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◆4月30日  
 
 オバマ政権とイスラエルのネタニヤフ政権とが「衝突」しつつあることを書いた。この動きは現在進行中の、イスラエルロビー工作事件となってより一層顕著になりだしている。  

 4月19日、「議会季刊誌」のジェフ・ステイン氏は、2005年後期、国家安全保障局(NSA)がイスラエル人の工作員とジェーン・ハーマン下院議員(民主党・カリフォルニア州)の間の会話を傍受した、と発表した。 この会話の内容を見ると、このイスラエルの工作員は、FISA(外国諜報監視法)における裁判所許可の盗聴対象者だった者で現在FBIが取調べ中の者だが、ハーマン議員に対して来る2006年の中間選挙(当時)で民主党が勝利したあかつきには、下院常設情報特別委員会(House Permanent Select Committee)の議長の椅子を約束するので、その代わりにAIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)の二人のスパイに対する連邦政府の起訴を取り下げるようにして欲しいというもの。  

 これは、オバマ政権のイスラエルのネタニヤフ政権に対する、圧力といえる。何に対する圧力か、といえば、オバマ政権が目指す中東和平達成であり、イラン問題の外交的解決への協力、つまりイスラエルのイランに対する先制攻撃への牽制、という二項目であろう。
 
 それは、上記のイスラエルのスパイ工作問題には、現ネタニヤフ政権の内部にいる重要な人物らも直接・間接にかかわりがあることが分かっているからだ。  

 ウジ・アラド(国家安全保障首席顧問) 
 ナオル・ギロン(リーバーマン外相の首席補佐官) 
 エラン・レーマン(アメリカ・ユダヤ委員会・中東事務局理事)  の3人だ。  

 従って、この問題が深化すれば、イスラエルとアメリカの関係は本格的な亀裂状態にいたるであろう。まして現在は、主にユダヤ系金融資本家らにより惹き起こされたと言っていい金融危機・経済危機の真っ只中であり、アメリカ国民のこういったユダヤ系資本家らに対する怨嗟はいよいよ深まりこそすれ軽減される事情にはないのだから、そこにもってきてイスラエルのスパイ工作が国家の重要問題である、国防機密に関する部門で起きているとなれば、ますます彼らに対する憎悪は拡大し、彼らのアメリカ国内での安全保障さえ困難にもなりかねない状態に陥るだろう。 
 こうなれば、毎年3000億円に上るアメリカからのイスラエルに対する援助は当然見直されるようになり、それはひいてはイスラエルの国防力の大幅な削減につながり、彼らの中東における存在そのものが危ぶまれる事態に追い込まれないとも限らない可能性を含んでいるのだ。  

 さて、ネタニヤフ政権はどうでるのであろうか?

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●イスラエル・スパイ問題がネタニヤフの戦争をとめるか?
4月25日  
http://www.larouchepub.com/other/2009/3617isr_spy_war.html

 AIPACの二人のトップ職員に対する連邦政府の起訴を取り下げさせようとするイスラエルの工作、つまり議員らに対する賄賂提供が明らかとなり、これがイスラエルのアメリカ国内における汚い政治工作とスパイ活動が続いていることを示しているとして、注目されだしている。 
 この新しいスキャンダルはイスラエルのネタニヤフ首相のインナーサークルの補佐官や顧問らに直結しているため、ワシントンと世界の専門家らの注目点は:オバマ政権がイランと直接的な外交を行う準備をしている最中、このスキャンダルがイランに対する軍事的攻撃という、中東での新しい戦略的な紛争というネタニヤフの脅しに勢いを与えるのか、ということにある。  

 4月19日、議会季刊誌のジェフ・ステイン氏は、2005年後期、国家安全保障局がイスラエル人の工作員とジェーン・ハーマン議員(民主党・カリフォルニア州)の間の会話を傍受した、と発表した。 この会話の内容を見ると、このイスラエルの工作員は、FISA(外国諜報監視法)における裁判所許可の盗聴対象者だった者で現在FBIが取調べ中だが、ハーマン議員に対して来る2006年の中間選挙(当時)で民主党が勝利したあかつきには、下院常設情報特別委員会の議長の椅子を約束するので、その代わりにAIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)の二人のスパイに対する起訴を取り下げるようにして欲しいというもの。  

 このイスラエルの工作員は、アメリカ人ないしはイスラエル・アメリカの二重国籍者で、選挙資金をメディア億万長者ハイム・サバン氏から現金で与えると約束したと、アメリカ情報機関高官は言う。このサバン氏は、マーチン・インヂュク氏という二重国籍者が率いるサバン中東政策研究所のパトロンである。 この2006年の選挙戦でこのような約束をされ、資金を得た者の中には、ナンシー・ペロシ氏がいる。彼女はこの選挙の後、下院議長になった。 

 ステイン氏の話では、野党だった民主党の党首のペロシ氏との関係がまだ薄かった時、ハーマン氏はブッシュ政権に介入することができるといって意欲を示した、という。それは、当時のブッシュ政権によるアメリカ国民に対する令状無しの不法な盗聴行為をニューヨーク・タイムズ紙が暴露していたために、そのダメージ・コントロールのためにホワイトハウスは懸命にハーマン氏の協力を得ようとしたいからだ、と言う。 ホワイトハウスと司法省は、NSAが傍受した時、ニューヨーク・タイムズ紙の暴露記事が掲載寸前だったということ、またもしハーマン氏がブッシュ側についてくれれば、アメリカ国内における不法なアメリカ国民に対するスパイ行為(盗聴)の発覚の衝撃は大いに軽減されるだろうということが分かっていた。
 
 タイムズの話は、ジェームズ・ライゼン氏とエリック・リヒトブラウ氏によれば、2005年12月16日に掲載され、確かにハーマン氏はその時、「9・11事件のようなテロリストからの攻撃からアメリカを守るために必要なこと」と言ってホワイトハウスの擁護に回ったという。 
 そして、まさしく、民主党は、2006年の中間選挙で勝利し、上・下院で過半数を確保した。 しかし、イスラエルのためのハーマン氏の努力についての内容は、2006年には発覚し始めていた。そして願っていた常設情報特別委員会の議長職を手に入れることはできなかった。
 ペロシ議長は、最近、ハーマン氏を情報委員会議長にすることに反対した時、NSAの傍受の件を知っていたと認めている。
 
・・・略
 
 <ネタニヤフの取り巻き>
 ハーマン氏と調査対象であったイスラエルの工作員との会話のNSAの傍受のリークは、AIPACの元二人の職員、ローゼンとワイスマンの裁判との関係で起きている、と情報関係高官は述べた。この二人は、スパイだったと告白したイスラエル人と、イラン分析官で元空軍予備将校のラリー・フランクリンから機密情報を受け取り、それをイスラエル大使館の高官に渡したことで起訴されている。

 ステイン氏によって報告されたNSAの正確な傍受内容のリークは、司法省内部から来たものだ。 ローゼン/ワイスマン事件には複雑な面があるが、同じスパイ行為に対する起訴で、ブッシュ政権がAIPACを起訴することに失敗した事実から言えば、アメリカの国防機密を入手しようとして、イスラエルがまたもやスパイ行為にかかわっていたということは間違いなく、またイスラエルのスパイ工作の黒幕たちの役割と身元も割れている。  

 2005年5月26日、ラリー・フランクリンは機密情報をイスラエルに渡したことで起訴された。 2005年8月4日に更新された起訴状で、スティーブ・ローゼンとキース・ワイスマンは起訴された。名前は伏せているが、この起訴で、ブッシュ政権のイランの脅威に対処する方法に関する討議内容に関するペンタゴンの機密情報を入手するにおいて、AIPACとフランクリンと共謀した少なくとも3人のイスラエル人がいたことが明らかとなった。
 
 そしてここにアメリカ・イスラエル間の亀裂問題が直接かかわってくるのである。

 このフランクリン/AIPAC問題の3人のイスラエル人は、ウジ・アラド、ナオル・ギロン、エラン・レーマンだ。3人ともネタニヤフと親しい関係にある人物たちである。2人は国家安全保障と外交のトップだ。アラドは首相の国家安全保障首席顧問で、ギロンはリーバーマン外相の首席補佐官である。3人目のエラン・レーマンは、アメリカ・ユダヤ委員会のエルサレムにおけるイスラエル・中東事務局の理事である。 彼は、フランクリン/ローゼン/ワイスマンスパイ工作事件の起きる前、2001年にこの職に就いている。そして、退職後すぐ、イスラエル国防軍の大佐として軍事情報調査工作師団長となった。
 レーマンは、ロンドンスクール・オブ・エコノミクス卒で、ネタニヤフ政権時国連大使を務めたドール・ゴールド博士が長を務めるリクードのシンク・タンクのエルサレム・センター広報から頻繁に出版物を出している。      

 2002年から2005年まで、ナオル・ギロンはワシントンのイスラエル大使館の政策カウンセラーであった。そしてフランクリンとワイスマンと直接接触する立場の者だった。 スパイ工作時、ギロンのボスはダニー・アヤロン大使であった。現在このアヤロン氏は外務審議官で、リーバーマン外相のイスラエル・ベイテヌ党のメンバーである。
 ギロンは、起訴状によれば、少なくともフランクリンと2003年から2004年にかけて15回の会合を持っている。 彼が最初にフランクリンと会ったのは1997年で、当時フランクリンは空軍予備役将校としてテルアビブのアメリカ大使館勤務であった。フランクリンは、イスラエル政府の高官と無許可で会合を何回も持ちそれを報告しなかったため、自宅に帰された。
 ネタニヤフが首相だった1996年、外相にほどなくしてなったリーバーマンはまだリクードに在籍していて、ネタニヤフの首席補佐官だった。イスラエル事情に詳しい人物によると、イスラエル・ベイテヌ党を作るため、リーバーマンがリクードから離れたのを、ロシアからの移民でマフィアの背景を持つ男の扱いに困難さを感じていたネタニヤフは見てみぬふりをしたという。このロシアからの移民たちがリーバーマンの新しい党の基盤となっている。

  メディアの情報と異なり、フランクリン・スパイ工作事件でより重要な人物はウジ・アラドだ。彼は現在ネタニヤフ首相の国家安全保障首席顧問となっている。 アラドは、モサドのキャリア高官だったが1999年に「辞職」し、翌年、ヘルツリアの総合センターに、政策戦略研究所を創設した。彼は世界安全保障大会を創設した。これはダボス経済フォーラムとウェルクンデ安全保障大会を模したものだ。
 フランクリンは、2003年に、アラドの主催したヘルツリアの大会に一度は参加している。2004年2月13日ギロンはフランクリンをペンタゴンに呼び出し、アラドと会うよう求めた。翌週に2人はペンタゴンのカフェで会っている。
 FBIがフランクリンとの関係についてアラドを尋問した時、アラドは「学問上の論文」を話題にしていただけだと述べた。 しかし2009年の4月までアラドはアメリカに入国はできなかった。その決定が撤回されたのは、アラドがネタニヤフ首相の国家安全保障担当者としてワシントンを訪問することを許可された場合だけだ。実際、イスラエルのアメリカ国内でのスパイ工作の捜査は、ある意味、公式の諜報機関に近いところで、重要なスパイ工作をシンクタンクの中とか私立の研究所の中で進める、イスラエルの「元」スパイで作られている「モサドもどき」が存在しているのかどうか、に焦点がある。

 イスラエル高官で、もう一つのポラード事件のようなことをしようとする者は殆どいない。このポラード事件とは、イスラエルの科学スパイ組織の諜報機関であるレケムが、アメリカ海軍情報分析官のジョナサン・ジェイ・ポラードを使っていたところを見つかった事件である。 このレケム作戦はモサドのトップ・オフィサーであるラフィ・エイタンが率いていた。アラドもレーマンも「ダーティ・ラフィ」の子分で、ポラード事件で支払ったイスラエルの代償の大きさを知っているはずである。

  最近、ヒラリー・クリントン国務長官が、イスラエルを訪問し、ネタニヤフ氏に会った時、 ネタニヤフ首相は、ウジ・アラドを会合に参加させるという、明白で礼を失するメッセージを送った。クリントン長官が、小さい会合が適切だと提案した時、そして双方が部屋から一人退出させるべきと提案して、ネタニヤフ首相の明らかに間違っている態度に訂正の機会を与えたが、ネタニヤフ首相はダン・メリドー大臣を退出させた。 アラドは部屋に残ったので、クリントン長官は終始表情をこわばらせたままだった。
 
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