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世界の列強とイランとが核問題で合意に至ったことを非難するネタニヤフ首相
イランと世界の列強との間で、イランの核問題で最初の一歩とも言うべき「合意」が達成されたことで、イスラエルのネタニヤフ首相が反発している。また湾岸アラブ諸国が懸念を表明している。
「世界は更に危険な場所になった」とネタニヤフは語ったようだが、それはイスラエルがイランを先制攻撃するようなことがあれば、そうなるということであり、合意が成された時点では、むしろ緊張が解かれ、世界はより安全な場所になったのである。
彼は「イランのこの政権はイスラエルを破壊することを決意している」と語っているが、これは完全な誤りであり、よく言って誤解、悪く言えば、そう判断していることで、先制攻撃の正当性を示唆していることになる。
イランはこの数百年、先制攻撃をしたことは無かったが、イスラエルは独立以来、幾度となく先制攻撃を繰り返してきた「世界で最も危険な国家」である。イランではない。
また湾岸アラブ諸国が、イランが中東地域で諸外国の政治に介入するようにならないか、恐れている、と語っているのは、自分達の国家が、王制という前近代的な代物であり、当然のごとく時代の波である「民主化」というものが、既に民主化が進んでいるイラン等の影響で進められていくことを恐れていることを示している。そしてその恐れは当然であり、民主化を進めるべきなのだ。
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●イスラエル首相:イラン核問題合意は「歴史的失敗」
http://rt.com/news/israel-react-iran-deal-216/
【11月24日 Russia Today】
イスラエルのネタニヤフ首相は、イランの核計画問題での国際的合意に対し、「歴史的失敗」だとこきおろした。彼はイランに「世界で最も危険な兵器を保有する」ステップを更に前進させたとして、P5+1諸国を非難した。
ネタニヤフはこの取り決めを24日の閣議の際に非難し、世界は更に危険な場所になったと語った。
「ジュネーブで昨夜達成されたことは、歴史的な合意ではない、それは歴史的な失敗だ」と彼は閣議で語った。「今日、世界は世界で最も危険な政権が世界でもっとも危険な兵器を保有する方向に向かって重要なステップを踏んだからだ」と首相は語った。
「イスラエルはこの合意には関わっていない」とネタニヤフは閣僚らに語った。「イランのこの政権はイスラエルを破壊することを決意している。しかしイスラエルはいかなる脅威からも自らを守る権利と義務を持っている。そしてイランが軍事的核能力を開発させることはないであろう」と語った。
ネタニヤフは、国際社会は実際上は、「イランでのウラン濃縮に初めて合意したのであり、彼等が安保理で推進した決議を無視している」と語った。
彼はイランに対する軍事行動は可能であると繰り返した。しかし、民間防衛大臣のジラド・エルダンは、ジュネーブ合意で、外交分野で軍事行動を語ることはずっと困難になったと警告した。
イスラエルは公式的に核兵器を所有していることは認めてこなかったが、中東で核爆弾を所有する唯一の国家であると考えられてきた。イスラエルはイランの核濃縮能力を剥奪するよう国際社会にずっと訴えてきている。
イスラエルの外相であるアヴィグドール・リーバーマンは24日、閣議の席上、ジュネーブ合意は、1979年のイスラム革命以来となる、イランの「大いなる外交的勝利」である、と語った。
アメリカのオバマ大統領は24日電話でネタニヤフと語り、イランの核合意についてイスラエルの懸念に触れたと、ホワイトハウスが発表した。
「イスラエルの友人と緊密に相談するという我々の変わらない決意でもって、大統領はネタニヤフ首相に対し、包括的解決を交渉する努力に関して、アメリカとイスラエルとが協議を速やかに開始することを願っていると語った」と、ホワイトハウス・スポークスマンのジョシュ・アーネスは語った。「大統領はイランの意図について懐疑的になる充分な理由を持つイスラエルに対するアメリカのコミットメントは堅固なままであることを強調した」とスポークスマンは語った。
24日早く、アメリカのジョン・ケリー国務長官は、イランと世界の列強との間で取り決められたものは、イランが核兵器の製造に向かうことを困難とし、イスラエルとアメリカの同盟国をより安全にするものである、と語った。
24日の夜のP5+1列強とイランとの間の取り決めでは、イランは6ヶ月間核計画を凍結しアラク原子炉の建設を停止する事に合意した。加えて、イランはウラン濃縮は、核爆弾を製造しようとしているのではという同盟諸国の懸念からの要請に鑑み5%以上は行わないことに合意した。その見返りに、イラン経済に対する制裁は緩和され、制裁の一部となっていた凍結されていた42億ドルの資金にイランはアクセスできるようになった。
■湾岸諸国は枕を高くして眠れなくなる
サウジアラビア政府に対する外交アドバイザーの一人は匿名を条件にロイター通信に対して、スンニー派のアラブ諸国はジュネーブの核合意を歓迎していない、と語った。今のところサウジアラビアは公式なコメントは発表していない。
ジュネーブ合意が署名される数時間前、サウジアラビア、カタール、クウェートのトップらは23日夜に会合を持ち、「三カ国に利害のある問題」を話し合ったとロイターは報じた。
サウジアラビアのアブドゥラ国王の顧問機関であるシューラ評議会議長のアブドゥラ・アル・アスカルは、イランは「醜いアジェンダ」を持っていて、イランが自国の核計画を凍結する代わりに、この地域の政治で攻勢に出ようとするかもしれない、と懸念を表明した。
「イランが(その核計画を)あきらめることで、この地域で列強から別のものを得ようとすることを私は恐れる。また私は、イランに更なる余裕とフリーハンドを与えることを恐れる」とアル・アスカルは語った。更に彼は、この地区の人々は、「イランの政策とイランの野望を知っている」し、イランが「この地区の多くの国々の政治に介入」するかも知れない、ということを恐れている、と語った。
「この地区の誰も、眠れなくなるだろう、また物事が穏便にすすむとは思っていない」とアル・アスカルは語った。
「サウジアラビアは、イランがこのまま行くのならば(そして核兵器を所有するならば)行くだろう」と彼は語った。「エジプト、トルコも恐らくは、そしてサウジアラビア、アラブ首長国連邦も、同じ技術を手にしようとするだろう。これは兵器化のドアを大きく開くことになるだろう」と彼は語った。
イランの核計画をモニターする任務を持つ情報大臣のユバル・ステインツは、世界が祝賀するなんらの理由も無い、と語った。
彼は、この24日にジュネーブで成された取り決めは、「イランのごまかしと自己欺瞞」を元に成された、と語った。
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