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【8月28日】
南オセチアをグルジア軍が攻撃して以来、欧米・ロシアとの間に急速に緊張が高まっている。

今月8日、北京でオリンピック開幕式が行われている最中、プーチン首相がブッシュ大統領に向かって盛んに何かしゃべっているのを、オーストラリアのケビン・ラッド首相が見て、こんな機会に話し合いの予定でもしていたのか、と思っていたら、実はグルジア軍の南オセチア侵攻のニュースでプーチン首相がブッシュ大統領を難詰していたらしいことが分かった。
プーチン首相にしてみれば、よくもこのような機会を利用してやってくれたな、という思いだったであろう。

それからのロシアの動きはすばやかった。直ちにロシア軍を投入、グルジア軍を敗退させて南オセチアとアブハジアの独立承認まで一気にやってしまった。

グルジアのサーカシビリ大統領は、ロシア軍が介入したこと、それに対してNATO軍が、あるいは米・イスラエル軍が何も支援らしいことをしてくれなかったことにショックを受けたようだ。彼の想定では、ロシア軍は介入しない、介入すれば米・イスラエルないしはNATO軍が介入しグルジア軍を支援する、ということだったのであろう。

これは、南オセチアへのグルジア軍侵攻以前に、米・グルジア軍共同軍事演習が7月15日から31日まで行われているのを見れば分かる。その名称も「即応(Immediate Response)」となっている。この軍事演習にはアメリカ兵1000人が参加したという。
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=9907

ロシア軍もその前に軍事演習をしているが、これはグルジアを牽制する目的からであろう。「下手なことをするなよ」というシグナルだ。南オセチアとアブハジアを完全にグルジアの統制下におくことがサーカシビリ大統領の政権に就いた時の公約であるのと、盛んにイスラエル・アメリカ軍の支援で軍備の増強や訓練を強化してきていることを踏まえてのことだ。

今回の軍事侵攻が結局グルジア当局にとっては「やぶへび」的結果をもたらしたことで、サーカシビリ大統領の公約は破綻し、そのことで彼の政権そのものの存続が危ぶまれている。

しかもロシアのメドベージェフ大統領がグルジアの政権交代を目指すとはっきり指摘したからには、サーカシビリ大統領の命運も風前の灯となったと言えるだろう。

これに対し、遅まきながら米・NATO軍はグルジア支援を遠巻きに開始したが、これが今、黒海で緊張を高めている。およそ18隻のNATO軍艦船が黒海に終結してきていて、ロシア軍が懸念を深めている。人道支援の名の下に武器の搬入などがグルジアになされている、とロシア軍参謀次長が非難している。

このNATOの対ロシア敵対姿勢に対抗すべく、ロシアのメドベージェフ大統領は28日、タジキスタンの首都ドゥシャンベで開催された上海協力機構(SCO)首脳会議で、構成メンバー国からの支持を取り付けている。
「新冷戦」で収まるのか、「熱戦」にまでいくのか、予断を許さない状況となってきた。

China, Central Asian states back Russian role in Georgia conflict. © РИА Новости.
 
28日、中国とその他の上海協力機構メンバー国は、グルジアと
南オセチアでの紛争におけるロシアの対応を支持する声明を出した。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●賭けに出たグルジア 南オセチア紛争
 8月9日22時10分配信 産経新聞

 【モスクワ=遠藤良介】ロシアの軍事介入を招いて戦闘が激化している南オセチア紛争は、親欧米であるグルジアのサーカシビリ政権が欧米諸国の支援を当て込み、国際社会の注目が集まる北京五輪開催に合わせて同自治州再統一の賭けに出たとの見方が出ている。米政府は即時停戦に向けて調停の動きをみせているが、米国のグルジアを後押しする姿勢は、カフカス地方で米露間の覇権争いの色彩も帯びることになり、事態はさらに複雑化する恐れもある。

 2004年に就任したサーカシビリ大統領は、北大西洋条約機構(NATO)加盟に加え、独立状態にある親露分離派地域であるアブハジア自治共和国と南オセチア自治州への支配回復を公約に掲げてきた。しかし、両地域は政権との交渉を拒絶し続け、対露関係の火種である両地域の存在はNATO入りの障害になるとみられていた。

 ロシアは従来、両地域の大半の住民に自国の旅券(パスポート)を与えて「ロシア国民」と認定。南オセチア予算の3分の2を資金援助するなど関係を深めていた。最近はさらに、2月のコソボ独立を「前例」として両地域の独立を支援する動きを強めており、サーカシビリ政権が焦りを募らせていたのは間違いない。
 
 グルジアは過去4年間で軍事予算を約30倍に拡大、米国製武器や米国の軍事顧問を受け入れて軍の近代化に力を入れている。南オセチア独立派には軍事力で優越しており、サーカシビリ政権が南オセチア急襲による短期決戦を狙った可能性もある。

 ただ、その軍事費増大も「ゼロから軍をつくりあげるプロセス」(国防省筋)にほかならず、ロシアとは兵員数で12倍、主力戦車数で180倍、攻撃ヘリで226倍と圧倒的な隔たりがある。ロシアが本格的に軍事介入した場合、グルジアが欧米諸国の支援抜きに持ちこたえられないことは明白だ。

事態打開のカギを握るのは欧米諸国の動きだ。ロシアのラブロフ外相は米国のライス国務長官と3度にわたって電話会談した。しかし、米国はグルジアの領土保全を重視してロシア軍の撤退を求めるなどグルジア側の立場を鮮明にしており、米国の動き次第ではロシアが態度をさらに硬化させる可能性も高い。

 欧州連合(EU)と欧州安保協力機構(OSCE)、米国は即時停戦の実現に向けた共同代表団をグルジアに向かわせており、9日に現地入りする見通しだが、事態が終息に向かうかどうかは不透明だ。


●南オセチアとアブハジア独立承認
 =ロシア決定、グルジアと緊迫-欧米と対立激化へ
【モスクワ26日時事】ロシアのメドベージェフ大統領は26日、テレビを通じて国民向けに演説、上下両院がグルジアの南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立承認を大統領に求めたのを受け、独立承認を決定したと言明した。これに対し、グルジアのサーカシビリ大統領は「完全に非合法だ」と強く反発、地域情勢は極度に緊迫した局面を迎えそうだ。欧米諸国との対立激化も懸念される。
 大統領は「サーカシビリ・グルジア大統領は南オセチアに侵攻し、政治問題を虐殺によって解決することを選択した」と非難。こうした情勢を踏まえ、独立承認の大統領令に署名したと述べた。大統領令には、外交関係の樹立と友好協力条約の草案策定も盛り込まれている。(2008/08/27-01:38)


●南オセチア攻撃なら防衛=ロシア大統領、「冷戦恐れず」
【モスクワ26日時事】ロシアのメドベージェフ大統領は26日、米CNNなど外国テレビ各局とのインタビューに応じ、同国が独立承認したグルジア領の南オセチア自治州とアブハジア自治共和国がグルジアから攻撃された場合、ロシアが防衛に協力する考えを表明した。
 ロシアはこれまで、両地域に平和維持部隊を展開する権限しか持っていなかったが、メドベージェフ大統領は「独立承認の大統領令に署名したことで状況は変わった。わが国は南オセチアとアブハジアの安全保障を支援し、攻撃を受けた場合は適切な援助を行う」と語った。
 グルジアとの軍事紛争をめぐり、欧米との関係が険悪化していることについて、「冷戦再来の展望も含め、何もわれわれを恐れさせることはできない」と言明。ポーランド、チェコへの米ミサイル防衛(MD)配備計画に対しては「軍事的手段」で対抗すると警告した。(2008/08/27-09:00)


●グルジアの政権交代目指す=ロ大統領、英紙に寄稿
【ロンドン27日時事】ロシアのメドベージェフ大統領は27日付の英紙フィナンシャル・タイムズに寄稿し、グルジア領南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立承認について、「これら自治地域の人々の恐怖と(独立への)熱望を鎮めることはできなかった」と承認を正当化するとともに、「グルジアの人々がいつの日か自国にふさわしい指導者を得られるよう希望する」と政権交代を支援する方針を明らかにした。(2008/08/27-19:46)


●ロシア、NATO艦船を監視=米駆逐艦もグルジア海域に
【モスクワ26日時事】ロシア軍のノゴビツィン参謀次長は26日、人道支援物資を運ぶため米軍など北大西洋条約機構(NATO)の艦船がグルジアを訪れていることに関連して、「NATOの艦船が人道支援だけに従事しているとは信じられない」と述べ、武器や軍需物資を運んでいないかどうかを監視していく考えを示した。インタファクス通信が伝えた。
 同次長は、25日の時点で黒海にいたNATO加盟国の艦船9隻に加え、さらに9隻が増派されるとの情報があるとし、「黒海でNATOの海軍力が増強されることには疑惑を持たざるを得ない」と警戒感を示した。
 一方、AFP通信によると、米国が派遣したミサイル駆逐艦など2隻は26日、最初の寄港先であるグルジア西部のバトゥーミを出港。在グルジア米大使館当局者は当初、「グルジア政府の要請で、人道支援物資をポチ港に運ぶ」としていたが、その後、「ポチに向かっているかどうかは確認できない」と語った。(2008/08/27-00:37)


●分断グルジア、新冷戦最前線に=黒海で米ロにらみ合い
【モスクワ27日時事】ロシアがグルジア領の南オセチア自治州、アブハジア自治共和国の独立を承認したことで、グルジアが悲願としていた両地域の奪還は困難な状況になった。ロシアは「国境変更」の既成事実化を図り、軍事力で守り抜く構えだ。これに対し、グルジアのサーカシビリ政権は北大西洋条約機構(NATO)加盟実現に全力を挙げる。分断されたグルジアに新冷戦の最前線が出現しつつある。
 インタファクス通信によると、ロシア海軍当局者は27日、ロシア黒海艦隊のミサイル巡洋艦「モスクワ」がアブハジアの首都スフミの港に同日入ったことを明らかにした。アブハジア分離派政府のバガプシ大統領が艦船派遣を要請したという。メドベージェフ大統領が約束した安全保障協力が早速始動した形だ。
 スフミから150キロ南方のグルジア西部バトゥーミ港には米国が人道支援目的で派遣した最新鋭ミサイル駆逐艦「マクファウル」などの艦船が停泊し、黒海東部で米ロの海軍力がにらみ合う。メドベージェフ大統領は「米艦船は武器をグルジアに運んでいる」と非難しており、緊張が高まる恐れもある。(2008/08/27-21:45)


●ロシアの役割支持=SCO首脳会議 
【モスクワ28日時事】タジキスタンの首都ドゥシャンベで開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議は28日、グルジアの南オセチア自治州などカフカス地方での平和促進で、ロシアの積極的役割を支持する宣言を採択した。(2008/08/28-18:45)


 

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【8月17日】 
今回のグルジア紛争で、イスラエルおよびユダヤ人の働きが大きいことが明らかになりつつある。

8月11日、ユダヤ系グルジア人であるグルジアの国家統合大臣が自軍に対するイスラエル軍の訓練およびイスラエルの武器提供に「感謝」している。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1010187.html

また以下のように、イランの放送で、グルジアの南オセチア攻撃を計画したのは、イスラエルの軍事顧問だと指摘されている。
http://japanese.irib.ir/news.sun.htm#3

さらに、以上の記事を補足するように、以下のように、7年前ほどから、イスラエルからグルジアに対し軍需品の提供、歩兵の養成、セキュリティ面の助言などでロシアとの戦争準備を支援してきた、とイスラエルのYnetnewsが指摘しており、その関係はユダヤ系元グルジア人などが中心に築かれた、と指摘している。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-3580136,00.html

こうしてみると、グルジアを支援しているのは、アメリカ・イスラエルであり、8月9日号で示したように、「シルクロード戦略法」でしめされた戦略どおり、アメリカの「パートナー」としてのイスラエルが枢要な動きをしている、と判断すべきであろう。

~~~~~~~~~~ 関連記事 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~

●グルジアの閣僚、イスラエル軍に感謝の意
 2008年08月11日
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1010187.html
ユダヤ系のグルジア閣僚であるテムール・ヤコブシュビリ氏は10日、イスラエル国防軍によるグルジア軍の訓練を賞賛し、「イスラエルはその軍事力を誇るべきだ」と、インタビューで語った。


●イスラエルが、コーカサス地方の混乱に介入しています。
 http://japanese.irib.ir/news.sun.htm#3
シオニスト政権イスラエルのメディアが、この政権の専門家が、ロシアとの紛争において、グルジア軍に協力していることを認めました。
イスラエルのニュースサイト、デブカ・ファイルは、9日土曜、「イスラエルの軍事専門家が、経済的な利益を見込み、ロシアとの紛争において、グルジア軍を支援している」と報じました。さらに、「グルジア大統領は直々に、イスラエルの軍事顧問の同国における駐留、及び、イスラエルからの兵器購入に同意している」としました。
この報道ではまた、「グルジアの南オセチアに対する攻撃を計画したのは、イスラエルの軍事顧問であり、ロシア政府は、ここ数週間、イスラエル政府に対し、グルジアへの支援を停止するよう求めており、これに関して、イスラエルとの国交断絶すらほのめかした」とされています。


●グルジア戦争:イスラエルの関係
 http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-3580136,00.html
ここ7年間イスラエルの会社はグルジアに軍需品の提供、歩兵の養成、
セキュリティ面の助言などでロシアとの戦争準備を支援してきた。 
・・・
・・・
イスラエルがグルジアに武器の売却を開始したのは7年前。イスラエルに移民
したグルジア市民がビジネスを始めたことによる。

 

【8月15日】
グルジア戦争とイラン問題は一つのセットと見るべきで、そのことを指摘してきた。
→「シルクロード戦略法」についての解説

グルジア・南オセチア紛争はカスピ海周辺の覇権争いであり、この覇権争いをしているのは、勿論アメリカとロシアで、既に、傭兵という立場で(イラクでも多くのアメリカ人傭兵が活躍中)、アメリカ人の兵力が介入していたが、今回は正式にアメリカ軍が介入するということになり、事態は一層深刻になってきている。

アメリカ軍内部の、イラン戦争に反対する者たちは今までもさまざまな形でその意向を具体化するための動きを進めてきていたが、以下の記事もその一つかと思われる。

第1戦略通信航空団司令官が指揮下の航空偵察小隊司令官を解任したと報じられた。
http://ap.google.com/article/ALeqM5iKDcgevZDggHCdTkRzapHfQC_a2wD92H4SBG3

しかしここに来て、アメリカ政府は正式に、アメリカ軍の介入を、たとえ人道支援目的とはいえ開始したので、これは代理戦争が、本格的対決への構図に進む契機になりうる、非常に憂慮せざるを得ない情勢といえる。

前にも書いたが、米軍内には、イラン攻撃反対の司令官などが多く存在していて、米軍内でも抗争が水面下で続けられている様子で、政治家の中には自分や自分の息子・娘などが戦争に行くこともないからか、平気で戦争を始めたがる者たちもいるようだが、泥沼のイラク戦争を前にこのような新たな戦線拡大に反対する将軍などは、「新たな戦線をもつ余裕はない」、と発言してきていた。

そして今イスラエルがイラン攻撃を真剣に考慮していることを懸念し、米国が軍事面での協力を拒否した、とイスラエルのハーレツ紙が報じた。
時事では、「同紙によると、イスラエルのオルメルト首相とバラク国防相は今年5月、ブッシュ大統領が同国を訪問した際、イランへの攻撃能力を高める『特定の軍備品』について支援を要請した」が、その要請に「応じない方針を決定」したということで、「イスラエルに対し作戦を控えるよう圧力を掛けた」とある。

アメリカ内にもイスラエル内にも、武断攻撃派と外交融和派の間で対立があり、水面下でさまざまな駆け引きが続けられている模様でである。


~~~~~~ 関連記事 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~

●アメリカ兵がグルジア軍と共に戦闘にかかわっていたこと、いくつかの死体が存在しそれを示していることが、YouTubeなどで示されている。
http://uk.youtube.com/watch?v=mBMQufrBWdg&feature=related


●米海軍は、航空偵察小隊司令官を解任
http://ap.google.com/article/ALeqM5iKDcgevZDggHCdTkRzapHfQC_a2wD92H4SBG3

「海軍は、大統領と国防長官に、核兵器を指揮するための空中偵察情報を提供する航空偵察小隊司令官を解任した、と12日発表した。・・・以下略」


●米軍支援物資が到着、米露対峙へ グルジア紛争
8月14日20時44分配信 産経新聞

 【モスクワ=遠藤良介】グルジア紛争は14日、ロシア軍が先に合意した
停戦条件に反し、グルジア中部まで部隊を侵攻させ続けていることが明白となった。
国際社会が調停の動きを本格化させている中、停戦合意の実効性に大きな
疑問符がつけられた形だ。一方、グルジアの首都トビリシには人道支援物資を
積んだ米軍のC17輸送機が到着。米国が本格的なグルジア支援に
乗り出したことで、グルジア領内で米露両軍が対峙(たいじ)する構図が
鮮明となった。・・・以下略


●アメリカがイスラエルのイラン核施設攻撃にブレーキ
U.S. puts brakes on Israeli plan for attack on Iran nuclear facilities
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1010938.html
【8月12日】
既に8月9日の「天気晴朗なれど波高し:カスピ海とペルシャ湾」で示したように、今回の南オセチア・グルジア紛争は、米ロの地政学的軍事紛争であり、アメリカ・NATO軍の直接・間接の軍事的関与が明るみに出つつある。

●以下のサイトでアメリカ人傭兵がロシア軍に拘束されたと報じている(抄訳)。
 http://www.prisonplanet.com/american-mercenary-captured-by-russians.html
アメリカ人傭兵がグルジア兵と一緒のところをロシア軍に拘束された、とイズベスチア紙のインタネット版が伝えた。アメリカとNATOがグルジア軍を各方面で支援しており、ロシアとの代理戦争を行っている証拠となっている。
この米兵はアフリカ系アメリカ人でNATOの教官で銃砲の専門家だという。この傭兵は現在ロシアのヴラジカフカスに移送されたという。
この話は先日の、黒人アメリカ兵が南オセチア首都のツヒンバリで死体で発見された、というものと通じる。
アメリカ兵は最近、グルジア兵に弾薬が装填された銃砲の扱いについて訓練するプログラムを指導していた。

http://warnewsupdates.blogspot.com/2008/08/american-soldiercitizen-captured-in.html
U.S. soldiers teach Georgian soldiers how to deal with unexploded ordinance as part of the Georgia Train and Equip Program. Under the program, the U.S. Defense Department is training and equipping four specialized battalions, one company-sized team, and about 200 staff officers in Georgia. U.S. defense officials say improving the Georgian military will ultimately aid the American war on global terrorism. Photo by Senior Airman Latonia L. Brown, USAF



●以下のサイトでは、各国からの傭兵が米教官によって指導を受け戦闘行為をしているとある(抄訳)。
http://www.kommersant.com/p-13081/mercenaries_Georgia_U.S._instructor/

2500人から3000人ほどの傭兵がグルジア軍の代理としてロシアの平和維持部隊に対する攻撃を行っている、と匿名希望者が伝えた。
これら傭兵たちは、ウクライナ、バルト国、コーカサス地方からの者たちだ。
この米兵教官の数は、約1000人ほど。
ロシアの機動部隊は、いくつかの傭兵グループを全滅させた。他のグループは拘束され、取調べの最中。

【8月9日】
グルジアで南オセチア紛争から、南オセチアのロシア人保護という名目でロシア軍の介入が始まった。これは一面民族問題と言えるが、同時にあるいはそれ以上に地政学的軍事紛争と見るべきだろう。
グルジアは、ブレジンスキーの言う「ユーラシア・バルカン」という地政学的地域に入る国家だ。ようするにヨーロッパのバルカン地方と同じように、不安定地域だということ。この不安定という要因を利用して、かつてはソ連の勢力範囲に含まれていたこの地域に対し、アメリカが乗り出しつつある。その中心的戦略は「シルクロード戦略法」で打ち立てられた戦略と見られる。

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シルクロード戦略法
http://www11.plala.or.jp/jins/newsletter2004-6.files/senryaku1.htm

 1999年3月14日アメリカ連邦議会は「シルクロード戦略法」を採択した。これは、カスピ海周辺国から中国の西部国境にいたる「ユーラシア回廊」と呼ばれる地帯をロシア・中国・イランの勢力圏から切り離し、米国の影響下におくことを目指したものである。ユーラシア回廊とは、カスピ海周辺国と中央アジア諸国、いわゆるユーラシア・バルカン地帯とほぼ同義の地域的概念と捉えられる。

1.石油とガスの輸送ルートでロシアの専売を崩すこと。
2.多様な供給者を通して西欧のエネルギー保障を促進させること。
3.イランを通過しない東西のパイプラインの構築をすすめること。
4.中央アジアの経済に対してイランの危険な影響力を拒絶すること。

などがその戦略目標に入っている。
 この法律ができるのとほぼ同時期NATOの50周年記念に合わせて、グルジア、アゼルバイジャン、ウクライナ、ウズベキスタン、モルドバの国家元首がワシントンに招待され、GUUAMという軍事同盟が締結された。これにあわせてグルジア、ウスベキスタン、アゼルバイジャンの3ヶ国は、ロシア主導のCIS(独立国家共同体)の軍事協力機構から脱退した。西側の軍事援助の資金を受けるこの同盟は、「NATOに対し低いレベルの軍事協力をする」ことが決められたので、カスピ海地帯からロシアを追い出す圧力となっている。
 総括的には、シルクロード戦略法は、黒海から中国国境地帯までのユーラシア回廊地帯に「自由貿易地帯」を作り出すことにある。そして驚く無かれアメリカのパートナーとしてイスラエルが指定されているのだ

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グルジアが今回のロシアとの戦争で完全に欧米側に移ることになり、既にアゼルバイジャンが欧米側にあるので、カスピ海西岸地方は欧米側になる。これをロシアが力で押さえ込もうとしても、民心が離反している限り、困難だろう。

目をカスピ海の南に向けよう。
そこには、イランが存在し、イランの南はペルシャ湾だ。このペルシャ湾の湾岸地域とカスピ海沿岸地域が天然ガスと石油の宝庫となっている。またイランの東側にはアフガン、西側にはイラクと現在欧米側が支配する地域となっているため、イランは両国の間で挟撃される形となっている。

今このイランの南、すなわちペルシャ湾の波が高まってきている。エルサレム・ポスト紙によると、セオドア・ルーズベルトとロナルド・レーガンの2隻と思われるアメリカ海軍の空母がペルシャ湾に向かっている、とクウェート・タイムズ紙が報じたという。
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?cid=1218104233164&pagename=JPArticle%2FShowFull

更に、アラブのモヒート通信が伝えるところとして、7月末、1隻の米駆逐艦が地中海からイスラエルの艦船と共にスエズ運河を通過した、という。またその1週間前には、米原子力潜水艦が1隻の駆逐艦と補給船と共に地中海に入っている、とも報じている。

現在ペルシャ湾では、2つの戦闘グループが存在している。1つは65機の戦闘機を艦載機に持つ空母エイブラハム・リンカーンに率いられるグループ、もう一つは6機のハリアー戦闘機や30機近いヘリコプーターを艦載する、ペリリュー水陸両用強襲艦が率いるグループである。

これほどの大規模戦闘グループがペルシャ湾に集結する意味は一体何か。
上記のシルクロード戦略法の説明にあるように、この戦略のパートナーはイスラエルという。そのイスラエルが、イラン攻撃の能力を上げてきている

イランの核計画を破壊することはできずとも、それを無能力化する自信はあるようだ、とAP通信が報じている。
http://news.yahoo.com/s/ap/20080806/ap_on_re_mi_ea/israel_striking_iran

イランまで空中給油を必要としないで到達できるF-16I戦闘機を90機購入し、ドイツからは核弾頭ミサイル発射可能と言われている新型ドルフィン級潜水艦を2隻購入した。

イランの上と下、北と南の海の波はいよいよ高まってきているようだ。
 

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