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スラビャンスク市で親ロシア派に投降した部隊の装甲車に花を捧げる市民
◆4月17日
昨日の記事で、「軍の一部に自国民弾圧の動員を拒否する部隊が出たからだ、という。ウクライナの軍内にも亀裂が入っている、ということになる」と書いたが、以下の記事では、制圧現場に向かった部隊が装甲車ごと投降した、という記事である。
給料の未払いとか食糧配給がなされていないなど、以前からウクライナ軍の問題が指摘されていたが、ここに来てク0-でターで成り上がった暫定政府の命令に従って、同胞に銃を向け、従わなければ攻撃せよ、と言われても、そんな気にならないというのも理解できる。
このようにウクライナの暫定政府は問答無用で軍を投入してでも、自国民を弾圧しようとしている権力の濫用者であり、正にナチス的であり、民衆の側に立った真の民主的政権ではないことが分かる。ヤヌコビッチは軍は投入しなかった。外国からの侵略に対する軍を自国民の弾圧に使用するというのは、邪道であり、権力志向者がよく行う所業である。
この事態は直ぐ各都市に伝わることであろうし、政府の命令を最初から拒否した部隊に続いて、その他の部隊でも暫定政府の姿勢に拒否反応を示す部隊が出てくる可能性が高まった。そうなれば、暫定政府はにっちもさっちも行かなくなるであろう。結局、ウクライナは東西に分裂することになっていく趨勢が強まったと言えよう。
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●装甲車ごと親ロシア派に投降したウクライナ部隊
http://www.abc.net.au/news/2014-04-16/ukrainian-soldiers-surrender-apcs-to-pro-russian-separatists/5396014
【4月16日 ABCReuters】
(BBCのユーチューブ映像使用:ブログ主)
ウクライナ軍の装甲兵員輸送車(APC)群はウクライナ兵が投降した後に、現在は親ロシア分離主義者たちの管理下にあると思われる。
ロシアとウクライナの論戦のさなか、この出来事は親ロシア分離主義者の挑戦的態度に勢いをつけ、東ウクライナの10あまりの都市における政府庁舎占拠を終息させようとするウクライナ政府の思惑に打撃を与えた。
ウクライナ軍は15日、クラマトルスク市近郊の飛行場を制圧した後、このAPCを駆ってウクライナ国旗をたなびかせて市中に入っていった。この件ではロシアのプーチン大統領がウクライナは内戦の危機にある、と指摘したばかりであった。
しかし、このAPCは後になって、スラビャンスクの中心で親ロシア分離主義者の手中にあることが目撃された。
これらのAPCは、疲れた迷彩服の兵士を乗せて、ロシアからわずか15kmしか離れていないスラビャンスクにロシア国旗と分離主義者たちの旗をはためかせて入っていったのだ。
彼等は分離主義者に占拠されている市庁舎の外に停止した。彼等が手を振りながら入っていくと、何人かの人々が手を振り叫んだ:「よくやったぞ、同士!」そして、「ロシア、ロシア!」
上空ではウクライナのジェット機が数分間、脅しを掛けるように曲芸的飛行を行っていた。
一人の兵士は、ドゥニプロペトロフスクの第25空挺師団の者だと、クラマトルスクのジャーナリストに語った。彼と彼の仲間は基地では三日間、食糧の配給が無かったと語った。
「全ての兵士と将校らがここにいる。我々全員、自国民に銃を向けるつもりはない」とこの兵士は語った。彼のユニフォームには所属を示す標章は何も無かった。
「彼等は我々に食糧を配っている。誰に向かって我々は闘うというのだ?」と彼は語った。クラマトルスク市の人々がお茶や食糧をウクライナの兵士に配っていた。この兵士らは汚い身なりで疲れて見えたが、彼等は四日間の演習をしていた、と語った。
フェリックスと名乗るクラマトルスク市の市民の一人は、ウクライナ軍が親ロシア分離主義者らに自分達の車両を差し出すのを見た、と語った。
ウクライナ軍であることを示す標章のある車両が武装した親ロシア分離主義者らに平和裏に彼等の車両を明け渡す様子がユーチューブで見られる。
武装した親ロシア活動家でバルと名乗る男は、ウクライナ兵士等は我々の側についた、と語った。
「スラビャンスクの制圧に向かっていたウクライナ軍の車両は、クラマトルスクで人々に停止させられた。彼等は阻止された」と彼は語った。
「彼等は我々に来るように要求した。我々が着てみると、彼等空挺旅団は我々の側についたのだ」と彼は語った。
スラビャンスクの親ロシア分離主義者のスポークスマンは、ウクライナは話し合いの後、投降した。力による脅迫があったかどうかは分からない、と語った。
ウクライナの国防大臣のミハイロ・コバルは、何が起きているのか知る為にドネツク州に向かっている、とキエフで副首相のヴィターリ・ヤレマが記者団に語った。
「始めは、装甲兵員輸送車は反テロリスト作戦のため市に入ったという情報があったが、その後どうなったか・・・」と、言葉を濁しながらヤレマは語った。
一方、NATOは、ウクライナの危機のために、東ヨーロッパにおける軍事力を強化する段取りをすぐに取る決定をしたと語った。
「海、空、陸上で直ぐ軍の展開があるだろう。数日以内にある」とNATO事務局長のアンダース・フォグ・ラスムッセンは語った。
NATOの戦闘機のバルチック空域での出動は増加し、同盟国の艦船はバルチック海、東地中海その他に展開し、同盟国の陸軍参謀らはNATOの準備態勢、訓練、演習の改善を目指して派遣されることになるだろう、と彼は語った。
NATOの最高司令官のフィリップ・ブリードラブ将軍は、この動員は純粋に防衛的なものである、と語った。
「我々は同盟国に対する第5項集団的自衛権の完全なコミットメントを保証するための方策を取るのであり、そのための動員である」と彼は語った。
アメリカ、EU,ウクライナ、ロシアの代表者らが状況の収拾を話し合う為に今、ジュネーブに向かっている。
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