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シリア・トルコ国境付近からコバニ市をみるクルド人たち

◆10月13日

 シリアとトルコの国境の町であるコバニがISILの攻撃で陥落寸前である。ここはクルド人の都市で、彼等は現在も必死に自分達の町を守ろうと決死的な抵抗を続けている。

 アメリカ主導の同盟軍によるこのISILに対する空爆がここ三週間行われてきているが、成果を挙げていないと現地から言ってきている。それはそうで、彼等はまともにISILを叩くつもりは最初からないからだ。彼等はいうなればグルだからだ。

 で、彼等は空爆だけではだめで地上軍の投入が必要だ、と何回も叫んでいる。これはトルコも同様だ。しかしシリア政府の了解なしに地上軍が入れば、それはシリア政府にとっては別の意味での侵入者である。シリア政府軍と衝突する可能性も出てこよう。そしてそれが狙いとも言える。要するに彼等の狙いはあくまで、シリアのアサド政権の転覆なのだ。

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●ISILとクルド人とのコバニ市における戦闘が激化
http://www.presstv.ir/detail/2014/10/12/382009/fierce-battles-continue-in-syria-kobani/
【10月13日 PressTV】

 12日の報道によれば、シリアのコバニ市での激しい戦闘が継続中で、包囲されたこの都市でクルド人戦士はISILの民兵らを撃退しているという。

 過激派テロリストらは9月中旬より攻撃しているこの都市のいくつかの地区に前進している。彼等はまたラッカなどシリアの他の地区からコバニ市に追加の勢力を投入し、都市を防衛しようとするクルド人戦士らの抵抗を撃破しようとしている。

 過激派テロリストの陣地に対するアメリカ主導の同盟軍の実施する空爆が3週間以上続いているが、この都市はISILの攻撃に晒されたままである。

 テロリストの民兵らはクルド人戦士らの激しい抵抗に直面している。11日にはクルド人は過激派テロリストらに36名の死者を出す激しい抵抗を見せた。

 コバニ市の防衛評議会議長のイスメト・シェイフ・ハッサンは、もしコバニがISILの手中に落ちれば大量虐殺が起きると警告している。

 10日、国連シリア特使のスタファン・ドゥ・ミストラは、「もしもコバニがISILの過激派民兵の手中に落ちれば、何千人もの人々が大量虐殺されるかもしれない」と警告した。

 「我々は見てきているからISILが都市を攻略した際には、何をしでかすかを知っている。彼等が女性、子供、少数民族、人質らにそういうことを実行できるということを知っている」と彼は警告した。

 過激派民兵等はコバニ市の三地区を既に掌握し、更にこの戦略的都市の西部と南部地区に向かって進撃している。

 コバニ行政評議会議長は、この重要都市に対するISILの前進を阻むことに失敗しているから、アメリカ主導の空爆作戦は成果を挙げていない、と語った。

 ISIL民兵はコバニ市周辺の数十の村落を掌握した。

 コバニでは500人以上が殺害された。9月中旬にISILの攻撃が始まってから、2万人以上がトルコへ難民として出て行かざるを得なくなっている。

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アメリカは今やナチス・ドイツのような動きをしていると指摘するフェッツァー教授

◆10月8日

 9月29日号「誰が「イスラム首長国」を作り上げたか?(その2)」の中で、以下のように記した。

 「しかしシナリオがこのように進めば、中国はどうか分からないが、ロシアは核を使用してでも、欧米NATOの戦争屋と対決する姿勢を固めるであろう。それは実際に各種の核兵器が使用される、第三次世界大戦の到来となる。今、世界はそのような危険な領域に近づいているといえよう」

 この点を以下の記事でも指摘している。フェッツァー教授は核戦争の危険性とその核戦争ではロシアと中国がアメリカを敗北させるだろう、と指摘している。中国は分からないが、ロシアは対アメリカ核戦争では敗北することは無いであろう。

 これはナポレオンやヒトラーがロシアに攻め入っても逆に敗退したことと繋がる。要するに広大な国土と避難壕の存在の問題である。また人口も関係する。大都市の数も関連する。核戦争で脆弱性があるのはアメリカの方だからだ。だから、ロシアを怒らせたら怖いことを知らねばならない。

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●アメリカは対ロシア・中国との核戦争では負ける
http://presstv.com/detail/2014/10/07/381357/russia-china-capable-of-defeating-us/
【10月7日 Press TV】

アメリカの著名な政治コメンテーターが、ロシアと中国は核戦争でアメリカを敗北させる能力がある、と語った。

 プレスTVとのインタビューで、ジェームズ・ヘンリー・フェッツァー教授は、核戦争では何億もの人々が死ぬことになるという事実に目覚めねばならない、と語った。

 彼は、「ロシアと中国は中東や東ヨーロッパでアメリカと西欧の侵略から撤退することはしない、というあらゆる示唆を示しているということに、アメリカは心を向けるべきであるという考えは、我々は挑発を繰り返ししてきているのだから、アメリカ当局の側としては非常にナイーブな捉え方である」と語った。

 例えば:

 イランが核兵器計画は持っていないことをアメリカとロシアそれに世界中の人々が知っているのに、イラン向けだと称して対ミサイル基地でもってロシアを包囲しようという試み。

 ウクライナでの工作-これはブレジンスキーのグランド・チェスボード理論の一部のようだが、そこではもしもロシアがウクライナを失えば、ロシアは国際的に不具者になるだろう、とある。

 シリアでのアメリカの空爆-これは裏切りと欺瞞の行為と見える。そこではアメリカはISISの撃滅を狙っていると主張するが、実際はアラン・サブロフキーが見ているように、穀物サイロや石油備蓄基地や橋梁、その他シリアでの生活を支えるに重要な施設などを破壊することで、アメリカが取った行動としては最も恥辱に満ちたものだ。これを引っ張っているのは国務省のヴィクトリア・ヌーランド、国連のサマンサ・パワー、国家安全保障アドバイザーのサマンサ・ライスなど全てタカ派過激派のネオコンである。彼女等はアメリカの国益のために嘘をつき騙し盗むことをよしとしている。ヴィクトリア・ヌーランドは最近ではテレビで、アメリカはシリアではISISを倒す為ではなくアサド政権を倒す為にいる、ことを認める発言をした。

 「こういった状況下では、ロシアと中国は自分達の軍事力を発揮するあらゆる権利を持っていると思われる。また彼等は核戦争ではアメリカを敗北させる能力があるというのが私の見方だ」と彼は語った。

 彼は更に、アメリカの指導者らは、「国家を率いているところでしっかりと停止しなければならない。というのは、アメリカの行動はナチス・ドイツのそれと似ているからだ」と語った。

 「これは全てのことは、アメリカ当局が核戦争は何億もの人々に死をもたらすということ、その中に自分達あるいは家族も含まれるかもしれないという事実に目覚めることが必要である」と、ミネソタ・ダルース大学教授のフェッツァーは指摘した。

 「世界はこのような危険をはらんだ危機的状況にある。そしてアメリカは引き返して最後には世界の責任ある市民のように再出発する必要がある」と彼はアドバイスした。

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9月22日、シリアの精油施設が欧米軍によって空爆された

◆10月2日

 欧米勢力が一部のアラブ勢力と共にシリアでの空爆を実施しているが、既にシリアの精油所が空爆の標的となったように、彼等は裏ではグルになっているISILの本当の軍事的損害を出す事を狙って空爆を実施しているのではなく、却って、シリアのインフラを破壊することを狙いとしていると、米海軍の退役軍人が指摘した。

 やはりこのブログで以前より指摘してきたように、欧米側特にアメリカはネオコンなどユダヤ勢力の戦争屋によって、ユダヤ・イスラエルの敵である存在、すなわちシリアやイラクなどの弱体化作戦を大国アメリカやイギリスの軍事力を使役させて実行している、ということになる。

 このような作戦がいよいよ本格化し、またシリア領内に「飛行禁止空域」がシリア政府の了解なしに設定されるような場合、繰り返すがシリアを支援してきたロシアやイランなどの勢力も看過することは無いであろう。

 これはつまりシリア・イラクを中心としての米ロの代理戦争という形になり、そうであれば、作戦上、地球上の何処でも突然戦場になる可能性が出てくるであろうし、そうなればそれを人は「第三次世界大戦」と呼ぶようになるのに時間はかからなくなるであろう。人類が地上に棲息できる資格が問われている時代に入ってきている。大自然の怒りが爆発すれば人類の戦争など吹っ飛んでしまうのに・・・

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●米軍のシリア空爆はテロリスト殲滅よりインフラ破壊が目的
http://presstv.com/detail/2014/09/30/380612/no-military-value-in-us-syria-targets/
【9月30日 Press TV】

 アメリカのシリアにおける空爆はしばしば「軍事的無価値」の反政府勢力側民兵を標的にしているが、実際はシリアのインフラが標的になっている、と米海兵隊退役軍人が指摘した。

 ミシガン大学Ph.Dのアラン・サブロスキーはプレスTVとの電話インタビューに答えて、先週から始まっている米主導の同盟軍によるシリアの空爆についてコメントした。

 「何が起きているのかと言えば、彼等が選択している空爆の標的は、多くの場合、ISISその他の反政府勢力にとって軍事的無価値なものであり、実際は戦闘終了後にシリア政府が手にすることになるであろうインフラを破壊するといのが狙いである」、とサブロスキーは語った。

 アメリカは「シリア内の経済的産業的インフラに対するダメージを与えることで、戦闘後にシリア政府が弱体化し、更なる攻撃にたいし脆弱になる」よう意図している。

 米陸軍戦争大学卒業生のサブロスキーは、戦争はアメリカでは、「政治、公共、社会的環境の通常の出来事」になっており、アメリカは「今や継続的戦争の14年目に入っている」ということを国際社会が理解することが重要である、と指摘した。

 「これはその他の諸国にとってはきわめて危険な事である」と彼は強調した。

 アメリカはISILに対する空爆を開始したが、それはこの民兵らによってアメリカの権益に脅威が出始めたからである。

 ISILのテロリストは最初はシリア政府の弱体化のためヨルダンで2012年にCIAによって訓練をうけ、シリアの北部の広い地域を支配している。ISILは6月にイラクに戦士を送り、広い地域を支配下に置いた。

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シリア空爆に向かう米空軍のF-15 ストライク・イーグル

◆10月1日

 アメリカの統合参謀本部議長のマーチン・デンプシー将軍は、シリアに地上部隊を投入したいと主張しているようだ。しかも、シリア空軍がこれ以上空爆できないように、飛行禁止空域を設定しようとしている、という。これはトルコのエルドアン首相も主張していることだ。

 シリア内の反政府勢力に対し、資金、武器、訓練などを与えて支援してきたのは、欧米、イスラエル、トルコ、それに湾岸アラブ諸国でスンニー派の国家である、とずっと主張してきたように、アメリカはISILの生みの親であり、今尚彼等を支援してる国家である。

 一方ではISILに対する空爆をしながら、この通り結局は本当にダメージを与えるシリア空軍の空爆を邪魔しよう、というのが彼等の狙いだと分かる。このような国際法を無視したアメリカのやり方は、ロシアの堪忍袋の緒を切らせるかもしれない。

 もしもシリアに飛行禁止空域が欧米側のごり押しで作られたら、ロシアは黙っていないであろう。イランに入ってでもロシアもISIL空爆に参加するかもしれない。勿論シリア空軍の支援のためだ。だからオバマ大統領がこの地上部隊投入と飛行禁止空域設定のデンプシー議長の提案を拒絶する事が必要だが、オバマにそれができるのか?

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●米統合参謀本部議長:なんとしてでもシリアに地上部隊の投入を!
http://en.alalam.ir/news/1635950
【9月27日 ALALAM】

 アメリカの統合参謀本部議長のマーチン・デンプシー将軍は27日、ISILとの終わりの見えない戦争に対し地上軍を投入する可能性についての先日のコメントを撤回することを拒否し、「どんなことをしても」たとえそれが地上部隊を投入することになるとしても、ISILを崩壊せしめるためにはやりたい、と主張した。

 チャック・ヘーゲル国防長官と共同のペンタゴンのブリーフィング・ルームでの記者会見でデンプシーは、以下のように語った:私は提案するつもりだ。大統領は私にISILの撃滅の使命を与えた。そこで私は彼にISILの撃滅するために何をするかという提案をするつもりだ。

 オバマ大統領は繰り返し地上部隊投入は避けてきた。しかしデンプシーはISILの撃滅についての提案をするよう言われていた、と主張し、そのためには大規模な地上部隊が必要となることを知っている、と言う。

 彼は大統領との間に齟齬がないよう多少妥協的になろうとして、この部隊はアメリカ人を含むものではなく、イラク人、クルド人、穏健派シリア人を含むものであろう、と主張した。

 将軍はシリア東部に1万2000人から1万5000人の兵力が必要となると語って、シリアの反政府勢力グループに、彼等がアメリカ国防総省が訓練を与えるという期待を抱かせるように見えた。議会によって承認されたこの計画は、一年以内に5000人からなる兵力を作る事を目指す。

 更に、国防総省は、シリア軍が空爆が出来なくなるよう、シリア北東部に「飛行禁止空域」を設定する可能性を考えていると言っている、とプレスTVが報じた。

 トルコは外国から支援を受けている民兵と市民を保護するために、トルコ・シリアの国境沿いに緩衝地帯を設定するようアメリカに要求している。

 アメリカとその同盟国は22日以来、ISILテロリスト・グループに空爆を継続的にしてきている;しかしペンタゴンは同じ地域でシリア軍が反政府勢力に空爆をすることを妨害する決定をするかもしれないことを示唆している。

 このISILテロリストはシリア政府の不安定化と、シリア北東部の広い地域を支配するため、最初2012年にヨルダンでCIAによって訓練された者たちだ。ISILはその戦士らを6月にイラクに投入し、彼等は二つの国の国境に広がる地域をすばやく支配した。

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カザフ系中国人のイスラム首長国戦士(中央)

◆9月29日

 欧米社会が「穏健なグループ」として支援してきたいわゆる「自由シリア軍(FSA)」は実質的には過激派グループに吸収合併された格好になっているから、欧米社会がこのFSAに対し支援をしても、それは結局は過激派を利するだけになる。

 この過激派の「イスラム首長国」がシリアとイラクを制すれば、イスラエルと衝突する可能性があり、その際はイスラエルが勝利するであろう。すると追われた「イスラム首長国」のメンバーらはその指導者らに率いられて、ロシアのチェチェンや中国のウィグル地区に入って、そこに活路を見出す動きをするようになるだろう。まあ、それがネオコン戦争屋らの狙いだとこの記事は言いたいわけだが。

 これで世界のイスラムの過激派が全てNATOに敵対する中ロに集中し、またイスラエルはその領土をシリアとイラクにまで拡大し、彼等が長らく夢想した「大イスラエル」を実現することになる。これがユダヤ人ネオコン一味の戦争計画、ということになるようだ。

 しかしシナリオがこのように進めば、中国はどうか分からないが、ロシアは核を使用してでも、欧米NATOの戦争屋と対決する姿勢を固めるであろう。それは実際に各種の核兵器が使用される、第三次世界大戦の到来となる。今、世界はそのような危険な領域に近づいているといえよう。

 
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●誰が「イスラム首長国」を作り上げたか? (その2)
http://www.voltairenet.org/article185364.html
【9月22日 by Thierry Meyssan ? Voltairenet.org】

 
 聖戦主義者の別のカテゴリーが台頭してきている:中国人だ。6月以来、アメリカとトルコは数百人の中国人戦士と彼等の家族をシリア北方へ移送した。その内の何人かは直ぐに将校となった。彼等は殆どがウイグル人で、中華人民共和国人であるがスンニー派でトルコ語を語る

 したがって、結局「イスラム首長国」は作戦をロシアと中国へ拡大することになるだろうということは自明のことだ。この両国が究極の標的なのだ。

 我々はNATOの広告キャンペーンを間違いなく見ることになるだろう:彼等の航空機の作戦で聖戦主義者をイラクから追い出し、デイル・エズ・ゾルに定着させることになるだろう。CIAは資金、武器、弾薬、情報を「革命的シリア穏健派」のFSAに提供することだろう。ついで彼等は2013年5月以来のケースのように、「イスラム首長国」の旗の下に装いを変えるだろう。

 当時、マケイン上院議員はFSAの参謀長に会う為に不法にシリアに来た。会合を証明するため配られた写真からすれば、参謀にはアブ・ユセフなる人物も含まれているが、彼はアメリカ国務省から公式にはアブ・ドゥという名前で捜査されている人物で現在の(イスラム首長国の)カリフ・イブラヒムである。従って、同一人物が穏健派のFSAの指導者であり、また過激派の「イスラム首長国」の指導者でもあるのだ。


ジョン・マケイン上院議員とFSA指導者。左端イブラヒム・アル・バドリ。
イブラヒムの隣の二人目はサリム・イドリス

 この情報と一緒に、7月14日シリアのバシャール・ジャアファリ国連大使が安全保障理事会に提出したドキュメントの本当の価値が分かる。これはFSAの司令官のサリム・イドリスから送られた2014年1月17日付けの手紙である。それには以下のようにある:「本官は貴官に対しここに、参謀総長より東部革命軍事評議会指導者に送られたこの弾薬は、合意された内容に従って分配されねばならないとお伝えするものである:三分の二はエル・ヌスラ戦線の指導者らに、残り三分の一はイラクとレバントのイスラム首長国と戦っている軍と革命分子らに分配されること。我々は正式に指導者等の間で署名され合意された質と量の弾薬を分配してくれたことに感謝するものである。これにて我々はトルコとフランスのパートナーにこの件を報告することが可能となった」。

 言い換えれば、NATOの二つのメンバー国であるトルコとフランスが、「イスラム首長国」と戦う事ができるように、弾薬をそれぞれ、3分の2はアル・ヌスラ戦線(国連安保理ではアルカイダのメンバーグループとして識別されている)に、3分の1はFSAに分配されるべく送ったということである。そしてにこのFSAの指導者はイスラム首長国の指導者の一人なのだ。実際、FSAは地上からは姿を消してしまったので、3分の2はアルカイダに、3分の1が「イスラム首長国」へ、となる

 この二種類の役割のカラクリで、NATOは聖戦主義者と戦うと主張しながら、シリアに対抗するこの聖戦主義者を支援し続けることになるのだ。

 しかしながら、NATOが同盟国であるサウジアラビアを含むアラブ世界に混乱を定着させる時、この「イスラム首長国」を二つの大国であるロシアと中国に向けさせることになるだろう。だからこそこれら二つの国は今すぐにも介入し、NATOによって訓練されアラブ世界に設立された私設の軍を、芽の内に刈り取るべきである。ロシアと中国は暫くすれば自分達の領内で彼等と向かい合う羽目に陥るであろう。

(了)

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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