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◆5月18日

 本日5月18日、イスラエルのネタニヤフ首相がアメリカを訪問、オバマ大統領と会談することになっている。

 オバマ大統領はこの会談で、パレスチナ国家創建という、いわゆる「2国家方式」について、突っ込んだ話し合いをするものと思われる。

 ブロガー子は、既に5月3日号で「『2国家共存方式』が、イスラエルとイランの共存になる」のタイトルで、イスラエルの生き残りにためにも2国家すなわち、パレスチナ国家独立を実現すべきだ、という見解を示したが、今回、「The American Conservative」サイトに、「イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策」を、スティーブン・M・ウォルト教授と共に書いたジョン・J・ミアシャイマー教授の論文「Saving Israel From Itself 」が掲載されたので、わが意を得たり、という思いで、抄訳し掲載することにする。

 今回のこの会談のチャンスをイスラエルがどう捉えるか、イスラエル、パレスチナ双方の将来だけでなく、中東、ひいては世界の将来もかけられている、重大な会談となるだけに、このミアシャイマー教授の論文の内容は重要だ。


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●イスラエル:自己からの救済(抄訳)

「2国家共存」こそが、ユダヤ国家と我々自身の安全を保障する唯一の道である。
By John J. Mearsheimer
http://www.amconmag.com/article/2009/may/18/00014/

 アメリカとイスラエルはイスラエルの隣にパレスチナ国家を創建する必要性についての考え方において根本的に一致していない。
 オバマ大統領は、2国家共存を断固実現することに懸けているが、イスラエルのネタニヤフ首相は何年も、それに反対であることを示してきた。
 アメリカとの直接的な対立を避けるため、ネタニヤフ首相は2国家論について好意的なレトリックを使うであろう。しかし、それでイスラエルの考え方が変わるわけではないであろう。和平交渉がいつまでも続く中、入植行為が継続し、パレスチナ人は手のひらのような貧困地帯のガザと西岸の閉ざされた地域に押し込められたままであろう。
 これを見越して、オバマ大統領は下院議員らにイスラエルとは衝突するだろうと言っている。
 たとえ多くのアメリカ人がパレスチナ国家の創設とパレスチナ紛争の終結を願っているとしても、またアメリカがイスラエルよりも強大な国家であるとしても、この戦いにオバマ大統領が勝てるとは言えない。

 それは、歴代の米大統領も入植をやめさせられなかったのを見ても分かる。オスロ合意後、入植するのをクリントン大統領はなにもできなかった。その理由は、強力なイスラエル・ロビーが存在するためだ。 
 イスラエル・ロビーの癇に障るような人物、例えばチャールス・フリーマン氏など、は道を閉ざされた。
 ガザの侵攻時の蛮行や、フリーマン氏の問題でもオバマ氏は沈黙を保ったのをみれば、オバマ氏に多くの期待はできないだろう。
 アメリカ人がイスラエルを特別視しているから、という議論は嘘である。世論調査で、70%のアメリカ人はイスラエル偏向はよくない、と言っている。60%のアメリカ人は、パレスチナとの和平に反対するならイスラエルに支援するべきでないと言っている。
 
 簡単に言えば、イスラエルとの特殊な関係は歓迎していないのだ。しかしロビーはホワイトハウスに圧力を掛け、オバマ氏はそれに従うだろうと思われる。イスラエルにいいことはアメリカにもいいことだ、という考え方をイスラエル支援者はしているのである。

 しかしそれは間違っている。例えばイスラエルが核兵器を持つことはイスラエルにとってはいいことでも、アメリカの利益ではなかった。
 もしアメリカが丁度イギリス、フランス、インドなどと対するように対していれば、それが一番いい。両者の利益が一致する時はイスラエルを支援するが、そうでない場合には、イスラエルと距離を置き、イスラエルの姿勢を変えるよう影響力を行使するだろう。
 アメリカが無条件でイスラエルを支援することで、アメリカはテロの脅威を受けざるを得ない状況に置かれているし、穏健派アラブ諸国の支援を受けることも困難にしている。
 
 例えば、9・11事件でも、主犯の一人と言われる、ハリド・シェイク・ムハメドは、アメリカのイスラエルに対する支援の姿勢に対し怒っていたという。特に下院がその元凶ということで下院攻撃も考えていたと言う。パレスチナ問題が解決しなければ、アメリカのテロ問題にも解決は望めないだろう。

 そもそもどんな国もまったく落ち度のない外交をし続けることはあり得ないが、アメリカはイスラエルが間抜けなレバノン戦争をする場合にも、それを批判するかわりに支援した。
 アメリカがイスラエルの真の友人だったなら、注意を喚起し、賢い対処の仕方なり、早めの停戦への圧力をかけただろうが、できなかった。

そこで今回、オバマ政権はネタニヤフにどう対処すべきか?
次の問題を考えれば分かる。

1.2国家案を採用しなければ、イスラエルの未来はどうなるか?
2.アメリカ、イスラエル、パレスチナの反応はどうなるか?


 現在の状況下では、3つの選択肢がある。
 パレスチナ国家ができない場合、
1.大イスラエル建設
2.イスラエルがガザ・西岸を制御支配
3.パレスチナを委任統治国にする


 1番目の「大イスラエル」構想では、パレスチナ人も人口にはいるが、彼らの人口増加の方が早いので、早晩大イスラエルはユダヤ国家でなくなり、アラブ国家のようになり、アメリカのユダヤ人もこの結果には失望するだろう。パレスチナ人の中には賛成するものたちもいるが、多くのイスラエル人は反対だ。

 2番目は、パレスチナ人を追い出しての大イスラエル構想は、人道主義違反となるし、それは国家としてのイスラエルの将来を危うくするだろうし、パレスチナ人は総計550万人いるが、追い出されるとなれば彼らが徹底抗戦するだろう。しかしイスラエル人の人種差別的観点があるので、そうする可能性もある。前外相ノリブニ氏は、2国家ができれば、イスラエルのパレスチナ人は新しいパレスチナ国家に移住するよう督促されるべきだと言った。

 最後の選択肢は、パレスチナ人に自治をゆるすが、分断され経済的に障害のあるよう制限されたもの。オルメルト前首相は「2国家案が崩壊すれば、イスラエルは南アフリカのようになる」と述べたことがある。デスモンド・ツツ司教やジミー・カーター氏はイスラエルが占領を継続すれば、イスラエルは人種差別国家になる、と言っている。


 これら3つの選択肢は2国家案の代わりだが、いずれも悲惨な結果になることが分かる。オルメルト氏は、人種差別国家になることはイスラエルの自滅になる、と言った。
 しかし民主主義を大イスラエルに導入すれば、ユダヤ国家でなくなるだろう。民族浄化をすすめれば、ディアスポラのユダヤ人とイスラエル国家の名声を落とすし歴史的汚名を残す。真の友人はそんなことをイスラエルにするよう言わない。

 こんな情勢なので、かなりのユダヤ人が国外に出始めている。70万から100万人のイスラエル人が国外に出た。2007年以降出国者が入国者を上回っている。
 この情勢で、オバマ氏がイスラエルとパレスチナ両者に2国家案を提案すべきではないのか、という議論が沸きあがっている。

 最後に、アメリカの大学などでは若いユダヤ人らが、イスラエルは今や犠牲者ではなく、犠牲を強いる側の国になっている、として古い世代のユダヤ人を批判しているので、アメリカがなにがなんでもイスラエルを支援すべきだ、という議論は通らなくなってきている。
 しかもイスラエルのパレスチナ人に対する取り扱い方は厳しくなるばかりで、イスラエル・ロビーはイスラエル支援を通すためには、脅しと恐喝に頼るようになっている。しかしイスラエル・ロビーはインターネットの普及などのため証拠を残さずに脅しなどをすることが困難になっている。

 オバマ大統領は2国家案がアメリカにもイスラエルにもパレスチナ人のもよいことを知っているので、状況を変えようとしている。しかしネタニヤフ氏はそれを阻止しようとしているので、どっちが勝つか。

 イスラエル・ロビーがイスラエル側に立っているので、オバマ氏が勝つ見込みは薄いだろう。また西岸には48万人のイスラエル人入植者がいて、大規模な道路工事がすすんでいる。これをご破算にすることは困難だ。それにイスラエル人も59%がパレスチナ国家に反対している。32%だけが支持している。
 アメリカのユダヤ人も46%はパレスチナ国家建設に反対だ。82%の彼らは、アラブ諸国の狙いはイスラエルの滅亡だ、と信じている。そしてキリスト教徒シオニストは2国家案に絶対反対なのだ。

 ただしアメリカのユダヤ人の相当な人々がオルメルト氏の警告を理解しているので、それがオバマ氏の支援となっている。より多くのユダヤ人はイスラエルが今危機に瀕しているということを理解すべきだ。
 それが起こらねば、オバマ氏はイスラエルに対し強くでることはできないし、そうなれば、より一層の困難が、イスラエル、アメリカ、パレスチナを待ち構えることになるだろう。
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