[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
【8月2日】
任期満了が迫っているにもかかわらずブッシュ政権は、8月1日、新たな国防戦略を発表した。その中で強調されたことは、「テロとの戦争の長期的な継続」ということだ。つまり、イラクやアフガンでたとえ勝利を収めたとしても、それでテロとの戦争は終わらず、これから何十年も戦争は継続する、と宣言していることになる。
テロとの戦争の継続の必要性を強調してはいるが、今まで世界的に注目を浴びてきているイランとの問題はあまり強調していないようで、それが示唆することは何か。
また、これに前後して気になる動きがある。
一つは、アメリカの情報長官の権限の拡大・強化と言う点。
そして、9月11日同時多発テロ、その他の疑惑を呼ぶ事件にかかわりのあるような立場にいる人物らの、突然の死ないしは表舞台からの撤退(解任、逮捕?)という現象だ。
イランとの戦争は大規模な軍事力投入を余儀なくされたり、経済的に大打撃を受ける可能性があるので、それは避けるが、かと言って「テロとの戦争」を終了させる意図はなく、これからもだらだらと継続する、というように受け取れる。
死んだり更迭(逮捕?)されたりした人物は、過去の工作に関連した人物という印象を受ける。特に空軍関係者はイラン戦争に積極的だった人物かもしれないので、こういった人物らを排除して、アメリカの対外的スタンスを徐々に好戦的武断外交から、穏健的対話外交へ変える意図が窺える、と言えそうだ。
~~~~~~ 関連記事 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●戦略対話の重要性強調=テロとの戦い最優先-米国防戦略
8月1日18時1分配信 時事通信
【ワシントン1日時事】米国防総省は1日までに、新たな国防戦略をまとめた。テロとの戦いを軍の最優先事項とする一方で、軍事力による解決に限界を認め、中国やロシアとの戦略的対話の重要性を強調している。
新戦略は「主戦場であるイラク、アフガニスタン戦争での勝利は極めて重要だが、それだけではテロとの『長い戦争』に勝利したことにはならない」と指摘。国際テロ組織アルカイダを壊滅させるまで戦いは続くとしている。
●<米国>国家情報長官の権限を大幅強化
8月1日19時18分配信 毎日新聞
【ワシントン小松健一】米ホワイトハウスは31日、ブッシュ大統領が国家情報長官(DNI)の権限を大幅に強化し、中央情報局(CIA)など16の情報機関の役割を見直す大統領令に署名したと発表した。DNIが国家安全保障に関する情報収集政策を立案するとともに、各情報機関の高官の任免を大統領に勧告できるなど「全情報機関のトップ」としての権能を持たせた。
ホワイトハウスは声明で「国際テロと大量破壊兵器の拡散の脅威に対して時宜にかなった、正確な情報を得ることが目的」と説明した。
従来、CIAの権限だった外国政府・情報機関との協力活動についても、DNIが協力分野を策定したり、調整を行う。CIAに対するDNIの指揮・管理が明確になった。
ブッシュ政権下では、01年の米同時多発テロ後にテロ関連の情報収集と分析の不手際が表面化。03年のイラク戦争の根拠となったフセイン政権の大量破壊兵器保有情報も後に誤りと分かった。
こうした問題点を改善するために、04年に情報機関改革法が成立し、DNIが新設された。しかし、各情報機関の既得権益の壁もあり、DNIの指揮権が不明確だった。
●空母火災は喫煙原因、艦長更迭=横須賀配備9月下旬に-米太平洋軍
7月31日12時49分配信 時事通信
【ワシントン30日時事】米太平洋軍は30日、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備予定で、5月に太平洋航行中に火災を起こした原子力空母ジョージ・ワシントンの火災原因について、禁煙区画内での喫煙が原因だったと発表し、艦長のデービッド・ダイコフ大佐を更迭した。・・・以下略
●7月27日、トーマス・L・ティンスレー空軍准将が、胸を撃ち(たれて?)まもなく死んだ。この人物はB-52に搭載する核弾頭誤送問題で解任された将軍(マイケル・モスレー将軍)と一緒に仕事していた将軍。一応「自殺」とされているが、彼が「胸」を撃っているのは解せない。
http://blog.wired.com/defense/2008/07/air-force-offic.html
●炭疽菌事件で訴追予定の科学者が自殺、治療研究の第一人者
8月2日11時10分配信 読売新聞
【ワシントン=宮崎健雄】米ロサンゼルス・タイムズ紙などは1日、米同時テロ直後の2001年秋、米議員事務所などに炭疽(たんそ)菌入りの封書が送られ、5人が死亡した事件で、連邦捜査局(FBI)が近く訴追する予定だった科学者が自殺したと報じた。
・・・以下略
【7月29日】
イスラエル系の情報サイトのDEBKAfileで、イスラエルのオルメルト首相が、イランと関係改善の動きを取るアメリカ政府に抗議する内容の、ブッシュ大統領宛の強い調子の秘密書簡を出した、と報じられている。
http://www.debka.com/headline.php?hid=5467
このところ確かにイランとアメリカの関係が変化してきていることが認められる。
今まで「悪の枢軸」と名指しで非難したり、テロ支援国家とは直接交渉しない、というようなことを言ってきたにもかかわらず、そのイランと欧州連合との間で行われた協議の場にアメリカも高官を派遣し参加していることもその一つ。
またそれに対し、イラン副大統領が「アメリカは友人」などと反応している。
この一連の動きは、そのまま素直に受け止めるべきなのかどうか、という問題はある。
つまりアメリカは確かにイランに対し北朝鮮に対して行ったような変節をし始めた、ということなのかどうか、という問題だ。
仮にそうだとすると、イスラエルにとって苦しい状況になってきていることになる。
元モサド長官のダニ・ヤトム氏は1年もしない内にイランの脅威は顕在化する、と語り危機感を顕にしている。しかもイランでは7月26日、イランが現在保有するウラン濃縮のための遠心分離機が「5000~6000基」に達しているとアハマディネジャド大統領が発言している。
ようするに、時間はイスラエルに不利に働いているわけだ。そうだとすると、イスラエルは今、徐々に追い詰められつつある、と言えるだろう。
その場合、イスラエルがどのような行動にでるか、予断を許さない。
アメリカ政府はつい最近、POHA(Period of Heightened Alert)を宣言し、今から11月の大統領選挙、来年1月20日の就任式までの期間を、対テロ対策上の特別期間に設定し対処することに決めた、と報じられた。
http://abcnews.go.com/TheLaw/story?id=5420514&page=1
これは、勿論一般的にはアルカイダなどの過激派に対する対処、と理解されるであろうが、実はおそらくはアメリカ政府が一番恐れるのは、イスラエルの工作部隊によるアメリカ国内でのテロ、ということなのではないか。
勿論、その場合、犯人はイスラム系ないしはイラン系のテロリスト、ということにさせられるだろうから、アメリカ国民も改めてイランに対する敵愾心を煽られる結果となり、アメリカ政府も対イラン攻撃をせざるを得なくなる。
しかし、イスラエルのTHE JERUSALEM POST (インターネット版)では、実はアメリカのイランとの最近の交渉は、アメリカのこのイラン核計画問題に対する誠意ある姿勢を見せるためのポーズで、イランがそれでも欧米の要求を拒否した場合、イラン攻撃に正当性を与える口実になる、と解説している。
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?cid=1215331116435&pagename=JPost%2FJPArticle%2FPrinter
いずれにしても、中東ではきな臭さがいよいよ増してきている、と言わざるをを得ないようだ。
~~~~~~~ 関連記事 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●EU、イランと核問題協議 米高官初参加で打開目指す
7月19日産経新聞
【ベルリン=黒沢潤】イランの核問題解決に向けた欧州連合(EU)と
イランとの協議が19日、ジュネーブで行われた。協議には中露両国に加え、米
国も初参加。事態打開への期待も一部で膨らんでいるが、イランが強硬姿勢を転
換させるか不透明だ。
EUからはソラナ共通外交・安全保障上級代表、イランからは
ジャリリ最高安全保障委員会事務局長が参加。米国からは国務省ナンバー3のバー
ンズ国務次官(政治担当)が出席した。・・・(省略)
●<イラン>副大統領「米国やイスラエル国民と友人」
7月21日毎日新聞
【テヘラン春日孝之】イランのモシャイ副大統領は19日、テヘランの
国営イラン放送で開かれた観光セミナーで「イランは米国やイスラエルの国民と
友人であり、世界に敵は存在しない」と述べた。地元メディアが20日、一斉に
報じた。・・・(省略)
●遠心分離機5000基以上に?=増設計画進展か-イラン大統領
7月26日時事通信
AFP通信がイラン国営ラジオの報道として伝えたところによると、アハマディネジャド同国大統領は26日、イランが現在保有するウラン濃縮のための遠心分離機が「5000~6000基」に達していると発言した。
同大統領は今年4月、それまでに保有していた3000基に加え、新たに6000基の設置を開始したと語っており、今回の発言は、この計画を着々と進めていることを示すものだ。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |