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中国が23日発表した防空識別圏に無許可で進入した米軍のB-52爆撃機


◆11月28日

 中国が23日、防空識別圏を東シナ海の尖閣諸島を含む空域に拡大した直後、アメリカのB-52爆撃機二機が、まさにその真新しい防空識別圏内にゆうゆうと進入、2時間22分に渡って飛行したことで、中国軍はしょっぱなからその権威を丸つぶれにされた。

 これは中国が、防空識別圏を尖閣諸島上空をも含む空域に設定することで、もしも日本が今までのように自衛隊機などをスクランブル発進させることを控えめにするようにするかどうかも含めて、対応を見ようとしたのであり、自衛隊が衝突など不測の事態を恐れて出動を控えめにするような気配があれば、逆に中国軍機を発進させ、徐々に尖閣諸島上空の制空権を握ろうという魂胆もあったはずだ。

 ところが、中国の発表直後に、直接アメリカ軍が行動に出て、新設の識別圏を何事も無かったかのように無視して飛行したことで、最初の段階で中国はその面子を潰されたのであり、今後、米機と日本の空自機とが一緒に飛行し、進入を繰り返し、次第に空自機の数を増やすようにすれば、中国は手も足も出ないまま、防空識別圏は有名無実の代物になるであろう。

 そうはさせじと、いつかの段階で中国軍が挑戦するような行動に出れば、それをチャンスとして米軍は中国を完膚なきまでに叩く秘策がありそうだ。要するに、今回のアメリカ軍の行動は、事態が悪化したとしても、断固として、とことんやる気である、というメッセージも含まれてのことと思われるからだ。

 この時期、11月22日が命日のジョン・F・ケネディ大統領の娘さんのキャロライン・ケネディ女史が駐日大使として赴任したが、彼女はアメリカの至宝のような存在であり、その彼女が自分が奉仕したい国は日本以外には無い、と発言し、また「米国の同盟国で日本以上に重要な国はない」とも発言されたのであり、その直後の中国のこの動きであるから、女史の対応もすばやかったし、日米が強力な一体感を示しながら、中国に対して毅然とした態度を示すことができたことは重要である。これは、今後の日米関係と対中国の姿勢が明らかになった瞬間であろう。

 こういうことが国家の運勢ともいうべきもので、中国がこのような時期にあのような行動に出ることで、自らの独裁政権崩壊の時期を早めたことになったと解せる。これは時間の経過と共に、明らかになっていくものと思われる。尚、尖閣諸島問題については、このブログでは2012年10月2日号「尖閣問題と今後の展開・伊勢白山道の霊視的解釈を軸に」で、示した内容がある。やはり予想されたように、2013年に物騒な方向に動き出したことは注目していいだろう。

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●米爆撃機:中国の「防空識別圏」に無許可で進入
http://www.theguardian.com/world/2013/nov/26/us-warplanes-defy-china-b-52-flyover
【11月27日 Spencer Ackerman — Guardian.co.uk】

 アメリカの軍用機が中国が主張する防空識別圏に対して25日、直接的な挑戦を行い、論争の的となっている列島上空を劇的に問題を起こさせること無く飛行した。

 この侵入は週末にかけて成されたチャック・ヘーゲル国防長官の痛烈な声明の直後に成されたものだ。長官は中国の防空圏の東シナ海への拡張を区域の安定に対する挑発的な脅しとして拒絶していた。

 しかしペンタゴン(国防総省)は26日、今回の上空飛行は中国の宣言に対する反応ではない、と主張した。

 国防総省スポークスマンのトム・クロッソン中佐は、航空機は武装はしておらず、「ずっと以前からの訓練の一環として」飛行が行われたと語った。中国側はいかなる形においても、この航空機の飛行に挑戦するようなことはしなかった、とクロッソンは語った。また飛行士たちは中国側になんらの通告もしなかった、と語った。

 中国は27日、この航空機は識別圏内を飛行した2時間22分間、探知され監視されていたと語り、最初の控えめな反応を示した。中国国防部の声明では、あらゆるこの種の飛行は監視されるだろうとし、中国は空域をコントロールする能力を持っていることを主張した。しかし、この声明は要請通りに情報提供しない航空機に対し行動を起こすという中国政府の脅しについては言及しなかった。

 戦略国際問題研究所( CSIS )のニック・セチェーニは以前以下の予想をしていた:「中国が多くの仰々しい声明を発表するであろう。それは挑発である」。中国政府はしばしば国際的批判あるいは国家主権に対する軽蔑を感じた時、国営メディアで荒々しい社説を発表するよう命令することで反応してきた。もっともそのような反応は何日も発表されないことがあるが。

 アメリカ海軍艦船が台湾海峡をしばしば通過するが、アメリカ軍が中国が主張する領海で軍事力を誇示するようなことは非常に稀なことだ。何年もペンタゴンはこの地域で壊滅的なことになりかねない誤解を避けるため、軍と軍との直接的な交信チャネルについて議論してきたが失敗している。

 最初はウォール・ストリート・ジャーナル紙が、アメリカ空軍の二機のB-52爆撃機がグァムの基地から中国の釣魚島、日本では尖閣諸島と言われる諸島上空を飛行したと報じた。両国はこの列島と付近の石油・ガス田の領有を主張している。また両国は主張の食い違いから両国民に対し、海空域で互いに取締を行ってきた。

 しかし中国の、東シナ海に防空識別圏を拡張するという23日の宣言は、それに付随している、中国は無許可の航空機を撃墜するという示唆と共に、ヘーゲル長官の痛烈な非難を受けた。

 「我々はこの動きを現状を変更させるための不安定化の試みと見る」と、ヘーゲルは週末、声明の中で語った。「この一方的な行動は誤解と誤算のリスクを増幅せしめる」と彼は語った。 

 ヘーゲルは中国に対し、アメリカ軍の西太平洋における作戦は、「いかなる変更もない」と警告した。空軍機の飛行は、ずっと前から決められてあった訓練飛行であっても、ヘーゲルの宣言の最初の明確な示威行動である

 クロッソンはこの訓練飛行のことを、二機はグァムから飛び立ち帰還したと言うに留まった。

 クロッソンはこれは、中国の防空識別圏の拡張に対する「反応ではない」と語った。

 中国がこれをアメリカの反応とみているかどうかは定かでない。中国外交部は26日、ヘーゲルの声明を「無責任」であると非難した。

 中国の地域軍事強国としての台頭は、ペンタゴンを長い事悩ましてきている。ペンタゴンは中国を潜在的パートナーであると見ていると事ある毎に言ってきた。統合参謀本部元議長のマイク・ムラン提督は、米中の両軍の間に起こりうる誤解を避けるための直接的交信チャネルを設置をしようとしても手応えが無かったことを嘆いていた。

 中国は来年の太平洋の軍事演習にアメリカ海軍と地域の同盟国と共に参加することが期待されている。中国は3月、リムに初めて参加するであろうと述べていたのは、米中の軍事的連帯が強まる兆しと見られた。

 米軍の中国軍に対する似たような挑戦的態度は、この二十年近くなかったことだ。

 戦略国際問題研究所( CSIS )のニック・セチェーニは、1996年の「台湾海峡の危機」を思い出す。その時、最近の出来事に相似する中国軍の連続的な増強に対応してアメリカは二隻の空母を台湾海峡に派遣したことがあった。 

 「アメリカは繰り返し、現状を変更させるようないかなる一方的な動きも認めることは無い、と語ってきたし、今回のことは即座にそのような動きであると認識されたのだ」と彼は語った。

 「中国と真剣に向き合う事は、中国の台頭は歓迎されていると理解してもらう上で非常に重要である。しかし、裏では中国に対し、不安定にさせかねないような動きは取らないよう説得する必要があるのだ」と彼は語った。

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EU外交政策担当のカトリーヌ・アシュトンとイラン代表団

◆11月27日

 イランと世界の列強との間で核に関する合意が成されたことで、イスラエルのイラン攻撃というシナリオは実現しにくくなったと思われる。世界の列強の中には、別の件では対立する事が多い、米・英・仏・独とロシア・中国が含まれているから、要するに世界全体を代表しているともいえるからだ。

 そんな中、イランという特定の国家に対し、敵対的姿勢を持つのが、中東で唯一の核保有国でいたいイスラエルと、シーア派の総本山の立場にあるイランに対する、スンニー派のアラブ諸国である。

 今回の合意が暫定的なものであり、これからの六ヶ月を通して包括的な合意にいたるよう、交渉が成されていくが、この期間にこのイランに敵対する勢力が、なにか悪さをしでかす可能性が無いわけではないが、世界の大勢はイランとの正常化であるから、この包括的合意に向かう世界の潮流に逆らうことは自らの国運を失うことに繋がるであろう。

 具体的には、イスラエルがイラン攻撃をなんらかの理由で行えば、イスラエルの存亡の危機になるであろうし、湾岸アラブ諸国がイランに対する謀略を働けば、逆に自国での「民主化」の動きが加速されて、王制が打倒されるようなことになっていくであろう。

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●イラン核合意でイスラエルの攻撃は出鼻をくじかれた
http://www.channelnewsasia.com/news/world/iran-deal-blunts/899226.html
【11月25日 CHANNEL NEWSASIA】

 イランと世界の列強との核合意はイスラエルのイランに対する軍事的脅威を弱める事になったが、イスラエルはそれでもイランに対し外交的、情報的な方法を通して圧力を掛けることができる、とアナリストは語る。

 イランは国連安保理常任理事国+ドイツとのジュネーブにおける長い会議の後、24日になって制裁の限定的解除の代わりに核計画を六ヶ月間は抑制することで合意した。

 欧米諸国はイランが核兵器を製造しようとしているとして非難し、イランはそれを否定してきた。 

 イスラエルのこの合意に対する厳しい反応は、ネタニヤフ首相がユダヤ人国家はこの合意によって「制約させられる」ものではないと強調する点に見られる。また、もしも必要ならばイランが核兵器の能力を獲得することを阻止するため、イスラエルはイランを攻撃するかもしれない、と語った内容に見られる。

 しかし、専門家らは、ジュネーブでの合意は軍事的選択肢をテーブルから除去したことになると語っている。少なくともこれからの六ヶ月間の交渉期間中はそうだ、という。

 「国際社会に関する限り、これからの六ヶ月間は包括的合意が成される期間ということで、イスラエルが行動を執るということは考えにくい」と、テルアビブ大学国家安全保障研究所のエミリー・ランダウ博士は語った。

 イスラエル首相オフィスのイラン問題元アナリストのヨエル・グザンスキーと研究仲間は、同意見である。

 「イスラエルの選択肢は殆どないし、あったとしても限られている」とグザンスキーは語った。

 「ネタニヤフは核合意はイスラエルを縛るものではない、と語った。これはイスラエルが自国を防衛する権利は残している、ということだ」

 「しかし、実際の(軍事的攻撃)のチャンスは、事実上国際社会がイランの側についたことになる合意が成された後では、非常に少なくなった」と彼は語った。

 「合意がイランとP5+1諸国との間でなされたということは、イスラエルが自国だけで行動することを困難にするだろう」と彼は語った。

 しかしながら、これはイスラエルに全く選択肢が無くなったということを意味するものではない。暫定的合意は成功するかどうか分からない次の段階の交渉の道をつけたというものだからだ。

 「オバマが時間を掛けるようにし、イランにこの交渉の期間中は核計画を前進させないようにした計画に関して言えば、今回の合意は(イスラエルのために)余地を残したものと言えなくも無い」とランダウは語った。

 この合意では、イランは核計画で最も疑惑をもたらす分野であるウラン濃縮を、民間のエネルギー用途に使用できるだけの低濃縮度に制限することになっている。

 その代わりにイランは制裁を解除してもらうことで、70億ドルの資金を使用できるようになる。

 「これからの会談がどんな風かを考えれば、過去数週間の会談に関しての流れはまことに穏便なものに思えるだろう」とランダウは語った。

 「素晴らしい合意と言うわけではないが、かといって災害的というわけでもない」と彼は語った。

 テルアビブ大学のイラン問題専門家であるウジ・ラビ博士は、イスラエルはこの暫定期間を利用してイランに対し、外交的、情報的な圧力を掛けるかもしれない、と語った。

 「この六ヶ月間は、イランが経済的に復興する期間となるだろう」とラビは語った。「イスラエルは、それにどう対処すべきか、考えることが求められている」と彼は語った。

 「これは、イランの核への取り組みの中の軍事的内容をさらけ出すような情報的な努力、あるいは合意事項に関してのイランの違反行為を暴露するような努力を含むだろう」

 そしてイランのいかなる失敗もイスラエルにとっては、長期的には軍事的行動を再度要請することを容易にするだろう。

 「イランの核施設に対する攻撃をもしいつかやるとして、国際的正当性(世界列強のお墨付き)はイスラエルの主要な懸念ではない」と彼は語った。

 「アメリカやその他の国の後押しは重要だろうし、イスラエルは少なくとも、彼等の黙認くらいが無ければ行動するのは困難だと分かるだろう」

 「しかしもしいつかイランが、以前やったように他を欺くような事をすれば、恐らくするのではないかと思うが、そうなればイスラエルは別の方法を使用する正当性を得ることになり、『そうなると言ったのだ』、と言えるであろう」とグザンスキーは語った。

 「もしもイスラエルがイランが発表していない秘密の核施設の場所を見つけた場合」イスラエルは行動しやすくなるだろう。

 その間、合意の外交的な影響は、イスラエルとアメリカのアラブ同盟国とは、過去には敵同士ではあったものの、共通のものがあることを知るだろう、とアナリストは語った。

 「中東の同盟国について語れば、(イスラエル、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)は緩やかな同盟だ」とグザンスキーは語った。

 「これらの諸国はイスラエル以上にイランについて心配している」

 「次の六ヶ月間はアメリカ・イスラエルとアメリカ・アラブ諸国の同盟関係に対するテスト期間になる」

 ラビは同意した。

 「サウジアラビアは現在の状況に怒り心頭だ。この地域のアメリカの同盟国が困惑する充分な理由がある」と彼は語った。

 「現在の状況は、同盟関係の変化、というのが最も正しい」

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イスラエルに対し、イランとの核合意を損なうようなことはするな、と釘を刺したヘイグ英外相

◆11月26日

 世界の列強(P5+1)とイランとの間になされた核に関する合意で、イランは原子炉向けの核を保有する権利が認められた格好になったから、これは従来からイランが主張していた内容が認められたことを示す。

 これに対して、イスラエルのネタニヤフ首相が「歴史的失敗だ」と語ったものだから、イギリスのヘイグ外相が、イスラエルに対し、今回の合意を損なうような動きはするなよ、と釘を刺した発言をした。

 ここまではっきりと言われるのは屈辱的なものであろう。イスラエルと同様、今回の合意に不満なサウジアラビアを筆頭とする、スンニー派の湾岸アラブ諸国も、イギリス外相のはっきりとしたこのような発言で、明確な反対工作などをしようという意欲も失せたかもしれない。

 時代の潮流は、このブログの9月26日号の「イスラエルの為の戦争はもうご免だ? (その1)」等で「これからの世界はイスラエル・ユダヤが願う方向なり内容とは異なる方向、内容に世界は向かっていく可能性を感じさせられるのである」と指摘したように、また11月5日号の「アメリカ・イスラエルの不仲が深化か」で示したように、世界はイランとの関係を正常化させる方向に動いているし、それは同時に、それに反対するイスラエルと湾岸アラブ諸国らと世界の列強とが不仲、分裂状態に向かっていることを示している。

 今回、イギリスのヘイグ外相が、イスラエルを名指しで、イランとの核の合意を損なうようなことはするな、と釘を刺したことは、欧米列強の強い決意の表れと見ていいであろう。イスラエルは世界から孤立していく傾向にあることを理解すべきであり、このブログで再三再四指摘してきた流れが現実と成り出したのである。

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●イギリス外相:イスラエルはイラン合意を損なうようなことはするな
http://en.alalam.ir/news/1538166
【11月25日 AL ALAM】

 イギリスのウィリアム・ヘイグ外相は、イスラエルはイランと世界の列強との間で交わされた暫定的核合意事項に対し、それを損なうようないかなる行動も避けるべきである、と語った。 

 世界の指導者らに対して、暫定合意に機会を与えるよう促しながら、ヘイグはこの合意に反対する者たちを理解することは重要である、と語った。しかし、彼はイスラエルとその他の者たちに、彼等の批判を議論の範疇に限るよう要請した。
 
 「我々は、イスラエルを含むいかなる国家をも、この合意を損なうような動きをしないよう要請する。また我々はこのことに関係する者たち全てに対して、このことをはっきりと言っておく」とヘイグは議会で語った。
 
 ヘイグは更に、この合意に反対する国家が、この合意を損なおうとする兆候を示すのは、「具体的な行動としては」見ていない、と語った。しかし彼は、イギリスは「注視している」、と語った。

 彼はイスラエルのネタニヤフ首相が24日、この核合意のことを「歴史的失敗」とこき下ろしたことを受けて語った。ネタニヤフは国家安全保障アドバイザーを今回の合意について会談を持つようワシントンに派遣しようとしている。

 ヘイグは議会で、一年以内にイランとの包括的な核合意が成されるよう希望すると語った。 

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世界の列強とイランとが核問題で合意に至ったことを非難するネタニヤフ首相

 イランと世界の列強との間で、イランの核問題で最初の一歩とも言うべき「合意」が達成されたことで、イスラエルのネタニヤフ首相が反発している。また湾岸アラブ諸国が懸念を表明している。

 「世界は更に危険な場所になった」とネタニヤフは語ったようだが、それはイスラエルがイランを先制攻撃するようなことがあれば、そうなるということであり、合意が成された時点では、むしろ緊張が解かれ、世界はより安全な場所になったのである。

 彼は「イランのこの政権はイスラエルを破壊することを決意している」と語っているが、これは完全な誤りであり、よく言って誤解、悪く言えば、そう判断していることで、先制攻撃の正当性を示唆していることになる。

 イランはこの数百年、先制攻撃をしたことは無かったが、イスラエルは独立以来、幾度となく先制攻撃を繰り返してきた「世界で最も危険な国家」である。イランではない。

 また湾岸アラブ諸国が、イランが中東地域で諸外国の政治に介入するようにならないか、恐れている、と語っているのは、自分達の国家が、王制という前近代的な代物であり、当然のごとく時代の波である「民主化」というものが、既に民主化が進んでいるイラン等の影響で進められていくことを恐れていることを示している。そしてその恐れは当然であり、民主化を進めるべきなのだ

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●イスラエル首相:イラン核問題合意は「歴史的失敗」
http://rt.com/news/israel-react-iran-deal-216/
【11月24日 Russia Today】

 イスラエルのネタニヤフ首相は、イランの核計画問題での国際的合意に対し、「歴史的失敗」だとこきおろした。彼はイランに「世界で最も危険な兵器を保有する」ステップを更に前進させたとして、P5+1諸国を非難した。

 ネタニヤフはこの取り決めを24日の閣議の際に非難し、世界は更に危険な場所になったと語った。

 「ジュネーブで昨夜達成されたことは、歴史的な合意ではない、それは歴史的な失敗だ」と彼は閣議で語った。「今日、世界は世界で最も危険な政権が世界でもっとも危険な兵器を保有する方向に向かって重要なステップを踏んだからだ」と首相は語った。

 「イスラエルはこの合意には関わっていない」とネタニヤフは閣僚らに語った。「イランのこの政権はイスラエルを破壊することを決意している。しかしイスラエルはいかなる脅威からも自らを守る権利と義務を持っている。そしてイランが軍事的核能力を開発させることはないであろう」と語った。

 ネタニヤフは、国際社会は実際上は、「イランでのウラン濃縮に初めて合意したのであり、彼等が安保理で推進した決議を無視している」と語った。

 彼はイランに対する軍事行動は可能であると繰り返した。しかし、民間防衛大臣のジラド・エルダンは、ジュネーブ合意で、外交分野で軍事行動を語ることはずっと困難になったと警告した。

 イスラエルは公式的に核兵器を所有していることは認めてこなかったが、中東で核爆弾を所有する唯一の国家であると考えられてきた。イスラエルはイランの核濃縮能力を剥奪するよう国際社会にずっと訴えてきている。

 イスラエルの外相であるアヴィグドール・リーバーマンは24日、閣議の席上、ジュネーブ合意は、1979年のイスラム革命以来となる、イランの「大いなる外交的勝利」である、と語った。

 アメリカのオバマ大統領は24日電話でネタニヤフと語り、イランの核合意についてイスラエルの懸念に触れたと、ホワイトハウスが発表した。

 「イスラエルの友人と緊密に相談するという我々の変わらない決意でもって、大統領はネタニヤフ首相に対し、包括的解決を交渉する努力に関して、アメリカとイスラエルとが協議を速やかに開始することを願っていると語った」と、ホワイトハウス・スポークスマンのジョシュ・アーネスは語った。「大統領はイランの意図について懐疑的になる充分な理由を持つイスラエルに対するアメリカのコミットメントは堅固なままであることを強調した」とスポークスマンは語った。

 24日早く、アメリカのジョン・ケリー国務長官は、イランと世界の列強との間で取り決められたものは、イランが核兵器の製造に向かうことを困難とし、イスラエルとアメリカの同盟国をより安全にするものである、と語った。

 24日の夜のP5+1列強とイランとの間の取り決めでは、イランは6ヶ月間核計画を凍結しアラク原子炉の建設を停止する事に合意した。加えて、イランはウラン濃縮は、核爆弾を製造しようとしているのではという同盟諸国の懸念からの要請に鑑み5%以上は行わないことに合意した。その見返りに、イラン経済に対する制裁は緩和され、制裁の一部となっていた凍結されていた42億ドルの資金にイランはアクセスできるようになった。

 
■湾岸諸国は枕を高くして眠れなくなる

 サウジアラビア政府に対する外交アドバイザーの一人は匿名を条件にロイター通信に対して、スンニー派のアラブ諸国はジュネーブの核合意を歓迎していない、と語った。今のところサウジアラビアは公式なコメントは発表していない。

 ジュネーブ合意が署名される数時間前、サウジアラビア、カタール、クウェートのトップらは23日夜に会合を持ち、「三カ国に利害のある問題」を話し合ったとロイターは報じた。

 サウジアラビアのアブドゥラ国王の顧問機関であるシューラ評議会議長のアブドゥラ・アル・アスカルは、イランは「醜いアジェンダ」を持っていて、イランが自国の核計画を凍結する代わりに、この地域の政治で攻勢に出ようとするかもしれない、と懸念を表明した。

 「イランが(その核計画を)あきらめることで、この地域で列強から別のものを得ようとすることを私は恐れる。また私は、イランに更なる余裕とフリーハンドを与えることを恐れる」とアル・アスカルは語った。更に彼は、この地区の人々は、「イランの政策とイランの野望を知っている」し、イランが「この地区の多くの国々の政治に介入」するかも知れない、ということを恐れている、と語った。

 「この地区の誰も、眠れなくなるだろう、また物事が穏便にすすむとは思っていない」とアル・アスカルは語った。

 「サウジアラビアは、イランがこのまま行くのならば(そして核兵器を所有するならば)行くだろう」と彼は語った。「エジプト、トルコも恐らくは、そしてサウジアラビア、アラブ首長国連邦も、同じ技術を手にしようとするだろう。これは兵器化のドアを大きく開くことになるだろう」と彼は語った。

 イランの核計画をモニターする任務を持つ情報大臣のユバル・ステインツは、世界が祝賀するなんらの理由も無い、と語った。

 彼は、この24日にジュネーブで成された取り決めは、「イランのごまかしと自己欺瞞」を元に成された、と語った。

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レバノンのベイルートにあるイラン大使館前での自爆攻撃(11月19日)

◆11月21日

 レバノンのベイルートにあるイラン大使館がアルカイダ系テロリストによって狙われ、爆破で多数の死傷者(死者23名、負傷者150名以上)が出た。これをイラン外務省はイスラエルによるものとしてイスラエルを非難しているが、以下のように、サウジアラビアによるものと見たほうが真実に近いようだ

 勿論、イスラエルとサウジアラビアは今や対イラン政策では共闘しているから、両国の間に連携があったかもしれない。しかし記事にあるように実行犯がアルカイダ系の者とすれば、そのアルカイダ系の者たちを援助しているサウジアラビアが主に中心となって行ったテロ行為と見るほうが理屈にあっている。

 昨日の「トルコ:シリア国境の過激派支援を止める」のコメントで、「このサウジの好戦主義を引っ張っているバンダル王子を失脚させることがサウジにとって喫緊の課題であろう」と指摘したが、以下の記事でも、このイラン大使館爆弾事件でも、筆者はこのバンダル王子が背後の黒幕だ、と見ている。

 金の力でなんでもできると考えている節のある、この戦争好きなオヤジをサウジアラビアは取り除かなければ、王国そのものの存続が危うくなる、ということをサウジアラビアの指導者等は知るべきである。手遅れになる前に。

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●イラン大使館爆弾テロはサウジアラビアの仕業か?
http://rt.com/op-edge/suicide-attack-iranian-embassy-966/
【11月19日 Russia Today】

 ベイルートのイラン大使館付近での爆発はサウジアラビアによるイランに対する明瞭なメッセージであり、イランを標的にしたことで、サウジアラビアは混乱と戦争をレバノン内部で広げようとしている、と政治アナリストのケヴォルク・エルマシアンはロシア・トゥデイ紙(RT)に語った。


RT:アルカイダ系のレバノンのグループがこの攻撃の下手人であると言われていることを知っている。貴方の見方では彼等の動機は何か?

ケヴォルク・エルマシアン(KE):このグループはアブドゥラ・アザムといい、アルカイダ系のグループだ。これはサウジアラビアによる明瞭なメッセージである。あるいはイランに対するサウジアラビアの戦争行為と言える。サウジアラビアがベイルートのイラン大使館を標的にすることで、初めて一線を越えたことになる。

 イランの大使がイスラエルを非難したことには同意できない。確かにイスラエルはこの爆破で利益を得るが、誰がこの攻撃を実行したのか?彼等はアルカイダ系のグループであり、彼等の親分はサウジアラビアのバンダル”ビン・サタン”(ビン・スルタン)である

 我々はこれらの爆発は二人の自爆攻撃者によって成されたことを知らねばならない。イスラエル人はそういった攻撃は絶対に行わない。彼等は航空機や車爆弾を使用する。しかし、あそこには二人の人物がいて、一人はモーターバイクでイラン大使館に接近し自爆することで、後続の車が大使館内に突入できる突破口を開こうとした。しかし警備員が気づいてその男に銃撃した。それで彼は大使館の外で自爆せざるを得なかった。

 しかし我々は政治的には、サウジアラビアからのこのメッセージは、アル・カラモン山での戦争の後に来たことを知らねばならない。ヒズボラとシリア軍とは協力しながらシリア内でアルカイダ系グループと戦っているということを知るべきである。そして最近、レバノンのアルサル地域と繋がっているアル・カラ地域では、数千人のアルカイダ系のテロリストらがレバノン未来運動の庇護の下、訓練をしていて、またシリアに武器の密輸を行っている。

 また、この地域はホムスからダマスカスに通じている。これはホムスとダマスカスの真ん中にある。そして殆どのテロリストはダマスカスのゴウタ地域に来るが、この場所は以前化学兵器攻撃があった場所で、このアル・カラ地域から来ているのだ。


RT:何故あなたはサウジアラビアをこの問題とリンクさせるのか?

KE:それは、サウジアラビアの代理人であるテロリストらは、ダマスカスとホムスの真ん中にいて、ホムスとダマスカスにテロ行為を繰り返し行って混乱を拡散している。殆どの車爆弾はこの地域からやってくる。ヒズボラとシリア軍がこの地域の反政府勢力を駆逐しようとした際、サウジはイランに対し歴史的なメッセージを送ろうとしたのだ。

 我々は過去数週間でのサウジアラビアの行動を思い出すべきだ:彼等は国連安保理メンバー国になることを拒否したし、シリアの和平に向けたジュネーブでの平和的交渉を頓挫させると語った。彼等は更に、欧米とイランとがいかなる取り決めもしないよう働いている。そして最近の報告では、P5+1諸国とイランとが合意にいたるようならば、サウジアラビアはパキスタンから核爆弾を購入する、と語っている。

 従って、サウジアラビアのこういった歴史的政策は中東におけるサウジアラビアの必死な様子が反映しているのだ。そしてイランの大使館を標的とすることで、彼等はレバノン内部に混乱と戦争を拡散しようとしているのである。

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