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帝国の支配に反抗するキャプテン・ソロと似ているロシアのプーチン大統領

◆12月24日

 ロシアは兄弟国のウクライナを援助するためその財政的支援を買って出た。欧米首脳は口ではいろいろ言うが、お金は出さない。ウクライナがヨーロッパ連合に加われば、逆にウクライナは膨大な損失を蒙ると専門家は算出している。やはりウクライナが組するのはロシアであってECではない。

 このウクライナの騒動とその結末を見ると、今の時代にロシアにプーチンが出てきたことは、やはりこの記事の著者である、イスラエル・シャミールが語っているように、時代の要請とでもいうものなのであろう。欧米社会に根付いた国際金融資本勢力が目指す地球単一政府の帝国独裁政体は、ロシアの存在でその実現が阻まれているし、そのままついには費え去っていくことになるであろう。

 もしもロシアにプーチンが現れなかったら、とっくの昔にこの勢力が世界を制覇していたに違いないのだ。それはソ連が崩壊した後のことだ。エリツィンの子分のような格好で現れたプーチンはたちまちその頭角を現し、ロシアの富の半分を強奪したユダヤ系オリガルヒと彼等の背後で操った欧米の国際金融資本勢力の陰謀を見事に打ち砕き、ロシアの富を彼等の手からロシア国民の手に戻した。ロシアはこの欧米ユダヤの金融勢力の奴隷にならずに済んだし、その後はロシアの巻き返しがプーチンを中心として始まって今に至る。

 そのプーチンは天皇誕生日に天皇陛下宛に祝電を送ってきた。オバマが祝電を送ったということは聞いていない。他の国の首脳に関しても聞いていない。プーチンだけが送ったのだろうか?とにかくその祝電の内容を見ても、プーチンが日本との関係を良くしたいと願っていることが分かる。日本もロシアとの関係をよくすることは、対中国政策上非常に重要な事になることを考慮し、プーチンが政権に留まっているこの期間に北方領土問題の解決と平和条約締結などを目指して努力すべきである

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●ウクライナ騒動で起きたこと (その3 最終回)
http://www.thetruthseeker.co.uk/?p=86819
【12月20日 By Israel Shamir-Truth Seeker】

 エコノミスト誌の編集長で、「新冷戦」の著者であるエドワード・ルーカスは、チャーチルとレーガンのタカ派を代表する人物である。彼にとってはツァーが支配していようがスターリンあるいはプーチンが支配していようが、ロシアは敵なのだ。彼は以下のように書いている:「ウクライナは旧ソ連全体の長期的未来を決定する。ウクライナがユーロ・アトランチック志向を採用すれば、プーチン政権とその影響圏は終わるだろう。しかしもしもウクライナがロシアの手中に陥れば、全体像は厳しいものとなり危険である・・・ヨーロッパ自体の安全保障もまた危機に瀕する。NATOは既にバルト諸国とポーランドを、統合され徐々に強大になっていくロシアとベラルーシの軍事力から保護することに困難を感じている。ウクライナがその同盟に加われば、頭痛は悪夢になってしまう」 

 この崖っぷちの状況で、プーチンは彼自身の先制攻撃を行った。クレムリンでの会議で、彼はウクライナの150億ユーロ相当のユーロボンドを購入することに合意し、天然ガス価格を三分の一カットした。これでデフォルトを避けることができる;大量解雇者を出さずに済む;スバボーダの親ナチスのチンピラの勧誘がなくなる;ドイツとポーランドでのウクライナ人の安い売春婦と使用人がいなくなる;ウクライナ人家庭は今年のクリスマスには温かく過ごせる、ということを意味した。更にいいことは、両大統領は両国の工業分野での提携を再形成することに合意したのだ。ロシアとウクライナとが一つの国家を形成した時、彼等は宇宙船を建造した;別々では、通常の船でさえ建造できたかどうか。しかし統一ということが予定にあるわけではないが、両国にとっては意味のあることだ。この人工的に分けられた国は統一できる、そして両国の民衆にとってはいい事がいろいろあり、アメリカの覇権から自由になることを求めている全ての人々にとっても同じである。

 行く手にはさまざまな困難が待っている:プーチンとヤヌコビッチは友達同士ではない。ウクライナの指導者は約束を破る傾向がある。アメリカとECは多くの方策を持っている。しかし反面、このことはこのクリスマスシーズンを祝う勝利である。そのような勝利でアメリカのイラン爆撃はないだろうし、日本人の沖縄基地返還要求を鼓舞し、グアンタナモ刑務所の閉鎖を求めている者達を鼓舞し、イスラエルの刑務所にいるパレスチナ人の囚人達を喜ばし、NSAとCIAを恐れさせ、フランスのカトリック教徒をしてオランド大統領の児童取引法に反対し行進させるであろう。

 プーチンの成功の秘訣は何か?エドワード・ルーカスは親欧米のエコー・モスクヴィー・ラジオのインタビューで以下のように語った;「プーチンにとっては今年は重要な年であった。スノーデン事件、シリア、ウクライナなど。彼はヨーロッパを追い詰めた。彼は大勝負師である:彼は我々欧米の弱みを知っているし、それを彼の勝利に結び付けられる。彼は外交的脅しに長けている。そして分裂し支配するゲームに長けている。彼はヨーロッパ人にアメリカは弱いと考えさせるし、アメリカにヨーロッパは役立たずであると言いくるめた」。

 別の説明をしてみよう。歴史の風と見えない流れは、行くべき方向を感じる者たちに応えるものだ。プーチンはスターウォーズの中のレイラ姫あるいはキャプテン・ソロに劣らず無頼の世界的反抗のリーダーである時が満ちてそのような人物が出てきたのだ。ソロとは違って彼は冒険家ではない。彼は慎重な男だ。彼は運に賭けるようなことはしない。彼は時を待ち、後まで延ばすことがある。2008年、ロシア軍は既にグルジアの首都であるトビリシの郊外に迫っていたが、彼はグルジアの政権交替をしようとしなかった。彼はキエフでも運に賭けることをしなかった。彼は個人的には嫌っているヤヌコビッチとの多くの会談で多くの時間を使った。キャプテン・ソロのように、プーチンは自分の行く道を一切自力で切り開く男だ。そのような政治家は稀である。「イギリス人から聞くことのできる最も自慢げな言葉とは何か、知っているか?」とジェームズ・ジョイスに尋ねられ、応えた:「彼の最も自慢げな言葉は、自腹を切った」だ。これは昔の時代のイギリス人のことで、ブレアーのような男の出るずっと前のことだが。

 マケインとヌーランド、メルケル、ビルツはウクライナのためのヨーロッパの選択を語るが、誰もその費用を負担する用意は無い。ロシアだけが世界大戦の時のように、現金であれ債券であれウクライナのために費用を負担する用意があるのだ。

 プーチンはまた度量の大きい男である。彼は自身のウクライナの勝利とやってくるクリスマスを、彼の個人的政敵である人物に恩赦を与え自由の身とすることで祝った:プッシー・ライオット・パンクら、凶悪なオリガルヒであるホドルコフスキー、暴徒らなどだ。

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ウクライナの政治に介入したアメリカのジョン・マケイン上院議員

◆12月24日

 ウクライナでも反ロシア感情の強い、ガリシア地方の人々がウクライナのマイダン(広場)に集まっている群衆の大半だという。キエフ市の住民は却ってこれらの地方からやってきたガリシア人が騒動を起こすのを迷惑がっているという。この騒動の中にアメリカの上院議員や国務副長官がやってきて、反ヤヌコビッチで親欧米のスピーチなどの政治活動を勝手におこなって、民衆を扇動してきた。 

 これは日本の沖縄あたりに中国の政治局員がやってきて、沖縄独立を集まった群衆に叫ぶようなものである。これを許したウクライナ政府もどうかしているとは思うが、厚顔破廉恥にもそういうことをするアメリカの議員もどうかしている。

 琵琶湖に外来種の魚を放った者がいて、その外来種が強い繁殖力があり肉食系とかでどんどん増えてしまい、今やその魚が琵琶湖を席捲するようなところに来ている、という話があった。琵琶湖は琵琶湖の生態系があり、それは長年培われてきたものである。そこに異なる生態系からの存在が入れば、その存在にもよるが、琵琶湖のように急速に今までの生態系が破壊されていくこともあるのだ。

 これは人間界に置き換えれば、いわゆるグローバリゼーションと言われるものと似ている現象である。それぞれの民族や国家が長年、伝統的に培ってきた生き方なり生活の仕方が、外来の「肉食系」で強い繁殖力を持つ存在が入ってきて、破壊してしまう、というケースが多々見られる。破壊された後にのさばるのはその「外来種」である。

 昔であれば、それは即物理的な支配となってであろう。青銅器しか知らない民族に鉄器を持つ民族が襲い掛かれば、青銅器しか知らない民族は支配されてしまう。鉄砲を知らない民族に鉄砲を持つ民族が襲えばやはり支配されるであろう。日本が植民地時代、スペインやポルトガルに支配されなかったのも、種子島から伝わった鉄砲をいち早く自国で生産できたからだ。あっという間に日本が鉄砲を一番多く持っている民族になっていた。

 だから、自国を守るためには、簡単に外来種を入れてはいけない、という鉄則があるのだ。今は経済的植民地時代でもあるのだ。だから、入れるとすれば、規制を設けることが必要である。そして入れるにしても、少しずつ入れるべきである。そうして長い時間をかけて、外来種を受け入れても大丈夫な体制なり力量を持ってから、自由に入れるなどすればいい。それをグローバリゼーションと言って、直ぐにも何でも規制なしに入れることが善のように言う者は、売国奴である。
 

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●ウクライナ騒動で起きたこと (その2)
http://www.thetruthseeker.co.uk/?p=86819
【12月20日 By Israel Shamir-Truth Seeker】

 ブルトン人のように、ガリシア人は熱狂的な民族主義者で、ウクライナ精神の旗手である。何世紀も続いたポーランドとオーストリアの支配下で、またユダヤ人が経済的に支配的な中で、彼等は強烈な反ユダヤであり反ポーランドであった。そして彼等の隣人のポーランドとユダヤの民族浄化に絡んで、彼等のアイデンティティーは第二次世界大戦中はヒトラーを支持することに現れた。大戦後は、親ナチスのガリシア人SS戦士らはアメリカ情報機関によって採用され、ソ連に対するゲリラ部隊として再武装された。彼等の前の二つの憎悪に反ロシア精神が加わった。そして1956年まで「森林戦争」を戦い、冷戦時の関係は雪解けになっても継続した。

 ウクライナが独立した1991年後は、国家形成の伝統が無い中、ウクライナの独立を願った唯一の民族としてガリシア人は「真のウクライナ人」として称賛された。彼等の言語は新しい民族公用語の基本として使用され、彼等の伝統は国家レベルのものになった。ガリシア人は2004年のオレンジ革命時には重要な役割を果たした。しかしながら2004年、多くのキエフの人々もまた西欧同盟国と新しい未来に憧れユシュチェンコを支持したのだ。2013年の今、マイダンに対するキエフの人々の支持は低い。そして人々は侵入した群集による混乱状態に不満の声を挙げている:樹から落下する、ベンチを燃やす、建物を台無しにする、多くの生物学的排泄物など。それでもキエフは多くのNGOの根拠地だ;知識人らはアメリカやECから寛大な援助を受けている。かつての仲間意識はこの首府では常に健在である。

 人口が多く産業地帯となっているウクライナの東部と南東部にとっては、ECと連合することは無条件でノーである。彼等は石炭、鋼鉄、機械類、自動車、ミサイル、戦車、航空機を産出する。西欧の輸入品は、EC高官が認めるように、ウクライナの産業を直ちに抹殺してしまいかねないのだ。産業発展の模範とは言いがたいポーランドでさえ、ウクライナ人に向かって、技術的なものは我々がやるから、あなた方は農業に投資した方が良い、というあつかましさを持っていた。これは行うより言うほうが簡単だ:ECはウクライナ製品はヨーロッパでは販売し消費するには適さないとする規制を多く持っている。ウクライナの専門家は、ECとの連合に入った場合の損失は200億から1500億ユーロになると見ている。

 ガリシア人にとっては、この連合は良い事である。マイダンの演説者は若者等に向かって、「儲けられるところに行け」と呼びかけた。彼等は二つの方法で収入を得る:欧米の旅行者に対し一泊朝食付きの部屋を提供し、ポーランドとドイツでメイドや使用人として働くことだ。彼等はビザ・フリーでヨーロッパにいけること、またそこそこの収入を得ることを希望した。一方、どこも彼等にビザ免除を与えるところはなかった。イギリス人はポーランド人がイギリスに殺到したので、EC離脱を考慮している;ウクライナ人が更にやって来るとなれば、イギリスとしてはたまったものではないだろう。誰かが負担することには寛大なアメリカ人だけが、ECに対しウクライナ人に対するビザ請求を免除するよう要請した。

 マイダンで騒動が続く中、欧米は使者とか閣僚、議員などを送り、マイダンの群集を励ました。ヤヌコビッチ大統領の辞任を要請し、親西欧的政府を樹立するよう革命を呼びかけた。マケイン上院議員はマイダンに行き、扇動的スピーチを行った。ECはヤヌコビッチのことを、多くの国民が彼に反対するデモを行ったから、「違法」だと宣言した。しかし何百万人ものフランス人が彼等の大統領に反対するデモを行った時、あるいはウォール街占拠の時、それが暴力的に解散させられた時、誰もフランス政府やアメリカ大統領のことを、正当性を失ったとは言わない・・・・

 アメリカの国務副長官のビクトリア・ヌーランドはデモ隊の人々とビスケットを分けあって、「ヨーロッパの大義」のため、さもなくば仕事が困難になるとして、オリガルヒ(新興財閥)に支援を要請した。ウクライナのオリガルヒは大変金持ちで、彼等は東西の狭間にあるウクライナの今の現状をよしとしている。彼等はウクライナが関税同盟に参加するようになれば、ロシアの会社が彼等の資産を身包み剥ぎ取るだろうと恐れている。そして彼等は、ECと競争するだけの力量はないことを知っている。しかしヌーランドに押されて、彼等はEC側になびくところに来ている。
                        
 ヤヌコビッチは大きな問題の渦中にあった。デフォルトは急速に近づいていた。彼は親欧米の民衆に悩まされていたし、自分の支持者である東部と南東部の人々をいらいらさせた。ウクライナは大混乱に陥りそうだった。極右の民族主義者党であるスバボーダ(自由)は、1945年以来ヨーロッパに出てきたナチスに一番近い存在であろうが、権力を得ようとした。ECの政治家らはウクライナに圧力を掛けているとしてロシアを非難した;ロシアのミサイルが突然、ベルリンに数分で到達できる距離にあるロシアの最西端の領土内に現れた。ロシア軍は「武装解除第一撃」のアメリカの戦略を議論していた。緊張は非常に高かったのだ。

                                    -その3に続く-

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兄弟国の新たな関係を結ぶロシアのプーチン大統領とウクライナのヤヌコビッチ大統領

◆12月23日

 ウクライナでは一ヶ月以上に渡って騒動が続いたが、ウクライナ政府は土壇場でヨーロッパとの連合協定を蹴って、ロシアのオファーを受けることにした。実はそれがウクライナの為であるのだ。もしも連合協定に署名すれば、ウクライナ製品は西欧では通用しないから今までのようにロシアに売るしかなく、しかし協定に署名した瞬間に関税が上がり、その製品はロシアでさえも売れなくなるだろうからだ。

 今でさえウクライナの多くの若者が西欧の取るに足らない仕事をし、女性は売春をしているのが、更に多くの者たちが失業し多くの者たちが西欧の街に出稼ぎでながれて行けば、ウクライナ国家は根底からその存続さえ危ぶまれる状況に陥ることになろう。少なくとも今までのようにロシアと連携した工業を維持することで、貧乏でも国家は生き抜いていける。ヨーロッパは尻の毛まで抜いていくが、「兄弟国」のロシアは150億ユーロの国債を買い、ガスの価格を3分の1削減してくれた。これで、ウクライナのデフォルトはなくなり、職は維持でき、今年のクリスマスを暖かく迎えることができるのだ。

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●ウクライナ騒動で起きたこと (その1)
http://www.thetruthseeker.co.uk/?p=86819
【12月20日 By Israel Shamir  Truth Seeker】

 統計ではウクライナは破綻しており、人々はアフリカ人と同じくらい貧乏のはずだが、実際はそれほど悪くない生活をしているのは、財政の無分別さのお陰である。政府は借金をし住宅や暖房に自由に支出している。そしてIMFが提案した緊縮財政と通貨の平価切下げをずうずうしく避けてきた。この借金生活は今までのところは通用してきた:しかしウクライナは数ヶ月先にデフォルトの危険がある。そしてそれが現在の騒動の原因の一つである。 

 ウクライナの将来を巡る東と西の綱引きは1ヶ月以上続いたが、事実上のプーチンの顕著な勝利と言う形で幕を閉じた。これは彼のシリアとイランにおける勝利に続くものである。騒動は、ヤヌコビッチ大統領の政府がデフォルを避けるため新たな借入先を探し始めたことから始まった。しかし貸してくれる相手はいなかった。そこで彼等はECに援助を求めた;主にポーランドとドイツだ。彼等はウクライナが必死であり、尋常でない緊縮財政が要求される連合協定を受け入れる用意があることを見て取っていた。

 ECはラトヴィア、ルーマニア、ブルガリア、などの東欧の新メンバー国に対して極めて厳しい対応をしている:これらの国々は自国の産業と農業を滅ぼし、若者達は西欧で取るに足らない仕事をし、人口は第二次世界大戦の時より減少した。

 しかし連合協定はウクライナに更に厳しい要求を出している。それを飲めば、ウクライナは(EC内の労働と旅行の自由などの)怪しげな利益を供与されることさえなくECの貧乏な植民地となったことであろう。ヤヌコビッチは必死であったので、この協定に正式に署名することに合意したが、デフォルを避けるに充分必要な資金を獲得する願いは聞き届けられなかった。ECは供与するだけの資金が無いのだ-ギリシャ、イタリア、スペインに供与しなければならないからだ。そこでロシアの登場である。その当時は、ウクライナとロシアの関係は決していいものではなかった。ロシアはオイルマネーのため横柄であった。ウクライナは自分達の問題をロシアのせいだと非難したが、ロシアはウクライナ製品の最大の市場でもあった。

 ロシアにとって、連合協定は問題があった:今ウクライナは製品をロシアで非常に小さな関税で売ることが出来ている;国境は比較的自由に行き来できる;人々は自由に国境を越えている、パスポートも無しにだ。もしも連合協定が署名されれば、EC製品はウクライナを通ってロシアに流れ込む。それでプーチンはヤヌコビッチに対しルールを詳細に説明した:もしも署名すれば、ロシアの関税が上がる、と。これはウクライナ人40万人が直ちに職を失うことを意味する。ヤヌコビッチは土壇場になって連合協定の署名を躊躇し拒否したのだ。

 ECと背後にいたアメリカは極めて驚いた。潜在的な経済的利益を失ったばかりか、彼等はその他に重要な問題があった:彼等はロシアをヨーロッパから遠く離しておきたかった。そして彼等はロシアを弱いままにしておきたかった。ロシアはソビエト連邦ではないが、欧米の尊大な計画に対しての不服従の態度がロシアに未だ残っている:シリアでもエジプトでもヴェトナム、キューバ、アンゴラ、ヴェネズエラ、あるいはジンバブェでも、ロシアの熊が比較的強いと帝国側はやりたい事ができなくなるのだ。ウクライナのないロシアならばそれほど強力にはなれない:それは丁度中西部と太平洋側を切り落としたアメリカ合衆国みたいなものだ。欧米はウクライナが繁栄することや安定し強くなることは願わないので、ウクライナがロシアに付いて強くさせることはできない。弱く貧乏で不安定はウクライナ、欧米の半植民地でNATO基地があるウクライナというのが欧米の見るウクライナのベストな姿なのだ。

 ヤヌコビッチのドタキャンに怒った欧米はウクライナの加盟促進派の運動を活発化させた。一ヶ月以上に渡ってキエフはウクライナ中から集まった群集が包囲する所となり、アラブの春の局部ひずみ現象がはるか北方で起きたようだった。キエフのマイダン(広場)はウクライナのヨーロッパ戦略的未来のための紛争の象徴となった。ウクライナはアメリカが率いる同盟諸国と台頭するロシアとの間の戦場となった。ここがオバマがシリアで失敗したリベンジの場所になるのか、衰退するアメリカの覇権に対する新たなきつい一発になるのか?

 親・東と親・西の単純な分裂は、ウクライナの不均質性によってより一層複雑さを増した。緩やかに結ばれていたこの国はかつてのユーゴスラビアと似た感じだった。「ウクライナ」のある部分はロシアによって500年前に編入された。ウクライナ・プロバーは350年前にロシアと合併した。ウクライナ西部は(東部と呼ばれた)はスターリンによって1939年に取られ、クリミアは1954年にフルシチョフによって編入された。

 ウクライナは南フランスがフランス的であるように、またテキサスやカリフォルニアがアメリカ的であるように、ロシア的である。数百年前、プロバンスはパリから独立していたし自分達の言葉と芸術を持っていた;反面ニースとサヴォワは比較的最近フランス的になった。確かにカリフォルニアとテキサスもまた比較的最近、合衆国の一部になった。我々はそれでも、それらがこの大きな国家の一部であることを理解している。しかし、もしも彼等が強制的に分離されそうになれば、彼等は恐らくは、フランス南部のカタリ派改革運動におけるフランスの虐待的扱いを、あるいはカリフォルニア在住のスペイン人とロシア人の追放問題を強調して、新しい歴史物語を始めるかもしれない。

 従って、ウクライナの独立以来、当局はその4500万人の国民のため、公式言語を決め、新しい建国神話を生み出すなど国家建設に没頭してきた。マイダンに来たがる群衆は、大方がガリシア地方からの者たちだ。ポーランドとハンガリーと国境を接する山岳地帯で、キエフから500km離れている。キエフにずっと住んでいる者たちは、マイダンの集りを、「ガリシア人の占拠」と呼んでいる。

                                    -その2に続く-

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12月9日、政府軍が奪還した都市でアサド大統領の写真のある国旗をふるシリア人女性

◆12月19日

 シリア問題でアメリカの姿勢が変化している。シリアの反政府勢力の中にアルカイダ系過激派が多数存在していることで、アメリカ政府はアサド政権の存続ないしは、少なくともアラウィ派の者たちが将来の暫定政権内に多く留まることを受容する考えのようだ。

 こういう愚かなことを大国が行うのである。このブログでは2011年3月にこの反アサド・テロ事件が頻発して以来、一貫してそれが「民主化デモ」ではなく、国家転覆のテロ事件であることを指摘してきており、シリア国民の支持はアサド大統領とその政権側にあることを指摘してきた。

 今ようやくアメリカがその対シリア、対アサド政権の姿勢を変化させることで、欧米マスコミもそのような方向で報道するのであろう。初めから、その姿勢であれば、多くの死者を出す事もなく、また何百万人の難民も出ることもなかったであろう。

 それでも自らの過ちに気がついて、それを改めるのならば、それが遅すぎるという事は無いから、気合を入れて、シリア情勢を復旧していくべきである。そして問題は、過激派のテロリストを生み出しそれに資金と武器の援助をするサウジアラビアの存在であり、とりわけ大きな権力を持っているバンダル王子の処遇である

 サウジアラビアの運命はこの人物を除去するか否かに懸かっていると言ってもいいであろう。欧米と敵対し、アルカイダ系テロリストを支援することで、サウジアラビアは全世界から見放されることになるのだから、早急に方向転換をすべきであり、その際、このバンダル王子の処遇が問題となろう

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●アメリカ:アサド大統領は政権に留まるべし
http://rt.com/news/assad-stay-us-opposition-407/
【12月18日 Russia Today】

 欧米は、シリアの反政府勢力に対し、シリアでの紛争でイスラム主義過激派が優勢となりシリアをジハード(聖戦)の世界的センターにすることを阻止するために、アサド大統領が政権に留まるべしと考えている「明確なシグナル」を送っている。

 来年1月22日にジュネーブで開催される和平交渉の新しい段階で、アメリカはアサド大統領とアラウィ派政権に対する姿勢で劇的な転換をしている。

 ロイター通信は、アサド大統領が即刻辞任するならば和平交渉会談に参加すると表明していたシリアの反政府勢力は、アサドが政権に留まること、また次の大統領選挙に出馬することに合意すべく強要されている、と報じている。

 アメリカが率いる反アサド同盟は、アサドがいないシリアはやがてイスラム主義過激派の中心地になり、イスラエルと国境を接するこの国を中東全体にアルカイダの影響力を拡散する国として利用するようになる、という結論にいやいやながら達した。

 イギリスで12月13日に持たれた、「シリアの友人」の中核グループとシリア国民連合の指導部との会合で、シリアの反政府勢力は欧米はアサドを必要としている、という既成事実に直面した。

 「我々の欧米の友人等はロンドンで、アサドを去らせるわけには行かない、その理由は、彼等が考えるには、混乱とイスラム主義者の民兵の占領が継続すると考えられるから、だという」と、シリア国民連合のメンバーで、サウジアラビア高官らと親しい人物がロイターに語った。

 同じ情報筋は、欧米の反政府勢力のスポンサー達は、2014年に任期満了となった後に、アサド大統領が次の大統領選に出馬しても構わない、と考えていると明言した。

 「何人かはアサドが来年出馬することは問題ではないと考えているようだ」と、アサドが自国民を毒ガスで攻撃したことを忘れたのだろうかといぶかりながら、この情報筋はロイターに語った。 

 シリアの友人を構成する11カ国のグループはシリアに流入する聖戦主義者(過激派テロリスト)と共に現在の状況の責任があるバシャール・アサド大統領を非難する前に、ある宣言を発した。しかしながら、この宣言書は、過激派イスラム主義者に対する議論を変化させ、過激派は「ジュネーブ会議を損なおうとし、シリアの領土的一体性と、国際的、地域的治安を損なう脅威となっている」と主張した。

 シリア危機を解決する為の次の交渉は1月22日にジュネーブで開催される。アメリカはシリアの反政府勢力に非常に厳しい譲歩を要求しているようだ。

 反政府側のリーダー達は、ジュネーブで「もっと建設的」であるべきで、将来の暫定政府の重職にアサド政権のアラウィ派の高官らが残ることを認める必要性がある、と中東の外交官がロイターに語った。

 「ジュネーブ会議でアメリカとロシアが受け入れられる合意を引き出すために、反政府側はアラウィ派の者たちが暫定政府内にかなり残留することを認めるべきであろう」とこの外交官は語った。少なくともアサドは、大統領としてかそうでないとしても、権力を弱めることになるだろう、と彼は語った。

 この外交官は更に、反政府側は、「もしもその方式に反対すれば、欧米の支援を失い、残るはサウジアラビア、リビヤ、トルコだけになる」と警告した。

 反政府勢力側の別の者は、現在のシリア当局が軍と治安を司ることで、反政府勢力側の穏健派と後で合同してシリアに溢れているアルカイダ系グループに対処できるよう、ロシアとアメリカは「協力して」いる、と語った。

 反政府勢力側の代表は、反アサドのスンニー派が暫定政府を率いることに反対を表明したが、それはそのような人物はシリアのアルカイダ系グループと戦うことはできないからだ。これに米ロは興味を示している。
 
 「アサドが脇に追いやられ、スンニー派が暫定政府を率いるようになったとしても、アメリカもロシアもアラウィ派が軍と治安機関に対する統制を終わらせることを願ってはいないから、その人物はなんらの力も持てないだろう」と彼は語った。

 欧米の高官の一人がロイター通信に、ロシアとアメリカは既にシリアの将来の暫定政府の候補者について議論をしているが、まだ何も決まってはいない、と語った。

 アサドに対する欧米の見解の逆転は、トルコを経由して穏健派の反政府グループに米英の非致死性支援を供給するチャネルを、聖戦主義過激派が奪取しようとして失敗した後に起きている。

 一週間もしない前、アル・ヌスラ戦線の聖戦主義過激派戦士はダマスカス北方20kmにあるアドラ市で、市民を拉致し残忍な虐殺を行った。

 アドラの80人以上の人々が、一家族全員というケースも含めて、残虐な殺戮にあった。


■シリア問題で米ロは接近

 8月、シリアでの化学兵器による攻撃の後、アメリカのオバマ大統領は、このような化学兵器をアサド政権が使用したことが証明されたらシリアに軍事介入をすることを約束したために、困った状態に陥った。

 しかし、サンクトペテルブルグでのG20会議におけるロシアのシリア問題の平和的解決を目指す強固な姿勢は他の多くの諸国から賛同を得たため、オバマ政権はシリア紛争に対する戦略を見直すことを余儀なくされた。

 ロシアのプーチン大統領がこの化学兵器攻撃は、反政府側によって「演じられた」と指摘した後、オバマ政権はロシアが提案したシリアの化学兵器貯蔵所を空にするという提案を受け入れた。

 オバマ政権がアサド政権に対する爆撃を「自国民のガス抜き」のため取りやめた後、中東の親しかったアメリカの同盟国であり、スンニー派の反政府勢力を支援しているサウジアラビアとトルコとアメリカの間の亀裂が拡大した。

 10月になって、サウジアラビア王家のメンバーが、シリアとイランに対するサウジアラビアの計画を支援することに消極的なアメリカの姿勢のため、戦略的パートナーシップを再考すると脅した。

 そしてサウジアラビアとイスラエルとが反イランにおいて協力するようになったと報じられた。

 ロイターによれば、トルコはイスラム主義過激派戦士に対し、武器を直接供給する決定をした、という。

 アメリカと伝統的な中東の同盟国との間の亀裂が拡大する中、サウジアラビア、リビヤ、トルコが支援するシリアの反政府勢力は、イラン、ロシア、中国に支援されているシリア政権に対しうまい攻撃を行いえるとは思えない、と専門家は考えている。

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ロシアがイランに供給することになったS-300地対空迎撃ミサイルシステム

◆12月18日

 イランにロシアのS-300地対空迎撃ミサイルが配備される日がくるようだ。このミサイルはゲームチェンジャーと言われ、戦場の様相を一変させる能力を持っている。これがイランに配備されると、イスラエルのイラン攻撃は特段に困難になる。それをイスラエルを嫌う。

 イスラエルは以下の記事からも分かるように、優勢な航空戦力を中東全体で維持しておきたいのだが、このミサイルはそれを不可能にさせるものなので、できれば、これをイランやシリアが保有して欲しくないのだ。

 「ロシア製S-300のイランに向けた供給に関連して戦争の可能性が高まっている」とあるが、それはイスラエルが起こすならば、確かに戦争の可能性はあるであろうが、イスラエルが起こさなければ、戦争の可能性は無い。それは近年では常に攻撃はイスラエルがしてきているからだ。イランもシリアも自らイスラエルに戦争を仕掛けることは無い。

 このミサイルは迎撃ミサイルである。侵入してくる敵航空機に対し、それを捕捉し追尾し撃墜する類のミサイルである。だからイスラエルが侵入してこなければ、発射されることはないのだ。要は、イスラエルがお山の大将でいたいばっかりに、イランやシリアが軍事力をある一定の限度以上に上げないように、危ないと思えば、それを先制して攻撃できる自由を維持しておきたいだけである。

 その期間中、イスラエルはパレスチナ西岸に入植地を拡大し、パレスチナ人を更に青空の監獄へと追いやる蛮行を継続している。このような国家がお山の大将でいて、誰もその非を正す事ができないなどという状態は決して好ましいものではないのだから、イランやシリアが力をつけ、イスラエルが勝手なことが出来なくなる環境を整えることは必要な事である。

 従って、ロシアがこのゲームチェンジャーと言われるS-300をイランやシリアに供給することはどんどん進めるべきである。そうして、イスラエルが我が物顔でしたい放題をすることをやめさせる事が必要である。この記事の作者が最後に書いているように、「「犬が吠えても、キャラバンは進む」だろう。イスラエルをお山の大将の座から引き摺り下ろす為に。

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●イランは2000km射程のS-300ミサイルで出陣の踊りを踊る
http://www.jewishpress.com/indepth/opinions/irans-s-300-missiles-1240-mile-range-war-dance/2013/12/15/
【12月15日 Igal Zuravicky — The Jewish Press】

 ケニス・ウォルツは国際政治における新現実主義理論の創設者であるが、この理論では核の拡散がなされれば、事態はより良くなる、というのだ。多くの国が核兵器を所有するようになれば、地球はより平和になる、というのだ。それで、G5+1諸国はジュネーブからダンスを踊りながら去っていくが、背後ではロシア製S-300のイランに向けた供給に関連して戦争の可能性が高まっている。

 イスラエルとイランの紛争に対し適用されるゲーム理論は比較的単純なものである。その前提は、もしもイランがこの爆弾を獲得したら、イスラエルは受け入れられないゲームの終わりであり、従って問題はやるかどうかではなく、いつイスラエルは先制攻撃をするか、ということになる、というものだ。イスラエルのネタニヤフ首相は今年5月、ロシアのプーチン大統領に対しS-300(イスラエル空軍の優勢を大いに損なうかもしれない)をシリアに供給したら、「我々の反応を引き出し、この地域を戦争状態に悪化させかねない」と警告した。

 このS-300はゲームチェンジャーと言われている。地上配備で機動性があり、複数の航空機を同時に長射程で追尾し、半径150km以内の敵の航空機を撃墜できるシステムとして設計されている。ロシアはこのS-300を世界的チェスゲームの駒として、とりわけアメリカがポーランドとチェコに展開するミサイル防衛システムに対抗するものとして使用している。このゲームはレーガン大統領(当時)が1983年に対ミサイルシステムとして「スターウォーズ」計画として知られる戦略防衛イニシアチブ(SDI)を提案して以来継続しているものだ。

 ロシアとイランの間の8億ドルのS-300供給取引は2007年に締結された。2010年5月、欧米情報システムがイラン革命防衛隊のS-300部隊がロシアのミサイル基地で訓練を受けていると報じた。

 イスラエルのペレス首相(当時)がモスクワでロシアのメドベージェフ大統領(当時)との会談の席上、この問題を取り上げた時、彼はロシアが誰に軍事訓練を授けるべきか、告げるものはいないと厳しく言われた。2010年にイランがウラン濃縮停止を拒否したことで、国連は1929決議を通し、イランに対する制裁を課し、イランに対するミサイル供給が禁止された。

 その結果、2010年9月初旬、メドベージェフ大統領はこのシステムの引渡しを禁じる決議に署名した。

 実際は、イランとシリアの間のS-300の取引を破棄する代わりに、イスラエルがロシアに、グルジアとの技術的軍事的ギャップを狭める事になる無人偵察機を売る合意は、ロシアにとっては大ごとだった。契約の破棄のため、イランはロシアに4億ドルの賠償の訴訟を起こしたのだ。

 2013年7月5日、ネタニヤフとプーチンとの会談の2ヵ月後、ロシアのヤホントP-800対艦ミサイルが貯蔵されているシリアのラタキアにある武器貯蔵所が攻撃され破壊された。

 このヤホント・ミサイルはS-300のように、イスラエルにとってはゲームチェンジャーと考えられている。この攻撃は当初はイスラエルの軍用機による空からの地上攻撃として報じられたが、後になって50基ほどのヤホント・ミサイルを破壊したのは、ドルフィン型潜水艦からの攻撃と報じられた。

 この攻撃は三つのメッセージをもたらした:イスラエルはゲームチェンジャーは受け入れられない。二番目のメッセージは、イランとロシアに対するもので、地対空S-300ミサイルはイランの核施設に対するイスラエルの攻撃を阻止することはできない。そしてイスラエルはこのような攻撃を複数の方法で実施しうる。三番目のメッセージは、アメリカとロシアに対するものだ:ヨーロッパのチェス盤上で行われるミサイル駒の動きは中東のすごろく盤とはかかわりがない。

 アメリカとロシアがシリアの化学兵器を廃棄させることとジュネーブ合意でで協力している間、ロシアは自身の利益にためにS-300のカードを背後で使っている。イランが欧米と合意するよう説得させたのはトランプカードだったのかもしれない。

 9月5日、プーチンはイランが4億ドルの賠償を求める訴訟を取り下げることを条件に、S-300のイランへの供給禁止を終わらせる決定に至った。

 コメルサント紙は、このニュースを決定の数日後に報じた。プーチンの決定はアメリカのシリアに対する軍事介入を阻止せんとする努力の一部であり、またイランのアヤトラに対する餌でもあるようだ。9月26日、シリア問題の平和的決議を世界は歓迎し、その二ヵ月後の11月24日のジュネーブ合意の結論で更に意気が上がった。、

 三週間にならない12月11日(水)、イランのイマム・サデグ大学の「世界的尊大に対するイスラム革命」と題された講義の間、イラン革命防衛隊隊長のモハマド・アリ・ジャファリ少将は、以下の声明を発したと報じられた:「我々はミサイルの射程を更に拡大させているが、最高指導者は、その射程は2000kmを限度とするよう命令された」。

 これは学生のイランのミサイル開発についての質問に対する奇妙な撞着語法的回答である。イランはミサイルの射程の拡大にいそしんでいるが、その射程はイスラエル(とサウジアラビア)に到達できる範囲に限られているのだ。ジュネーブ合意の議論中、G5+1はイランと北朝鮮のシャハブー6ミサイルに対する協力関係に対する懸念を表明した。このミサイルの射程は3000~5600kmで殆どのヨーロッパが含まれるものだ。

 彼等は、ジュネーブで合意した六ヶ月間の核凍結を引き伸ばす件で、長射程弾道ミサイル開発を凍結することを含むことはありうることを明確にした。反対はなかったが、イランはイスラエルに打撃を与えうる短射程のシャハブミサイルは維持することになった。

 いくつかの制裁措置は解かれたが、六ヶ月間の期間はこれからで、ゲームチェンジャーであるS-300の積荷はほぼその途上にある。言われるように、「犬が吠えても、キャラバンは進む」のだ。

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