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法廷におけるイギリス大使館のイラン人職員
◆8月10日
駐イラン・イギリス大使館のイラン人職員が、イランで暴動を起こすために活動していた、と“自白”したことで、イギリスとイランの関係が更に悪化したようだ。
イギリス側はこれは強制された自白だ、とイラン側を非難している。以前、この大統領選挙後に騒乱問題で、アメリカのCIAが工作をし、それに投入した金額は400億円ほどである、と指摘したことがあった。
しかし改革派のジャンヌ・ダルクだなどと祭り上げられた、狙撃され死亡したネダ・アグハ・ソルタン嬢をそばにいて蘇生のためのの努力をした医者がすぐイギリスに飛び、BBCにその体験談を語っていることに不信感を覚えたが、このようにイギリスがやはりイラン政権打倒を目論んでいたが失敗した、ということのようだ。
勿論イラン政府を非難しているイギリスの「でっちあげ」だという主張の方が正しいかもしれない。しかし今までのイギリスその他欧米のやり方を見ると、どうも今回もやはり欧米諸国の謀略であったと見るほうが実は真実に近いと思う。特にアメリカのCIAが400億円ほどをこのイランでの工作に投入した、と言われているのだから、イギリスが同じく工作をしていた可能性は極めて高い。
欧米のメディアが、政権側の怪しい点のみ強調し、その反対をやらないから、どうしても見方は政権側の不正(あったかなかったのかわからないのだが)のみが目立つようになってしまっただけで、改革派のムサビ氏とそのグループ周辺でのおかしな点などを追求した大手メディアの報道にはお目にかかったことはない。なかったからではなく、あったけれど社として掲載しなかったということではないだろうか。
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●大使館職員:暴動におけるイギリスの役割を自白
【8月9日 The Sunday Times】
イギリスのイランとの不安な関係は昨日、大使館職員の裁判でのスパイ活動をしたという“告白”を通して更に悪化した。彼は、イギリスはイランの改革派の者たちに、タカ派の神政政権の打倒を支援するため、選挙期間中に資金供給をした、と語った。
大使館の政治アナリストのホセイン・ラサムは、予算として30万ポンドが大使館によって政治グループ、個人あるいは活動家らとの接触用に渡されたという。
彼は彼自身も、ムサビ氏の選挙事務所と共に選挙前に個人的にそのような接触をなしたと述べた。このムサビ氏は改革派候補で、選挙で勝利したのにアハメドネジャド大統領にその勝利を奪われたと主張している人物だ。
「私の主なる責任分野は個人的な、ないしは影響力のある党と政治グループとの接触を通してテヘランその他の市の情報を収集し、その報告をイギリスに送ることだった」と語った。
彼は、イギリスのイランに対する敵対的姿勢のため、またこれが暴露されることへの恐れから、大使館はイラン人職員を雇い入れそのような接触を持たせた、と語った。
ラサムはテヘランの革命広場での大衆裁判のショーで、暴動やスパイ行為、あるいは“ソフトな政府転覆”を図ったという容疑の数十人の反対派の者たちと共にパレードさせられた。イランではスパイ行為は死刑になりうる犯罪である。
彼の出現は、イギリス外務省は把握していなかった。最初に大使館が知ったのは、裁判のテレビ放送で外交官らが彼を見つけた時だ。外務省は、彼の裁判は“暴挙”であり、選挙後の騒乱時に逮捕していた彼と他の8人の職員を解放した後にイラン当局から受けた確約に違反するものだと語った。
ラサムはフランス人女性のクロチルド・レイスと共にパレードさせられた。このレイスは大学の教育助手として5ヶ月を過ごした後、テヘランを出国する時、7月1日に逮捕された。彼女は情報収集と暴動教唆で告訴されている。フランスは彼女に対する申し立ては“完璧に根拠ないものだ”と言っている。
ラサムとレイスの裁判は、 反対派は特に米英など欧米が、イランのイスラム的なシステムを転覆するための革命を惹起しようとして利用した道具である、ということを示そうという神政政権の決意を示している。
人権グループと政権反対派は、これをでっち上げだとし、自白は当局による強制によって書かれたものだ、と語った。
●駐イラン英仏大使館職員ら、騒乱めぐる裁判で出廷
【8月9日 CNN】
6月のイラン大統領選を受けた騒乱に関与したとされる駐イラン英大使館と仏大使館の職員、フランス人学者の3人が8日、首都テヘラン市内の革命裁判所に出廷した。欧州連合(EU)と英仏両国は、イランの措置を厳しく批判した。
3人はこの日再開された騒乱をめぐる審理で、裁判所に出廷した被告100人に含まれている。現在スウェーデンが議長国を務めるEUは声明を発表し、加盟国の国民や大使館職員に対するこうした措置を、EU全体に向けられたものと見なし、適宜対応すると述べた。
英外務省も言語道断だとして、イランの審理を非難。仏外務省は、大使館職員と学者の罪状は事実無根だとして、2人の釈放を求めた。駐イラン仏大使館は、審理の傍聴について何も事前に通知されず、許可もされていない。出廷した大使館職員と学者はいずれも女性で、弁護士はついていないという。
イランのファルス通信は、フランス人学者が罪状を認め、恩赦を求めたと伝えた。人権団体とイラン改革派の指導者らは、政府が自白を強要したと非難している。
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