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戦闘で破壊されたシリアの街

◆7月26日

 ロシアのプーチンがイスラエルのネタニヤフに会ったり、シリアの反政府勢力のシリア国民評議会のリーダーに会ったりして、シリアの紛争を外交的に解決しようと奔走してきたが、なかなかよい結果に結びついてはいないのは、欧米NATO側は、最初から武力でアサド政権を打倒するまで、傭兵らに戦わせるつもりだからだ。

 従って、ロシアもそろそろ説得することを止め、実戦的準備を強化することになるだろう。つまりシリアに対する武器供給面などで肩入れをより強化することになろうということ。それでもアメリカは11月の大統領選挙まではシリアにエネルギーを傾注することはできないし、オバマが再選された暁には、彼は今までのスタンスをさまざまな理由から徐々に変えていく可能性がある

 その理由の一つは世界経済の状況であり、もう一つの理由は天変地異の状況である。また今はまだ静かであるが、南シナ海や北朝鮮の状況の変化もある。これが順次発生するかもしれない。そうなれば、反政府勢力を支援している諸国全部が生き残りのために奔走せざるを得なくなり、シリア攻略などは不可能になるだろう。それに実はオバマは個人的にはイスラム世界との関係を良好なものにしていきたいし、ロシアとも対立を避けたいと願っているからである。

 
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●シリアとユーラシアでのプーチンの対米地政学的チェスゲーム-その3-
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=32019
【7月23日 by F. William Engdahl】


■プーチンの抜け目のない外交

 5月7日にプーチンが再び大統領職に就くやいなや、彼はアメリカのシリア・ゲーム計画を停滞もしく頓挫させることを願い、複雑な外交折衝を開始した。7月16日にはプーチンはコフィ・アナンのモスクワ訪問を主催し、ロシアがアナンの和平計画を断固として支持すると繰り返し強調した。

 ヒラリー・クリントンがアナン計画をアメリカは支持すると主張しつつ繰り返したアサドの辞任を要求したのとは反対に、アナンの和平計画の中には休戦が実現される前にアサド大統領の辞任を要請する部分は存在しない。アナン計画は外交的決着を呼びかけるものだ。アメリカは明らかに外交的決着は望んでいないということだ。アメリカは政権交代を望んでいて、イスラム世界を分裂させることになる、シーア派とスンニー派の戦争を拡大させることを間違いなく望んでいる

 ロシアと中国はシリアから混乱が拡大することを避けるため一線を引こうとしている。7月19日、ロシアと中国は再び国連安保理でシリア問題に対するアメリカが押す決議案を阻止した。両国はその決議案はリビア型の軍事介入をシリアに対して可能にさせるようデザインされていると主張した。この決議案はイギリスのウィリアム・ヘイグ外相によって草案が成され、シリアに対する国連安保理決議第7章へのドアを開くことになるものだった。第7章は安保理の15理事国に外交的、経済的制裁から軍事的介入までを許可する内容だ。ヘイグ案はシリア政府が10日間で都市部から重火器を撤退させ、兵士を兵舎に帰還させることを要請している。「自由シリア軍」の武装解除などに関しては何にも言っていないのだ。

 プーチンはトルコのエルドアン首相と折衝するという、より活発な動きをした。エルドアンはロシアが7月19日の安保理で拒否権を行使するちょっと前にプーチンとシリア問題を話し合うためモスクワにいた。トルコはロシアの天然ガス購入では世界で2番目で、トルコに入ってくる天然ガスの80%はロシアの国営会社であるガズプロムからのものだ。ユーラシア・中東からヨーロッパへの天然ガスの流れでキーとなる役割を果たそうという、トルコの「エネルギー・ハブ」戦略は、ロシアとイランからのガスに依存している。一年前、イランの南パースガス田からイラク、シリア、そしてトルコに向かい最終的にはヨーロッパへ連結する100億ドル相当の天然ガスパイプラインに関する商談がイラン、イラク、シリアとの間で成立し契約された。

 プーチンは6月21日にはテルアビブへ向かいイスラエルのネタニヤフ首相と会談した。ロシアのイスラエル国内における影響力は小さくない。ソ連が崩壊して以来、600万人ほどのロシア人、殆どがユダヤ人だが、がこの20年ばかりの間にイスラエルに移民している。イスラエルは究極的には、ムスリム同胞団が率いるシリアの反政府勢力が隣国シリアで権力を握るなどという状況には喜んでおれない。会談の様子は殆ど知られてないが、ガジェンドラ・シング元インド大使によれば、プーチンは、「破壊され、方針が変わり、分裂したシリアなどはイスラエルにとっても都合が悪いだろう。シリアにはエジプトに次いで最も組織化されたムスリム同胞団が存在している」と語ったという。 

 それから7月11日、プーチンとラブロフ外相はアメリカが支援する反政府勢力のシリア国民評議会の新しい頭目であるアブデル・バセット・サイダをモスクワに「話し合い」のため招待した。少数民族のクルド人系シリア人で、20年間スウェーデンに住んでいたサイダは、反政府勢力のスポークスマンとしては奇妙な人物である。シリアでは少数民族であるクルド人の出で、政治的経験はほぼないに等しい人物で、明らかにムスリム同胞団が支配しているというシリア国民評議会の状況を隠すために選ばれた男だ。ロシアはサイダに対して、アサド政権を転覆させるといういかなる試みをロシアは阻止するだろうこと、そして反政府勢力はアナン計画に真剣に対応し妥結するべく交渉する必要があるとはっきりと伝えたと言われる。サイダはアサドが去るまでは交渉はないと、流血が続くことを示す姿勢をはっきりとさせた。 

 あらゆる流血と暴力の中に、11月のアメリカの大統領選までは戦争状態は避けるというオバマとの間にひそかな取引をプーチンがしたことを示すサインがある。プーチンは最近、アフガンでのアメリカ軍への供給ラインを再開することに同意した。同時にアメリカはパキスタンでの無人機による一般市民の殺害事件に対する「謝罪」を行った。

 ベテラン移動ジャーナリストのぺぺ・エスコバールは最近の悪化する状況の総括を以下のようにしている:「トルコは『解放された』リビアや、サウジ、イラク、そしてレバノンから入ってくる傭兵らに対する兵站基地を提供し続けるだろう。サウド家は傭兵らの武器の面倒を見続けるだろう。アメリカ、イギリス、フランスはシリアにおけるNATO攻撃のための長い煮えたぎる前哨戦のための精妙な戦術を立て続けるだろう。シリアの反政府勢力がシリア内で重要な部分を制圧できずとも、サウド家とカタールによって武器を与えられている傭兵たちは、さらに無慈悲な行為をし続けると考えるべきだ。正確には「不自由シリア軍」は数年とは言わずとも数ヶ月間は作戦を継続すると考えるべきだ。キーポイントはイギリスからでなければトルコとレバノンから、十分な供給ラインがあるかどうかだ

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