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ロシアの拒否権行使を喜ぶシリア市民
◆2月6日
ロシアと中国が国連安保理におけるシリア問題で拒否権を行使したことで、アメリカなどが怒り、ロシアなどの行為で国連が機能しなくなっている、と非難をしている。
そして日本のメスメディアと言われる存在も、それに同調する内容を発信している。しかし、それにしては、シリアで本当は何が起きているのか?ということを調査するためにアラブ連盟から派遣された監視団の報告書の内容を報道することがないのは、どうしたわけであろうか?
この報告書の内容は、このROCKWAY EXPRESS でも1月25日号の「アラブ連盟監視団長:シリアでは武装テロリストが公共施設を襲撃」で示したが、以前はアラブ連盟のウェブサイトには掲載されていなかったこの報告書の内容が今は掲載され見る事ができるのである。以下にアドレスを示す ↓
http://www.columbia.edu/~hauben/Report_of_Arab_League_Observer_Mission.pdf
欧米メディアとアラブ系メディアがユダヤとサウジ、カタールなどの資金などで運営されている限り、イスラエルに対抗しているシリアに不利な内容が発信されていること、不利というよりか真実から見て真逆な内容を発信していることを知るべきであり、シリアの真実の情況はこの報告書にしたためられているのである。
大新聞、テレビ局、政府の中東関連部署で仕事している人々は、この報告書の内容を読みかつ報道すべきである。監視団がシリア入りするまでは大きく騒いだくせに、いざ、監視団が一月も見聞したシリアの実情を報告している報告書が出ているにも係わらず、それを無視し、代わって欧米メディアの論調をそのまま受け入れ、報道することは、犯罪的行為である。
今回は、ロシアと中国が拒否権を行使したから、シリアをめぐってあからさまなNATOメンバー国による侵略行為は阻止されたが、これからもシリア国内のゲリラ活動は継続するのであろうから、今からでも真実を報道するべく、まずはこの160名の監視団メンバーがまとめた報告書を読むべきである。
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●アラブ連盟のシリアに対する工作
http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/NB04Ak01.html
【2月4日 Pepe Escobar Asia Times】
GCC(湾岸協力委員会)というよりもアラブ連盟の”民主的”速成工作がこれだ。六カ国の湾岸諸国で構成されるこの汎アラブ組織が二つの湾岸君主国によって利用されたのだ。この二カ国は湾岸反革命クラブとも言われる、カタールとサウジアラビアである。
GCCはアラブ連盟監視団を結成し、シリアに向かわした。NATOメンバー国であるフランスとトルコに拠点を持つシリア国民評議会は、熱狂的にこれを支持した。
この160名に上る監視団メンバーが一ヶ月の調査をしてその報告書を発表したが、驚いた事にこの報告書の内容は公式のGCCの言ってきたこと、すなわち、悪辣なバシャール・アル・アサド政府は無差別に、一方的に自国民を殺戮しているので、政権交代は不可避である、という主張内容と矛盾するものだった。
アラブ連盟の閣僚委員会はこの報告書内容を承認した。賛成票を投じたのは、アルジェリア、エジプト、スーダン、オマーンである。一票だけ反対票があった。想像してみてくれ、カタールである。このカタールはアラブ連盟を率いる椅子をパキスタンから買い取ったのだ。
それで、この報告書は欧米メディアによって無視されるか、アラブ・メディアによって無慈悲に破壊されるかしたのである。このアラブ系メディアは殆どがサウジアラビアかカタールによってファイナンスされている。報告者の内容は議論さえされなかったという。それはGCCがこの報告書内容をアラビア語から英語に翻訳することを、またアラブ連盟ウェブサイトに掲載することを阻止したからである。それがリークされるまで。以下にその全文が見れる。
http://www.columbia.edu/~hauben/Report_of_Arab_League_Observer_Mission.pdf
この報告書内容は断固としたものだ。シリア政府による組織された致死的な弾圧は無かったということだ。それに代わって、報告書は怪しげな武装ギャングが市民バス、ディーゼル運搬列車、警察バス、橋梁、パイプラインなどに対する爆弾攻撃を行うことで、数百人の一般市民と1000名以上のシリア軍兵士らの死にたいする責任を負っている、と指摘している。
公式のNATO・GCC版のシリアの情況は、民衆の反乱に対する弾丸と戦車による弾圧というものだ。しかしそれに代わって、BRICSメンバーのロシアと中国、それに発展途上国の多くの諸国は、シリア政府が重武装した外国人傭兵と交戦している、というように見ている。そして今回の監視団の報告書はそれを裏付ける内容となっているのである。・・・以下略
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