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無法が支配する地になってしまったリビヤ
◆2月18日
リビヤでNATOの空爆が開始されてから2年になる。アフリカ一の生活水準を誇っていたリビヤは、今や、「完全な無法地帯」になっている、という。哀しい事だ。欧米NATOが「民主主義」のための反乱だとして、リビヤのカダフィ政権に反対する勢力に肩入れしリビヤを空爆した結果、この国は中世時代に逆戻りしてしまった、と言われる状況になっている。
これからリビヤは二つないしは三つの国家に分裂するかもしれない、と見られている。今は亡きカダフィの体制を忘れられないリビヤの愛国者たちは反撃を開始している。また部族で勝手に「国境」を設定してしまっている勢力も存在する。したがってこれから暫くはリビヤの内戦は継続する、ということになるだろう。
欧米は罪深い罪業を重ねている。その報いはさまざまな形で跳ね返っていく事になるだろう。昨年9月にアメリカ領事がベンガジで殺害されたのも、その一例である。欧米に加担した者たちもこれから頭を高くしては眠れないであろう。自分達の蒔いた種を刈り取ることになるからだ。
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●完全な無法地帯:NATO空爆後のリビヤの「民主化」の実態
http://www.globalresearch.ca/absolute-lawlessness-libyan-democracy-two-years-after-nato-air-war/5323093
【2月15日 By Andrei Smirnov】
カダフィを倒した内戦開始2周年を記念するリビヤ全土で大衆の抵抗運動が広がっている。カダフィ政権崩壊後、新憲法草案は起草されていない。
新政権は法と秩序を維持する面では完全に失敗している。犯罪が頻繁に発生し民衆の怒りは高まるばかりだ。アリ・ゼイダン首相はエジプトとチュニジアとの国境を2月14日から18日まで治安上の理由で閉鎖した。
2月17日に反カダフィ反乱が起きたのだが、中心的な催しは15日に行われる事になっている。空港警備は厳戒態勢に入っている。ルフトハンザ航空とオーストリア航空は「地上での緊張状態のため」として、リビヤへの全フライトを17日まで停止している。先には、ドイツ、フランス、カナダ、その他の国々は、テロ攻撃が迫っている可能性があるため自国民に対し早急にベンガジを離れるよう促している。首都トリポリでは警戒が厳重に成されており、昨年9月にアメリカ領事の身に降りかかった血の惨劇の舞台となったベンガジでも同様である。
カダフィ政権時代には厳格な法と秩序があった国境地帯で無法と略奪が蔓延している中、殆どのリビヤ人、とりわけ東部の者たちは、当局の無能さに怒りが収まらない状態だ。地方の急進主義者と「冒険主義者」に加えて、マリからのジハーディスト(聖戦自爆主義者)も含むあらゆる種類のテロリストらが、その国境に殺到している。欧米がリビヤに押し付けることにいかにも熱心だった「民主主義」は、今やなにか中世時代の支配の仕方になっている、とカイロにあるジャバ政治研究所のリファアト・サイド・アハマド所長は語っている。
「かつてはアフリカ一の生活水準を誇っていた国に対するNATOの空爆は、その国を中世時代かそれ以上の酷い状態に逆戻りさせ、国家を内戦に追いやってしまった。欧米側は軍事力を使用して従順ではあるが、国家を分裂させる宗教的、部族的争いに対しなにもできない無能な嫌悪される政権を押し付けたのだ。リビヤの石油とガスは、かつてフランスのテレビ局が報じたように、カダフィ大佐の独裁政治から通常のリビヤ人を解放する高貴な目的だと説明したNATOの軍事的介入の主要な目的であった」
この不幸な結末は驚くことではない。またこれは軍事介入が始まる以前にアナリスト達が予想していことであった、とロシアの政治学のスタニスラブ・タラソフは語った。
「ロシアのアナリストだけでなく欧米の人々も同様にそのような予想をしていたのだ。リビヤは分裂させられ、恐らく二つのないしは三つの国家に分裂するものと思われる。あるテロリスト達はある部族によって支配されており、自分達の国境を設定してしまっている。このような状況下では、中央政府と言われるものは、全リビヤ人が受け入れる事のできるような憲法は無理であろうと見られている。リビヤ内での『アラブの春』を演出した欧米は力を使う以外の何も提供する事はできない」
早急な改善は望むべくもない。モスクワのアラブ研究所研究員のボリス・ドルゴフは、リビヤの安定化はずっと先の話だ、と指摘する。実際はリビヤは来たアフリカにおける不安定の温床になっている。
「マリやアルジェリアのように、我々は急進的イスラム主義の拡大を目の当たりにしている。マリとリビヤでの出来事は緊密に関係し合っている。カダフィは急進的イスラム主義との戦いをして、治安を維持していた。600人以上のイスラム主義者が拘束されていた。カダフィが倒されてから、彼らは自由に歩き回り、マリで活動しているグループも含め、急進的グループに参加するようになった」
今日のリビヤは、あるアラブのアナリストが描写するように、「完全な無法地帯」となっており、あるいはむしろ火薬樽であり、タイマツは既に持ち込まれている状態なのだ。
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