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新しい対テロ対策を語るオバマ大統領
◆8月8日
イランの大統領選挙後にその選挙の正当性をめぐって騒乱が生じた時、イスラエルはアメリカに対し、イラン攻撃を許可するよう要請していた、という。
これはアメリカが無視したため、イスラエルは結果的には攻撃を断念した、というのだが、確認はされていないが、もし本当だとすれば、我々はまったく中東大戦争、ひいては第3次世界大戦の敷居にまできていたことになりそうだ。
このイスラエルのイラン攻撃への許可要請に、今のオバマ政権が反対ではなく、無視を示したことは少々頼りないが、ともかくも戦争が始まらなかっただけでも諒としたい。
ひょっとしてそのような情報がオバマ大統領にまで届いていたのであろうか、という疑問が残るのだが。つまり情報を遅らせることで、イスラエルの判断で攻撃を始めることを可能とする動きがあったのではないだろうか、という疑念が残るのだ。情報の伝達が遅れた、という口実は作れる。まさか大統領に代わって、偽のゴーサインを出すのは危険だが、情報の伝達遅れならば、話としては可能であろう。
下段にあるようにBBC放送で示された、ブレナン補佐官のアメリカの対テロ政策の方針転換の話にもあるように、オバマ政権は軍事力を極力使用しない方式で、外国その他の勢力との関係を作っていこうとしている。これはネオコンに引きずられたブッシュ政権の「武断政治」から比べれば雲泥の差というか、まさにアメリカの「様変わり」を象徴することである。
この武断外交からソフトな対話外交へのアメリカの外交方式の転換に戸惑っているのがイスラエルである。今までどおりのやり方ではアメリカと齟齬をきたす、ということは明らかだからだ。いや齟齬をきたすどころか、いまやイスラエルとアメリカとはほとんど対立的になってしまっている。敵対的とはまだ言わないが。
こうして、いよいよイスラエルがその生存を賭けて、アメリカと対立しながらでもイランを叩きにいくのか、あるいはアメリカと結局は歩調をあわせて、対話・外交方針に自分たちも転換していくのか、決断を下すべき時が迫ってきている。
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●イスラエルはイランの騒乱時、攻撃を計画
【8月7日 ynetnews.com】
クウェートの新聞は、エルサレム在のアメリカ人外交官が、イスラエルはオバマ政府に対し、選挙後混乱状態が続いているイランに対し、核施設への攻撃の許可を願い出たが、アメリカ政府はその要求を無視したため、イスラエルは計画を撤回した、と言ったと報道した。
先月イスラエルはアメリカに、イランの核施設への攻撃の許可を願い出た、とクウェートの新聞 「al-Jarida 」紙が7日、報道した。この新聞は「エルサレム在のアメリカ人外交官」の話として伝えたが、確認はされていない。
イランの大統領選挙後に騒乱が生じた時、イスラエルはアメリカに対し、イランの核施設ならびに重要拠点への攻撃に対する許可を願い出たという。
この外交官によると、アメリカ政府はこのシモン・ペレス大統領のサインの入った書簡でネタニエフ首相により送られたイスラエル政府からの要請を無視したという。
この外交官によれば、イスラエルはイランを激しく叩きたいという意思は固かったが、アメリカの好意的反応がなかったことで、イスラエルは攻撃に踏み出すことができず、中止するにいたった。
また、ホワイトハウスは、イランのアハマディネジャド大統領の再選の承認を撤回した点について、「イスラエルとアラブからの圧力があった」という。「穏健派アラブ諸国はわれわれがアハマディネジャド氏を承認することを願っていない」という。
●アメリカは対テロ戦略を説明
【8月6日 BBC】
オバマ大統領は対テロリズムの新しい戦略を採用しだしている。対テロ対策補佐官は、アメリカは暴力的な急進主義に対する新しい対処法を練りつつある、と語った。
政策説明講演で、ジョン・ブレナン氏は、アメリカは今後「テロとの戦争」という言葉使いは使用しない、と述べた。
また、水攻めなどの尋問のやり方も採らないという。
今は外交、対話によって問題の解決を図る時だ、と語った。
オバマ氏の国土安全保障および対テロ補佐官であるブレナン氏は、アメリカは何に反対している国家か、ではなく何に賛成している国家か、という観点で判断されるべきだ、と語った。
◆ソフトパワー
彼は政策におけると同様、言葉使いにも根本的な変更がなされている、と語った。その証拠に、ブレナン氏は、オバマ大統領のイスラム世界に対する姿勢を挙げた。
そしてブレナン氏は、アメリカ人を保護するという優先事項があるが、アメリカは軍事力と対テロ作戦だけに頼ることはしない、と言う。
「我々は、見たところ解決困難で当然と思われる不平不満も、外交、対話、民主的手法で解決することができることを示すために我々の力を投入する」
彼は「ソフトパワー」がオバマ政権の中心にある、と語った。
BBCのワシントン特派員のジョナサン・ビール氏は、ブレナン氏がかつてCIAが使用したテクニックを非難している点が方針として注目されるべきだ、と語った。ブレナン氏は、情報機関の長としてオバマ大統領が指名しようとした数少ない人々の内の一人だ。
しかしこの元CIA職員はテロリストの容疑者に対する尋問での役割を追求された時辞職した。
6日の講演で、ブレナン氏は水攻めなどのやり方は急進主義者にとっては仲間を誘う“もってこいの材料”に使われたと語り、このようなことは却ってアメリカの安全保障にとってマイナスとなる、と語った。
ディック・チェイニー氏など共和党の反対派の人々は、このアメリカの政策の転換はアメリカの安全保障にとってマイナスになる、と懸念を表明した。
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