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核兵器所有はアラーに対する道徳的罪とするハメネイ師
◆7月9日
イラン攻撃については、アメリカ大統領選挙まではない(その後もない、と考えたい)、とするのがこのROCKWAY EXPRESSの見解であるが、それでも攻撃はもうすぐだ、とでも言わんばかりの情報も頻繁に出ている。そこで、なぜ、イランを攻撃しなければならないのか、という基本に帰ってイラン攻撃の欺瞞性を、アメリカの正統保守派の論客である、パトリック・ブキャナンが記している。
イラン攻撃の圧力の総本家は元アメリカ大統領の、ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュであろう。彼は今88歳になっているはずだが、この彼が存命中はアメリカは戦争への機運が弱まる事はないであろう。従ってオバマ大統領とクリントン長官も、その圧力の中で流されながら、内心では平和への道を模索中、と考えるべきである。
日本の首相も同じで、首相になるとこの「圧力」というものが懸かってくるようで、これは首相にならないと分からないもののようだ。アメリカ大統領も同じで、それで殺されないようにその圧力に迎合するような動きもしつつ、頃を見計らう必要が出てくる。しかし、時は流れるから、いつかは変化が必ずやってくる。それは恐らくはアメリカ大統領選挙後のことになるだろう。それまではなんとかイランやシリア攻撃をしないで戦争への圧力をかわしながら過ごすことがオバマ大統領の使命である。
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●イラン錯乱症候群
http://www.informationclearinghouse.info/article31777.htm
【7月6日 Patrick Buchanan – Information Clearing House】
イランは原子爆弾製造を目指しているわけではない。原爆保有は意味の無い事であり危険であり、彼らの知性と宗教的観点からは大罪なのだ。
最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイ師は2月、イランが原子兵器を持つ事はアラーに対する道徳的罪となる、と宣言した。
2007年に宣言され2011年に確認されたアメリカのインテリ界の判断もやはり、イランは核兵器製造のいかなる計画も放棄した、というものだ。
アヤトラは嘘をついているのだろうか? アメリカのインテリ界全体は間違っているというのだろうか?
ウランを5%に濃縮しているイランのナタンツの計画、そして兵器級以下である20%にまで濃縮しているフォルドウの計画は、国連の恒常的な監視下にある。イランは欧米側が核医薬品のためのアイソトープの供給といくつかの制裁の解除があればウランの20%濃縮を停止する、と言っているのだ。
アメリカの回答は「不同意」。イランは濃縮を完全にそして無期限的に放棄すべきだ、というのだ。
これが交渉の壁となっている問題だ。イランは核不拡散条約の署名国として、平和目的でのウラン濃縮の権利を保有している。これがあるから、イラン国民は政府を支持している。
この手詰まり状態が戦争の原因になるべきであろうか?
イランが低濃度の核燃料を秘密の計画で濃縮し兵器級のものにしようとしたとしたらどうであろう。このプロセスに数ヶ月を要するだろう。そしてイランは起爆装置を製造しテストする必要があるが、その際には世界はそれを数時間で知ることになろう。イランはそれからこの装置を兵器にしなければならないだろう。
この全体のプロセスは1年以上の期間を要し、恐らくは数年になるだろう。我々はその問題を知るようになるので、彼らが核兵器を作り出すずっと前に、軍事オプションを実行する時間があることになる。
数百発の核兵器を所有しているイスラエルは恐らくは我々より前にこのイランの計画を知るだろう。そしてイランのことを我々より恐れているので、イランが核兵器を所有することを妨げるために必要なことを躊躇することなく実行することだろう。
こう言われている:アハマディネジャド大統領は精神異常的狂信者でイスラエルを地図から抹消すると脅した人物だ。したがって彼が核兵器製造に接近することを許してはならない、と。
しかし、アハマディネジャドが何年か前に何を言おうと、またそれが議論されているとしても、彼は軍を支配しているわけではなく、戦争を決断する立場になく、しかも彼は来年の7月には大統領職を辞し学界に戻ることとになっているのだ。
アメリカはアハマディネジャドを恐れているというのか?
では、今週の新聞などに描かれていたような、アメリカがイランと戦争することを正当化するような決定的な脅威というものがどこにあるというのだろうか?
フィナンシャル・タイムズ紙のギデオン・ラチマンはイランに対する強迫観念は可能性としての脅威に比べてはるかに巨大である、と言っている。
パキスタンは恐らくは100発ほどの核爆弾を所有しているし、今も製造している。そしてこの国の反アメリカ主義はイランに比べればもっと激しいものだ。彼は以下のように書いている:
「パキスタンは核技術を北朝鮮、リビア、イランに供給した。パキスタンは1999年にはインドとの間に、核戦争を始めそうになったことがあった。ビン・ラディンは何年にも渡ってパキスタン内に住んでいた。そしてパキスタンの部族が支配する地域はアルカイダの最も重要な基地となっている」
「パキスタンは2008年164人が殺されたムンバイのテロ攻撃の時の基地であった。パキスタン政府はこの攻撃を非難はしたが、テロリストらがパキスタン情報部とつながりがあったという強力な証拠が存在している。もしも、ムンバイ攻撃がイランからなされたとしたら、欧米は「国家が支援したテロ」だと叫んだであろう。
パキスタン人の10人の内7人はアメリカを敵と見ている。そしてオバマによって進められている無人機による攻撃は多くの無辜のパキスタン人の命を奪っており、彼らの敵対意識を増大させている。、
しかしながらアメリカの航空機と軍艦はパキスタンではなくペルシャ湾に向かっており、44名の上院議員が大統領に対してイランとの対話を止め、制裁を更に強め、戦争準備をするよう要求している。
その間、イランはイスラエルとアメリカの基地を叩く事のできるミサイルのテストをして、ミサイル艇艦隊はペルシャ湾で演習をやっている。
オットー・フォン・ビスマルクは、予防戦争とは死の恐怖から自殺をするようなものだ、と言っている。我々アメリカ人はそれでも不必要な戦争をやるのであろうか?
1959年、アイゼンハウァーはブダペストの屠殺屋と言われたフルシチョフをアメリカに10日間招待した。1972年、ニクソンは北京を訪れて1000万人の中国人と韓国内で数万人のアメリカ人の死者の責任者である毛沢東と乾杯し話し合った。レーガンは「悪の帝国」の支配者らとの対話を常に模索していた。
イランはこのグループとは全く違うし、このグループによるといわれている犯罪も犯しておらず、アメリカに対しても実際的あるいは潜在的脅威ではないのだ。
レーガンがレイキャヴィークでやったように、普通の関係に戻る代わりに核兵器には手を出さないと言う検証できる保証をするようイランの指導者らと話し合える政治家はいないのか?
我々がスターリンや毛沢東とゆっくり対話をすることができたならば、アヤトラやアハマディネジャドとはできないのか? この問題は我々にはまとめられないとでもいうのだろうか?
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