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ロシアの人権問題指摘にいらだつサウジアラビアの国旗

◆7月17日

 ロシアの人権委員がサウジアラビアの油田地帯に住んでいる少数派のシーア派住民が弾圧されていることの是正をサウジ政府に指摘したことで、サウジ政府がロシアを非難している。

 これはサウジ外務省が示唆しているように、シーア派のシリアがスンニー派のサウジアラビアから資金援助を受けているスンニー派武装テロリストによって内戦状態に引きずり込まれていることに対する、カウンターパンチであろう

 ブログ子は実はなぜこのことをロシアやイランがもっと早くやらなかったのだろう、といぶかっているほどである。攻撃は最大の防御。シリアは理不尽な紛争を起こされている。起こしているほう、つまりサウジやカタールなどの湾岸君主国家の方が、シリアなどとは比べ物にならないほど非人道的・非人権的国家なのだ。だからそこを突っつけば、彼らもすねに傷持つ存在だから、影響は大きいはずである。

 このロシアの本気度を知ってか、オバマ政権はシリアの反政府武装勢力に対する支援を11月の大統領選挙が終わるまでは、一切しない、と決めたようだ。以下のテレグラフ紙が報じている

 サウジにもカタールにも反政府勢力は存在している。この勢力に対して、対岸のイランとロシアが本格的に「支援」でも始めたら、ペルシャ湾は本当に戦場になってしまう。オバマ政権にとってはペルシャ湾で何かが起きて、ホルムズ海峡の封鎖というような事態でも生じたら、後に引けなくなり本当に戦争になってしまう。

 しかし、常にこのROCKWAY EXPRESSで指摘してきたように、オバマの本音は、戦争勢力の圧力をかわしながら、戦争勢力の「勢力」を削ぎたいのである。しかもロシアの本気度を考えれば、ここでシリア反政府勢力への際限なき支援は危険と判断したものと思われる。エジプトのようにムスリム同胞団系の政府がシリアに出来ることも願ってはいないこともある。

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●サウジ国内のシーア派弾圧を指摘したロシアにサウジ政府が反発
http://en.ria.ru/world/20120715/174617165.html
【7月15日 RIA Novosti】

 サウジアラビアはロシア外務省人権委員のコンスタンチン・ドルゴフのサウジアラビア東部の紛争に関する指摘を、「敵意のあるもの」と見ていると、SPA国営通信が15日、報じた。

 ドルゴフは今週外務省のウェブサイトに掲載した声明の中で、大多数がスンニー派の国内で、サウジアラビア政府はシーア派の人々の平和的集会、表現の自由などの権利を保証すべきである、と語った。彼はまた、集会に対する弾圧は、「サウジアラビアの市民社会の調和と安定にネガティブな影響を及ぼすであろう」、と考えている。

 「サウジアラビア王国はこの声明を敵意あるものとして非難する。王国はロシアの人権委員に、王国が国家の法、主権、独立を遵守すべく努力し、ロシア自体の紛争の解決を図るロシアの内政も含む、他の国家の内政に干渉することなきよう努めていることを思い起こしてもらいたいと考えている」と、SPA通信はサウジ外務省の声明を引用して報じた。

 サウジアラビアの石油埋蔵地帯に住んでいるシーア派の大きな抗議デモが今週再び生じた。このデモはシーア派の指導者であるシェイフ・ニムル・アル・ニムルが逮捕され、負傷し彼の二人の助手が殺された後に起きた。

 サウジ外務省は、ロシアの人権委員の指摘はシリアの紛争から注意を逸らすことを狙ったものでないことを希望する、と語った。

 アムネスティー・インターナショナルの情報によれば、サウジアラビアの東部地方で2011年2月に500人ほどが集会参加の嫌疑で逮捕されている、という。この集会に対する弾圧で6人が殺害されている。

 デモ隊は民主的改革を要求し、シーア派に対する差別を終わらせ、拘留されているデモ参加者らを解放することを要求している。一方サウジ政府はデモ参加者らを、紛争を起こそうとし、警察に手向かい、外部勢力のために活動しているとして非難した。


●アメリカ政府:シリア反政府勢力への支援は大統領選が終わるまでやらない
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/northamerica/usa/9404452/US-refuses-to-help-Syrian-rebels-until-after-election.html
【7月16日 Peter Foster-London Telegraph】


アメリカ政府はシリア反政府勢力への武器支援を停止

 オバマ政権は欧米同盟国とシリアの反政府勢力に対して、シリア問題に対して介入することは11月の大統領選が終了するまでは何もできない、と警告したという。

 アサド政権転覆を狙って支援を求めているシリアの反政府勢力からの押し寄せる怒りにもかかわらず、ホワイトハウスは一切の彼らの要求する重火器と情報支援の要望を拒絶した。

 ワシントンのシリアの(反政府)ロビー・グループは数週間前までは、オバマ政権が対戦車・対空ミサイル供給を了承するのでは、という期待を表明していたが、いまや彼らはアメリカ政府によって「現実的な状況」を受け入れさせられた。

 自由シリア軍の政治組織であるシリア支援グループ(SSG)が最近、1000基のRPG-29対戦車ミサイル、500基のSAM-7ロケット、750丁の23mm機関銃、そのほかにもボディーアーマーと衛星電話機などを米高官に提出し要請していた。彼らはシリア政府と戦うということで、武装戦士用に600万ドルの資金を要請していた。これら一切の要求が拒絶された。・・・以下略

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