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金融津波の第2波がやってくる
◆11月24日
11月6日に紹介した「通貨システムにおけるゴールドの役割」を書いたマティアス・チャン氏の最近の論文がある。前の論文の続きのような内容なので紹介したいが、長文なので、2回か3回に分けて紹介する。
前回の論文でも指摘していたことで、金融の津波の第2波が来年の第2四半期までにやってくる、と言っている。このブログでも遅くとも2010年中にはそれはやってくると見ている。
なぜか、ということをこのチャン氏の論文で見てみる。
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●警告:金融津波の第2波(1)
津波は勢いを増して2010年の第1および第2四半期の間に襲来か
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=16218
【11月22日 by Matthias Chang】
私の友人が、最近私が世界経済について語らないと嘆いていた。それは分かるのだが私は投資家を市場に引き戻すために、金をもらって記事を書く株式市場のアナリストではない。私のWEBサイトは無料で見れるし、金融ニュースレターを売っているわけではない。だから予想分析情報を大量生産する必要はないのだ。
しかしながら、データがある抗し難いトレンドを示しているならば、新しいレ展望を書く時だ。このレッド・アラート(警戒警報)は私のサイトを訪問する人々が数ヵ月後に迫っている事態に対処し、自らを防衛するために適切な行動を取れるようにするだろう。
2008年の最後の四半期以来、容赦のない通貨戦争が世界的経済組織で行われてきた。この競争は今までは敵対的なものではなかった。しかしそれはやがて敵対的なものになるだろう。それは先天的な違いは和解できないからだ。世界経済に対するその結果は、破壊的であろう。また普通の人々にとっては、大規模な失業と社会不安が避け得ないものになると考えられる。
国際的金融アーキテクチャーの全面的な崩壊に直面している国々の政治家らは、「大きすぎて破綻させられない」銀行を救済するためと、自国の不景気の再活性化のための唯一の解決策は、量的緩和策(大規模な流動資金の放出)と結論を出した。これはバーナンキFRB議長の「アメリカ政府はある技術を持っている。印刷機を動員するというやつだ(現在では電子的なものがあるが)。これで基本的にはノーコストで望むまま米ドルをいくらでも生み出せる」という率直な意見に表れている。
これが問題の最重要点だ。
●和解できない相違点
20年ほど前、国際的金融エリートたちは世界経済の枠組みを以下のようにすることを決定している。
1.アメリカの連邦準備制度と、それに関係する先進国の世界的銀行がコントロールするデリバティブを基礎にした国際金融システム
2、発達した経済を養うため.西側から東側に、主として中国とインドに商品生産拠点を移す
3.全体のシステムは単純な原理、世界経済のエンジンである連邦準備制度がコントロールする世界準備通貨、という制度の上に構築された。これは本質的には帝国主義的経済原理である
ひとたび我々が、この基本的な事実を把握すれば、バーナンキの自慢した「アメリカはいくらでも望むままに米ドルを作り出すことができる」という言葉は違った次元のことになる。
私は多くのエコノミストと話してきたが、何が今の金融問題の重要な点かということを聞かれて彼らは、「世界的なインバランス、西側が消費をし過ぎる反面、東側は貯蓄をし過ぎて消費をあまりしない」と異口同音に言う。これは中国の大きな供給に対するアメリカの巨大な貿易赤字に現れている。
殆どすべての人がすばらしい知恵とこのお題目に共鳴している。最近のAPECの首脳会談でも同じことを言っている。自由貿易への呼びかけと同じように、このお題目は繰り返されている。
これは大いなるいかさまである。世界の舞台に出ている現在の指導者らは、芯まで腐っていて、物事をありのままに言うことをせず、今の金融システムに存在する根本的な矛盾を明らかにすることをしたがらない。
全体的な金融システムがアメリカ・ドルの準備通貨の一極に依存しているので、多極世界を願う声は意味が無い。これが現在のシステムに内在している矛盾であり、これに関連する問題は、いくつかの国が支持しているIMFの特別引き出し権を基礎とする新しい世界準備通貨によっては解決できない。これは考えられた時に死産となっている。
中国、日本、それに中東の産油国は現在の状況を呪いののしっている。しかし彼らは、ゴールドマン・サックスの指導に従って動く連邦準備制度からの金融情報操作屋らによってコケにされてきたと、自国民にはっきり説明する信念を持つ勇気を持っていない。
どの指導者が自国の富をトイレットペーパー(米ドル)と交換したことをあえて認めた者なのか、いれば言ってみてほしい。トイレットペーパーのパントマイムは続いている。
我々は現在、通貨戦争の最終局面に到達している。これはNATOとワルシャワ条約軍との間の冷戦のようなものではない。核戦争のMAD(相互確証破壊)ドクトリンで両者は抑止されていた。両者のコストは法外なもので、ソ連がこのコストを維持し続けられなくなり破綻状況に陥った時、NATO側にバランスが傾いたのだ。
しかしこれは、欧米のピュリス王の勝利(犠牲が多く割に合わない勝利)だ。アメリカの軍事力を維持する能力をアメリカに持たせ、ソ連を破産させたのは、トイレットペーパー通貨を印刷する権利と、同盟国が世界準備通貨として米ドルを受け入れたことにある。
しかし、冷戦時にアメリカと同盟した国は なぜ以前の状態を受け入れたのか? それは単純なことだ。ビッグ・ブラザーとその軍事力に保護されねば共産主義の脅威に飲み込まれてしまうと思い込まされたのだ。彼らはアメリカの吹く笛に合わせて行進することに同意したのだ。
次の大きな疑問は、「解放」されたソ連圏の元共産国がなぜこのバンドワゴンに飛び乗ったのか、ということだ。
これも単純なことだ。彼らはゴールドマンサックスに率いられる世界的な銀行により作られた幻想を抱いて、彼らの製品とサービスをアメリカの連邦準備銀行のトイレットペーパーと交換すれば大いなる富と繁栄を獲得できると思い込まされたのだ。
しかしこの地域の最大のゲームはアジアの、日本だ。不動産バブルの破裂した後の10年のリセッションの後、日本は、ゴールドマンサックスの金融アーキテクトが予見したように、このゲームを次のレベルに引き上げる手段を持っていない。
そして中国は最大の受益者であった。ゴールドマンサックスの上級経営者が中国の指導部と秘密の契約を結び、大量のドルを投入し生産力の大規模移転を行う代わりに、中国はやっと手に入れた米ドル・トイレットペーパー準備通貨を米国債とその他のアメリカの債権類を購入するということにしたのだ。
世界の金融カジノを次のレベルに引き上げるため、先例を作るために必要な条件だった。
なぜか? (続く)
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