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新しいコンセプトで製造された飛行船
◆2月21日
新たなコンセプトによる飛行船が作られている。手軽に離着陸が可能で、地上的な装置は一切いらない。ヘリコプターのように離着陸することのできる広さのある場所ならば、どこでもアクセス可能だという。そして現在存在する貨物機の3倍以上の貨物の運搬が可能だという。
これが一般的に使用されだしたら、商用は言うに及ばず軍用にも画期的なインパクトを与えると言われている。とにかくどこにでもアクセスできる、という点だけで、その利用価値は飛躍的に上昇する。太量で重量のある貨物を一遍に運搬できることで、様々な面での利用が考えられる。災害時の人命救助などでは大活躍することができるだろう。
また軍用に使用されれば、相当数の兵士をその必要とする軍用機器と共に一緒に送ることができるから、非常に機動的な作戦が可能になるだろう。飛行機とヘリコプターを足して二で割ったような、いやそれ以上の能力を発揮するこの新しい飛行船が運搬という面での今までの常識を覆すものであることは確かなようだ。
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●アメリカ軍:戦争に革命を起こす小型飛行船開発に成功
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2270578/Inside-cockpit-Thunderbird-2-Flight-test-success-U-S-military-funded-blimp-revolutionise-aviation.html
【2月20日 By Damien Gayle】
小型飛行船形式の航空機がロサンジェルス南方の軍用格納庫内で12フィート床から離脱することで、最初のテストフライトに成功した。ずうたいの大きいエアロスクラフトが数分間でも飛行できたという事実は、これを開発したエンジニアによれば、飛行術における進歩を意味している、という。
ハイテクのコクピットに座り、ムニール・ジョジョバージュ飛行コントロール・エンジニアは、画期的なプロジェクトに参加できたことを誇らしく語った。
「自分が飛行術の歴史に小さな進歩の足跡をつけたということを知った。以前には無かった足跡だが今はそこから開けてくるものがある」とAP通信に語った。
ハイテク満載のエアロスクラフト飛行船は、カリフォルニア州オレンジ郡にある巨大格納庫内での「初浮遊」を成し遂げたことで、公開でのテストフライトに向かってほぼ準備が整っている。
エンジニアたちにとっての最大の挑戦は、この飛行船が風その他の極端な天候に耐えられるかどうか、という点であるとジョジョバージュは語った。
国防総省とNASAはこのプロジェクトに3500万ドルを投資した。それはこの飛行船がどの航空機よりも大量の貨物を災害地とか軍事基地などに運べる能力があるためだ。
アルミと炭素繊維の骨組みの周囲を覆う格好で作られている巨大な230フィートのプロトタイプは、ワールドワイド・エアロス社で製造されたが、それでもこれは最終バージョンの半分のサイズなのだ。
銀色の皮膜が格納庫の緑光を反射して緑色に光っている小型飛行船のずんぐりとした形は、ゲリー・アンダーソンの人形冒険劇サンダーバード救出艇のサンダーバード2と比較された。
17階の高さがある前タスティン海兵隊航空ステーションにある、第二次世界大戦時の飛行船格納庫でのこの飛行船のテストが、今月中はまだ続く事になっている。
しかし実際に使用され出せば、エアロスクラフト飛行船は最大の軍用貨物機の3倍の貨物を3分の1の燃料で運ぶ事ができ、しかも滑走路を必要としないのだ。
この飛行船は運搬に革命をもたらす可能性がある。航空機、船、鉄道、トラックなどで運ばれている貨物は、数年後には空から運ばれるようになるかもしれない、とメーカーは言っている。
エアロスは次のテストの為の資金を確保する必要があるが、国防総省その他が投資者として出てくると期待している、と語った。
エアロスは、今までのものと比べてずっと多量の貨物をより効果的に運搬できるというこの貨物飛行船の能力は、軍に対しても戦場でのアドバンテージをもたらすし、自然災害時には多くの人命を救助できる可能性がある、と言っている。
エアロスのCEOであり設立者のイゴール・パステルナークはまた主任エンジニアであるが、今回のテストはユニークな軽量で堅牢な骨組みのコンセプションと垂直離着陸システムの実効性を立証した、と説明した。
「この乗り物の最初の浮遊は全ての飛行システムが作動していることを確認するコントロールされたテストでした。全過程は成功裏に終了しました」と彼は語った。
航空機の専門家らは、エアロスクラフトはその先進的なテクノロジーによる能力によって大型重量貨物の運搬のあり方を変えるであろうと見ている。
世界の風力、航空宇宙、化石燃料抽出、高速道路建設、工学と通信技術にかかわる、装備に依存する巨大プロジェクトや産業を支援できる可能性を持っている。
飛行船は潜水艦のように機能する。空気を吐き出すことで浮上し、空気を取り込むことで下降する、と技術エンジニアのティム・ケニーは語った。
この飛行船はヘリコプターのように垂直に離陸でき、それから浮力を変えて空気より重くさせ着陸できるようにしている。
「この飛行船は地上に着地することができる。その後、上昇する時には空気を吐き出せば飛行船は浮上し離陸できるのです。この飛行船は破壊されて、港や滑走路のない、そのような場所でも行くことができる。そして滑走路や施設のない所で貨物を降ろすことができるのです」
今後3年以内に完成すると期待されているエアロスクラフトの最終バージョンは、長さ450フィートで66トンを運搬でき120ノットで飛行し航続距離は3000海里(≒5500㎞)ある。
これは航空運搬の概念を大きく変化させうるものだ。実際的にこの方法でなければアクセスできない離れた場所も利用されるようになる。
これは災害地域にいる負傷者などに救援物資を運ぶことができるし、カナダ北方のタールサンドに重い石油抽出装置を、あるいは遠く離れた風力発電所に巨大なタービンを、勿論、世界中の戦場に重い軍用機器も運ぶことができる。
戦場で使用される可能性もある
キーとなる先進技術はバラストを操作するための内部システムの開発である。今までの飛行船は貨物がない状態では突風で吹き飛ばされないように自体を重くしたり繋ぐ必要があった。
しかし、エアロスクラフトの内部バラスト操作システムは、パイロットがタンク内にあるヘリウムを圧縮することで飛行船の浮力をコントロールすることができ、それを通常の空気と置き換えることで地上に接地することができるのである。
貨物が降ろされたら飛行船は圧縮されていたヘリウムをタンク内に流すことで飛行船を空気より軽くすることで、浮上することができ、ターボプロップエンジンで方向を定めることができる。
この革命的なシステムのお蔭で、エアロスクラフトは飛行場を必要としなくなり、垂直に離着陸できるその大きさにかなう広さの場所があればいいのだ。
48歳のパステルナーク氏はギズマグに対して、「アドバンテージは、地上に設備が必要ないということです。どこからでも飛行できるし、どこでも着陸できる。バラストは必要ない。地上のクルーも必要ないのです」と語った。
この飛行船は夢想する発明家たちにとっては「夢の飛行船」だった。フェルディナンド・グラフ・フォン・ツェッペリンが1900年にドイツの兵器として最初の飛行船を製造した。この「グラフ・ツェッペリン」はヒューゴ・エックナー博士が発展させ、1929年に21日間で世界一周飛行をした。このパワフルなドイツの象徴はナチスによって採用され、最大の飛行船であるヒンデンブルクを製造した。
しかしながら、1937年、このヒンデンブルグはアメリカのヘリウムではなくドイツの水素で満たされていたため、アメリカへの訪問の途中で炎に包まれて炎上した。
しかしウクライナ生まれのパステルナーク氏は、堅牢な飛行船のための彼のデザインは20世紀初頭の災厄的なバージョンから格段の隔たりがある、と語った。
彼はギズマグに対して、「構造という観点では我々はヒンデンブルグとツェッペリンには詳しいのです。これは違います。この飛行船の内部に立体骨組を製造し、骨組みの周囲に堅牢なセルを作った。この堅牢なセルの機能は空気力学法で機能するようにさせることです」と語った。非常にシンプルなやり方である。
「これはまた非常に早く飛行船を製造することを可能にするのです。乗り物の製造と言うことを考えれば、短期間に多くを製造できる能力が必要なのですが、この骨組みならばそれが可能なのです」というのだ。
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