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ラスベガスの夜景
◆6月12日
アメリカの富と娯楽の象徴だったラスベガスが衰退している。つまりアメリカの富の衰退の象徴となっているわけだ。存在はしているが、既に死に体と化している。今後復活する見込みもない、と見られている。それはアメリカ経済が復活する見込みがないのと同様だ。
今年か来年以降か、とにかくいずれ再び住宅ローン問題でラスベガスは止めを刺される可能性が大だ。それはまた、アメリカ経済の止めとなるやも知れない。
負債と紙幣の上にカードで建設された家と言っているように、根拠のない富の上に建てられたものだから、崩壊は免れない。
しかしそれは絶滅を意味するわけではない。実体あるものの上に再建すればいいのだから、一旦崩れたカードの家はきれいさっぱり諦めて、新たに実体あるものを建設する好機とすればいいのだ。
それはまた同時に人々の生き方が変わる事を要求するだろう。二度と同じ道を行かないためにも、それは必要だろう。
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●ラスベガスの死
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/the-death-of-las-vegas
【6月11日 Economic Collapse】
2010年、アメリカには経済的に完璧なまでにどん底を経験している都市がいくつかある(例えばデトロイトだ)。しかし、ラスベガスの驚くべき崩壊は別格だ。
ここ数十年間、ラスベガスはアメリカの桁外れな豊かさと退廃の象徴であった。しかし今や、そこはアメリカを締め上げている経済悪夢の小宇宙となっている。サブプライム問題が生じたとき、ラスベガスほどその影響が大きかった都市はない。リセッションが悪化すると、アメリカ人はギャンブルは必要なしとしたため、カジノの収入は激減した。
突然、ラスベガスでは失業率が劇的に増加し始め、現在でも上昇し続けている。観光と娯楽に依存しているその他の都市と同じように、ラスベガスではブームが去って破綻し始めている。自治体の職員らは最悪の状況はまもなく終わることを願っているが、真実は最悪はこれからやってくるのだ。
アメリカの経済は崩壊し続けていて、平均的アメリカ人は、自分達が住むための家と家族に食わしていく食料のためにほんのわずか出費している有様だ。真実はラスベガスの栄光の日々は終わり、それはもう戻っては来ない、ということだ。
既に、ラスベガスの失業者数はかつてないほどの数字になっている。ネバダ州とラスベガス市の失業率はこの4月に記録を更新した。ラスベガス市では、失業率は4月で14.2%、ネバダ州全体では13.7%だ。
勿論、これらの数字は、「公式」の数字だ。我々は皆知っているように、実際の数字はずっとこれより多い。
例えば、「公式」のミシガン州の失業率は現在ほぼ14%である。しかしでは86%の残りの就職可能な人々が就職しているのならば、金門橋を購入しないかというオファーに興味が出てくるかもしれないだろう。
ネバダ大学のエコノミストのエリオット・パーカー氏は、ネバダ州の記録的な失業率はより大きなトレンドの一部を示しているだけだ・・・と語った。
「ネバダ州は2008年の3月以降仕事がどんどん減ってきて、これからもそれはずっと続くだろう」
しかしネバダ州とラスベガスが本当に打ちのめされた分野は住宅産業分野である。ネバダ州の全住宅の65%が含み損を抱えていると見られている。
これをは、ネバダ州で住宅ローンで自宅を購入した65%の人々は自宅の価格以上の負債を抱えている、ということだ。
インプロージョン(内部爆破)について
全国的には、この含み損を抱えている住宅数は24%である。これは史上空前の数字だが、ネバダ州とラスベガスで明らかにされてきている規模からすればまだまだ救いがある。
それに、ネバダ州で起きている差し押さえ件数は全く驚くほどである。
リアリティ・トラックによれば、ネバダ州はこの差し押さえ件数でナンバー1をキープしている。実際、5月だけで79件に1件の割合で差し押さえが起きている。
ネバダ州の差し押さえ率は全国の5倍になっている。とにかくネバダ州の経済は完璧で全面的な崩壊に直面しているのだ。
読者の一人が、Eメールでラスベガスで起きている経済的な惨状を書いてきた。この町にどのような思いを抱いていたとしても、真実は、アメリカの偉大な都市がこのようになっていくのを見るのは悲しいことだ・・・
「ラスベガスは今や死に体だ。ホームレスの人口はもうどうしようもないほどだ。中部でみたより更にひどいのが不動産分野の状況だ。マンションのタワーは95%空き室になっていて、何もなされていない。通りや公園はすさんできている。自治体は削減に忙しく労働組合と闘っている。通りに出ると、誰もおらず2006年から非常に変化している。カジノ経営会社はカジノをネバダから他に移動させた。部屋とレストランはずっと何年も閉鎖されたままである。町全体が最小限度の人手で標準以下のサービスを提供しているし、不動産の価値を下げている。私は破産状況にある大きな会社で仕事をまだしている。次の波がくれば、削減するところなどもうない。それはドミノゲームになりウィンだけがたった一つ残るようになりそうだ。私は99セントの朝食がまた始まっているのを知った」
こんな感じでラスベガスに何か希望があるだろうか?
もしもアメリカ経済が手術台から復活してきてまた生命にみなぎるようになれば、何百万ものアメリカ人が飛んできて自由にできるお金をギャンブルに注ぐことになることは間違いないだろうが、真実は、いかなる「復活」も、ラスベガスで起きるものは、短命に終わるということだ。
アメリカ経済は全体として、デス・スパイラルに組み込まれている。そして最初にラスベガスを破壊した住宅産業のクラッシュが繰り返されるのをまもなく目撃することになっているのだ。
ラスベガスが死の運命を避ける道は全くないのだ。丁度、アメリカ経済全体と同様、避け得ない運命である。数字は嘘をつかない。
アメリカの政府、会社、消費者の負債総額はGDPの360%となっている。これは大恐慌時代にアメリカが到達した時のレベルと比べても更に大きな数字である。
アメリカ経済全体は巨大な負債と紙幣の上に建設されたカードの家なのだ。そして一切がクラッシュするのは、ただ時間の問題ということだ。
しかし勿論それは、アメリカ政府が更なるお金を消費し、我々に更なる負債を背負い込ませることを妨げるものではない。
財務省の議会に対する最近のレポートに寄れば、アメリカの国家債務は、今年13兆6000億ドルになり、2015年までに19兆6000億ドルになるだろうと予測されているという。
こういったことを個人的なレベルで経験してきた者たちは、負債が継続的に増大すれば決していい結果で終わることがないことを知っている。
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