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新しいコンセプトで製造された飛行船

◆2月21日

 新たなコンセプトによる飛行船が作られている。手軽に離着陸が可能で、地上的な装置は一切いらない。ヘリコプターのように離着陸することのできる広さのある場所ならば、どこでもアクセス可能だという。そして現在存在する貨物機の3倍以上の貨物の運搬が可能だという。

 これが一般的に使用されだしたら、商用は言うに及ばず軍用にも画期的なインパクトを与えると言われている。とにかくどこにでもアクセスできる、という点だけで、その利用価値は飛躍的に上昇する。太量で重量のある貨物を一遍に運搬できることで、様々な面での利用が考えられる。災害時の人命救助などでは大活躍することができるだろう。

 また軍用に使用されれば、相当数の兵士をその必要とする軍用機器と共に一緒に送ることができるから、非常に機動的な作戦が可能になるだろう。飛行機とヘリコプターを足して二で割ったような、いやそれ以上の能力を発揮するこの新しい飛行船が運搬という面での今までの常識を覆すものであることは確かなようだ。

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●アメリカ軍:戦争に革命を起こす小型飛行船開発に成功
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2270578/Inside-cockpit-Thunderbird-2-Flight-test-success-U-S-military-funded-blimp-revolutionise-aviation.html
【2月20日 By Damien Gayle】

 小型飛行船形式の航空機がロサンジェルス南方の軍用格納庫内で12フィート床から離脱することで、最初のテストフライトに成功した。ずうたいの大きいエアロスクラフトが数分間でも飛行できたという事実は、これを開発したエンジニアによれば、飛行術における進歩を意味している、という。
 
 ハイテクのコクピットに座り、ムニール・ジョジョバージュ飛行コントロール・エンジニアは、画期的なプロジェクトに参加できたことを誇らしく語った。

 「自分が飛行術の歴史に小さな進歩の足跡をつけたということを知った。以前には無かった足跡だが今はそこから開けてくるものがある」とAP通信に語った。

 ハイテク満載のエアロスクラフト飛行船は、カリフォルニア州オレンジ郡にある巨大格納庫内での「初浮遊」を成し遂げたことで、公開でのテストフライトに向かってほぼ準備が整っている。

 エンジニアたちにとっての最大の挑戦は、この飛行船が風その他の極端な天候に耐えられるかどうか、という点であるとジョジョバージュは語った。

 国防総省とNASAはこのプロジェクトに3500万ドルを投資した。それはこの飛行船がどの航空機よりも大量の貨物を災害地とか軍事基地などに運べる能力があるためだ。

 アルミと炭素繊維の骨組みの周囲を覆う格好で作られている巨大な230フィートのプロトタイプは、ワールドワイド・エアロス社で製造されたが、それでもこれは最終バージョンの半分のサイズなのだ。

 銀色の皮膜が格納庫の緑光を反射して緑色に光っている小型飛行船のずんぐりとした形は、ゲリー・アンダーソンの人形冒険劇サンダーバード救出艇のサンダーバード2と比較された。

 17階の高さがある前タスティン海兵隊航空ステーションにある、第二次世界大戦時の飛行船格納庫でのこの飛行船のテストが、今月中はまだ続く事になっている。

 しかし実際に使用され出せば、エアロスクラフト飛行船は最大の軍用貨物機の3倍の貨物を3分の1の燃料で運ぶ事ができ、しかも滑走路を必要としないのだ。

 この飛行船は運搬に革命をもたらす可能性がある。航空機、船、鉄道、トラックなどで運ばれている貨物は、数年後には空から運ばれるようになるかもしれない、とメーカーは言っている。

 エアロスは次のテストの為の資金を確保する必要があるが、国防総省その他が投資者として出てくると期待している、と語った。

 エアロスは、今までのものと比べてずっと多量の貨物をより効果的に運搬できるというこの貨物飛行船の能力は、軍に対しても戦場でのアドバンテージをもたらすし、自然災害時には多くの人命を救助できる可能性がある、と言っている。

 エアロスのCEOであり設立者のイゴール・パステルナークはまた主任エンジニアであるが、今回のテストはユニークな軽量で堅牢な骨組みのコンセプションと垂直離着陸システムの実効性を立証した、と説明した。

 「この乗り物の最初の浮遊は全ての飛行システムが作動していることを確認するコントロールされたテストでした。全過程は成功裏に終了しました」と彼は語った。
 
 航空機の専門家らは、エアロスクラフトはその先進的なテクノロジーによる能力によって大型重量貨物の運搬のあり方を変えるであろうと見ている。

 世界の風力、航空宇宙、化石燃料抽出、高速道路建設、工学と通信技術にかかわる、装備に依存する巨大プロジェクトや産業を支援できる可能性を持っている。

 飛行船は潜水艦のように機能する。空気を吐き出すことで浮上し、空気を取り込むことで下降する、と技術エンジニアのティム・ケニーは語った。

 この飛行船はヘリコプターのように垂直に離陸でき、それから浮力を変えて空気より重くさせ着陸できるようにしている。

 「この飛行船は地上に着地することができる。その後、上昇する時には空気を吐き出せば飛行船は浮上し離陸できるのです。この飛行船は破壊されて、港や滑走路のない、そのような場所でも行くことができる。そして滑走路や施設のない所で貨物を降ろすことができるのです」

 今後3年以内に完成すると期待されているエアロスクラフトの最終バージョンは、長さ450フィートで66トンを運搬でき120ノットで飛行し航続距離は3000海里(≒5500㎞)ある。

 これは航空運搬の概念を大きく変化させうるものだ。実際的にこの方法でなければアクセスできない離れた場所も利用されるようになる。

 これは災害地域にいる負傷者などに救援物資を運ぶことができるし、カナダ北方のタールサンドに重い石油抽出装置を、あるいは遠く離れた風力発電所に巨大なタービンを、勿論、世界中の戦場に重い軍用機器も運ぶことができる。

戦場で使用される可能性もある

 キーとなる先進技術はバラストを操作するための内部システムの開発である。今までの飛行船は貨物がない状態では突風で吹き飛ばされないように自体を重くしたり繋ぐ必要があった。

 しかし、エアロスクラフトの内部バラスト操作システムは、パイロットがタンク内にあるヘリウムを圧縮することで飛行船の浮力をコントロールすることができ、それを通常の空気と置き換えることで地上に接地することができるのである。

 貨物が降ろされたら飛行船は圧縮されていたヘリウムをタンク内に流すことで飛行船を空気より軽くすることで、浮上することができ、ターボプロップエンジンで方向を定めることができる。

 この革命的なシステムのお蔭で、エアロスクラフトは飛行場を必要としなくなり、垂直に離着陸できるその大きさにかなう広さの場所があればいいのだ。

 48歳のパステルナーク氏はギズマグに対して、「アドバンテージは、地上に設備が必要ないということです。どこからでも飛行できるし、どこでも着陸できる。バラストは必要ない。地上のクルーも必要ないのです」と語った。

 この飛行船は夢想する発明家たちにとっては「夢の飛行船」だった。フェルディナンド・グラフ・フォン・ツェッペリンが1900年にドイツの兵器として最初の飛行船を製造した。この「グラフ・ツェッペリン」はヒューゴ・エックナー博士が発展させ、1929年に21日間で世界一周飛行をした。このパワフルなドイツの象徴はナチスによって採用され、最大の飛行船であるヒンデンブルクを製造した。

 しかしながら、1937年、このヒンデンブルグはアメリカのヘリウムではなくドイツの水素で満たされていたため、アメリカへの訪問の途中で炎に包まれて炎上した。

 しかしウクライナ生まれのパステルナーク氏は、堅牢な飛行船のための彼のデザインは20世紀初頭の災厄的なバージョンから格段の隔たりがある、と語った。 

 彼はギズマグに対して、「構造という観点では我々はヒンデンブルグとツェッペリンには詳しいのです。これは違います。この飛行船の内部に立体骨組を製造し、骨組みの周囲に堅牢なセルを作った。この堅牢なセルの機能は空気力学法で機能するようにさせることです」と語った。非常にシンプルなやり方である。

 「これはまた非常に早く飛行船を製造することを可能にするのです。乗り物の製造と言うことを考えれば、短期間に多くを製造できる能力が必要なのですが、この骨組みならばそれが可能なのです」というのだ。

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これぞ仏教的には末法、キリスト教的には終末の様相であろう

◆2月20日

 パリの有名なノートルダム聖堂内に、裸の刺青入りの女性達が乱入し暴れまわったが、誰もそれを阻止する者たちがいなかったという。ロシアの教会でも昨年、似たような騒ぎがあったが、彼女達は刑務所行きとなった。フランスはカトリックであり、ロシアはロシア正教である。カトリックは己の教会を冒涜する裸の女性達に対してでさえ、何も出来ないほどに弱体化した、と言うことらしい。

 聖書にはホモを否定する文言があるが、今やホモの「聖職者」やホモ同士の結婚式を執り行う教会も出てきている。伝統的な規律はどんどん破られ、いわば宗教的アナーキーが支配的になってきているのがヨーロッパ社会である。

 ヨーロッパの歴史でカトリックの教皇たちが私生児を生んでは捨てていたという有名な話がある。そこで現れたのが宗教改革者たちであり、そこからプロテスタント運動が始まった。今やそのプロテスタントでさえ、あらゆるスキャンダルにまみれている。

 わずかにヨーロッパのはずれに位置するロシアではソ連崩壊後に息を吹き返したロシア正教が国づくりの基盤となって、特にプーチン政権下では政府と連携を強めながら、宗教的価値を尊重する社会を維持発展させてきている。それが可能なのは、ロシア正教がイエス・キリストその者を愛する、という心情が最も強いからであろう。

 カトリックにはマラキの予言がある。旧約聖書のマラキの預言書のことではない。「全ての教皇に関する大司教聖マラキの預言」のことである。これによれば、今回辞職を表明したベネディクト16世は111代でオリーブの栄光となっている。ウィキペディアの説明に「彼が襲名したベネディクトは聖ベネディクトゥスと結びつきが深い(ベネディクトゥスはオリーブの枝をシンボルとするベネディクト会の設立者である)」とある。

 しかし問題は、彼の次の教皇がこの預言の最後の人物になっている点だ。そしてその説明は以下の通りだ。

 ローマ聖教会への極限の迫害の中で着座するだろう。
 ローマびとペトロ 、彼は様々な苦難の中で羊たちを司牧するだろう。そして、7つの丘の町は崩壊し、恐るべき審判が人々に下る。終わり。


 要するに次の教皇で「終わり」となるということなのだ。2000年の歴史を誇り、全世界に数十億の信者を有するカトリック教会の頂点に立つ教皇が次の人物で終わりとなるとすれば、その後のカトリック教会は指導者のいない迷える子羊の集団になるということだろう。当然、これは混乱をもたらし信仰はずたずたになるかもしれない、ということを意味する。

 こうして仏教的には末法、キリスト教的には終末、という時代が迫っていることが理解されるであろう。その後の世界の状況については、既にこのブログ内でさまざまな機会に記してきたので、それを参照して頂きたい。

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●行き詰まっているキリスト教
http://henrymakow.com/2013/02/Beleaguered-Christianity.html
【2月17日 by Nicolas Bonnai Pravda.Ru (edited by henrymakow.com) 】

 ローマ教皇の辞職はダン・ブラウンの長編物語の一つのエピソードのような感じである。そこでは秘密結社、陰謀、オプスデイ、マラキの予言、混乱のカトリック教会の最後の危機などが絡んだ物語となっている。

 結局はハルマゲドンがやってきたということなのか?

 昨夜、バチカンのドームを雷電が打った。これはHAARPの陰謀だろうか? あるいは怒れる天の徴か? 勿論、これがイリュミナティのサインであると考える事はできるかもしれない。最後の希望と見ていた通常のカトリック信者らを落胆させた教皇の辞職という出来事の翌日のことだった。


 主流のカトリック信者は実際的には現代の従順な大衆と違わない。彼らは、何でも受け入れるし、ただ政治的に不正であることを恐れ、時代精神に逆らわずに生きている。彼らは時には教会に行く;彼らは秘跡を受け入れるが、この信仰の将来やヨーロッパのキリスト教の将来を心配する事も無い。

 次の教皇がアフリカ人ならば、そしてその教皇が更に数億のアフリカ人を受け入れるようヨーロッパに要請したら、これらのキリスト教徒はそれに従い、自分達の破滅と衰退を受け入れることだろう。人種差別主義者と呼ばれる事を誰が望むであろうか?

 フランスの伝統的カトリック教徒はホモセクシュアルの養子に反対する戦いをしている。フランスの聖職者たちはいつものように、彼らを支援しようとはしていない。彼らはパリのシャン・ド・マルス公園に集合し、その数は100万人に上った。彼らは50万人の署名を集めた。しかしこういったことは無駄なことなのだ。

 民主主義社会では、真正の大衆運動は常に無視され、とりわけそれが少数者とキリスト教徒の視点を示し、それを擁護することを要請するものだとそうである。キリスト教徒の視点が影響力を持つ国があるかもしれないが、それは逆説的だがロシアである。

 チェスタートンはキリスト教の理想を擁護するため正教の言葉を使用している。科学とリバータリアニズム、反宗教的偏見、世界的な無関心は、欧米の伝統を社会から切り離すことに加担している。

 キリスト教徒はフランスでは何とか生き残っている少数派である。イスラム教徒、無神論者、異教徒、ユダヤ人、不可知論者.多神教徒、その他非キリスト教徒らがいる。もしもあなたがキリスト教徒でなければ、キリスト教徒になれるということだ。これはオーウェル的カトリックなのだ。
(ロシアではプッシーライオター『=卑猥な女性狼藉者』には、フランス人の裸デモ隊員が教会を冒涜したのと同じ行為をしたことで、刑務所入りの判決が下った)

 昨日パリでは、裸で刺青をした女性達がノートルダム聖堂に乱入し叫び、暴れることで教会を冒涜したが、誰一人としてそれを阻止しようとする者がいなかった。これは初めてのことではないが、とにかくなんらの反応もなかったのだ。物理的ないしは法的な動きのことである。カトリック教徒はその理想のために戦ったり死ぬ準備は出来ていない。また彼らの投票を求めている保守派の政治家たちも同様だ。だから、反キリスト教の見世物はこれからも続くのだ。我々が住んでいるのはロシアではないのだ。

 ベネディクト16世(タロットでは災害の数)の帳尻はイメージとかプロジェクトに関しては寂しいものがある。彼の前任者のカリスマ性は少なくとも認めていたメディアは、彼に言いたい放題に屈辱を与えるかもしれない:コンドーム、小児性愛、ホロコースト否定スキャンダルなど、彼のことを忘れ無視する前に言われるだろう。

 この教皇は何個の師団を持っているのだろうか?彼らは新しい者たちは前任者ほどの力はないことを知っている。だから彼らは恐れないのだ。

 伝統的カトリックであることは今や時代遅れかもしれない。カトリック教会はひょっとして究極の進歩、テクノロジー、改革、そしてイリュミナティ関連などを持ち込む事で新しいアジェンダを準備しているかもしれない。ベネディクトは既に評判の良くないウォルフォウィッツとかピーター・スーザーランドをカウンセラーとして雇っていた。だから、アンボロシナーノ銀行の恥辱の一世代後に見世物は続くことになるかもしれない。

 しかし、今回の辞職問題は、二千年の歴史を誇るフランスのカトリック教会にとっては最悪の時に起きた。しかし、恐らくはカトリック教徒たちは静かにそのカトリック公園に集められることを望んでいるのだろう。

 マルローが言ったと言われる別の予言によれば、21世紀はスピリチュアルなもにになるかもしれないし、そうでないかもしれない、と言うものがある;それはスピリチュアルであろうが、表に表れないだろう。
 
 そして私自身の予想をしておく:ロシア正教はキリスト教徒の次の教会になる準備をしておくべきだ。フランスでもその他どこでも。

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中国のJ-20(殲20)ステルス戦闘機


◆2月19日

 アメリカが将来中国と戦争をするか、という問題は国際情勢を研究する者ならば、誰でも感じている問題であろう。特に最近の中国の経済発展と、とりわけ海洋方面における軍事力の伸長はアメリカに中国をどう押さえ込むかという問題を突きつけている。

 最近は日本領土である尖閣諸島に対し、あからさまな挑発行為を行い、徐々に軍事的侵略の本性を露にしだしている状況を見れば、少なくとも日本と中国が軍事的に衝突する可能性は、アメリカとのそれよりも早い段階で現実になる可能性があると判断すべきであろう。

 その際、アメリカが日米安全保障条約を理由に中国と戦うのか、と言う問題としてアメリカと中国の戦争の可能性は語られるべきかもしれない。その際、尖閣諸島問題がにわかに騒がしくなったいきさつを考えると、やはり当時の石原都知事が尖閣諸島を購入すると発表した時から、と考えられる。石原氏はこれをアメリカで発表しているが、ここにアメリカの動きがあったと考える事ができるだろう。

 つまり、アメリカは尖閣諸島を中国に渡すつもりは無く、日本に購入させ、更に国有化させることで国家的課題に格上げさせ、対中国で日本と連携、最終的には尖閣諸島周辺海域にある地下資源等を日本と共同開発しようとする戦略である。

 したがって、中国の出方によっては、アメリカは中国と戦争する意思はある、と判断できるだろう。しかしそうなった場合、それは中国にとっては不幸なことだ。それはアメリカは中国とやるとなれば、中国が今後100年はアメリカに手向かえないような叩き方をする可能性があるからだ。

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●アメリカは中国との戦争シナリオを検討
http://english.pravda.ru/world/asia/28-01-2013/123594-usa_china_war-0/
【1月28日 Lyuba Lulko Pravda.Ru】

 冷戦状態に似た対立関係にアメリカと中国の関係が入りつつあるということがこの2年ほどメディアで議論されてきたが、初めてそのことが実際的な形を示し始めた。オバマは中国のことを「ライバル」と呼び、中国の核の脅威の程度を研究するよう指令を出した。アメリカはその艦隊を太平洋に再展開しだした。

 この対立の理由は経済的、政治的の両方である。中国はGDPでアメリカを追い越す力量を持つ世界で唯一の国家(専門家によれば、8年後)だ。アメリカは景気後退に入りつつあるし、高い失業率とデフォルトの危険性がある。中国は国内の生産と輸出を刺激するべく、元のレートを低く抑えながら堅実に成長しつつある。加えて、最近では中国は保有するアメリカドルを金、ユーロ、鉱物資源に投資している。このことの意味することは明らかで、中国はもはやアメリカの債権者であることを止めようとしているのだ。

 アメリカはこれを重視し国際機関を通して働きかけている。例えばオバマは中国政府が自動車会社のために助成金を出しているとしてWTOにクレームを出した。アメリカ議員らは中国を元・ドルの通貨ペアで操作をしていると認めている。またアメリカは中国の20項目の製品に対し貿易関税を掛けている。しかしながら、これは大洋の一滴に過ぎない。ジャクソン=バニク修正条項のような運動はどこにも起きていない。なぜか? それはアメリカは中国経済にあまりにも依存しすぎていて、そのような制裁を持ち出すことでアメリカは中国に移転している自国の産業を破壊してしまうことになるからだ。

 政治的な観点からは、まずこれらは二つの全く異なるシステム同士である。一方は共産主義、集産主義だが、孤立している中国、他方は新自由主義、個人主義的なアメリカである。二つ目は、政治関係はアメリカが2012年1月に新軍事ドクトリンを採用した後に悪化した。この新軍事ドクトリンではアメリカの軍事的プレゼンスの主要エリアはアジア・太平洋地域(APR)になっている。

 領域に関しての中国と日本の緊張関係はアメリカを自国の同盟国側について軍事的対立に参加する厳しい選択に追いやっている。同じ事がフィリピンにも言えるだろう。アメリカはフィリピンとは相互防衛条約を結んでいる。中国は、アジア・太平洋地域で軍事演習を行い、アメリカに対するサイバー攻撃を仕掛け、反日でもに人々を動員したりして脅しを掛けている。それに対応して、アメリカはやはり軍事演習を行い、中国とその隣国との海洋における論争の仲裁者の役割を演じようとしたり、韓国と弾道ミサイルの開発についての合意をしたり、オーストラリアに軍事基地を創設したりしている。

 状況は悪化しつつあり、アメリカは中国との戦争のシナリオを検討し、核戦争の可能性も否定していない。1月2日、オバマは国家安全保障の新概念の法制化のための署名を行った。これは、アメリカ戦略司令部に対して8月15日までに中国の地下トンネル網、およびこれらトンネルを破壊および使用不能にするため使用するアメリカの通常および核兵器の能力に関するレポートを提出するよう求めるものだ。連邦科学者核情報プロジェクトの所長であるハンス・クリステンセンは、両国の意図についての透明性の欠如は中国とアメリカの戦争の危険性を増大させる、と語った。彼は、両国は危険なダンスを踊っており、軍事的緊張を高めていて、太平洋上での小規模戦争を惹き起こすかもしれない、と語った。

 アメリカの政治学者でユーラシア・グループ会長のイアン・ブレマーは、タイム誌とのインタビューで、両国の現在の戦略的な関係は冷戦のそれと非常に似ている、と指摘した。

 彼は、アメリカの考え方は変化してないが、以前のように力に満ちたものではなくなっている、と語った。アメリカの主要な条件は個人的自由であり、民主主意、自由企業である。しかし最近は、アメリカは金融危機とグァンタナモとアブ・グレイブでの人権無視で酷く叩かれた。選挙における企業の巨大な利益も同様に叩かれた。古い例えばG-20などの枠組みはもはや影響力を持っていない。ブレマーは、アメリカは冷戦に対して殆ど準備できていないことを認めている。

 最後に彼は、もしもアメリカが中国と建設的な関係を作りたいのならば、中国が参加することを願うような組織の形での強い基盤を作り出すべきだ、と語った。最終的には、中国が参加したがるようなクラブを作る必要がある、とブレマーは語った。しかしながら、彼はその「クラブ」が一体どういうものかという説明は何もしなかった。対ロシアのクラブとか? まさにその反対で、上海協力機構(SCO)にはアメリカは参加していないが、既にアジアに設立されている。あるいは、アジア・太平洋諸国全てが中国に対抗して集まるクラブのことか? これは先回の2012年7月のASEAN=東南アジア諸国連合〔中国は入ってないのサミットでヒラリークリントン国務長官(当時)も参加した際でも、南シナ海における群島を巡る問題で対中国の戦略は取り決められなかったのだ。中国の同盟国は、カンボジア、タイ、ミャンマーで、中国はこれらの国々に強力な金融的影響力を持っている。

 ブレマーは恐らく環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)のことを語っているのであろう。これはアメリカでは「アジア回帰」の道具として考えられているもので、ロシアと中国が加わっているAPECと取って代わるものを意図している。しかし、中国はアメリカが規則を決めるような組織には参加しようとはしない。これは、いわゆる「クラブ」なるものを作り出すことは現実的ではない、ということを意味するものだ。

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無法が支配する地になってしまったリビヤ

◆2月18日

 リビヤでNATOの空爆が開始されてから2年になる。アフリカ一の生活水準を誇っていたリビヤは、今や、「完全な無法地帯」になっている、という。哀しい事だ。欧米NATOが「民主主義」のための反乱だとして、リビヤのカダフィ政権に反対する勢力に肩入れしリビヤを空爆した結果、この国は中世時代に逆戻りしてしまった、と言われる状況になっている。

 これからリビヤは二つないしは三つの国家に分裂するかもしれない、と見られている。今は亡きカダフィの体制を忘れられないリビヤの愛国者たちは反撃を開始している。また部族で勝手に「国境」を設定してしまっている勢力も存在する。したがってこれから暫くはリビヤの内戦は継続する、ということになるだろう。

 欧米は罪深い罪業を重ねている。その報いはさまざまな形で跳ね返っていく事になるだろう。昨年9月にアメリカ領事がベンガジで殺害されたのも、その一例である。欧米に加担した者たちもこれから頭を高くしては眠れないであろう。自分達の蒔いた種を刈り取ることになるからだ。

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●完全な無法地帯:NATO空爆後のリビヤの「民主化」の実態
http://www.globalresearch.ca/absolute-lawlessness-libyan-democracy-two-years-after-nato-air-war/5323093
【2月15日 By Andrei Smirnov】

 カダフィを倒した内戦開始2周年を記念するリビヤ全土で大衆の抵抗運動が広がっている。カダフィ政権崩壊後、新憲法草案は起草されていない。

 新政権は法と秩序を維持する面では完全に失敗している。犯罪が頻繁に発生し民衆の怒りは高まるばかりだ。アリ・ゼイダン首相はエジプトとチュニジアとの国境を2月14日から18日まで治安上の理由で閉鎖した。

 2月17日に反カダフィ反乱が起きたのだが、中心的な催しは15日に行われる事になっている。空港警備は厳戒態勢に入っている。ルフトハンザ航空とオーストリア航空は「地上での緊張状態のため」として、リビヤへの全フライトを17日まで停止している。先には、ドイツ、フランス、カナダ、その他の国々は、テロ攻撃が迫っている可能性があるため自国民に対し早急にベンガジを離れるよう促している。首都トリポリでは警戒が厳重に成されており、昨年9月にアメリカ領事の身に降りかかった血の惨劇の舞台となったベンガジでも同様である。

 カダフィ政権時代には厳格な法と秩序があった国境地帯で無法と略奪が蔓延している中、殆どのリビヤ人、とりわけ東部の者たちは、当局の無能さに怒りが収まらない状態だ。地方の急進主義者と「冒険主義者」に加えて、マリからのジハーディスト(聖戦自爆主義者)も含むあらゆる種類のテロリストらが、その国境に殺到している。欧米がリビヤに押し付けることにいかにも熱心だった「民主主義」は、今やなにか中世時代の支配の仕方になっている、とカイロにあるジャバ政治研究所のリファアト・サイド・アハマド所長は語っている。

 「かつてはアフリカ一の生活水準を誇っていた国に対するNATOの空爆は、その国を中世時代かそれ以上の酷い状態に逆戻りさせ、国家を内戦に追いやってしまった。欧米側は軍事力を使用して従順ではあるが、国家を分裂させる宗教的、部族的争いに対しなにもできない無能な嫌悪される政権を押し付けたのだ。リビヤの石油とガスは、かつてフランスのテレビ局が報じたように、カダフィ大佐の独裁政治から通常のリビヤ人を解放する高貴な目的だと説明したNATOの軍事的介入の主要な目的であった」

 この不幸な結末は驚くことではない。またこれは軍事介入が始まる以前にアナリスト達が予想していことであった、とロシアの政治学のスタニスラブ・タラソフは語った。

 「ロシアのアナリストだけでなく欧米の人々も同様にそのような予想をしていたのだ。リビヤは分裂させられ、恐らく二つのないしは三つの国家に分裂するものと思われる。あるテロリスト達はある部族によって支配されており、自分達の国境を設定してしまっている。このような状況下では、中央政府と言われるものは、全リビヤ人が受け入れる事のできるような憲法は無理であろうと見られている。リビヤ内での『アラブの春』を演出した欧米は力を使う以外の何も提供する事はできない」

 早急な改善は望むべくもない。モスクワのアラブ研究所研究員のボリス・ドルゴフは、リビヤの安定化はずっと先の話だ、と指摘する。実際はリビヤは来たアフリカにおける不安定の温床になっている。

 「マリやアルジェリアのように、我々は急進的イスラム主義の拡大を目の当たりにしている。マリとリビヤでの出来事は緊密に関係し合っている。カダフィは急進的イスラム主義との戦いをして、治安を維持していた。600人以上のイスラム主義者が拘束されていた。カダフィが倒されてから、彼らは自由に歩き回り、マリで活動しているグループも含め、急進的グループに参加するようになった」

 今日のリビヤは、あるアラブのアナリストが描写するように、「完全な無法地帯」となっており、あるいはむしろ火薬樽であり、タイマツは既に持ち込まれている状態なのだ。

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ロシア海軍駆逐艦スメトリヴィ

◆2月14日

 アサド大統領が率いるシリアに紛争が勃発して2年近くになるが、チュニジアやエジプトの「アラブの春」運動のように数ヶ月で政権が倒される、という事態は生じておらず、また紛争の担い手である反政府勢力の実態も明らかになりつつある。それはスンニー派の不満分子と、同じくスンニー派ではあるがイスラム主義の外国人傭兵らである。

 この紛争のシリアに対しロシアはシリア政府向けに武器の輸出を継続しているし、今後もそれを止めることはない、としている。欧米側はロシアを非難しているようだが、ロシアにはなんらの落ち度はない。むしろ問題は国民の大多数の支持を得ているアサド政権の実態を無視して、一部の不満分子に武器を与え政府及び国民に対する攻撃をさせている欧米側にこそ非がある。

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●ロシア:シリアとの防衛契約は履行する
http://rt.com/politics/russia-syria-us-defense-weapons-un-114/
【2月13日 Russia Today】

 国営兵器会社ロソボロネクスポートのアナトリー・イサイキン部長は、内乱が2年間続いているシリアとの取引を継続するだろうと語った。 

 イサイキンはアサド大統領のシリア政府に武器を輸出しているとして欧米が批判していることについて、彼の会社は防衛兵器のみ供給しているだけであるとして批判を退けた。またその種の取引は国連によって禁止されてはいない、と強調した。

 「我々は契約に基づいて軍事物資を供給するという義務を遂行している。しかしこの軍事物資は攻撃的なものではない」とイサイキンは語った。

 一方彼は、ロシアがシリアにイスカンダル戦術ミサイルシステムを供給しているという言いがかりを「完璧にナンセンスなこと」と述べた。

 「我々はシリアに対していかなるイスカンダル・システムも供給してはいない。またその件での契約もしていない」と彼は明言した。

 ロシアはシリアをこの22ヶ月間揺るがしている暴力沙汰をどう解釈するかで欧米と衝突している。ロシアは紛争当事者の両者が停戦を尊重し交渉に入るよう呼びかけているジュネーブ・コミュニケを支持している。

 アメリカは現在の政府高官をも入れる将来の政府について話し合いをすることを拒否している反政府勢力側に付いている。

 昨年11月、メドベージェフ首相はフランスのメディアとのインタビューで、ロシアのシリアに対する武器輸出について説明をした。

 「我々は現在のシリア政府に対して国際協約に沿わないものは供給していない。我々が供給しているものは、外部からの侵略に対する防衛用兵器である」とメドベージェフは語った。「我々は契約をしており、それは尊重されるべきものだ」と語った。

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