって来いよ、撃ってみろ」とか「怖がるなよ」などとロシア軍に向かって言っていました。まさにその場から進軍していきました。
質問:村に進軍したのですか?
E・K:そうです。
質問:特に2008年8月の事件について何か語ってくれますか?
E・K:戦争後、カフテチから来た友人と会いました。彼らは「お前が脱走した後、アメリカ人の教官が来て、2ヶ月の訓練をした」と言いました。アメリカからM-16ライフル銃を含むさまざまな武器が供給されたそうです。ハマー(車両)もあったそうです。それで彼らがいうには戦争準備だろう、と言っていました。
 そして皆言っていましたが、我々のような大隊はこの村にはいないようです。我々はヌニタナ村とニタグリ村を占領するために送られたのです。その後、ツヒンバリに入りました。
質問:ロシア人パイロットについて何か語ってください
E・K:ロシア人パイロットについてはあまり知りませんが、小さなことですがあります。例えば、グルジアの平和維持部隊につかまった者は負傷していました。彼は司法省にいる私の友人が警護していました。病院の中です。
 もう一人の話を聞きました。彼は生きて捕虜になったのですが、射殺されどこかに埋められているようです。正確な場所はわかりません。ロシアからクレームを受けないようにするため、跡を残さないようにしたのです。私の知っていることは、生きて捕虜になった兵士が射殺され埋められた、ということです。
 もう一人の方は、後になって、グルジア平和部隊に誰かと捕虜交換されたようです。
質問:将来の計画は何か?
E・K:最初に、グルジアにはもう住むことはできないと思います。ロシア連邦大統領に私にロシア国籍を与えてくれるようお願いしたいです。私は普通の生活を送りたいのです。グルジアにはもう戻りません。。私は連れ戻されるくらいなら、死んだほうがましです。彼らは皆戦争準備と訓練で忙しいのです。
質問:戦争をするためか?
E・K:そうです。戦争をするため。教官は次から次と戦争の仕方を教えたり、武器の扱い方を教えるために来ています。バツミには武器を満載した船がきていました。国中で戦争が再びあるぞ、という話題で一杯です。サーカシビリは戦争準備に入っています。だから私はグルジアには住みたくないのです。

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法廷におけるイギリス大使館のイラン人職員

◆8月10日

 駐イラン・イギリス大使館のイラン人職員が、イランで暴動を起こすために活動していた、と“自白”したことで、イギリスとイランの関係が更に悪化したようだ。
 イギリス側はこれは強制された自白だ、とイラン側を非難している。以前、この大統領選挙後に騒乱問題で、アメリカのCIAが工作をし、それに投入した金額は400億円ほどである、と指摘したことがあった。
 しかし改革派のジャンヌ・ダルクだなどと祭り上げられた、狙撃され死亡したネダ・アグハ・ソルタン嬢をそばにいて蘇生のためのの努力をした医者がすぐイギリスに飛び、BBCにその体験談を語っていることに不信感を覚えたが、このようにイギリスがやはりイラン政権打倒を目論んでいたが失敗した、ということのようだ。

 勿論イラン政府を非難しているイギリスの「でっちあげ」だという主張の方が正しいかもしれない。しかし今までのイギリスその他欧米のやり方を見ると、どうも今回もやはり欧米諸国の謀略であったと見るほうが実は真実に近いと思う。特にアメリカのCIAが400億円ほどをこのイランでの工作に投入した、と言われているのだから、イギリスが同じく工作をしていた可能性は極めて高い。
 
 欧米のメディアが、政権側の怪しい点のみ強調し、その反対をやらないから、どうしても見方は政権側の不正(あったかなかったのかわからないのだが)のみが目立つようになってしまっただけで、改革派のムサビ氏とそのグループ周辺でのおかしな点などを追求した大手メディアの報道にはお目にかかったことはない。なかったからではなく、あったけれど社として掲載しなかったということではないだろうか。


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●大使館職員:暴動におけるイギリスの役割を自白
【8月9日 The Sunday Times】
 イギリスのイランとの不安な関係は昨日、大使館職員の裁判でのスパイ活動をしたという“告白”を通して更に悪化した。彼は、イギリスはイランの改革派の者たちに、タカ派の神政政権の打倒を支援するため、選挙期間中に資金供給をした、と語った。
 大使館の政治アナリストのホセイン・ラサムは、予算として30万ポンドが大使館によって政治グループ、個人あるいは活動家らとの接触用に渡されたという。
 彼は彼自身も、ムサビ氏の選挙事務所と共に選挙前に個人的にそのような接触をなしたと述べた。このムサビ氏は改革派候補で、選挙で勝利したのにアハメドネジャド大統領にその勝利を奪われたと主張している人物だ。
 「私の主なる責任分野は個人的な、ないしは影響力のある党と政治グループとの接触を通してテヘランその他の市の情報を収集し、その報告をイギリスに送ることだった」と語った。

彼は、イギリスのイランに対する敵対的姿勢のため、またこれが暴露されることへの恐れから、大使館はイラン人職員を雇い入れそのような接触を持たせた、と語った。
 ラサムはテヘランの革命広場での大衆裁判のショーで、暴動やスパイ行為、あるいは“ソフトな政府転覆”を図ったという容疑の数十人の反対派の者たちと共にパレードさせられた。イランではスパイ行為は死刑になりうる犯罪である。
 彼の出現は、イギリス外務省は把握していなかった。最初に大使館が知ったのは、裁判のテレビ放送で外交官らが彼を見つけた時だ。外務省は、彼の裁判は“暴挙”であり、選挙後の騒乱時に逮捕していた彼と他の8人の職員を解放した後にイラン当局から受けた確約に違反するものだと語った。
 ラサムはフランス人女性のクロチルド・レイスと共にパレードさせられた。このレイスは大学の教育助手として5ヶ月を過ごした後、テヘランを出国する時、7月1日に逮捕された。彼女は情報収集と暴動教唆で告訴されている。フランスは彼女に対する申し立ては“完璧に根拠ないものだ”と言っている。
 ラサムとレイスの裁判は、 反対派は特に米英など欧米が、イランのイスラム的なシステムを転覆するための革命を惹起しようとして利用した道具である、ということを示そうという神政政権の決意を示している。
 人権グループと政権反対派は、これをでっち上げだとし、自白は当局による強制によって書かれたものだ、と語った。



●駐イラン英仏大使館職員ら、騒乱めぐる裁判で出廷
【8月9日 CNN】
 6月のイラン大統領選を受けた騒乱に関与したとされる駐イラン英大使館と仏大使館の職員、フランス人学者の3人が8日、首都テヘラン市内の革命裁判所に出廷した。欧州連合(EU)と英仏両国は、イランの措置を厳しく批判した。
 3人はこの日再開された騒乱をめぐる審理で、裁判所に出廷した被告100人に含まれている。現在スウェーデンが議長国を務めるEUは声明を発表し、加盟国の国民や大使館職員に対するこうした措置を、EU全体に向けられたものと見なし、適宜対応すると述べた。
 英外務省も言語道断だとして、イランの審理を非難。仏外務省は、大使館職員と学者の罪状は事実無根だとして、2人の釈放を求めた。駐イラン仏大使館は、審理の傍聴について何も事前に通知されず、許可もされていない。出廷した大使館職員と学者はいずれも女性で、弁護士はついていないという。
 イランのファルス通信は、フランス人学者が罪状を認め、恩赦を求めたと伝えた。人権団体とイラン改革派の指導者らは、政府が自白を強要したと非難している。

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