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ユーロが崩壊して欲しくないソロス
◆2月13日
アメリカの投資家(投機家?)のジョージ・ソロスが現在の欧米社会、つまり先進国での金融・財政問題を危機的だと見なしている。
彼によれば、現在の情況は1930年代の「大恐慌時代」にも比肩される時だという。つまり10年以上の不景気になる危険性がある、という。またユーロはサバイバルすべきだ、と言っている。これは恐らく彼自身がヨーロッパのソブリン債を20億ドルも持っているからだ。
ギリシャとかイタリアなどがデフォルトでもすれば、リーマン・ブラザースと似たようなショックをもたらす、と言っているが、そんなもので終われば、御の字ではないだろうか。彼が恐れているように、最悪、金融システムの崩壊というか不能状態ということも考えられるから、その際には、リーマン・ブラザース時の10倍の衝撃波となるだろう。
ギリシャなどはその財政状態の実態はマーストリヒト条約に違反する内容でしかなかったのだから、ユーロ圏に組み込まれること自体に無理があったのだ。ギリシャは実態を隠していたわけで、いわばもぐりであったのだから、ギリシャはユーロ圏から離脱すべきか、と思われる。
またアイルランドも今の状態では債務情況を改善できる可能性は少ないので、やはり離脱した方がアイルランドのためかもしれない。
とにかく、税制、財政、経済力などが異なる国家同士を金融面のみ統合したのがユーロ圏だから、所詮無理があった。金融政策と財政とは不可分の働きをするのだから、それを分けてしまったところにこのユーロ圏の失敗の源がある。
従ってどうあがいても、長続きするとは思えない。早晩、ユーロ圏は崩壊し、統一通貨のユーロも崩壊するのではないだろうか?
またアメリカも更なるQEが必要になってきているようだから、ドルは更に下落し、アメリカの輸出力がでてくる1ドル60円付近にまで下げる可能性が高いのではないか。そうなれば、再びアメリカは息を吹き返すかもしれない。
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●ジョージ・ソロス:アメリカ経済崩壊で騒乱惹起
http://www.moneynews.com/Headline/Soros-US-Economy-Violence/2012/01/23/id/425096
【1月23日 Forrest Jones – Money News】
アメリカ経済が悪化するため、ウェール街占拠のような抗議運動が激化し、国中に暴力が蔓延する、と億万長者のジョージ・ソロスは語った。
「秩序維持のためというのは強権的に弾圧するための口実である。それを進めることで圧制的な政治システムを生み出し、それは個人の自由がずっと狭められてしまうが、それはアメリカの伝統を破壊することになるかもしれない」とニューズウィーク誌にソロスは語った。
アメリカ国内の騒乱というものは、悪化する世界経済の一つの症状とされ、資産の保護ということが優先事項になる。
「こういう時には、サバイバルということが一番重要なことだ」とソロスはニューズウィーク誌に語る。
「煽るために言っているわけではない。この情況は私のキャリアの中で経験した困難さと同程度に困難なものだ」とソロスは語るが、彼は1992年、ポンドに対する仕手戦で10億ドルを手にして有名になった。
「我々は非常に厳しい情況に直面しており、多くの点で1930年代の、大恐慌時代と比肩しうる。先進国では総体としての経済の縮小に直面しているが、これは十年かそれ以上の期間にわたる不景気に我々を引き込む恐れがある」とソロスは語った。
「最良のシナリオは、デフレ的環境であり、最悪のシナリオは金融システム崩壊である」
ヨーロッパの政策決定者らは、現在の形式における通貨圏を維持するしか選択肢はない。
デフォルトとブロック圏からのたった一国の離脱でも、世界中に衝撃波を送る事になるかもしれない。
「ユーロはサバイバルしなければならない。それは他の選択肢は、メルトダウンの原因となり、それは、ヨーロッパも世界も耐えることはできない」と述べた。ソロスは20億ドルのヨーロッパのソブリン債を持っているが、これは、元ゴールドマン・サックス社の会長のジョン・コルジンが率いた、そして昨年10月に破綻した証券会社のMFグローバル社から購入したものだ。
「ソ連邦の崩壊は相当に異常な出来事だったが、我々は何が起きているのかはっきり理解できないままに先進国で似たようなことが起きている」とソロスは語った。
この世界的な混乱情況の中心に、ギリシャとかイタリアなどの国があり、それらの国々はデフォルトするのではと、そしてユーロを捨ててしまうかもしれないと多くの者たちが恐れている巨額の負債を抱えている。そうなれば、世界中で金融システムの混乱が惹起され、リーマン・ブラザースが2008年に破綻した時と似た混乱を招くであろう
ある者はデフォルトは避けがたいと言うが、混乱を避けギリシャをユーロ圏に留めて置くことの方が寄りよい選択肢である。
他の者たちは、この危機からは最良のシナリオを期待することは出来ない、と言い、全面的な崩壊だけは避けたい、と指摘している。
ヨーロッパの政策決定者らの手に世界の運命は握られている。
「ヨーロッパの問題が完全に解決されることが必要だと市場が要求しているわけではない」とテレグラフ紙によれば、シティグループ最高財務責任者のジョン・ガスパックは言っている。
「つまり完璧な崩壊となならない、という保証が必要なだけなのだ」
そうなるまで、投資家らはリスクを避けようとするだろう、とガスパックは語る。
ギリシャのデフォルトはなさそうだ、と言う点では合意するソロスだが、混乱情況だけはどんな事があっても避けねばならないだろう。
「ユーロの無秩序的な崩壊があれば、数世紀にわたる混乱をヨーロッパにもたらしたような政治的紛争が再発する危険性が出てくる、国家主義の極端な情況では排外主義になり、外国人や少数民族に対する排斥運動などに発展する」とソロスは言う。
「ヒットラーの時代には、それはユダヤ人が標的だった。今日では、ジプシーとかロマと言われる少数民族の人々やイスラム教徒の移民者などがいる」
ソロスは、良く知られているように民主党よりで献金もしているが、アメリカの政治に拘わる事は避けてきている。
「政党政治に介入することは避けたいと思う。それは私が拘わったブッシュ政権は国をミスリードしたと感じているからだ」とソロスは語る。
「オバマ政権が始まった時は非常に希望を持っていたが、失望している。民主党を支援し続けるが、彼らの駄目な点を良く知っている」
オバマは再選されるか?
「オバマは民衆をびっくりさせるかもしれない。選挙での争点は富裕層に対する税をもっとかけるかどうかだ。オバマにとってはそれをやることは困難ではないはずだ」
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