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カブールのケシ御殿

◆5月12日

 アフガンの米軍司令官が交代した。
 産経新聞では「経験不足」が原因のように書いてある。しかしCNNは、「ゲーツ米国防長官は11日、ここ7年間のアフガン政策を見直す必要性がある、ので解任する」としているし、「これまでのアフガン政策が成功していないことを認めており」として、今までのアフガン戦略の全面的な見直しが必要、という判断だとしている。毎日新聞では、「オバマ政権は軍事力だけでは勝利できないとのアフガン新戦略を示しているが、マキャナン司令官は軍事力重視の姿勢を維持しており、交代はやむを得ないと判断した」とあるから、その戦略上の違いも交代の原因の一つといえそうだ。オバマ大統領は以前語ったように、穏健派のタリバンを説得する、というような外交的側面をも重視する戦略である。
 これを踏襲しようとするゲーツ長官と現場のマキャナン司令官の違いは、毎日新聞では、たとえば「2010年にも米軍1万人の追加増派を求めており、それ以上の増派に慎重な姿勢を示しているゲーツ長官と対立していたとされる」というように示されている。
 それは、軍事力で推し進めても、人々の生活の糧がタリバンが支配する地域ではケシの栽培であり、それからできる麻薬であり、ヘロインだから、その生活を保障してくれるケシ栽培を守るタリバンを掃討するということになかなか賛同できないという面があるからだ。
 まして、オバマ政権では今までのブッシュ政権とは違ってネオコン的な武断政策は極力控え、対話を重視するスマートパワー方式を主導外交姿勢としていこうとしているのだから、無人爆撃機などで無差別に攻撃し、民間人を多く殺傷するようなやり方は取りたくない、というのが本音であろう。

 アフガン問題は、根が深い。9月11日同時多発テロで何の根拠もないままブッシュ政権はこれを、ビン・ラディンらアルカイダの仕業とし、そのビン・ラディンをかくまうタリバン・アフガン政権を打倒するとしてアフガンへ侵攻しアメリカの傀儡であるカルザイ政権を打ち立てた。
 これはブッシュ大統領(当時)の石油・天然ガス利権などの絡んだ政治的な動機が中心の軍事作戦だった。しかしもう一つの要素として見逃してならないのが、麻薬利権である。
 タリバン政権時、アフガンのケシ栽培は禁止され殆ど生産されるようなことがなくなったのだが、カルザイ政権になってからまたアフガンでのケシ栽培と麻薬製造が復活し、今やアフガンのカンダハル地方からのヘロインだけで、世界に流通する量の3分の2で、アフガン全体では世界のヘロイン生産量の93%になるという。つまり今やアフガンが世界のヘロイン生産の大方を担っているわけだ。
 しかもこのビジネスには、言われるようにタリバンが製造しているばかりか、アフガン政府自身でも麻薬ビジネスに深くかかわる者が多く、政府の職員は上は大臣から下は一般公務員まで麻薬ビジネスに手を染めていない者の方が少ない、という現状がある。 
 それが今アフガンの首都カブールで見られる「ケシ御殿」である。大体3階から4階の、警備員小屋まであり有刺鉄線で囲まれている邸宅で、政府職員や政府関係者らの住居となっている。彼らの給料は月数百ドル程度というからこの立派な御殿は彼らのサイドビジネスからの収入で建ったものであるという。
 
 ここでオバマ政権が目指すのは、タリバン掃討という軍事的な目標だけでなく、実はこの麻薬ビジネスの元となるケシ栽培の禁止を徹底させ、正当な農業を奨励発展させることにある。これが彼が目指す「スマートパワー」の具体的な内容の一つであろう。
 しかし麻薬ビジネスの甘い汁の味を知った者たちが、おいそれとその利権を手放すわけもなく、政府の正式な「麻薬根絶チーム」は現地入りすると、当地の警察から発砲を受けるような状況がある。また米軍やNATO軍もどうやらそれを見過ごしているようで、この傾向は全般的に言えるようだ。カルザイ大統領もまた、ケシ栽培を行っている地方の有力者らの協力を得ようとして「麻薬根絶」には消極的なのだ。
 
 このドラッグ・ビジネスの闇が存在する限り、アフガンの復興は到底おぼつかないだろうし、カルザイ政権も不安定なままであろう。米軍やNATO軍がこの麻薬ビジネスにかかわっていないという保証もなく、特にCIAはアフガンのイスラム戦士をソ連に対抗させるためにアヘン製造を黙認、その流通にもかかわったいきさつがあるから、今日でも継続している可能性が高い。
 こうしてみれば、アフガンにかかわる全ての勢力がケシから始まり、アヘン、ヘロインとその流通という麻薬ビジネスにかかわっている可能性がありそうで、これにどう対処していくのか、オバマ政権の今後の動きを注視していきたい。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●米軍司令官 異例の更迭 タリバン掃討「経験不足」
【5月12日産経新聞】

 ゲーツ米国防長官は11日の記者会見で、アフガニスタン駐留米軍のマキャナン司令官(陸軍大将)を更迭する方針を明らかにした。マキャナン氏は18カ月から24カ月間司令官を務める予定だったが、11カ月間しか務めておらず、この時期での更迭は異例だ。 米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)によると、米軍内にはこれまでアフガン勤務のなかったマキャナン司令官の武装勢力掃討作戦における経験不足を懸念する声があったという。
 ゲーツ長官は司令官を交代させる理由について「新大統領の下で新戦略を打ち出した。軍も新しい指導者が必要だ」と述べるにとどまったが、オバマ大統領が重視するアフガンでのイスラム原理主義勢力タリバンなどの掃討作戦を遂行するにあたり、更迭に踏み切ったとみられる。


●米国防長官、アフガン駐留米軍司令官を解任
【5月12日CNN】
 ゲーツ米国防長官は11日、ここ7年間のアフガン政策を見直す必要性があるとして、アフガン駐留米軍のマッキャナン司令官を解任すると発表した。
 マッキャナン司令官は就任から1年未満での解任。後任には特殊作戦を主導した経験を持つマックリスタル中将が指名された。マックリスタル氏の指名が上院の承認を得るまで、マッキャナン氏が司令官に留まる。
 米政府はこれまでのアフガン政策が成功していないことを認めており、ゲーツ長官はアフガン戦略転換を受け、軍事面でも新たな指導者が必要だとしている。



●民間人犠牲に遺憾表明=アフガンと合同調査実施へ-米
【ワシントン6日時事】クリントン米国務長官は6日、アフガニスタン西部で米軍主体の駐留連合軍が行った空爆で多数の民間人死者が出たことについて、「心の底から遺憾に思う」と哀悼の意を表明するとともに、米国とアフガン両政府による合同調査を行う方針を明らかにした。
 アフガンのカルザイ大統領、パキスタンのザルダリ大統領との3者会談の席上、語った。(


●米軍機の空爆、死者数147人 大半が民間人
【5月8日産経新聞】
 アフガニスタン西部ファラー州当局者は8日、同州バラバロク地区での米軍機の空爆による死者数が147人に上ったことを明らかにした。大半が民間人で、アフガン政府などが誤爆の原因究明を進めている。
 空爆は反政府武装勢力タリバン掃討のため、4日から5日にかけて同地区の2つの村で行われた。州当局者によると、それぞれ90人と57人が死亡し、多くが女性や子どもだった。アフガンでは米軍主体の外国部隊による民間人への誤爆被害が頻発。反米感情が高まる原因となっている。(共同)


●欧米の別の見方:アフガンのドラッグ貿易が拡大
West looked the other way as Afghan drug trade exploded
【5月10日 McClatchy Newspapers 】
http://www.mcclatchydc.com/world/story/67722.html

「ケシ御殿」と彼らは呼んでいる。有刺鉄線と警備員小屋の背後に3階から4階のローマ風の柱と大理石で覆われた住宅がアフガンの首都のカブールにいくつも建っている。
多くはアフガン政府職員や政府関係者らのものだ。彼らは数百ドルの月給だが、数十万ドルする装甲SUV車の車列に護られた車で移動する人々だ。
カブールの不動産産業の興隆は戦争で破壊された南方とはかけ離れた世界だ。しかしこれらの多くの住宅はヘルマンドとカンダハル地方のケシ栽培で得れる利益で建てられたものだ。
「これらの建物を見れば分かるように、尋常な金ではない、ドラッグ・マネーさ」と、2007年以来、カンダハル地方にある都市の市長であるハイダー・ハミディ氏は語る。
「ドラッグ業者の背後に大臣や県知事らがいる。時には彼ら自身がドラッグ業をする場合さえある」
去年、ヘルマンドとカンダハル地方はアフガンでのケシ栽培の75%を占めたし、ヘルマンドだけで、世界のアヘン供給のトップになっている。
アメリカとNATO軍がこのドラッグ問題にこの6年間真剣に対処してこなかったためだ、とアフガンとヨーロッパの高官は言う。
「NATO軍は、禁止とか根絶とか一切したがらなかった」とブッシュ政権時、麻薬対策の担当者であったトーマス・シュウェイチ氏は語る。
現在では、ヘルマンドとカンダハルは復活したタリバンの支配するアフガンの麻薬州の中心になっている。
ドラッグはそこでは主要な収入源だ。そして大方の政治家や警察官僚はドラッグ業者とつながっている。「カンダハルで最近2年間、よい警察官を見たことがない。」という。
西ヘルマンド地方のナド・アリでは、数千エーカーの政府所有の土地が、ケシのプランテーションとして灌漑され、耕作され、井戸も掘られて、大型機械で畑が耕されている。
その地方の警察は、昨年政府の「根絶チーム」に発砲したことがあった。
アメリカやNATO軍がこの麻薬とヘロインが市場に流れることを止めるために何をしたのか、という質問に、アフガンの麻薬対策担当大臣であるコダイダド大佐は、即座に「何もしなかった」と答えた。
アフガン政府も大したことはしてこなかった。・・・
・・・
 ヘロインがカンダハルの主要な問題となり始めたのはいつ頃かとの問いに、ヘロイン患者のアハマドゥラ氏は、「欧米の軍隊が来てカルザイが大統領になった、その後しばらくしてからだ」と答えた。
・・・以下略


●アフガニスタン再建の躓きの石-麻薬取引のグローバル化
 http://www.ritsbagakkai.jp/pdf/435_03.pdf

・・・
2. 対ソ戦に導入されたアフガニスタンのアヘン
黄金の三日月地域におけるアヘン取引は,ソ連のアフガニスタン侵攻,及び,ソ連と戦うCIAの行動と密接な関係にある。ソ連のアフガニスタン進駐は1979 年から1989 年まで続いた。
 1979 年時点では黄金の三日月地帯のアヘン生産は大きなものではなかった。せいぜい,局地的な取引が行われていたに止まる。高度な化学的処理を必要とするヘロインなどは,パキスタンやアフガニスタンではまったく生産されていなかったのである(McCoy[1997])。
 麻薬の汚染地帯でなかった黄金の三日月地域でアヘン生産が増加した背景には,ソ連に対抗すべく,反ソ・ゲリラ組織のムジャヒディン(Mujahideen)にCIA が梃入れしたことがある。
 「地対空携帯ミサイル」(stinger missile)をはじめとした武器を彼らに買わすべく,CIA は,アヘン生産に彼らが手を染めることを黙認し,アヘン販売で得た資金を合法化するための「資金洗浄」(money laundering)に各種金融機関を利用した。この疑惑は,イラン・コントラ(Iran-Contra)スキャンダルではしなくも明らかになった。

・・・

 CIAがアフガニスタンのアヘン取引に大きく関与していたことを示す証拠はかなり多くある。にもかかわらず,国連のUNODC はそのことについて完全に黙殺している。いわんや,アフガニスタンにおけるアヘン生産の歴史についてまったく触れてはいない。現状のアヘン生産の膨大さを撲滅する必要があると指摘するだけである(http://www.unoc.org/pdf/publications/afgopium-economy-www.pdf)。
 上記で引用したチョスドフスキー(Chossudovsky)は,別のウェブサイトで,アフガニスタンのアヘン収益がCIA の中央アジアにおける工作資金になったし,アルカイダ支援にも使われたと指摘している(Chossudovsky, Michel, “War and Globalization, The Truth behind September 11,”
Global Outlook, 2002; http://globalresearch.ca/globaloutlook/truth911.html)。
・・・以下略
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◆5月10日

 「イランの核計画問題」がこの数年ずっと「中東の危機」を演出してきたが、イランが核計画を進める理由には、実はイスラエルの「核兵器」の存在があるからで、むしろ問題はイスラエルの核兵器である、ということが言われたことはかつてなかった、少なくとも主要メディアが大きく取り上げたことはなかった。

 イランの核計画を世界が問題にする前に、イスラエルの「核兵器」を問題にすべきなのだが、世界の超大国(だった)アメリカを始めとし、世界の国の中でイスラエルの核を問題視し、公にそれに対する対応策を提示したのは、シリアのアサド大統領だけだったと思う。彼は中東を「非核地帯」にすることを提唱しており、それは暗にイスラエルの核兵器を念頭に置いたものであることは明らかである。

 この「中東を非核地帯に」とするシリアの提案は、間違いなくオバマ米政権の思惑と一致すると思われるから、今後紆余曲折はあったもシリアとアメリカとが接近することはほぼ間違いない。反対に「核兵器」を所有し、周囲の中東ばかりか、時に暗に欧米をも脅すことをも排除しないイスラエルの姿勢に、アメリカは今後圧力をかけていくものと思われる。

 そのためアメリカは、レバノンの元首相のハリリ氏が暗殺された事件直後召還していた駐シリア・アメリカ大使を、近く任命する意向であることを示した。これは、ハリリ氏の暗殺にシリア政府がかかわったとする旧米政権(ブッシュ政権)の認識に「否」を示したということであり、それは同時に、シリアを貶めようとしたブッシュ政権に対する疑惑を暗示していることとなる。いや疑惑というより、黒幕であることは承知しているであろう。
 ただしバランスを取るために、従来通りシリアに対する経済制裁は1年延長を決定している。これはオバマ大統領の思慮深さを示すものでなんら問題はない。

 下記の記事にあるように、オバマ政権はイスラエルが核兵器保有国であることを前提の発言をし、かつイスラエルの「核拡散防止条約(NPT)加盟が望ましいと」言及し、東京新聞は、それがアメリカの中東外交の焦点になる可能性もある、と伝えている。

 4月中旬に、アラブ連盟のムーサ事務局長は「アラブにとっての脅威はイランの核開発ではなく、イスラエルの核(兵器)だ」と述べている。
 このようにして、いよいよ中東問題の「本質」にメスが入れられようとする時期になった、ということであろう。
 
 世界はこれから、間違いなく「チェンジ」していくことになるだろう。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

●アラブ各国 イスラエルの『核』懸念 米高官もNPT加盟望む
【5月8日東京新聞】
 イスラエルが保有しているとみられる核兵器への懸念を、周辺アラブ各国が相次いで表明している。オバマ米大統領が「核兵器のない世界を目指す」と核軍縮を宣言して以降、目立ってきた。米政府高官も五日、イスラエルの核拡散防止条約(NPT)加盟が望ましいと言及。長く謎に包まれてきたイスラエルの核がイランの核開発と並び、中東外交の焦点になる可能性もある。
 エジプトのアブルゲイト外相は三日、カイロを訪問した中曽根弘文外相との会談で、イランの核問題に関連し「イスラエルについても考える必要がある。西側諸国はイスラエルと協議すべきだ」と述べた。
 アラブ連盟のムーサ事務局長も四月中旬、サウジアラビア紙に「アラブにとっての脅威はイランの核開発ではなく、イスラエルの核だ」と語った。
 イスラエルは核兵器保有について肯定も否定もしていないが、周辺国は「保有は確実」と一致している。米国はこれまでイスラエルの核について追及してこなかった。
 ニューヨークで開かれているNPT再検討会議に向けた準備会合で、米高官は五日、インド、パキスタン、イスラエルなどNPT非加盟国の名を挙げた上で「NPTへの信用獲得という目標が残っている」と述べ、加盟を望む意向を表明。これに対し、イスラエル高官は「NPTは(加盟国の)イランの核開発に非力ではないか」と反発している。



●米政府、近く駐シリア大使を任命か 関係改善の一環で
【5月9日 CNN】
 オバマ米政権が意欲を示すシリアとの関係改善で、米政府高官は8日、駐シリア大使の任命が近いことを明らかにした。2005年以来、ダマスカスには代理大使しか派遣していない。
 また、米国務省が最近、高官をシリアに派遣し、ダマスカスでの米国大使館の新築に備え、治安状況を調べたことも明らかにした。
 米政府は4年前、レバノンのハリリ元首相暗殺事件にシリアが関与していると指摘、大使を引き揚げさせている。シリア政府は事件とのかかわりを否定しているが、国連の独自調査は、シリアが背後にいると示唆していた。
 オバマ大統領は、イラク政策や中東和平努力の一環として、シリアとの関係改善を模索。フェルトマン国務次官補代行(中東担当)ら米高官がシリアを訪問するなどしている。同次官補代行は最近、同国を今年3月に続いて訪れ、ムアレム外相らと会談している。
 米政府高官によると、フェルトマン氏はシリア高官との会談で同国が具体的な行動を示せば、米国が発動する対シリア経済制裁の解除を検討する用意があると説明したという。また、シリア経由で外国人戦闘員がイラクへ侵入するのを阻止するためシリア政府による国境封鎖も打診したとしている。


●シリアへの経済制裁延長を決定、オバマ大統領が議会に通告
【5月9日CNN】
 オバマ米大統領は8日、米政府が4年前に打ち出したシリアに対する経済制裁を延長することを議会に通知した。制裁は、今週末に期限切れを迎えるが、シリアによるテロやイスラム過激派支援などで米国の懸念を解消させるまで至っていないことを理由にしている。
 オバマ大統領は、イラク政策や中東和平努力の一環として、シリアとの関係改善を模索。フェルトマン国務次官補代行(中東担当)ら米高官がシリアを訪問するなどしている。同次官補代行は最近、同国を今年3月に続いて訪れ、ムアレム外相らと会談した。
 米政府高官によると、フェルトマン氏はシリア高官との会談で同国が具体的な行動を示せば、経済制裁解除を検討する用意があると説明したという。また、シリア経由で外国人戦闘員がイラクへ侵入するのを阻止するためシリア政府による国境封鎖も打診したという。
 シリアに対する経済制裁は毎年見直される。米国はシリアをテロ支援国家に指定している。


●シリア情報相、「イスラエル・シリア間の和平交渉はない」
(全訳記事)
【2008年8月6日 IPS】
・・・
ビラル情報相:イランは中東の中でも非常に重要な国です。イランの核開発計画は軍事目的ではなく民生用のものです。イランは決して核兵器について言及しません。しかし、シリアは核兵器には全く反対の立場です。実際、我が国は(イスラエルも含め)中東全体を非核兵器地帯にすると宣言した国連決議を求める文書を安保理に預けています。・・・以下略
◆5月6日

 本日からNATOとグルジアとの共同軍事演習が始まったが、昨日はそのお膝元のグルジアで「クーデター」騒ぎがあり、その反乱部隊をサーカシビリ大統領が「説得して」収拾したという報道があった。
 しかもグルジア政府はこのグーデター騒ぎの背後には、ロシアの工作があったとして、ロシアを非難している。

 しかしグルジアの野党勢力は、むしろサーカシビリ大統領を非難し、グルジア政府の「一人芝居」だと言っている。
 ロシア側は、サーカシビリ大統領のロシア非難内容に対し、サーカシビリ大統領は「医者に診てもらったほうが良い」と述べ、「病的な空想」と語った。
 アメリカ国防総省は「ロシアが絡んだという情報はない」と発表した。「孤立した事件」ということは、どこの誰とも関係のない事件、ということだから、ロシアが絡んだ、というグルジア政府の主張を暗に否定していることになる。

 どうも今回の騒ぎは、国民の信頼を失いつつある現サーカシビリ大統領が、自分に対する国民の支持を復活させようと図った下手な芝居、ということだったようだ。

 もしも、ブッシュ政権ならば今回のような場合には、グルジア側の発表を支持するような声明を発表していた可能性が高いが、今度のオバマ政権はブッシュ政権とは違う、ということをグルジア政府はまだ理解していないようだ。

 この軍事演習が終了すれば、再びこのサーカシビリ大統領に対する「辞任要求」は更に強まるのではないだろうか。

 5日、アルメニアも今回の軍事演習には不参加だ、と発表した。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●ペンタゴン:グルジアのクーデター騒ぎは孤立した出来事
【5月5日 ロイター】
 米国防総省は5日、グルジアの軍事基地で起きた反乱は、孤立した出来事だったようだと発表した。状況はなお調査中であると付け加えた。
 「今回の件はまったく孤立した出来事のようだ」と、ペンタゴンのスポークスマンであるブライアン・ウィットマン氏は語り、反乱は終息したようだと付け加えた。
 「単発で起きたようであり、調査中だがアメリカとグルジアとの関係に影響はない」と述べた。
 またロシアが絡んでいる、というグルジアの主張に対し、「そういった情報はない」と述べた。
 アメリカ国防総省は、昨年8月のロシアとの戦争前、グルジア軍に対する訓練を行っていたが、現在はグルジア国内には2ダースに満たない要員しかいない、とウィットマン氏は述べた。



●グルジアでクーデター未遂か、内務省「大統領の暗殺計画も」
【5月5日 AFP】
 グルジア内務省は5日、ロシアが支援するクーデター計画首謀者らが、ミハイル・サーカシビリ大統領の暗殺を計画していたと述べた。
 グルジア内務省のウチアシュビリ報道官は、AFPに対し「反乱首謀者らは、大統領暗殺を計画していた」と語った。
 ダビド・シハルリゼ国防相は、ルスタビ2テレビに対し、首都トビリシ近郊の軍基地の部隊が、グルジアで今週行われる北大西洋条約機構(NATO)の軍事演習を前に「反乱」を起こしたと述べ、反乱の目的は、「NATO軍事演習を妨害し、政府当局の軍事力を転覆させることだ」と語った。
 ウチアシュビリ報道官によると、内務省が「武装蜂起」の計画を察知したという。「計画はロシアが準備した。最低でもNATO軍事演習を妨害し、最大ではグルジアで大規模な軍の反乱を起こす計画だった」
 また、軍兵士1人を拘束したと述べ、「反乱部隊がロシアと直接連絡を取り、ロシアから直接指令を受け、ロシアから金銭を受け取っていたという情報を入手している」と語った。

■ロシア側は「病的な空想」と一蹴
 一方、ロシアのグリゴリー・カラシン外務次官は5日、インタファクス通信に対し、「ロシアに対するグルジアの糾弾は、グルジアの指導者の病的な空想と、無責任な振る舞いを示すものだ」と反論し、「いま起きていることは、われわれが常に懸念していたことだ。グルジアの指導者は、国内政治の問題をロシアとロシア軍に転嫁しようとしている」と述べた。



●グルジア大統領:軍の反乱後事態は沈静化
【5月5日 RIA Novosti】
・・・
 ロシア政府の高官はサーカシビリ大統領のロシア非難声明に対しどう思うかとのRIA Novostiの質問に対し、詳細なコメントはせず、ただグルジア大統領は「医者に診てもらったほうが良い」と語った。

■野党の反応
 トビリシ市でほぼ1ヶ月に渡ってサーカシビリ大統領辞任要求運動を続けている反対派は、今回の反乱騒動を「サーカシビリの芝居」だと述べた。
「我々は、どうも『一人芝居』を見ているようだ」と語った。・・・以下略


●アルメニアはNATO軍事演習に参加せず
【5月5日RIA Novosti】
 アルメニア国防長官は5日、アルメニアはNATOがグルジアと共同で行う軍事演習には参加しない、と語った。・・・以下略



◆4月30日  
 
 オバマ政権とイスラエルのネタニヤフ政権とが「衝突」しつつあることを書いた。この動きは現在進行中の、イスラエルロビー工作事件となってより一層顕著になりだしている。  

 4月19日、「議会季刊誌」のジェフ・ステイン氏は、2005年後期、国家安全保障局(NSA)がイスラエル人の工作員とジェーン・ハーマン下院議員(民主党・カリフォルニア州)の間の会話を傍受した、と発表した。 この会話の内容を見ると、このイスラエルの工作員は、FISA(外国諜報監視法)における裁判所許可の盗聴対象者だった者で現在FBIが取調べ中の者だが、ハーマン議員に対して来る2006年の中間選挙(当時)で民主党が勝利したあかつきには、下院常設情報特別委員会(House Permanent Select Committee)の議長の椅子を約束するので、その代わりにAIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)の二人のスパイに対する連邦政府の起訴を取り下げるようにして欲しいというもの。  

 これは、オバマ政権のイスラエルのネタニヤフ政権に対する、圧力といえる。何に対する圧力か、といえば、オバマ政権が目指す中東和平達成であり、イラン問題の外交的解決への協力、つまりイスラエルのイランに対する先制攻撃への牽制、という二項目であろう。
 
 それは、上記のイスラエルのスパイ工作問題には、現ネタニヤフ政権の内部にいる重要な人物らも直接・間接にかかわりがあることが分かっているからだ。  

 ウジ・アラド(国家安全保障首席顧問) 
 ナオル・ギロン(リーバーマン外相の首席補佐官) 
 エラン・レーマン(アメリカ・ユダヤ委員会・中東事務局理事)  の3人だ。  

 従って、この問題が深化すれば、イスラエルとアメリカの関係は本格的な亀裂状態にいたるであろう。まして現在は、主にユダヤ系金融資本家らにより惹き起こされたと言っていい金融危機・経済危機の真っ只中であり、アメリカ国民のこういったユダヤ系資本家らに対する怨嗟はいよいよ深まりこそすれ軽減される事情にはないのだから、そこにもってきてイスラエルのスパイ工作が国家の重要問題である、国防機密に関する部門で起きているとなれば、ますます彼らに対する憎悪は拡大し、彼らのアメリカ国内での安全保障さえ困難にもなりかねない状態に陥るだろう。 
 こうなれば、毎年3000億円に上るアメリカからのイスラエルに対する援助は当然見直されるようになり、それはひいてはイスラエルの国防力の大幅な削減につながり、彼らの中東における存在そのものが危ぶまれる事態に追い込まれないとも限らない可能性を含んでいるのだ。  

 さて、ネタニヤフ政権はどうでるのであろうか?

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●イスラエル・スパイ問題がネタニヤフの戦争をとめるか?
4月25日  
http://www.larouchepub.com/other/2009/3617isr_spy_war.html

 AIPACの二人のトップ職員に対する連邦政府の起訴を取り下げさせようとするイスラエルの工作、つまり議員らに対する賄賂提供が明らかとなり、これがイスラエルのアメリカ国内における汚い政治工作とスパイ活動が続いていることを示しているとして、注目されだしている。 
 この新しいスキャンダルはイスラエルのネタニヤフ首相のインナーサークルの補佐官や顧問らに直結しているため、ワシントンと世界の専門家らの注目点は:オバマ政権がイランと直接的な外交を行う準備をしている最中、このスキャンダルがイランに対する軍事的攻撃という、中東での新しい戦略的な紛争というネタニヤフの脅しに勢いを与えるのか、ということにある。  

 4月19日、議会季刊誌のジェフ・ステイン氏は、2005年後期、国家安全保障局がイスラエル人の工作員とジェーン・ハーマン議員(民主党・カリフォルニア州)の間の会話を傍受した、と発表した。 この会話の内容を見ると、このイスラエルの工作員は、FISA(外国諜報監視法)における裁判所許可の盗聴対象者だった者で現在FBIが取調べ中だが、ハーマン議員に対して来る2006年の中間選挙(当時)で民主党が勝利したあかつきには、下院常設情報特別委員会の議長の椅子を約束するので、その代わりにAIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)の二人のスパイに対する起訴を取り下げるようにして欲しいというもの。  

 このイスラエルの工作員は、アメリカ人ないしはイスラエル・アメリカの二重国籍者で、選挙資金をメディア億万長者ハイム・サバン氏から現金で与えると約束したと、アメリカ情報機関高官は言う。このサバン氏は、マーチン・インヂュク氏という二重国籍者が率いるサバン中東政策研究所のパトロンである。 この2006年の選挙戦でこのような約束をされ、資金を得た者の中には、ナンシー・ペロシ氏がいる。彼女はこの選挙の後、下院議長になった。 

 ステイン氏の話では、野党だった民主党の党首のペロシ氏との関係がまだ薄かった時、ハーマン氏はブッシュ政権に介入することができるといって意欲を示した、という。それは、当時のブッシュ政権によるアメリカ国民に対する令状無しの不法な盗聴行為をニューヨーク・タイムズ紙が暴露していたために、そのダメージ・コントロールのためにホワイトハウスは懸命にハーマン氏の協力を得ようとしたいからだ、と言う。 ホワイトハウスと司法省は、NSAが傍受した時、ニューヨーク・タイムズ紙の暴露記事が掲載寸前だったということ、またもしハーマン氏がブッシュ側についてくれれば、アメリカ国内における不法なアメリカ国民に対するスパイ行為(盗聴)の発覚の衝撃は大いに軽減されるだろうということが分かっていた。
 
 タイムズの話は、ジェームズ・ライゼン氏とエリック・リヒトブラウ氏によれば、2005年12月16日に掲載され、確かにハーマン氏はその時、「9・11事件のようなテロリストからの攻撃からアメリカを守るために必要なこと」と言ってホワイトハウスの擁護に回ったという。 
 そして、まさしく、民主党は、2006年の中間選挙で勝利し、上・下院で過半数を確保した。 しかし、イスラエルのためのハーマン氏の努力についての内容は、2006年には発覚し始めていた。そして願っていた常設情報特別委員会の議長職を手に入れることはできなかった。
 ペロシ議長は、最近、ハーマン氏を情報委員会議長にすることに反対した時、NSAの傍受の件を知っていたと認めている。
 
・・・略
 
 <ネタニヤフの取り巻き>
 ハーマン氏と調査対象であったイスラエルの工作員との会話のNSAの傍受のリークは、AIPACの元二人の職員、ローゼンとワイスマンの裁判との関係で起きている、と情報関係高官は述べた。この二人は、スパイだったと告白したイスラエル人と、イラン分析官で元空軍予備将校のラリー・フランクリンから機密情報を受け取り、それをイスラエル大使館の高官に渡したことで起訴されている。

 ステイン氏によって報告されたNSAの正確な傍受内容のリークは、司法省内部から来たものだ。 ローゼン/ワイスマン事件には複雑な面があるが、同じスパイ行為に対する起訴で、ブッシュ政権がAIPACを起訴することに失敗した事実から言えば、アメリカの国防機密を入手しようとして、イスラエルがまたもやスパイ行為にかかわっていたということは間違いなく、またイスラエルのスパイ工作の黒幕たちの役割と身元も割れている。  

 2005年5月26日、ラリー・フランクリンは機密情報をイスラエルに渡したことで起訴された。 2005年8月4日に更新された起訴状で、スティーブ・ローゼンとキース・ワイスマンは起訴された。名前は伏せているが、この起訴で、ブッシュ政権のイランの脅威に対処する方法に関する討議内容に関するペンタゴンの機密情報を入手するにおいて、AIPACとフランクリンと共謀した少なくとも3人のイスラエル人がいたことが明らかとなった。
 
 そしてここにアメリカ・イスラエル間の亀裂問題が直接かかわってくるのである。

 このフランクリン/AIPAC問題の3人のイスラエル人は、ウジ・アラド、ナオル・ギロン、エラン・レーマンだ。3人ともネタニヤフと親しい関係にある人物たちである。2人は国家安全保障と外交のトップだ。アラドは首相の国家安全保障首席顧問で、ギロンはリーバーマン外相の首席補佐官である。3人目のエラン・レーマンは、アメリカ・ユダヤ委員会のエルサレムにおけるイスラエル・中東事務局の理事である。 彼は、フランクリン/ローゼン/ワイスマンスパイ工作事件の起きる前、2001年にこの職に就いている。そして、退職後すぐ、イスラエル国防軍の大佐として軍事情報調査工作師団長となった。
 レーマンは、ロンドンスクール・オブ・エコノミクス卒で、ネタニヤフ政権時国連大使を務めたドール・ゴールド博士が長を務めるリクードのシンク・タンクのエルサレム・センター広報から頻繁に出版物を出している。      

 2002年から2005年まで、ナオル・ギロンはワシントンのイスラエル大使館の政策カウンセラーであった。そしてフランクリンとワイスマンと直接接触する立場の者だった。 スパイ工作時、ギロンのボスはダニー・アヤロン大使であった。現在このアヤロン氏は外務審議官で、リーバーマン外相のイスラエル・ベイテヌ党のメンバーである。
 ギロンは、起訴状によれば、少なくともフランクリンと2003年から2004年にかけて15回の会合を持っている。 彼が最初にフランクリンと会ったのは1997年で、当時フランクリンは空軍予備役将校としてテルアビブのアメリカ大使館勤務であった。フランクリンは、イスラエル政府の高官と無許可で会合を何回も持ちそれを報告しなかったため、自宅に帰された。
 ネタニヤフが首相だった1996年、外相にほどなくしてなったリーバーマンはまだリクードに在籍していて、ネタニヤフの首席補佐官だった。イスラエル事情に詳しい人物によると、イスラエル・ベイテヌ党を作るため、リーバーマンがリクードから離れたのを、ロシアからの移民でマフィアの背景を持つ男の扱いに困難さを感じていたネタニヤフは見てみぬふりをしたという。このロシアからの移民たちがリーバーマンの新しい党の基盤となっている。

  メディアの情報と異なり、フランクリン・スパイ工作事件でより重要な人物はウジ・アラドだ。彼は現在ネタニヤフ首相の国家安全保障首席顧問となっている。 アラドは、モサドのキャリア高官だったが1999年に「辞職」し、翌年、ヘルツリアの総合センターに、政策戦略研究所を創設した。彼は世界安全保障大会を創設した。これはダボス経済フォーラムとウェルクンデ安全保障大会を模したものだ。
 フランクリンは、2003年に、アラドの主催したヘルツリアの大会に一度は参加している。2004年2月13日ギロンはフランクリンをペンタゴンに呼び出し、アラドと会うよう求めた。翌週に2人はペンタゴンのカフェで会っている。
 FBIがフランクリンとの関係についてアラドを尋問した時、アラドは「学問上の論文」を話題にしていただけだと述べた。 しかし2009年の4月までアラドはアメリカに入国はできなかった。その決定が撤回されたのは、アラドがネタニヤフ首相の国家安全保障担当者としてワシントンを訪問することを許可された場合だけだ。実際、イスラエルのアメリカ国内でのスパイ工作の捜査は、ある意味、公式の諜報機関に近いところで、重要なスパイ工作をシンクタンクの中とか私立の研究所の中で進める、イスラエルの「元」スパイで作られている「モサドもどき」が存在しているのかどうか、に焦点がある。

 イスラエル高官で、もう一つのポラード事件のようなことをしようとする者は殆どいない。このポラード事件とは、イスラエルの科学スパイ組織の諜報機関であるレケムが、アメリカ海軍情報分析官のジョナサン・ジェイ・ポラードを使っていたところを見つかった事件である。 このレケム作戦はモサドのトップ・オフィサーであるラフィ・エイタンが率いていた。アラドもレーマンも「ダーティ・ラフィ」の子分で、ポラード事件で支払ったイスラエルの代償の大きさを知っているはずである。

  最近、ヒラリー・クリントン国務長官が、イスラエルを訪問し、ネタニヤフ氏に会った時、 ネタニヤフ首相は、ウジ・アラドを会合に参加させるという、明白で礼を失するメッセージを送った。クリントン長官が、小さい会合が適切だと提案した時、そして双方が部屋から一人退出させるべきと提案して、ネタニヤフ首相の明らかに間違っている態度に訂正の機会を与えたが、ネタニヤフ首相はダン・メリドー大臣を退出させた。 アラドは部屋に残ったので、クリントン長官は終始表情をこわばらせたままだった。
 
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◆4月29日

 パキスタンのザルダリ大統領は27日、ウサマ・ビンラディンが既に死亡しているのではないかと語った。それをロイターが報じた。ここにもアメリカの論調の変化が見て取れそうだ。
 実は暗殺されたベナジール・ブット女史が生前、やはりビンラディンの死亡について語っており、彼女はビンラディンの暗殺者の名前まで語ったのだが、それは大手のメディアでは取り上げられなかった。2007年11月2日、ブット女史はビンラディンを殺害したのは、オマール・シェイフだと語っている。

●以下のYouTubeで見ることができる。 
 www.youtube.com/watch

 その人物はパキスタンの諜報機関と関係のある人物だという。そしてその彼女もこのことを語った直後の12月27日暗殺されてしまった。彼女は自分がパキスタン政府によって暗殺される危険性を十分知っていて、なおかつパキスタンに帰国を果たし、そして予想通り暗殺された。これからいえることは、彼女の証言は信憑性が高い、ということだ。またその語り口も納得できるものである。

 つまりビンラディンは2007年には既に死亡している可能性が高いのだ。もし死んでいるとすれば、アメリカの諜報機関もその他の国の諜報機関もほぼ真実は把握しているはずである。ブット女史が語った内容を知らないはずもないのだから。
 つまり、各国はビンラディンは既に死亡していることを知りつつ、「テロとの戦争」の名目上、その死を公開せず、あたかもビンラディンがまだ生きているかのように装いながら、「テロとの戦争」という政策を進めてきた、ということになる。

 しかしオバマ氏が合衆国の大統領になってから、彼は「テロとの戦争」という表現さえ使用しない方針をとるようになった。つまり、オバマ氏は「テロとの戦争」という表現には以上のようなまやかしがあり、それを継続的に使用することは彼の方針と合わないと判断したためであろう。
 従ってこれからは、ブッシュ政権が築いてきたさまざまなまやかしの構造が明らかになり、それが解体されていくようになるであろう。


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●ビンラディン、すでに死亡の可能性=パキスタン大統領
【イスラマバード27日ロイター】
 パキスタンのザルダリ大統領は27日、アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者について、居場所は依然として分からず、すでに死亡している可能性があるとの見方を示した。 
 ザルダリ大統領は海外メディアに対し、米当局はビンラディン容疑者がパキスタンに潜伏している可能性が強いと常々主張するが、いまだにその痕跡を見つけたとの報告は受けていないと語った。
 自国の情報機関も同様に居場所を突き止めていないとした上で、同大統領は「新しいニュースはない。彼ら(情報機関)は明らかに彼(ビンラディン)がもはや存在しないと感じているが、確認はしていない。それを確かめることはできない」と述べた。
 中東の衛星テレビ局アルジャジーラは今年3月、ビンラディン容疑者のものとする音声テープを放送。生きていれば、ビンラディン容疑者は3月10日に52歳になっている。


●オバマ政権で「テロとの戦い」という言葉は使わない、クリントン米国務長官
 【3月31日 AFP】
 ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は30日、アフガニスタンの安定化を協議する閣僚級国際会議に出席するためオランダのハーグ(The Hague)に向かう機中で同行記者団の質問に答え、オバマ政権ではジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前大統領政権が用いた「テロとの戦い」という言葉を使うのをやめたと述べた。
 クリントン長官は、「オバマ政権ではその表現を使っていない。この事実で十分説明になっていると思う。現政権でその表現を聞いたこともないし、この表現を使えとか、使うなとかいう指示を受けたこともない。自然に使われなくなったということ」と説明した。 ブッシュ前政権は、「テロとの戦い」の名目でイラクに進攻し、キューバ・グアンタナモ(Guantanamo)米海軍基地の収容施設や、米中央情報局(Central Intelligence Agency、CIA)が外国に設置した収容施設での容疑者拘束を正当化した。
 しかし1月の就任以来オバマ大統領は、イラクからの米軍撤退やグタンタナモ収容施設の1年以内の閉鎖を宣言するなど、前政権と決別する政策を次々と打ち出している。

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