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イランのイスファハンの核施設
◆7月25日
イスラエルがイランの核と軍の施設を攻撃するのでは、ということで騒がしくなっている中、戦略国際問題研究所(CSIS)の2人の研究者が、両者の間の核戦争を想定した研究の結果を概略説明している。本当に核が使用されれば、前のブログに書いたように、事はイスラエルとイランだけの問題だけで終わらなくなる可能性が高いことから、決してそれを許してはならないのだが、ここではとりあえず彼らの想定した内容の記事があるので紹介する。
イランが使用する原爆が100㌔㌧と想定されている。広島型原爆が1.5万トンと言われているから、キロトン数で言えば、15㌔㌧となり、100㌔㌧の約6.7分の1だ。それで即死者数が9000人弱というのは、おそらくテルアビブの住民はほとんどが核シェルターに入っている、というのが前提なのだろう。広島の場合には、即死7万人と言われている。
最後にウィトニー・ラース氏らが、イスラエルのイラン核施設攻撃は、「少なくとも、イランの核兵器開発を遅らせるという利点はある」と言っているが、問題は、イスラエルの奇襲攻撃が成功すれば、という前提が抜けていることだ。成功しなかった場合をどう想定しているのか、と言う問題を一向に論じないのはどうなのか。
オバマ大統領がイスラエルのイラン攻撃に対して、明確に「ノーだ」と発言したばかりである。ロシアはイランのナタンツの原子炉が攻撃されたら、そこで働いているロシア人が攻撃されることを意味するし、原子炉もロシアが供給したものだから、ロシアに対する攻撃と受け止める、と発言している。これは米露両国がそろって、イスラエルのイラン攻撃はまかりならん、と言っていることになるのだ。
また、「この3箇所は充分に防衛されていて部分的には地下にあり、ステルス性の厚い鋼鉄で補強されているコンクリートで保護されている。これはイスラエルは、核を搭載したバンカーバスター爆弾を使用するしかない、ということを意味する。」とあるが、以前のブログで指摘したように、これは、核保有国が核を持たない国に対して、核の先制攻撃をする、ということになるのだから、一体そのようなことが許されるとすれば、世界の秩序は根底から破壊されることになるだろう。
その時、米露両国ばかりか、その他の核保有国、特に中東のイスラム教の国家としてのパキスタンなどがどうでるのか、という問題があろう。そして全世界のイスラム教の国や人々がイスラエルに対し、どう報復に打って出るであろうか、という問題も考慮すべきなのだ。
イスラエルは自分が核攻撃をする意図を持っているから、イランも核計画の果てにはイスラエルを核攻撃するだろう、と、自分の目線でしか相手を推し量れないのである。イランはまだまだ兵器級(90%以上)のウラン濃縮に程遠いところにいるのだが。それは「アメリカの情報機関では2013年前には無理だろう、と見ている」という指摘を見れば分かる。
被害妄想の人間は、隣人が自分を害するのではないかと恐れるあまり、相手を害する意図のない隣人を害する行為を行うところがあるという。イスラエルはほとんどそのレベルにある国なのだろう。それにイスラエルには自分たち以外の人間は、“神の選民”である自分たちに比べれば動物並の価値しかないから、殺しても構わないという教えを“まともに”受け入れている人々が多いし、特に政治家とか軍人にはそういう考え方の人物が多いようだ。
こういう人々に付ける薬はあまり無い・・・
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●中東核紛争は数千万人の犠牲者を生む
戦争は地域全体を汚染する
Peter Goodspeed
【7月18日 National Post】
現代の中東の悪夢:イランが核兵器製造を図りイスラエルと戦争へ、そのために大量の人間が死滅し壊滅的な破壊のため、世界的な経済崩壊が起こる。
今、ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)は、イラン・イスラエル核戦争が起きた場合の一般市民への影響を調べている。
テルアビブの中心部で100㌔㌧の核爆弾が炸裂した場合、即時に9000人近くが死に、3000人以上が負傷するだろう、とアンソニー・コーデスマンとアブドゥラ・トウカン両氏は言う。そして、国中に拡散する放射能のため、3週間以内に死亡者数は80万人以上になるだろうと言う。イスラエルのサイズと720万人という人口を考えれば1発の原爆でイスラエルが壊滅的になることが分かる。
それは「秒単位で、イスラエルをそれこそ地図の上から抹消する」ことになる、とマイケル・オーレン駐米イスラエル大使は語る。「イランは、彼らは否定しているのだが、ヒトラーが殺した600万人殺害を文字通り秒単位でやってしまう」ことができるだろう。
「テルアビブに落下する核搭載のいかなるミサイルも、西岸を冒し、パレスチナ住民の大量の死者を出し、ヨルダン渓谷にある畑と資源を汚染させる。また長期的には、死の灰の落下は108kmテルアビブから離れたところにあるアンマンにも達するだろう、とこの研究結果は示している。
イスラエルの反撃では、その高精度な爆弾とロケットシステムは更に凄まじい破壊力を示すだろう。イスラエルの1発の500㌔㌧核爆弾がテヘランに落ちれば、即死数は5万6000人以上、最終的には147万人に達し、負傷者も1週間で510万人になるだろう、という。
イスラエルの200発の核兵器を存分に使用すると、イランの主要な大都市と軍基地が標的になるだろう。これで1600万人から2800万人が3週間以内で死ぬだろう。
首都のテヘランは人口1500万人だが、山の反射面に囲まれた盆地なので核兵器の理想的な攻撃場所になる、というのがこの研究の示すところだという。
数千基の遠心分離機を使用しウラン濃縮を進めているイランは、核兵器を獲得できる日が近づいている。
「イランがどの点に向かっているのかということと、その進捗が行き着く点と、あまり差がありそうにないと思っている」と、ワシントンのシンクタンクでマイケル・マレン提督は語った。「私が懸念するところは、時計の針は回り続けているということだ。イランはこの能力を獲得することに集中していると思う。あまり先は長くない、と思う」
アメリカとしては、外交的な努力でイランが核兵器を獲得することをあきらめさせようとしている。
イスラエルは反対に軍事的な方法で破壊、あるいは実際的にイランの核施設のレベルを低下させることを真剣に考慮している、
「時間は、イランに好意的に進んでいる。軍事行動はますますやりにくくなっている。イランが核兵器を獲得するのは時間の問題だ」と、テルアビブのイスラエル国家戦略研究所の2年前の報告にある。
イスラエルの情報機関は、イランは今年の後半ないしは2010年には核兵器を獲得しているだろう、と予想している。アメリカの情報機関では2013年前には無理だろう、と見ている。
それで、イスラエルがイランを攻撃した場合、どうなるかだ。何が標的となり、その攻撃が成功するチャンスは?
今年の別のCSISのコーデスマン氏とトウカン氏の研究では、「イスラエルのイランの施設に対する軍事攻撃は可能ではある・・・ただし複雑でリスクが高いのと、全体的な成功の確率を保証するものに欠けるだろう」と言う。
イスラエルの軍事計画立案者が直面する主要な問題は、イランの複雑な核計画についての詳細な情報がない、という点だ。
大多数の戦略家は、イランの核計画を阻止するためには破壊されねばならない施設として明白なのは3箇所で、ナタンツのウラン濃縮施設でそこには5万基の遠心分離機が稼動している、イスファハンのウラン転換施設、そしてアラクの重水炉だ。
しかし、もしイランが並行してウラン濃縮計画を持っている場合、3箇所を破壊できても、イランが核兵器を獲得することを阻止するまでにはならないだろう。
この3箇所は充分に防衛されていて部分的には地下にあり、ステルス性の厚い鋼鉄で補強されているコンクリートで保護されている。
これはイスラエルは、核を搭載したバンカーバスター爆弾を使用するしかない、ということを意味する。
どんな攻撃も、地対空ミサイル、対空砲火、迎撃機などの厚い対空防衛システムを突破しなければならない。イランが既にロシアからミサイル防衛システムを購入し展開しているかもしれない。
イスラエルが空爆を実施する場合は、80~90機のF-15 と F-16戦闘機を使用せざるを得ないだろう(戦闘機の20%)し、9機ある空中給油機全部を投入しなければならない。
攻撃ルートは、地中海北方で給油し、そこからトルコかシリア上空を通過してイランに到達するルートが考えられる。より短いルートは、ヨルダン上空を通過しイラクから直接イランへ向かうもので、3つ目の選択肢として南東から東にサウジとイラクの国境線あたりを通過してペルシャ湾に至り、南からイラン攻撃に出る、というものだ。
イスラエルはトルコ上空を通過する北ルートがいいと考えいている。昨年の夏、イスラエルはギリシャおよび東地中海で、100機のF-15 、F-16 戦闘機および空中給油機を動員する大規模な軍事演習を行った。
丁度同じ時期、イラクの通信社が、イラク国防省筋として、イスラエルの軍用機がヨルダン領空に侵入しイラクに着陸する演習をして、イランの核施設に対する攻撃の訓練をしていた、と言っている。
この報告によれば、イスラエルの航空機は夜間飛来し、イラク西部のハヂサと南部のナシリヤ近くにあるアメリカ軍の空軍基地に着陸した、という。
イスラエルがイランの3つのサイトに対する通常の空爆に替わるものとして、弾道ミサイルがある。イスラエルのイラン攻撃の可能性を2年前研究したマサチューセッツ工科大学の戦略家たちは、「ここ数年の技術革新でイスラエルはイランの重武装された標的を、相当なレベルの確信を持って破壊できる能力を持つに至った」と語った。
この作戦は1981年のイラクのオシラク原子炉に対する攻撃に比べ、“リスクはより高くはない”という。イラクの場合と似たような、イランに対する今回想定される攻撃は、「少なくとも、イランの核兵器開発を遅らせるという利点はある」、と研究者のウィトニー・ラース氏とオスティン・ロング氏は語る。
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イスラエルのドルフィン級潜水艦
◆7月24日
以前、イスラエルの潜水艦がスエズ運河を通過した件、あるいは水上艦艇が同じくスエズ運河を通過した件を指摘したが、核搭載の潜水艦がこのようなイランを標的とした軍事的行動を取るイスラエルを非難する代わりに、いわゆる「国際社会」と言われる先進国の声は、まだ核兵器さえ存在しないイランの「核拡散を非難」するという矛盾を理解しておかねばならないだろう。
下記の論文では、より詳細な情報とともに、この問題に対する的確な指摘がなされている。
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●紅海でのウォーゲーム
ドルフィン潜水艦の照準にあわせられているイラン
http://www.voltairenet.org/article161157.html
【7月22日 Voltaire Network】
by Manlio Dinucci*
イスラエル海軍にスエズ運河を使用させたことを強く否定していたエジプト政府はそれが事実であることを認めた。これは、コンスタンチノープルでの1880年の協定の適用を思い出させるものだ。この協定ではスエズ運河の所有国に脅威をもたらさない限り、軍用船の通過を許可するとなっている。しかし、イスラエルとエジプトとの間に交わされた最近の防衛協定については語っていない。どれだけの人々が事実上の核保有国であり、NATOと連携する国としてイスラエルが、これ以後5つの大洋のどこにでもミサイル潜水艦を展開できるということを知っているのだろうか?
紅海につながるアカバ湾に面するイスラエルの港であるエイラトの海岸沖で、観光客の目の前にドルフィン級潜水艦は浮上した。核ミサイルを搭載しているイスラエルの潜水艦だ。メディアは大騒ぎしたが、イランを射程に捉えるためにこのドルフィンが紅海を縦横に行き来することは驚くことではない。我々はこの件については、7年前のマニフェストの中に書いたことがある。このクラスでは最初の高度な航海術と戦闘システムを装備する潜水艦は、ドイツから1990年代にイスラエルに供給されたもので、2隻が贈呈されている。イスラエルからの要請により、短距離巡航ミサイル用としての533mmの6本の発射管のほかに、659mmの4本の長距離巡航核ミサイル用発射管が装備されている。このミサイルはポパイ・ターボという1500km先の標的を攻撃できるミサイルだ。これらのミサイルはアメリカのミサイルの変形型でイスラエルのラファエル社とロッキード・マーチン社で共同生産されている。
2010年には現在3隻の核攻撃型潜水艦に2隻追加される。これもドイツから供給される。建造には12億7000万ドルかかるが3分の1はドイツ政府が持つことになっている。エルサレム・ポスト紙は、U-212と型番の付けられた2隻の新しい潜水艦は、“イスラエル仕様”で建造されるている、と指摘している。
◎より高速である-20ノット
◎行動半径がより広い-4.500km
◎より静かである-静かなので停止しないで目標に近づける。
軍の専門家によると、3隻のドルフィンの内1隻は、紅海とペルシャ湾をパトロールし、2隻目は地中海に展開している。3隻目は予備として待機している。
2隻を加えることで核攻撃が可能な潜水艦は2倍になる。またこれはイスラエルの核戦力の一部にすぎない。広島型の原爆の4倍に匹敵する核を予想数200~400発を保有し、これが300機の F-16 と F-15戦闘機、50基のジェリコⅡ弾道ミサイルで運ぶことができる。これらの核兵器が24時間発射準備ができた状態で待機している。
イスラエル政府はNPT(核拡散防止条約)を拒否し核兵器の保有の事実を認めていない(IAEA=国際原子力機関、は認めている)。しかし彼らはそれを保有しているし使用することができる、ということを理解するべきだ。これはドルフィンがエイラトの海水浴客の目の前に現れ、エルサレム・ポスト紙が、これは紅海での演習を終えてスエズ運河を通過したことを報じたことで分かる。エルサレム・ポスト紙が自ら説明しているように、「これはイランに対するサインだ」 つまりイランその他地域の核を保有していない各国に対し、イスラエルは核を持っているしまたそれを使用する準備ができている、ということを示しているのだ。
ハアレツ紙がもたらした、更なる「イランに対する警告」のニュースが、イスラエルのハニトとエイラトの2隻の軍艦がスエズ運河を通過し紅海に向かったというものだ。このナニトは既に6月、ドルフィンと一緒にスエズを通過している。これはイスラエルとエジプトの反イラン合意を示している。イスラエル軍関係者は自身で海軍部隊が運河を自由に往来できるという「政策変更」について語った。これはエジプトのアハメド・アブル・ゲイト外務大臣により語られた。彼はイスラエルがスエズ運河を使用することは、“合法的”で、エジプトとイスラエル間の合意事項として認可されている、と述べた。
これで、今や地中海・紅海・ペルシャ湾間の戦略的連携が出来上がったことになる。
イスラエルがイラン攻撃の訓練を続けている間、G8の指導者らは、7月8日のサミットでの夕食の時承認された文書の中で、「イランによる核の拡散のリスク」を非難したのだ。
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北朝鮮・韓国激突?
◆7月23日
今月22日から26日までロシア・中国共同の軍事演習が行われているが、この演習の開始前に、中国軍トップが、北朝鮮の核開発が韓国の核開発を触発する可能性があり、それを懸念する発言があったという。
これは誰でも考えることで、韓国だけではない。もし北朝鮮が日本に何か仕掛ければ、日本とてどうなるか分からないし、台湾もそうだ。
ところで中国は北朝鮮とは軍事同盟を結んでいるから、北朝鮮が外国とことを起こすようになれば、必然的に中国も戦乱に巻き込まれる。ただでさえ中国国内には先回はチベット、今回はウィグル族と、少数民族問題を抱えていてその対策に躍起とならざるを得ない状況を抱えているのに、北朝鮮のために新たな火種を抱えることになるのは、経済発展を進めてきている同国にとっては最も避けたいことであろう。
通常ロシアと中国の演習の目的は、台湾問題、ウィグル問題云々と言われていているが、どうも今やその目的の一つは北朝鮮に対する牽制も入っている、というのが真相かもしれない。
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●中国軍トップ:北朝鮮の核兵器に懸念
【7月22日 RIA Novosti】
中国は北朝鮮の核開発で、韓国が自前の核兵器を持つようになるかも知れないことを懸念している、と中国軍の総参謀長が20日、語った。
「北朝鮮の最近の核実験およびミサイル発射実験は大きな懸念材料だ。北朝鮮の核開発は韓半島情勢を複雑にし、韓国に自前の核を保有する良い口実を与えることになる」と陳炳徳総参謀長は語った。
北朝鮮は7発の弾道ミサイル発射実験を7月4日に行っている。韓国の国防省はこのミサイルはスカッド型で、500kmを飛翔したという。このテストは5月に行われた地下核実験に続くものだった。
北朝鮮は核実験あるいは弾道ミサイル発射実験は国連決議1718により禁止されている。この決議は同国が行った2006年10月9日の最初の核実験の後、採択された。
北朝鮮はまた国連の核計画を中止させるための制裁の対象となっている。
この陳炳徳総参謀長の発言は、ロシアと中国共同で7月22日から26日まで行われている対テロリズム演習である「平和の使命」軍事演習が開始される直前に語られたもの。
この演習の第1ステージ、軍と政治の協議、はロシアの極東のハバロフスクで行われ、第2、第3ステージは中国北方のバイチェンで行われる。
最初の平和の使命演習は、2005年8月上海地方で行われ、軍艦、航空機と、海軍、歩兵、空挺部隊など1万名以上の兵員が参加した。
●中露「対テロ」合同軍事演習 ウイグル独立勢力にらみ
7月23日7時58分配信 産経新聞
【北京=野口東秀】中国とロシアの合同軍事演習「平和の使命2009」が22日、中国東北部などを舞台に5日間の日程で始まった。演習の主軸は「対テロ」。中国当局は新疆ウイグル自治区ウルムチで5日に起きた大規模暴動を「国内外のテロリズム、分裂主義など反動勢力が画策した」と位置づけており、同演習はウイグル独立勢力が存在する中央アジア諸国に対して、不穏な動きを自制するよう“威嚇”効果を狙うようだ。
演習には、両国から陸・空軍の戦闘群計2600人が参加。戦車や装甲車、戦闘機、攻撃用ヘリコプターを投入する。
2005年と07年に中露などが実施した合同演習に比べて参加兵員は少ないが、「敵を封じ込め、陸・空の立体的作戦で全滅させる」との想定で行われる。
新華社通信は演習目的について、地域の平和と安定の促進、また、(1)宗教極端主義(2)民族分裂主義(3)国際テロリズム-という3つの反政府勢力に対する共同対処能力を高めることのほか、「敵の殲滅(せんめつ)」という実戦的側面を強くした内容であることを踏まえ、「両軍の共同作戦能力を見せつける」との軍事科学院の専門家の指摘を伝えている。
5月下旬から今月にかけて、ウズベキスタン、ロシア南部のイングーシ共和国で爆弾などを使ったテロが相次いでおり、「中央アジアから新疆では、(宗教)極端主義勢力が勢いを増している。上海協力機構間の対テロ協力を強化する必要がある」(中国現代国際関係研究院ロシア研究所の馮玉軍所長)との危機感も演習の背景にある。別の軍事関係者も「ウイグル自治区には国外で訓練を受けた大量の反政府分子が入り込んでいる」との認識を持つ。
演習では、上海協力機構のメンバーである中央アジア4カ国の代表団も視察する。香港紙などは「対テロ」演習の別の効果について、中央アジア諸国にウイグル独立勢力を支援する意思があっても消えるだろうと分析。軍事専門家の阿部純一・霞山会主席研究員は「演習はテロ対策だけでなく、中央アジアで発生する可能性がある政治動乱や群衆蜂起などを鎮圧する意味もある」と指摘している。
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ロシア艦艇
◆7月23日
地中海に出てきたロシア艦艇が修理などをシリアのタルトスに近い海軍施設で行っている。これをソマリアの海賊対策の強化のため、施設の拡充・近代化を進めている、というが、これは勿論口実であり、狙いは地中海に面するロシア海軍基地としての機能を本格的なものにする、ということのはずだ。そして同時にシリアに対する軍事的なロシアの介入度合いの強化をイスラエルに示すことで、同国に対する牽制としている。
イスラエルはイランに対する空爆作戦を発動するかもしれず、その際同時的にハマス、ヒズボラなど周辺のアラブ武装勢力ならびにシリアに対する軍事作戦も発動するかもしれないからだ。
また特にパレスチナに対する封鎖作戦を進めているイスラエルの今の政策に対する牽制にもなる。今後このタルトスを基地とするロシア海軍がイスラエルにとってはうるさい存在となるはずである。
いろいろな意味を込めて、このロシアのシリア海軍施設拡充は重要な意味を持っていると思われる。
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●ロシア海軍:シリアの基地拡充
【7月20日 RIA Novosti】
ロシア海軍は、ソマリア沖の海賊監視作戦を支援するため、ソ連時代に建設したシリアのタルトスに近い海軍メンテナンス基地の拡充と近代化を進めることになる、と海軍関係者が20日語った。
現在タルトスには50人の兵員と3隻の艦艇が停泊している。このタルトスには12隻の軍艦が停泊できる。「黒海からきている2隻のタグボートがタルトスに新しく1隻曳航してくることになっている」とこの関係者は語った。 「近代化でタルトスのロシア海軍施設は完全稼動状態になる」
タルトスの施設は地中海におけるロシアの唯一の足場となっている。ロシア海軍司令官たちはこのタルトスの施設の拡充と近代化を長い間要求してきていた。
「タルトスの基地はアフリカの角付近での商船を防衛する任務についているロシア艦隊に必要な支援を供給することになる」とこの高官は語った。
ロシア海軍によれば、シリアの海軍基地はこの地域でのロシアの作戦能力を著しく向上させることになる。それはこの艦隊がいざと言うときにはスエズ運河を通過して紅海に、ジブラルタル海峡を通過して大西洋にでることができるからだという。
アナトリー・ノゴヴィツィン・ロシア軍副参謀長は今年1月、海軍の要求している海外にある海軍の施設の拡充を支援してきたと語った。
ロシアは、地中海のシリア、リビア、およびインド洋に面するイエメンに海軍施設を建設する話を進めている。
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ロシアのスルタノフ中東特使
◆7月21日
ロシアのスルタノフ中東特使がシリア外相との会談で、イスラエルはパレスチナ領土に対するあらゆる「入植」のための建設工事等をやめるよう要請した、という。
これでことパレスチナにおけるイスラエルの入植活動に対しては、米露両国が反対の意思を明確に表したということになった。
以前も、このブログでオバマ氏とプーチン氏が共同して世界の問題に対処するようになる可能性があることを指摘し、またそうなることで、この複雑な世界の問題も徐々に解決の方向に進むことを期待することを書いたが、実際そのような動きの一つとして、このイスラエルの「入植」問題に対する対処の仕方の一致に見ることができたことになる。
「入植」とはつまり、「侵略」である。そこに住んでいる人間を追い出し、イスラエル人が入ってきて住むのだから、明らかに「侵略行為」である。だから、どんな理由があろうとも、これを許していては中東問題などが解決するわけがないのである。
従って今や、米露両大国が歩調を合わせてこの問題に対処しだしたのだから、イスラエルはますます今までのような傍若無人なやり方が通用しなくなり出していることを知らねばならないだろう。
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●ロシア中東特使:イスラエルの入植活動の停止を要求
【7月19日 www.chinaview.cn】
ロシア外務審議官で中東特使のアレクサンドル・スルタノフ氏は、イスラエルに対し、占領中のパレスチナ領土内でのユダヤ人の一切の入植地のための建設活動を停止するよう、呼びかけた。
特使はこの声明を19日、ワリド・ムアレム・シリア外相と会談した際行った。
会談後スルタノフ特使は、両者はモスクワ中東平和会議開催、2国家間問題、中東和平プロセスその他の地域問題について議論したことを記者団に語った。
ロシアとシリアのスタンスは国際的・地域的問題において近いものがある、とスルタノフ特使は語った。
19日、スルタノフ特使は駐シリア・ロシア大使館でハマス活動家で亡命中のカレド・メシャアル氏と会談した。
両者は中東問題、パレスチナ・イスラエル紛争、またパレスチナ人党派の和解問題を話し合った。
スルタノフ特使はパレスチナの指導者の一人であるメシャアル氏に対し、民族の利益を第一の優先事項として考え“できるだけ早く分裂を乗り越え統一を果たすよう”促した。 長いこと停滞しているイスラエル・パレスチナ和平プロセスを活性化するため、ロシアは2国家解決法の枠組みでの中東国際平和会議を今年中にモスクワで開催する計画を進めている。
シリアに到着する前に、スルタノフ特使はエジプトとレバノンを訪問している。特使は、モスクワ会議を推進するためにこれから、ヨルダン、パレスチナ領土、イスラエルを訪問することになっている。
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