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リビア介入を強めるNATO

◆5月16日

 4月1日号の「石油のためのリビアの血:バンパイアー・ウォー 」や4月5日号の「アメリカ・サウジの対リビア陰謀」その他で示してきたように、フランスやイギリスなどNATO勢力が熱心にリビア介入を進めてきたが、結局はこのブログで指摘してきたように、石油にまつわる利権などが目的の介入であり、リビアを分断・切断し、支配する戦略のため反政府勢力に加担してきているということは明らかだ。

 またリビアを突破口としてアフリカ全体に対する分断工作を進めたい意向がある、という。これはまた中国のアフリカ進出に対抗する意味合いもある。

 まあ好きなだけやればいいだろう。どこまで自分達の思惑が成功するのか、見極めたらいい。時代は以前と違い、もはやこのような自己中の者たちの思惑通りになる時代を超えてきている。だから、彼らの意図がそのまま実現することはないからだ。

 ヨーロッパ勢力はその膝元から問題が出てくることにならないか? 
 リビアなどに軍事介入している暇が本当にあるのか?
 スペインの地震は一つの始まりに過ぎないのではないのか?

 ハゲタカ根性の者たちの末路は哀れだということを自ら思い知る時が迫っている。

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●リビアのバルカン化
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=24757
【5月14日 by Simba Russeau】

 「リビアでの戦闘が激化する中、同国の経済的中心であるミスラタでは、最も激しい戦闘が繰り広げられている。専門家らはもしもアメリカとNATOが国連決議1973号を利用して反政府勢力に対して武器の供給をすれば、リビアのバルカン化が始まると警告している。

 この地域では、「カダフィはアフリカ連合がアフリカ開発銀行(ADB)を発展させ、フランに替わってアフリカ通貨を使用することで欧米に対して卑屈にならず独立的であることを擁護していた」と、グローバリゼーション研究センター中東・中央アジア専門助手のマハディ・ダリウス・ナゼムロアヤはIPSに語った。

 「実際には、リビアに対する介入その頭を切り落とすことでアフリカ大陸における一つの攻撃である。彼らはバルカン化、つまりリビアの分断だけが望みではなく、アフリカ大陸全体のバルカン化が願いなのだ」と語った。

 「欧米はカダフィが独裁者で暴君であると知り、本来は一般人の保護が目的である国連決議1973号の下、彼の政権に対する攻撃準備ができている。皮肉なことは、NATOは今やEUの兵器を、以前カダフィに売却した兵器を破壊するために爆撃しているということだ」と、イギリスに本拠を持つ「武器売買反対キャンペーン(CAAT)」と協働するメディアコーディネータのカイェ・スティアマンはIPSに語った。

 それに対して、元在リビア・イギリス大使のリチャード・ダルトンはIPSに対して、「NATOはリビアに対して、ないしは北大西洋条約の枠を超えるどこにも戦略的な利害は持っていない。リビアに対しては、国連安保理決議1973号の履行に関心があるだけだ」と語った。

 「EUは安定、繁栄、良き政府をその隣人に望んでいる」とダルトンは強調した。

 リビアの一般人の保護を許可している国連決議1973号によれば、全ての加盟国は前の決議1970号の第9、10項によって定められた武器輸出禁止の厳格な履行が求められている。

 地理的には、リビアは北・中央アフリカへの玄関となっている。また東・西アフリカの間に位置している。人権擁護委員会は反政府勢力に武器を与える事で、部族紛争がリビアの国境を越えて拡大すると警告している。これは国連の付託に対する直接的な違反である、と彼らは指摘する。

 「EU諸国の中には、将来不安定さが増大することになりそうな、反カダフィ派に武器を供給することについて、思案中であるという国も存在する。これは予測できない長期的な結果をもたらす可能性があり、社会に大きな問題をもたらし、平和達成に対する障害となりうる」とスティアマンは語った。

 この例として、スティアマンは、アメリカが1980年代と90年代にアフガンのムジャヒディンの「自由」の戦士らに武器を供給していたが、紛争が長期化しアフガンと外国のタリバン勢力を含む急進的武装勢力の増大と軍閥勢力を基盤とする社会の拡散、そして市民社会の成長を阻害することに繋がっていったことがあったのだ。これに加えて、アメリカの供給する同じ武器が後になってアメリカと同盟国に対して使用されることになった。

 第二次世界大戦終了時の1945年のポツダム会談の時、ソ連、イギリス、アメリカはリビアのイタリア植民地をどうするかで、行き詰まってしまった。アメリカは国連信託統治にしたかったが、ソ連はトリポリタニアをソ連が、フェザンをフランスが、キレナイカをイギリスの委任統治にすることを提案した。

 その歴史はアメリカとEUによって繰り返されようとしている。リビアを二つの行政区、トリポリとベンガジに分断するだけでなく、アフリカの統一というビジョンを持つキーとなる競争相手を抹殺しようとしている、とナゼルロアヤは語った。

 リビアと中国は、中国が第三世界に属しリビアの石油の最大の顧客であり、50以上のプロジェクトをリビアとの間に持っているということで急速にエネルギー分野におけるパートナーになってきている。

 アジアン・タイムズ紙のアナリストであり「 Obama does Globalistan」の著者であるペペ・エスコバールは、中国は最近生じた北アフリカの紛争で、厳しい損害を蒙ったと指摘している。リビアの180億ドルに上る新しい契約は、53%減少した。これがアフリカにおける中国の利権の最小化をなすためのアメリカのアフリカ・コマンド(アフリコム=AFRICOM)の政治戦略の狙いだった。

 アフリコムの司令部はドイツのシュツッツガルトあるが、アフリカの53カ国におけるアメリカ軍の活動の責任を持っている。

 アメリカはアフリカに基地を持とうと必死だった、リビアへの介入で「その突破口が開かれようとしている」、とエスコバールがIPSに語った。アフリコムの参加はアフリカに対する中国の投資に対抗するペンタゴンの戦略である。

 エスコバールは、2010年のNATO国家のリスボン・サミットでの議題は、「地中海の完全支配とNATOの湖の確率・・・カダフィの中国とのビジネスが、ベルギー、フランス、イギリス、アメリカを苛立たせてきた」と語る。

 最近は、リビアの反政府勢力は、ミスラタ市を包囲することで優勢にあると主張している。このミスラタの戦略的港は人道的支援として出稼ぎ労働者と紛争を避ける難民を救出するキーとなるところであった。

 しかしながらナゼルロアヤは、ミスラタはアフリカ大陸で中国が連結する場所になるところで、リビアとアフリカにとって工業と貿易の重要な基地であり、反政府勢力がコントロールを維持すれば、経済的な大きな戦利品になると指摘した。

 「ミスラタは非常に重要な工業都市であり、経済的はハートランドだ。クァスル・アハメドはトリポリの東250kmに位置するが、商業の港であり、またリビア鉄鋼会社(Lisco)の主要な本部がある。この鉄鋼会社は、リビアの鉄鋼の60%を生産し、その内の50%がイタリアとスペインの市場に出る」とナゼルロアヤは語った。

 「更に、世界のエネルギー会社のトップ20に入る会社であるリビア国営石油会社の本社もここにある。外国の平和維持活動の裏に隠れて民営化(私営化)が進められている。それがEUが兵士を送りたい理由なのだ」

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