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シリアの反政府ゲリラたち
◆7月15日
シリアのアサド政権を倒す為、欧米、湾岸アラブ諸国(サウジ、カタール)、トルコ、イスラエルなどが自由シリア軍やイスラム主義者(イスラム原理主義傭兵ゲリラ・自爆主義者・聖戦主義者etc)を支援してきたが、ここに来て、彼ら反政府勢力の内部で分裂抗争が激化しているという。
中東問題専門家のベテランジャーナリストのロバート・フィスクはその点を指摘し、自由シリア軍に武器を送っても、それがイスラム主義者らの手に渡る可能性や、反政府勢力内の内部抗争で自由シリア軍が敗北する可能性を考えれば、武器供給を再考することが望ましいのではないか、と指摘している。
そしてイスラム主義者に押されている自由シリア軍とシリア政府軍の情報将校らは定期的に折衝をしているようで、ここにきて彼らが提携してイスラム主義者に対する共闘を行うという可能性も出てきている様子が窺えるのだ。そもそもこのイスラム主義者らはリビヤなどから流れてきた、非シリア人であり、外人傭兵達であるから、自由シリア軍が愛国主義的グループを自称するのならば、まずはこの外国勢力を駆逐する事の方が先決ではないか、といえるだろう。
欧米側がここに来て、このシリア問題でどうするのか、という問題が問われている。お粗末な結果にならないようにする為にも、ロシアの提案するように、外国勢力を追い出し、シリアの問題はシリア人自身に決定させる、という方針を貫く事が一番適切な方針となるのではないだろうか?
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●シリア反政府勢力内で同士討ち
http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/who-is-the-us-arming-in-syria-president-assad-rubs-his-hands-at-news-of-rebel-split-8706540.html
【7月12日 By Robert Fisk — The Independent】
アサド大統領は幸せな奴だ。アメリカとEUはアサド政権の閣僚だった人物らが亡命し敵対勢力と協力するようになるたびに喜んでいたものだった。
アサド政権内のあらゆる分裂事態は「転換点」だとして歓迎されてきた。しかし今や突然、アサド側がここ数ヶ月語ってきたこと、つまり反政府勢力内に分裂が起きている、ということが真実であることが分かった。カマル・ハマミと彼の兄弟の遺体がその証拠である。反政府勢力側は分裂状態にある。イスラム主義者と自由シリア軍とは戦争状態にあるのだ。
オバマとキャメロンは立ち止まらざるを得ないであろう。彼らは結局、世俗的で「ヒロイック」な、ダマスカスの独裁者のファシスト政権に対抗する「民主主義」のためのレジスタンス戦士である自由シリア軍(FSA)に武器を送る、ないしは送りたかったのだ。そして我々のリーダー達は、FSAが武器援助すべき者たちで、アルカイダの一団はFSAの指導者らを殺しだしたのだ、と言い張ることはできるだろう。もしも、FSAの中のいい奴らがイラクや地中海東部地域で悪い奴らと戦っているというのならば、我々は彼らを支援すべきである、となるだろう。
しかし歴史は、いい奴らは悪い奴らに変貌することがあるし、悪い奴らが勝つこともあることを示している。イスラム主義者らがFSAを一掃してしまったらどうする? その時は我々の支援した武器は「悪い奴らの手中」に陥ることになるだろう。武器は内戦時には金であり、アル・ナスラその他の者たちはFSAに我々が支援した武器を現金で買うだけの金を持っている。するとヘイグやケリーには想定できなかった考え方が出てくる:もしもFSAが本当に原理主義者たちとの縁を切りたいと願うならば、彼らの同盟者はダマスカスの大統領宮殿にいる男だ、ということだ。
バシャール・アサドは、イスラム主義者の「テロリスト」たちと敵対するためにFSAを支援する用意があることは間違いないし、FSAに政府軍との再統一のための名誉ある道を準備するかもしれない。アサド政権の情報将校たちは、一年以上前からFSAの将校らと定期的な会合を持っており、政権に復帰するよう促しているのだ。もしもそれが成功すれば、我々の慈悲深い寄進物である武器はイスラム主義者の「悪い奴らの手中」ではなく、バース党の「悪い奴らの手中」に納まることになるだろう。
しかし、これは驚くべきことだろうか?反乱者は殆ど常に仲たがいするものなのだ。アフガニスタン内の反ロシアのシーア派とスンニー派レジスタンス運動は、ソ連がアフガンを支配していた頃、お互いに一緒になって戦っていた。しかしその後、内戦時にはお互い同士討ちをするようになり、タリバンがアフガンを掌握することになってしまった。アルジェリアではFLN(アルジェリア民族解放戦線)はライバルのMNAを壊滅に追いやった。このMNA(アルジェリア国民運動)も1962年に北アフリカの植民地からフランスを追い出すまでは、フランスからの資金を得ていた。そして第二次世界大戦はヒロイックなマキサール(フランス・ゲリラ戦士)がヒロイックなマキサールを殺害してきた多くの例を提供している。
ユーゴスラビアでは、イギリスはSOE(特殊作戦執行部)がチャーチルに、チトーの共産党員らはミハイロビッチの君主主義者たちよりも、ずっと多くのドイツ人を殺していると告げるまで、ナチスの占領に抵抗するミハイロビッチに武器を提供していた。そこでチャーチルがチトーへの支援に鞍替えした時、SOEの若い将校がチャーチルに、戦後はユーゴスラビアは共産国家になるかもしれないということを分かっておいでかと尋ねると、チャーチルは即座に:「君は戦後ユーゴに住むつもりなのかね?」と応えたのだ。
オバマやケリー、キャメロンやヘイグが戦争の後、シリアに住むつもりはないと考えて間違いない。しかし、彼らの友人であるFSAに武器を送る前に、誰を通じて勝利するのか、を彼らが考えるということはいい考えだと言えるだろう。
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