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怒りの市民が街に繰り出した
◆2月26日
スペインで先週末、大規模なデモが行われた。スペイン全土で数十万人が路上に繰出し、緊縮財政反対と民主主義擁護を掲げてデモをおこなったのだ。整然としたデモだけではない。騒然としたデモもあれば、一部が暴徒化したデモもある。「怒り」が爆発したデモである。
今年、日本では安倍政権になってからアベノミクスという経済政策で、日本では景気が良くなるという期待が膨らんでいるが、世界の実情はそうでもないという一例である。恐らくこれから、あのリーマンショック以上の大規模な金融危機が世界を襲うことになるだろう。ヨーロッパ、アメリカ、中国がもう一回巨大なショックで大混乱をきたし、世界中で景気が後退するだろう。
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●緊縮財政を拒否:スペインで大規模デモ
http://www.globalresearch.ca/denouncing-austerity-mass-demonstrations-against-financial-coup-in-spain/5324290
【2月25日 By Jerome Roos】
王室と政府における腐敗スキャンダルがスペイン王室と政府を揺るがす中、数十万人のデモ隊が緊縮財政に反対し民主主義擁護を掲げてデモ行進を行った。
2013年のヨーロッパ抗議シーズンがいよいよ今週始まった。24日、ギリシャをマヒさせた何度目かのゼネストの三日後、怒りの「市民の波」がスペインを覆いつくし、数十万人のデモ隊がマドリッドと80以上の都市で、現在進行中の金融クーデターに反対する叫び声を上げた。マドリッドでは衝突が起こり国会を包囲したデモ隊員の40人以上が逮捕された。
スペインの24日のデモは1981年にアントニオ・テヘロ中佐が、国会で新首相の選挙が行われている最中に200名の部隊を率いて突入し起こしたクーデター未遂事件の32周年の時に合わせて行われたものだ。カルロス国王はクーデターを公的には非難したが、昨年デア・シュピーゲル誌は、国王はクーデターに同情的だったことが記されている機密書類を暴露した。
何百万人ものスペイン人にとって、時代遅れの緊縮財政問題で既に堪忍袋の緒が切れる寸前なのだ。スペインの危機が爆発しつつあるため、カルロス国王はボツワナに象狩りに出かけたのは国内の緊張の高まりを示しているし、国家元首の冷淡さを示している。一方、国王の娘とその夫は数百万ユーロの汚職とマネーロンダリングで訴えられている。
それでも今のところ、過去の軍事クーデターと王室のスキャンダルはスペインの小さな問題である。経済がますます混迷の度合いを深めているので、何百万人が貧困に直面している。Oxfamによれば、1800万人のスペイン人(ほぼ人口の40%)が、2022年までに極貧生活に直面することになるだろうという。数十年間の発展も台無しにある危険性がある。EUではブルガリアとルーマニアの多くの人々だけがそのような厳しい生活環境にある。
失業率が衝撃的な数字である26%となり、経済危機が始まって以来40万以上の世帯が自宅から追い立てられ、更に今年だけで53271世帯が自宅を失うことになっているという、厳しい人道的な危機が迫ってきているのだ。その一方で、「予算の均衡」という口実で、給与は削減され、労働者はレイオフされ、病院は民営化され、年金は削減され、月謝は上昇し、増税となり、社会保障費は大幅に削減された。
昨年、政府予算の4分の1は国債の支払いに使われ、一方1000億ユーロがバンキアの救済に浪費されたのだ。公的資金の太っ腹な供給と重役達の途方もないボーナスにも拘らず、翌週にはこの銀行はスペインの歴史上、企業における最大の損失となる190億ユーロの損失を計上することになっている。
その間に部屋の中の象はスキャンダルまみれとなり、政府を悩まし続けてきている。先月、スペインの最大の新聞紙であるエル・パイスは、与党の指導層における何年にも渡る腐敗の実態を暴露することになる秘密書類を公開した。国民党の会計担当のルイス・バルセナスは、二重帳簿を作り、そこではスペインの実業家からの秘密の献金を党員たちに配っていたことが暴露されている。
更に悪い事に、多くのこれらの金はスペインに不動産ブームを生み出した建設業界から献金されたものなのだ。これは、今の政治家たちは民間投資家らに建設規制を無視して保護区域に建設させてやることで賄賂を取っていたということを示唆していることになる。その過程で、何千もの建設プロジェクトがスペインの風景を台無しにしてしまったのであり、何百ものゴーストタウンを残し、美しい海岸線の多くを破壊したのだ。バブルが弾けると、建設業界の数百万人の労働者たちは仕事を失い、数十万世帯が家を失ったのであり、一方政治家、銀行家、企業人らはたなぼた式の利益を得たのだ。
国民党のスキャンダルは、劇的に選出された代議員らの多くが関与していて、国の金融危機を惹き起こしたのだ、というスペイン人の間では長い事疑われていたことが事実であったことを確認したことになる。既に2011年に数百万の怒れる大衆がデモをしたのである。
23日、マレア・シウダダナという、200以上の活動グループをまとめる緩やかな同盟で、それ自体がほぼ2年間になる大衆抵抗運動の産物である組織が、政府に対するメッセージを送る為、数十万の人々をデモに狩り出した。そのメッセージ内容は:緊縮財政と債権支払いはたくさんだ;銀行家が罰せられないこと、王室の不誠実、政治的蛮行などの政治的・経済的腐敗はたくさんだ;金融市場のルールとEU/IMFの押し付ける改革はたくさんだ;非人間的新自由主義的解決はたくさんだ。
国民党の腐敗スキャンダルはラホイを慌てさせ権力にしがみつかせたので、政府の最後の正当性の名残りは速やかに消滅しつつある。世論調査では96%のスペイン人が政治家は全部腐敗していると考えているとなっている。また数十万人もの怒れる市民がデモに動員されている現状は、何百万人という人々がこういった腐敗した政治家と企業人、ヨーロッパの機関、そして国際的金融資本とが直接繋がっているということに気が付いているということを示しているのである。
それで、テヘラゾから丁度32年経って、スペインの人々は新たなクーデターを容認することはないだろう、ということを明確に示している。部屋の中の象は顕わにされ、王様は衣服なしに立っていることが明らかにされている。2013年の狩猟の季節は始まった。この頃ではハンターが狩り出されるであろうし、王様が金融貴族政治と共に餌食になるかもしれない:ラトからラホイへ、そしてバンキアからトロイカへ。今こそ進むべき時である。
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