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4日目に入ったシリア軍演習
◆7月11日
シリア政権を倒すため欧米、湾岸君主国、トルコ、イスラエルが懸命に工作してきているが、今なおアサド政権は持ちこたえているばかりか、反政府勢力の実態は、シリア内の勢力は別として外部からゲリラ・テロ攻撃を繰り返している者たちは、ごろつきと表現すべき者たちで、これは一貫して伝えてきたことである。しかもお互いを不信し合っており、まとまらないままである。
少なくとも去年の三月にテロ攻撃が始まる前のシリアには、穏やかな日常の生活があり、衛星放送から携帯電話まで広く普及し、街には徐々に欧米風のカフェとかブティックなどが増えてきて、あるいは少量ながら石油生産も始まって、希望に満ちていたのだ。
今、欧米、湾岸君主国などが目論んでいるのはイラン包囲作戦と言える。イランと組むシリアやレバノンのヒズボラを叩いてシーア派勢力を壊滅させることで、イランを孤立化させ、最終的にイランのイスラム政権を打倒し、かつてのシャー政権の時のような親欧米政権を樹立させ、化石燃料に関する利権を再び獲得しよう、ということだ。それにイランはこの化石燃料の取引通貨を米ドル以外で行うようになっているから、なおさらこのイラン政権の打倒が必要、と見ている。
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●NATOの聖戦の代価として地獄が待っている
http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/NG10Ak02.html
【7月10日 by Pepe Escobar-Asia Times】
アメリカのクリントン国務長官はシリアに対するアメリカの聖戦の屁理屈の弾薬を切らしてきているようだ。恐らく、これはNATOの戦争を国連安保理を介して行うことの無理から来ているのだ。あるいはこれはロシアのラブロフ外相に毎日のように朝食として食われてしまう苦しさからだろう。
クリントンは「欧米勢力」とアラブの手先たち-NATOGCC一体型勢力で「国際社会」と言っている-に対して、「ロシアと中国は進展を阻んでいるのだからその代価を支払うことになることをはっきりさせよう」と、シリアの武力による政権交代について呼びかけた。
分かりやすくいえば、これは、「我々の新しい戦争を阻止するならば、その落とし前をつけてもらうぞ」ということだ。
クレムリンと中南海(北京の中国政府の要人が住んでいる特別区域)の廊下で笑い声が響いているが、これはシリアの政権交代を力で起こそうとNATOGCCがいかに焦っているかを示している。またNATOの東側の中心国家であるトルコのエルドアン首相がシリアを攻撃したくとも、トルコ国民の世論が受け入れないのでうずうずしている時でもある。
■車爆弾旅行、どなたかいかが?
アメリカ自体が、昨日までは欧米文明を破壊し巨大なイスラム帝国に変えようとしていた同じテロリストの一団が戦った聖戦から分岐したこの聖戦のために、どんな代価を支払っているかを吟味してみることは意味があるだろう。
アメリカ、イギリス、フランスは二度にわたって国連安保理をひねくり回して新しい戦争を始めようと画策した。彼らはロシアと中国に阻止された。それでプランBで、国連を迂回してNATO戦争を開始することになった。問題はNATOは自衛能力を持つ国家を相手に非常に危険度の高い戦争をする肝が無く、資金もないことだ。
プランCは、自由(とは程遠い)シリア軍(FSA)、これは傭兵とジハード戦士の混在軍、とシリア国民評議会(SNC)として知られている日和見主義者の亡命シリア人一派を使用して内戦を継続させることである。
このSNCは現在リビヤ型の飛行禁止空域をシリアに設定することを要請している。NATO戦争への近道となることだ。トルコもNATOに対して正式に飛行禁止空域を要請している。NATO司令官らは能力不足かもしれないが、彼らは大きな問題を起こすことについては多くの経験を持っている。彼らはこの飛行禁止空域設定の要請はにべも無く拒絶した。
このSNC、とFSAは、これ以上非代表的ではないほど、非代表的な存在である。「シリアの友人」-ヒラリーとアラブの手下たちの中で-は民主的交代のための全国調整機関(NCB)の存在を殆ど認めていない。これはシリア内の主要な反政府運動体であり、13の主に左派、アラブ国粋主義者、クルド人の政党から構成されている。このNCBはいかなる形態の軍国化をも否定しFSAを完全に拒絶している。
クルド人でイラクの外相であるホシャール・ゼバリは、アルカイダ系ののサラフィ派ジハード戦士がシリア内にぞろぞろと移動していると警告した。明らかにこの一団はアルカイダのイデオローグであるアイマン・ザワヒリの言葉に耳を傾けている;五ヶ月前、彼はイラク、ヨルダン、レバノン、トルコにいるジハード戦士らにシリア内での戦いの命令を発した。多くの者たちは、サウジアラビアとカタールによって与えられた武器を携行している。
何ヶ月も前から誰でもアルカイダと繋がるアブドゥル・ベルハジのリビヤ・イスラム戦闘グループ(LIFG)がシリアで活動していることを知っているし、イラクのアルカイダの残党がダマスカスの車爆弾の下手人であることも知っている。
ワッハビ派とサラフィ派ジハード戦士に浸透されたスンニー派により支配されたアサド後のシリアが引き起こす反動は、反ソ連のジハードが生み出した1980年代のアフガニスタンを香港のディズニーランドのように思わせるだろう。
■元とルーブルでの支払いOK
中国は、ヒラリーの焦りを銀行に行き着くまで笑っているだろう。サウド家は、オバマ政権がアラブ世界での民主主義にちょっかいを出していると見て、ますますそれに妄想的になっているので、中国は新型ミサイルをサウジに売り込むことに精を出している。
欧米が聖戦騒ぎをしている間、中国の国営企業は中東、北アフリカ、南米全体から商品を狂ったように買い集め、また戦略的備蓄用に希土(レア・アース)を積み上げている。中国は世界の希土の97%以上を生産している。この希土はiPadからミサイルまであらゆるものに使用されているものだ。
国連を迂回しNATOを世界的ロボコップとする妄想のための、その他の「支払うべき代価」としての副作用は不可避である。シリアに対する聖戦はイラン攻略のための途中下車である、ということを忘れるべきではない。たとえば、海洋保険の新システムは、新しい国際交易メカニズムも同様に、欧米の支配を迂回するかたちで生まれ出ようとしているようなのだ。
それでも、最も重要な要素はロシアと中国とが一致して進めている、ペトロダラーを使用しないで取引の決済をする世界的エネルギー市場を再編成する動きである。
それでアメリカはイランをSWIFT(国際銀行間通信協会)から切り離したのだ。イランの中央銀行はカウンターパンチを繰り出した;我々と取引をしたいのならば、米ドル以外のいかなる通貨も使用できる、あるいは金でも支払いできる。
これが聖戦における聖杯である、シリアではない;一つだけ、イランの石油とガスの支払いにユーロを受け取る;その他では金だ。この上にロシアと中国の支援がある。
木の実の殻の中;全ての聖戦シンドロームは世界的準備通貨としての米ドルの終焉を加速させる。そしてそれが起きる時、「アメリカの春」が来るのだろうか? あるいはアメリカのエリートたちは、ロシアと中国に代価を支払わせるだけの肝と力があるのだろうか?
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