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イラン攻撃は「愚行」と言うダガン元モサド長官

◆5月12日

 イランへの攻撃を実施するかどうかで、イスラエル内部で亀裂が生じている、という。ネタニヤフ首相は根っからの好戦派でどうしてもイランを攻撃し、その核施設を破壊したい考えだが、現実派のダガン元モサド長官はそれを「愚行」だと評する。

 オバマ大統領は大統領就任以来、イスラエルがイラン攻撃を実施しないよう監視を強めてきたという。その間、イランは攻撃能力を高めてきたので、もし戦争になれば、イスラエルはイランからの数万発のミサイルやロケット弾で破滅的ダメージを受けるような状況になってきた。

 しかしバラク国防相によれば、イランは自ら先制攻撃的にイスラエルを攻撃することはない、と見ているようだ。常にこのブログでも指摘してきたように、イランがイスラエルを地図から抹消する、というのは、意図的にユダヤ系メディアから発信されてきた誤訳であり、イランがイスラエルを反撃以外の侵略的攻撃をするということはない。

 ユダヤ・イスラエルの背後には、ユダヤ人が神の「選民」だという原理主義が存在する。この原理主義によれば、ユダヤ人以外は、家畜にも等しい存在なので、殺しても「殺人罪」にはならない、というような考え方が存在する。異邦人は全うな「人間」ではないからだ、というわけだ。まずこのユダヤ教原理主義の存在がある限り、世界に平和はやってきそうもない、と理解せざるを得ない。

 このために苦労してきたのが、パレスチナ人であり、そのパレスチナ人を支える「アラブの大義」」を支持してきた勢力である。この勢力はユダヤ系メディアにかき回される欧米社会では、テロリストとされる場合が多かったのだが、世界では徐々にこのからくりが暴露されてきているため、彼らの工作が功を奏しない状況になりつつある。「テロ」とは、人間を家畜同様に見るその見解であり、またその見解にのっとって行動する者たちの行動である。

 このイスラエルの「人を人とも思わない」「傍若無人」の行動に、去年から顕著になったトルコのイスラエルとの関係悪化の原因があり、欧米寄りだったチュニジアエジプトで、「民衆革命」が起きて、そのあまりの欧米・イスラエル寄りの姿勢に軌道修正がなされつつある現状がある。
 
 このような一般的世界情勢に鑑みて、イスラエルでも徐々にその対外姿勢を是正していくべき、という現実的意見が台頭しつつあるようだ。それが政権内でのイランに対する姿勢の亀裂に出てきている。

 結論ははっきりしている。イスラエルの存続のためには、イスラエルはイランを空爆してはならない、ということだ。そして全世界もそのように、イスラエルに理解させるよう働きかけるべきである。もうそういう時期が到来している、ということなのだ。

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●ネタニヤフ首相はイラン攻撃派、バラク国防相は反対派
http://www.haaretz.com/print-edition/opinion/netanyahu-waited-too-long-to-strike-iran-1.360972
【5月11日 Aluf Benn – Haaretz】

1.バラク・オバマのやったこと:大統領になった日からオバマはイスラエルのイラン攻撃阻止を最初の優先事項にしてきた。攻撃を阻止するためにアメリカはイスラエル国防軍に対する監視を強めてきた。オバマ政権はイスラエルにミサイル防衛システム支援を拡大してきたが、新型攻撃兵器は、その使用にはアメリカの承認を必要とする緊急兵器庫に収めるという「前方展開」形式でのものだ。ヒズボラも同様の取り決めをイランとの間に持っている;ヒズボラはレバノンに展開している長距離ミサイルの使用がイランの許可で使用できる形式である。この強い監視でいまのところイスラエルを押さえ込んでいる状況だ。

2.イランの抑止が効いている:イランはイラクの核施設が1981年に、またシリアのそれが2007年に空爆されたことを教訓としている:イランは核施設を散在させることによって空爆をより一掃困難にしている。更に重要なことは、イランはイスラエル国内に戦争を持ち込む決意をしており、イスラエルに対する攻撃戦略兵器を製造している。

 シリアのミサイル部隊の協力でレバノンとガザに展開している数万発のミサイルやロケットは、ダン地区を破壊し、イスラエルの経済を長期に渡って麻痺させることができる。イランがミサイルの脅威を増大させればそれだけ、何年も続くことになる破滅的戦争の消耗をもたらすイランに対する軍事的冒険をすることに対する警告の声が増大する。イランの抑止はナタンツではなくテルアビブに存在している。

3.首脳部の議論:ここ10日間、イスラエルの指導部内にイラン攻撃にかんする必要性と解釈に関して深刻な亀裂が生じている。政権を再度担うことになればイランが核兵器を保有するのをなんとしてでも阻止すると約束したベンジャミン・ネタニヤフ首相は、イランのアハマディネジャド大統領はヒトラーと同じだ、という考え方に固執している。ホロコースト記念日でのスピーチで、彼は再度イラン、ヒズボラ、ハマスのことを「ユダヤ国家の破壊のために活動している悪党たち」と呼び、「全世界はイスラエルとその国防軍が二度目はないと言えば、それがそのとおりであることを知るだろう」と警告した。

 エフード・バラク国防相はイランに対する好戦的姿勢では首相のパートナーとされてきた人物だが、最近はその姿勢を弱めてきている。ハアレツ紙とのインタビューで、バラクはイランはイスラエルに爆弾を落とすようなことはしない、と述べ、首相のホロコーストの件を拒絶した。バラクは、イランに対する行動はそれが大きな危険を伴うことなので、広範な市民の支持を必要とすることを理解している。

 元モサド長官のメイアー・ダガンは、いつもの事だが更にぶっきらぼうで、イランに対する空爆は「愚行」になると主張した。ダガンは物事を良く知った者のように語った:彼は最近までイランに関する情報の責任者だった。また第2次レバノン戦争時の作戦勧告は誰よりも正確であったことが証明されている。

4.イラン人は問題を抱えている:軍事的作戦は副首相のモシェ・ヤアロンのように最後の手段と考えているイスラエルのベテラン高官は、イラン政府の弱さを示すイラン内の政治的抗争に勇気付けられている。経済制裁はビジネス業界をグリーン・ムーブメントと反対の方向に追いやっている。アリ・ハメネイ最高指導者とアハマディネジャドは衝突している:宗教指導者は大統領を締め上げている。大統領は明らかに次の任期を勤めることはなさそうだ。

 イランと同盟関係にあるシリアのバシャール・アサド政権は、いくつかの市街地でのデモを押さえ込むのに必死である。このような状況下で、イスラエルにとっては干渉しないで静かにしているのがベストであり、イランとシリアでの内部問題がどう展開するか見ているべきだ。

5.暫定的結論:まもなく行われるアメリカ議会でのスピーチで、ネタニヤフはイスラエルは破滅に瀕しているという警告を繰り返すことだろう。またそのような事情にあるので、西岸の重要な地域からの撤退に圧力を掛け「悪党たち」に引き渡すようなことをするべきではないと述べるだろう。もしもイスラエルが窮地に陥れば、イランに「二度目はない」ミッションのために空軍を使用すると示唆することは、オバマにイスラエル・パレスチナ和平をイスラエルに押し付けることを阻止させていることになる。

 しかし、この脅威はうつろなものに聞こえる。イスラエル内の議論、消耗的な破滅的戦争とエジプトがどう反応するかという点に関する不確実性についての懸念は全て空爆を阻止する方向で働いている。ネタニヤフは2年間待ったあげく、今や空爆を実施することは更に困難であることを知ったのだ。

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