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裏切られた革命の地リビア
◆4月5日
3月24日号の「ドイツは対リビアNATO軍から撤退」で「 アラブの親米国家で彼らも違った意味での独裁国家の主たちが、このリビア作戦に手を課そうとしている姿も醜い」と指摘したように、今回のリビア攻撃の裏では、やはり取引があったという。
サウジアラビアを筆頭とする湾岸諸国はバーレーンにサウジが軍を送って鎮圧することをアメリカはじめNATOが黙認する代わりに、リビアの飛行禁止空域設定で、国連安保理決議に従ってアラブ連盟でも賛成するという条件を呑んだという。
今や腐敗の極地に上り詰めたサウジと湾岸諸国は民族としての最後の誇りも捨てて同じアラブ民族のリビアを売ってこの世の権力にしがみつく道を選んだ。彼らの最後が目に見えるようだ。
しかもそのリビアでも、反政府勢力の内容も当初とは大きくかけ離れ、途中から出てきた権力者の端くれだった者たちが、欧米NATOの手先となって、リビアの石油埋蔵地帯の権力者になりすまそうとしているようだ。こうして権力は最初から腐敗したものの手に落ちた。これは正に「裏切られた革命」だ。
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●アメリカ・サウジの対リビア陰謀
http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/MD02Ak01.html
【4月4日 by Pepe Escobar】
あんたがバーレーンに侵略したのだから、こっちはリビアのカダフィを取り除くぞ。
簡単に言えば、オバマ政権とサウド家の間でなされた取引のエッセンスである。国連の二つの外交筋は、クリントン国務長官を通してアメリカは、サウジアラビアにバーレーン侵略にGOサインを出し隣国の民主化運動を圧殺する代償に、国連での飛行禁止空域設定を決める安保理決議1973号にアラブ連盟に「賛成票」を出させた、ということを追認した。
この話は二つの異なる外交管、ヨーロッパとBRICグループ国から出てきたもので、別々にUSスカラーとアジア・タイムズ・オンラインに掲載された。外交議定書によれば二人の名前は明かされることはない。一人の外交管は、「これがため、我々は1973決議に賛成できなかった。我々はリビア、バーレーン、イエメンは似たケースであることを話し合った。それで現地調査団を設立するよう要請した。我々はこの決議は明確でないという立場を維持しており、またこの決議内容が戦争拡大に利用されやすいと考えている」と語った。
アジア・タイムズ・オンラインは、飛行禁止空域に対するアラブ連盟の全面的な承諾という件でははっきりしない部分があると報じている。22カ国のメンバー国で、たった11カ国のみ参席していただけなのだ。その内の6カ国は湾岸協力会議メンバー国(GCC)で、アメリカの支援する湾岸の王国・君主国であり、サウジアラビアがそのトップにいる。シリアとアルジェリアは反対した。サウジは賛成票を決めるのにただ3カ国だけ「お誘い」すればいいだけだった。
つまり、アラブ連盟の22カ国の内、飛行禁止空域設定に賛成したのは、9カ国だけなのだ。この賛成票は基本的にはサウド家主導の作戦だったのであり、これに次のエジプト大統領を狙って自分の履歴に箔を付けたいアラブ連盟事務局長のアムル・ムサ将軍が協調したのだ。
こうして、最初は2011年の偉大なるアラブの反乱が起きたのだが、無情にもアメリカ・サウジの反革命運動が起きてしまった。
◆不当利得者らは喜ぶ
ベンガジの仮定上の虐殺を空爆で阻止することができたと言っているように、人道主義的帝国主義者は、これは「陰謀だ」とひとまとめにして言うことだろう。湾岸でイランの破壊工作を潰したと言って彼らはサウド家を擁護するだろう。明らかに「 R2P」-「保護責任」はバーレーンの民衆には適用されない。彼らはアメリカ情報工作員、秘密工作、特殊部隊、それにやばい請負人らで出来上がるカダフィ後のリビアを新しい、石油に満ちた、人権のメッカとして推進することだろう。
彼らが何を言おうとも、アメリカ・サウジの協調による生々しい結果としての現実を変えることはない。アジア・タイムズ・オンラインは既に、リビア介入で誰が得したかという点についての報告をしている。ペンタゴン(Africom:アフリカ・コマンドを通して)を含む加担者は、NATO、サウジアラビア、アラブ連盟のムサ事務局長、そしてカタールである。このリストに、アル・カリファ王国のバーレーン、兵器契約者、新リビアで見えるもの、水さえも全てを私有化したがるネオリベラルと思われる者らを加えることができる。そして、我々はリビアの石油・ガス産業の上を舞っている欧米のハゲタカどもさえまだ語ってはいない。
これに加えて、人道的作戦としてなされた湾岸諸国と北アフリカを巻き込んでのひどい地政学的クーデターを売るオバマ政権の偽善的姿勢に驚かされる。イスラム教国家に対するもう一つの戦争ということでは、これはただ、「動力学的軍事行動(キネティック・ミリタリー・アクション)」である。
軍事的な手詰まり状態を考慮すれば、またカダフィ家を爆撃で亡き者にせんとする「意思の連帯感」の不足があるので米英仏は、湾岸の首長国の北アフリカ版である東リビアの制圧を果たす事で手を打とうとしている、とアメリカと中東全域で広く疑われている。この場合、カダフィは飢えに苦しむ北朝鮮型のトリポリタニアと一緒に取り残されることになろう。
しかし、カダフィ政権からの最近の高官などの離脱者を考慮し、願われている最終局面を考えれば、米英仏とサウジは妥協はしないで、AfricomとNATOの戦略的基地を含む全てを取ってしまおうとするかもしれない。
◆いつもと違う疑惑概要
アメリカ・サウジ陰謀の副作用は、ホワイトハウスはバーレーン問題がアメリカ・メディアによって埋もれるよう、できることは全てやっているということだ。BBCアメリカニュースのキャティー・ケイは、少なくとも以下のように強調する品位は持っていた、「シーア派による反乱を支持するということに実際的なプラスの要素はないので、バーレーン問題は放っておきたいようだ」
カタールの首長、シェイク・ハマド・ビン・カリファ・アル・タニは、アルジャジーラに出演し、リビア民衆がカダフィに攻撃されていたのだから、行動は必要だったと語った。アルジャジーラのジャーナリストは首長に対して、イスラエルから攻撃されるパレスチナ人を守る為、あるいはサウジから攻撃される隣国バーレーンの人々を守る為に、カタールのミラージュ戦闘機を送ったら、と丁寧に質問することもできただろう。
バーレーンのアル・カリファ王朝は、230年前からスンニーの一団のものである。20世紀の大半を通して彼らはイギリス帝国の奴隷に甘んじた。現代のバーレーンはイランからの圧力の亡霊の下にあるのではない。それはアル・カリファ(とサウド家)の幻想である。
バーレーンは歴史的にイランに率いられるシーア派の国家の一部であることを常に拒絶してきた。この抵抗の姿勢には歴史があり、真実の民族運動の一部であり、セクト主義を超えたものだ。アル・カリファの警察国家によって破壊されたが、真珠広場に掲げられた「スンニーでもシーアでもない、バーレーンだ」というスローガンに不思議はない。
反政府デモ隊の要求したことは立憲君主制である。正当な国会、自由で公正な選挙、腐敗の絶滅などだ。彼らが獲得したものは「ビジネス・フレンドリーなバーレーン」の代わりに、「ブリット(弾)・フレンドリー・バーレーン」であった。そしてサウド家がスポンサーの侵略だ。
そしてアメリカのメディアには見えない抑圧が継続している。ツイッターらは誰でもが逮捕されていると言って叫んでいる。バーレーン人権センターのナビール・ラジャブ所長によれば、400人以上が行方不明か勾留されている、と言う。何人かは「他のアラブ諸国やアジアの国々から来たチンピラたちによってコントロールされている検問所で逮捕された。この検問所の者たちは通りで黒覆面をしている」と言っている。ブロッガーのマハムード・アル・ヨシフは午前3時に逮捕された。彼はバーレーンでブログやツイッター、フェイスブックで改革に賛成というメッセージを出していると皆逮捕されるのでは、と恐れている。
◆意気盛んな世界警察
「オデュッセイの夜明け作戦」は終了した。カナダのチャールス・ブッチャードが率いる統一保護隊の登場だ。つまり、ペンタゴン(Africomの装いで)はキネティック・ミリタリー・アクションをそれ自身に帰したのだ(NATOに:ペンタゴンが支配するヨーロッパ)。AfricomとNATOは今や一つだ。
NATOショーは、空爆と巡航ミサイル攻撃;リビアの海上封鎖;そして「反乱勢力」を支援するための何らかの地上作戦を含むであろう。ハードコア・ヘリコプター・ガンシップの攻撃がコラテラル・ダメージ(付帯的損害)を出しながら行われるであろう。
奇妙なことが起きている。NATOは慎重にカダフィ軍に地中海沿岸を進出させて反乱勢力を追撃させていることだ。ここ暫くは精密爆撃は行われていない。
この目的は恐らく政治的経済的妥協を離脱者側から引き出すことにあるだろう。暫定国民評議会(INC)の前法相のムスタファ・アブデル・ジャリル、前計画相のマハムド・ジブリル、新軍司令官でCIAのアセットのカリファ・ヒフターらだ。2月17日のあっぱれで自発的な青年運動、ベンガジの前線で戦った者たちは、完全に脇に追いやられている。、
アフガンがNATOの最初の中央・南アジア戦争であったように、これがNATOの最初のアフリカ戦争だ。国連の武装した軍として固く組み込まれて、世界警察NATOは、昨年11月のリスボンサミットで承認された「戦略的コンセプト」の達成に動いている。
カダフィのリビアは除去されねばならない。そうすることで古代ローマ人のマレノストルム
である地中海がNATOの湖になる。リビアはアフリカ・コマンドやセントラル・コマンドないしは多くのNATOの「パートナーシップ」に従わない北アフリカで唯一の国である。その他でNATOに関係しない国はエリトリア、サワヒリ・アラブ民主共和国、スーダン、ジンバブエだ。
更に、NATOの二つの「イスタンブール協力イニシアチブ」、カタールとアラブ首長国連邦は、今や初めてアフリカ・コマンドとNATOと共に戦っている。これはつまり、NATOと湾岸諸国のパートナーはアフリカで戦争をしているということ。ヨーロッパだって? それはあまりに地域限定的なのだ。世界警察は行くべき道がある。
オバマ政権自身の公式の二重表現(ダブルスピーク)によれば、「アメリカの手の届く」独裁者ら、例えばバーレーンやイエメンの独裁者らは安心してよいし、何でももって逃げればよい。アフリカから中東、アジアの「政権改変」が妥当と思われるところは、注意せよ。世界警察NATOがお前をやっつけにくるぞ。汚い手を使ってかそうでないかは別として。
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